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(28.6.22) グローバリスムの退潮と金融資本時代の終わり  なぜアベノミクスの効果がなくなったのか!!

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 今思うと2008年のリーマンショックがグローバリスムが終焉した日であったことが分かる。
その時までアメリカやイギリスを中心とした金融資本が世界を一つの市場にして暴れまわっていたが、その旗印がグローバリスムだった。
世界標準とも言われたが世界共通の取引ルールを設定し、個別国家の介入を排して市場に取引を委ねる言うのが基本的なコンセプトで、そしてその市場のルールとは実質的にアメリカとイギリスのルールであり、それを日本をはじめとする諸国に押し付けたというのが実態だった。

 もともとグローバリズムは1980年代後半の日本の金融機関の急激な世界進出に恐れをなしたアメリカとイギリスが対抗策のために編み出した戦術で、BIS規制といわれ自己資本が8%以上ない金融機関は国際業務ができないという取り決めだった。
当時日本の金融機関は資金量で世界のトップテンをほとんど占めていたが、大手金融機関はすべてオーバーローンの状態で、自己資金比率はせいぜい3%程度だった。
日本さん、世界各地で融資を拡大していますが一旦業況が悪化すれば自己資本だけが最後のよりどころです。国際業務を行うなら自己資本は8%が必要です。これが国際的なルールというものです

 日本はアメリカから責められてこのBIS規制を受け入れたが、これは日本の金融機関が世界市場で敗退する引き金となった。当初は妥協策として日本の金融機関は株式の含み益を自己資本に算入することが認められたが、1990年前後のバブル崩壊によって株式の含み益はすっ飛んでしまい、結果的に貸出金の圧縮を図って8%の自己資本比率を維持しなければならなくなった。
分母を小さくしてかろうじて自己資本比率を維持するという涙ぐましい対応を余儀なくされ、世界市場から撤退させられたのだ。

 この間をぬって世界の金融市場に打って出たのがアメリカとイギリスの金融機関や投資会社で、以来ニューーヨークとロンドンが世界の金融の中心地となり、東京は日を追って衰退していった。
アメリカやイギリスの金融支配の方法は日本の金融機関が行っていた融資ではなく、サブプライムローン等のディリバティブ商品で証券投資という形態をとったが、この世界戦略に齟齬が発生したのがリーマンショックである。
日本を蹴落としてから20年、我が世の春を謳歌していたアメリカとイギリスのグローバリズムが終焉したその原因は日本と同様の不動産バブルの崩壊で、サブプライムローンという本来ほとんど価値のない不動産を抵当に発行した証券が、バブル終焉に伴って焦げ付いたからだ。

 そしてそれから約8年たったが、当初はまだリーマンショックがアメリカとイギリスによる金融資本の終焉だとは思われていなかった。
その最大の理由はアメリカ、EU、日本といった先進諸国が超資金緩和を行い湯水のように資金を市場にばらまいたことと、当時はまだ中国が破竹の経済成長を遂げていて世界中から原油や鉄鉱石を買いまくっていたため、ばらまかれた資金を使用して投資行為を継続することができたからだ。
アメリカの投資会社や金融機関はいち早く収益が改善し、リーマンショックの傷から抜け出したとたからかに宣言できたのもこのためだ。

 FRBもEUCも日銀も市場に毎月それぞれ10兆円規模の資金をばらまいてきたが、その資金は鉄鋼や原油や天然ガスといった鉱物資源や、世界の不動産に向かって流れて行って、経済をけん引していた中国や中国に群がったEUや韓国やオーストラリアやブラジルの経済成長を後押ししていた。
リーマンショックはあったが世界はまだまだ成長するし資金需要は旺盛で、アメリカとイギリスの金融支配はまだ続くと認識されていた。

 だが2014年の夏になって世界経済に激変が走った。中国経済のバブルが崩壊し中国経済が崩壊し始めたからだ。これを山崎経済研究所の山崎所長は中国ショックといっている。
以来あらゆる鉱物資源はピーク時の半分から4分の1程度まで低下し、また不動産も中国人の富裕階層が中国脱出のための不動産手当てをしているのを除けば、全く振るわなくなった。
その後世界中から資金需要が潮が引くように消えてしまい、世界中で金余り現象が発生している。
日銀がいくら金融を緩和しても一向に資金需要はなく金利はマイナスになっているが、このことは投資資金としての資金は全く必要がなく返済の方が多いということを意味している。
超金融緩和策も中国というアンカーが消え去れば効果はない。

 黒田日銀やEUCのバラキ総裁がいくら金を市場につぎ込んでも市場は全く反応しなくなった。
世界の株式価格は一斉に低下して、不動産価格も中国などではたたき売りの状況になっている。
アメリカや日本の優良地の物件の不動産価格が上昇しているのは中国人が中国脱出のためにパニックになって購入しているためで投資で行っているのではない
リーマンショックから8年、中国の経済崩壊から2年たって今世界中でアメリカやイギリスの金融機関は退潮し、グローバリスムの時代が終わったことが確認されている。

 世界中から投資資金が引き上げられ超緩和策も効果がなくなりアベノミクスにも限界が見えてきた。
先進諸国は1%前後の経済成長がやっとで、中国は実質的にマイナス成長に陥っている。金融が世界をリードする時代が終わり、アメリカやイギリスの金融資本がディリバティブで荒稼ぎした時代は終わってしまった。

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評論 世界経済」カテゴリの記事

コメント

上手にまとめてあり、参考になります。次の時代の予測はどうでしょうか??今、英Eu離脱が話題ですが、残留派=グロバルは、離脱=ローカル派ですよね。トランプはローカル、ヒラリーはグローバル=ウォール街、ロシアはローカル、支那共産党はグローバルです。私は英国離脱を期待していますが、マスメディア=グローバルのプロパガンダがすごいですよねえ

投稿: NINJA300 | 2016年6月22日 (水) 07時21分

経済は貨幣中心の経済原則のルールの下で、公正に競争する宿命を与えられている。支出以上に収入が得られないもっとも重要な宿命の下での人々の経済活動が運命づけられている。

金融危機が起こるのはこの原則を理解していないことが原因なのだ。現代金融の利益の源泉は以下のようなものだ。

バブル崩壊の悪影響は民間債務を民間の資金循環で返済解消できず、債権者と債務者間で、清算手続きが必要になることだ。金融の経済学の欠落の結果、金融機関の暴走が始まり、民間の債務額が極度に膨張してしまった後では民間の債務清算過程は実質的には先延ばしされる。

つまり、バブル崩壊から数年ないし数十年は民間債務の減少と同額の公的債務の増加が起こる。民間の清算による民間貯蓄の減少は政府債務の増加で補てんされて、貯蓄毀損による急激な消費の減少を抑え、経済が大幅にマイナス成長になることを抑止する。

こうして民間バブルの清算は先延ばしされるが、最大最終バブルの国家債務は確実に膨らんでいく。同時に日本のように国家債務に骨の髄まで頼らなけらばならない社会が成立する。

日本はバブル崩壊後の未来に、納税者の負担で、バブルの損失を解消することもできず、健全財政に戻るだけでも大混乱の構造改革が必要になる。

投稿: pij | 2016年6月23日 (木) 06時00分

要は、今の資本主義は成長を前提にしいることが問題だと思います。だから、GDP増やせ、労働人口増やせ、カネの量を増やせば成長できる。
その結果が、いまのFRBやBOJの膨張したB/Sです。成長をしていないのにお金の量を増やしていると、いつか限界がきます。1単位しかお金がいらないのに、5単位もカネをだしている。でもインフレにならない状況。そして1%の金持ちが50%の資産を保有しています。つまり残りの4単位のお金のほとんどは金持ちがもっている。そして、おそらく債券市場や株式市場へいっている。それが今の債券や株式市場が怖い理由です。

でも考えてみれば、人口が減れば、大きな公園を独り占めできるなどインフレ/人口が高まるというメリットもあるんですよねえ。

投稿: NINJA300 | 2016年6月23日 (木) 08時39分

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