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(28.6.29) 病気療養中のため二日に1回の割で過去の旅行記を掲載しています。「ネパール 布教日誌 その9」

病気療養中のため新しい記事は二日に一回の割合で掲載し、その間は過去の探訪記を再掲しております

(24.9.15) ロドリゴ ネパール日誌 その9 「ジュムラからの脱出」

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ジュムラ飛行場とジュムラのホテルをこうして何往復かした

 ネパールでは飛行機は何で飛ぶかご存知でしょうか。
ジェットエンジン」とか「揚力」とか答えたらそれは間違いなのでございます。
実はネパールでは飛行機は「政治力」で飛ぶのでございます。

 われら布教団一行がジュムラから脱出しようとして2日間この村に足止めされていたことは先に述べました。
われらが乗るべき飛行機そのものは1週間にわたってこのジュムラ飛行場に現れず乗客は溢れかえっておりました。

 クナーカ様はジュムラからネパール・ガンジー行きのタラ航空を諦め、他のルートによる脱出を検討しておりました。
ロドリゴだけは徒歩でガンジス川の波頭まで歩き、他のメンバーは他の航空会社の便でネパール・ガンジー近くの飛行場まで行って、そこからは自動車をチャーターしネパール・ガンジーにいくと言う脱出計画でございました。

 しかし信じられないようなことが起こったのでございます。
通訳のフッド君が「政治力」でタラ航空の飛行機を飛ばしてしまったのでございます。
フッド君はネパールで最も著名な大学の一つを出たのでございますが、友人の多くが役人や新聞記者になっておりました。

 そこでフッド君は新聞記者の一人に電話をして「ネパール布教団のジャポン人一行がジュムラの村に閉じ込められて帰国できない。タラ航空は色々理由を挙げているが本当の理由はパイロットが飲んだくれて操縦をしないためで、このままいくと国際問題になる。この事実を新聞で取り上げてほしい」と依頼したのでございます。
新聞記者はカトマンドゥにあるタラ航空本社に事実関係を確認しにいったのですが、驚いたのタラ航空の本社でさっそくネパール・ガンジーの事務所にジュムラへ飛行機を飛ばすように指令が出たのでございます。

 それまで「機体が壊れた」「パイロットが結婚式に出向いている」「今は飯の時間だ」気流の悪いのでジュムラに飛行機を飛ばすのはきちがい沙汰だ」などといっていた職員が打って変わって愛想がよくなリました。
そして信じられないことにはタラ航空はこの航路が定期運行路線であることを思い出してくれたのでございます。

 もっともロドリゴだけはクナーカ大主教様の心温まる指示で一人徒歩で苦難の旅をし晴れて聖者になる予定でございました。
ところがクナーカ様から「イエズス会の本部に問い合わせたら”ロドリゴだけは聖者にしない。そんなことをしたらオラウータンでさえ聖者になる”と反対しており、仕方がないからタラ航空の飛行機に乗ってジャポンに帰ろう」とのお話がございました。
クナーカ様、オラウータン はロドリゴほど利発なのでございましょうか
「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
かくしてロドリゴもタラ航空の飛行機に乗ることになったのでございます。

 しばらくして搭乗の手続きが始まりわれらは搭乗控え室に通されました。しかしそこは乗客予定者で溢れかえっており、1週間飛行機が飛ばなかったことによる乗客でごった返しておりました。
はたして全員搭乗できるのだろうか、もしかしたらダブル・ブッキングがあって実際は乗れないのではなかろうか」と不安感が頭をよぎりました。

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ようやくやってきたタラ航空の飛行機

 飛行機はなかなか現れず午後になりようやく2機の飛行機がここジュムラ飛行場に舞い降りてきたのでございます。
この飛行機は18人乗りですので全体で36名乗れるのですが、どう見ても控え室にいる人数はそれを上回っているようでございました。

 係りの国家警察の係官が飛行場に通じるゲートを空けると突然一人の若者が係官の制止を振り切って飛行機に突進しようとしました。
屈強な係官が若者を追いかけ首根っこを押さえて飛行場の外に追い出しましたが、マリア様のお話ではこの若者は航空券を持たずただ乗りをしようとしていたとのことでございます。
飛行機のただ乗りはジュムラでは日常的にあり係官とのバトルが繰り返されているようでございました。

 われら一行は2機のうちの1機に優先的に乗せるように国家警察の係官が誘導しておりました。何しろこの飛行機はジャポン布教団の救出機ですのでそのように指令が出ていたのでございましょう。

 しかし収まらないのはネパールの方々です。われらの背後にはまだ多くのネパール人がおり、乗れなくなった数名のネパール人がこの飛行機に乗ろうとタラップにしがみついておりました。
俺は航空券を持っているのになぜ乗れない」そのように叫んでいるようでございました。
それを国家警察の屈強な係官が実力で引きずり落としていたそうでございますが、これも最後に乗ったマリア様の目撃情報でございます。

注)ロドリゴはダブル・ブッキングがあると予想して真っ先に飛行機に乗り込んでおりました。

 

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国家警察の女性係官。気さくに写真に応じてくれた

 かくしてジュムラに来てから3日目にフッド君の政治力でここから脱出ができたのでございます。
パイロットは2名でコクピットのドアーはあいておりましたので、パイロットの会話が聞こえたのですが、フッド君によるとそれは以下のようなものだったそうでございます。

正パイロットお前がいつまでも食事をしているから、ジュムラの到着が午後になってしまったではないか。ここは気流が悪いんだから午前中に飛ばなければ駄目だ

副パイロットそんなことを言っても腹が減ってはどうにもならないだろう。あんただって飲んだくれていたではないか

 われら布教団一行はこのようにして3日目に必死の思いでネパール・ガンジーに飛びそこからカトマンドゥに帰ることができたのでございます。

注)なおネパールの名誉のためにいっておきますが、飲んだくれの航空会社はタラ航空だけのようでございました。

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