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(28.5.29) 豚と人間の身長を比較して何の意味があるのだろうか?  フォーブスの世界有力企業ランキング

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 豚と人間の身長を比べて高い方から並べることに何か意味があるのだろうか。
フォーブスが発表した世界の有力企業2000のランキングのことである。
これによると1位から3位まで中国の国営銀行が名を連ねている。
一位 中国工商銀行,二位中国建設銀行、三位 中国農業銀行となっていて、さらに6位に中国銀行が入っている。
トップテンを中国の国営銀行が上位を独占しているといっていい。

 このランキングは売上高、利益、保有資産、株式の時価総額でウェイト付けして評価したものだが、このランキングの最大の問題点は豚と人間の身長を比較していることだ。
豚とは中国で人間とは主として先進国の企業をさす。

 なぜ中国が豚かというと不良債権を適切に評価していないため極端に利益率が高くなっているからだ。
不良資産比率は日本の主要銀行と全く変わらないが、実際は中国の製造業は不良資産だらけのゾンビ企業ばかりだ。
鉄鋼業や石炭業などは生産すればするだけ赤字が膨らんでいるし鉄道業も新幹線は閑古鳥が鳴いている。
しかしこうしたゾンビ企業への貸出債権は中国では信じられないことに優良資産になっている。

 理由は中国の国営企業は絶対といっていいほど倒産させないから、倒産しない企業向け融資は優良資産として評価されることになる。
なにしろ国営企業の従業員はコネ採用で共産党党員ばかりだし、幹部は国営企業を渡り歩いて最後は北京の中央政治局に滑り込むのが目的だから、国営企業をつぶしては共産党員のキャリアアップの場所がなくなってしまう。
だから赤字が累積すると国営銀行から資金を調達して(これを赤字見合い資金という)何事もなかったように平静を保つ。
わが国の企業業績は全く問題がない。その証拠にいくらでも銀行が金を貸してくれている!!」

 実際は赤字分の補填を国営銀行が懸命に行い、その国営銀行を中国人民銀行(中央銀行)が支えている。中央銀行は金を印刷するだけだからいたって気楽だが、中国経済の拡張期には「成長資金の供給」として問題がないものの、一方車輪が逆回転して「赤字見合い資金の供給」になると紙幣の印刷はインフレ、それも悪性のインフレにつながる。
昨年から潮目が変わり悪性の資金供給を行っており、悪性インフレの爆発が近づいている。

 もともと国営企業の財務は生産統計が主体で複式簿記による利益の計算など行っていないも同然だから利益があるのか損失があるのか経営者も把握していない。
ただ資金繰りは正直だから金が足りなくなれば国営銀行に泣きついているだけだ。
だからフォーブスが行っている世界の優良企業のランク付けに中国企業を入れるのは全くの間違いで、中国の国有銀行は実際は利益が急速に減少して不良債権の山を築いているのに世界最高の評価になってしまった

 あまりにあほらしいランキングだが、実は1980年代後半の日本の金融機関がこのあほらしいランキング(当時は資金量)で世界のトップテンをほぼ独占していた。
私が所属していた金融機関もそのトップテンに入っていたので当時は「俺は世界の最高ランクの従業員か!!」などと思ったがそれはひどい錯覚だった。

 1990年の初頭にバブルが弾けるとそれまで優良債権と思っていた不動産融資がことごとく焦げ付いてしまい、あれよあれよという間に不良資産比率が上昇したが当初はこの不良債権の増加を認めなかった。
また不動産価格は上昇するのでこの貸出債権は不良債権ではない。我が社の経営は健全だ
しかし実際はその後不動産価格は長期低迷を続け、いつまでたっても改善しないためとうとう長銀や日債銀や北海道拓殖銀行が倒産してしまった。

 現在の中国の国有銀行の様は当時の日本の大手銀行の実態にそっくりだ。違いは中国の場合は絶対に不良債権の存在を認めないことで、一方日本はアメリカにせっつかれて資産査定を厳格にしたため上記銀行は倒産し残った銀行は合併を余儀なくされた。

 さて中国のこの豚銀行の運命はどうなるのだろうか。中国では基本として国営企業は倒産させないから、中国共産党が政権を維持している限り生き残ることにはなりそうだ。
その結果中国の国営企業と国営銀行は赤字だらけになるが、建前上赤字はないことになって相変わらずフォーブスの世界有力企業ランキングの上位に位置し続けるだろう。

 実に下らないことをフォーブスは行っている。


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