(28.3.18) 世界の証券市場は大合併が始まった。日本は取り残されるが致し方がない。
世界の証券市場で合併が進みだした。
ロンドン証券取引所とドイツのフランクフルト証券取引所が合併するという。
現在世界をリードしている取引所はアメリカの3社のニューヨーク証券取引所、シカゴマーカンタイル取引所、ナスダックと今回合併するヨーロッパの取引所、それに中国の香港、上海、深圳といったところが大どころで、日本の東京証券取引所は規模においても商品の品ぞろえにおいてもローカルな取引所になってしまい、かつてバブル最盛期に は世界最大規模の時価総額を誇っていたのが今では夢のような話になっている。
いわゆる停滞の20年間に日本は証券業務においてアメリカやイギリスに完全に水をあけられてしまった。
取引の中心が現物から先物に移り、扱う商品も株式以外のコモディティ等に移っていったのだが、この流れに安全に乗り遅れている。
アメリカにおいても今では中心は商品先物や金融先物を扱うシカゴマーカンタイル取引所が世界をリードしており、現物株式中心のニュヨーク証券取引所はじりじりと後退している。
日本では大阪取引所で商品先物や金融先物といったいわゆるディリバティブ商品を扱っているが、取引規模は大きくなくアメリカやイギリスに比べると今一つ日本にはなじんでいない。
かつてといっても私が現役のころだったがディリバティブ商品の講習会が社内で何回も行われたが、私など何度聞いても今一つ釈然としなかったものだ。
「ディリバティブとはやくざのちょうはん博打とさしてかわらないのではないか」と思ったものだが、本質的にばくちである。
証券業取引はどうやら日本人の体質に はあわないようでアメリカやヨーロッパの後塵を拝するのはやむおえないのではないかと思われる。
日本人の労働観は額に汗して働くことだが、一方証券取引は相手の隙をついて一獲千金を狙うところがあり、農耕民族と狩猟民族の本質的な違いを感じさせる。
すべての面において日本が世界をリードできるわけがないから、日本人になじまない証券取引、わけてもディリバティブなどには手を出さない方が賢明だろう。
また隣の中国では香港、上海、深圳で訳の分からない中国政府介入の取引が横行しているが、こうした場所も日本人が近づかないのが賢明だ。
日本人に は日本人のやり方があるのだからアメリカや中国の真似をすることは必ずしも懸命でなく、証券業が日本の主要産業にならないのはやむおえない。
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コメント
日本は時代が変わってしまったようです。 今時の証券会社も最早株の手数料稼ぎの株屋企業でなく年金保険、証券担保ローン、運用管理費狙いの投資信託の販売が主力で、ノルマに追われた夜討ち朝駆けの株取引営業マンなどとっくに・・・。
今日も昨日も外人に売りまくられ株は下がる一方です。手の付けようがない事態、企業業績がどうのファンダメンタルスがどうのとかは全く通用していないようです。日本の証券取引所はホントにローカルな存在がピッタリです。
それにしても偉そうなことを言ってたアナリスト、○○証券首席研究員、○○証券情報部長さん達、今予想屋がいかに惨めな仕事か身に染みてますか。この連中は皆ありきたりな事を言って株は今年2016年も上がると言ってましたね。
今我々は自分のカネは他人に委託、あるいは投資などしてはいけない、金庫替わりに保管させるだけがベストだ知っています。ただし銀行も証券屋的ですから要注意ですが。
投稿: 絶望人 | 2016年3月18日 (金) 09時53分
日本人の体質に合わないのではなく、農耕民族と狩猟民族の違いでもありません。人材は十分に存在しました。
ただ、金融監督庁の規制があれだけきつく、取引所が保守的だから、シカゴやシティーとちがって、育たなかっただけです。いや、ジジーどもがデリバティブ市場を育てなかっただけです。おかげで日本は何万人もの雇用創出機会を失いました。
いまは、日本株でも外国人FMが運用している投信が多いです。なぜでしょうか?日本人が若手FMにチャンスを与えなかっただけです。
日本は敗戦で金玉抜かれた世代がだめにしました。これが本質であります。
投稿: NINJA300 | 2016年3月18日 (金) 11時55分