(28.3.31) 習近平体制の隙間風 「みんなが俺の悪口を言っている!!」
ここに来て習近平体制に隙間風が吹いている。事の起こりは昨年の10月に香港の銅鑼湾書店の関係者が次々に失踪したことから始まる。銅鑼湾書店は香港では名の知れた反体制派の書店で、習近平の香港支配を苦々しく思っていた書店だ。
その銅鑼湾書店が「習近平とその愛人」というスキャンダル本を出版しようとして準備を進めていたが、それが北京政府に察知され関係者が次々に逮捕されてしまった。
もちろん香港にいれば香港警察が担当しなければならないのだが、そうしたルールを無視して北京政府の公安当局が香港で拉致を決行している。
公安当局は「銅鑼湾書店の関係者が本土で売春をしたので取り調べている」と公表したが、香港の民主団体は「売春をしたのは習近平だ」と反論している。
さらに最近になって無界新聞と称するサイトに実に大胆な論文が掲載された。
無界新聞とは北京政府御用だてのメディアだが、一般のサイトを装っていた。理由は新華社だとか人民日報などというメディアでは誰もまともに見てくれないからだ。
「どうせ政府のプロパガンダなど見たくもない・・・・・・・」
仕方がないので一般のサイトを装って政府のプロパガンダを広めようとしたのがこの無界新聞だが、あろうことかそこに習近平氏への個人攻撃が掲載された。
「習近平氏の反腐敗運動により地方幹部が委縮して仕事をしなくなり、それが中国経済の低迷をもたらしている。反腐敗運動は実際は政治闘争であって江沢民派を主なターゲットにしている。このようなことを続けていれば中国経済はますます悪化して、人民の怨嗟の声は大きくなり、習近平氏に未来はない」
これには習近平氏が激怒して、さっそくこの記事を削除させ、関係者の一斉摘発に動いている。
「いったい誰が書いたんだ。政府の犬のくせに俺にかみつくとは実にけしからん」
さらに3月14日におえた全国政治協商会議の席上で共産党序列第4位の兪正声氏が実に興味深い総括発言をした。
こうした席ではお決まり中国共産党のスローガンを述べるのだが、兪正声氏はそうしなかった。
お決まりのスローガンとは4つの意識というもので「政治意識、大局意識、核心意識、一致意識」を持ってことに対処しようというのだが、兪正声氏はこれを言わず「政治意識、大局意識、責任意識」を持ってことに対処しようといいはなった。
この4つの意識の中で最も重要なのは核心意識で、これは習近平氏を核心として政治を行うという意味だから、それを言わないのは「習近平は核心でない」といっているのと同じになる。
「兪正声のやろう、俺を追い出す気か!!!」習近平氏がいきりたった。
最近になってこうした隙間風がひゅうひゅうと中南海に吹きすさぶようになった。
習近平体制が盤石であればこうした反体制的言動は一切ないはずだが、モグラたたきのように発言が現れている。
最大の理由は習近平氏の経済運営が失敗したためで、中国経済は今や奈落の底に落ちようとしており、失業者が巷にあふれかえっている。
「習近平では駄目だ、なんとかしなければ・・・・・・・・」
今まで押さえつけられていた江沢民派や胡錦濤派が反逆の狼煙を上げ始めた。
習近平氏としてはおちおちと枕を高くして眠れない日々が続いている。
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