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(27.12.12) インドに日本方式の新幹線を!! 安倍首相の見事な首脳外交

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  戦後の首相の中で最も外交的センスが優れているのは安倍首相だと私は思っている。
今回インドを再び歴訪するが(毎年交互に首脳が訪問し合っている)出発に先立ち「日印関係は世界でもっとも可能性を秘めた二国間関係だ。モディ首相と力を合わせて可能性を開花させたい」と述べた。
通常こうした言葉は外交辞令なのだが、安倍首相は本気だ。
インドは確かに日本のフロンティアになれる。

 今回の会談の目玉はインド最初の高速鉄道を日本の新幹線方式で決定できるかどうかにかかっている。ムンバイとアーメダバードの約505km日本の東京と大阪間程度)を約2時間で結ぶことができるという。現在は8時間かかっているから4分の1に短縮されるのだが、完成すれば日本が東京オリンピック前に完成させた新幹線と同じような衝撃をインドに起こすことができるだろう。
そして今後のインドの新幹線をすべて日本方式で統一することも可能だ。

 総工費は1.8兆円が見込まれているが、日本は1兆円の借款を供与する予定だ。通常の意味では借款は返済されるものだが、実際は借り替え等によって累積されて実質的に返済はなく、ただ利息を支払っていればよいことになる。
現在までの円借款が最も多い先はインドネシアだが、インドネシアは過去からの日本の支援を無視して最近中国の新幹線の導入を決定した。
日本は完全に馬鹿にされたのだが、インドネシアとことなりインドは中国を仮想敵国としている国で、インドネシアのようにワイロで自国を売り渡すようなことはしない。
インドとしては中国と対抗するには日本は最高のパートナーになりうるとモディ首相も考えている。

注)インドネシアの新幹線が中国方式になった経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/ppp.html

 すでに中国経済はピークアウトし今後はハードランディングかソフトランディングかだけの選択肢しかなくなっている。
一方インドはかつての中国の鄧小平時代のようにこれから高度成長が始まる直前だ。
インドは長い間国民会議派が社会主義政策をとってきたため規制がいたるところにあり、工場の進出もままならなかったが、一部にはマルチ・スズキのような成功例もあり、また最近はソニーが液晶テレビでサムスン等といい勝負をしている。
特区を中心にインド経済の規制に穴が開き始めた。

 安倍首相は新幹線の円借款以外に1.5兆円規模の投融資額を設定し、日本企業がインドに進出する後押しをする計画だ。
特にインフラとしては火力発電所の建設が急がれているが、インドは今だに電気が十分でない場所がいくらでもある。
インド経済のアキレス腱は電力と交通網の整備の遅れと、トイレがないことだろう。

 かつてといっても今から30年も前の話だが、私はフォスター・ペアレントとしてインドの貧農の子供を支援していたことがある。毎月5000円を送金するのだが、それは現地のNPO法人の活動資金になり、直接子供(フォスター・チャイルドという)の手元には届かないのだが、よくお礼の手紙をもらったものだ。何とも絵ばかりの手紙で「これで小学校の上級生だろうか」と驚いたが、インドの貧農の子供の学力レベルはそうしたものだった。

注)直接5000円を子供に手渡すと完全に家族の1か月分程度の生活費になってしまう金額だった。

 インドは今だに貧しいが日本と手を携えて工業化を進めれば素晴らしい国になるだろう。
幸いにインドと日本の関係は至って良好で、間違っても歴史認識というようなことは持ち出さないし、日本企業をターゲットにした焼き討ちなども発生しない。
日本と中国との二国間関係は最悪だが、インドとはその対極にある関係だ。
今回の訪問を機会に日本とインドが歴史的な提携を行い21世紀がインドの時代になれば日本としてもこれ以上のフロンティアはありえない。

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評論 世界経済 インド経済」カテゴリの記事

コメント

インドと聞きますと旧い話で恐縮ですが、あの凄惨なインパール作戦が脳裏に浮かびます。 そして祖国独立目指して日本兵と共に戦ってくれたインド兵の事が。 ある本では日本敗戦後イギリス軍に投降したあのインド兵達がインド国内をトラックで運ばれて行くのを住民たちが歓呼の声で、インド独立戦争の勇士として迎えたと読んだ記憶がありあす。その時はとっても嬉しく思いました。
チャンドラボース氏が事故に遭わず生き残っていてくれたらと残念です。 トルコと同じくインドも日本人には遠いような近いような関係、親近感はしっかり互いにあると思いますので今後上手くいくといいですね。 インドの方々多く日本におられますが、中に大変顔立ちの良い堀の深い小顔、そしてあのスラリとした長身の方達を見かけます。成程ヨーロッパ人と同根と良くわかりますね。 大変優秀な方たちでアメリカでも名だたるIT先進企業の創業者、経営者にインド人が圧倒的多数を占めておられるとの事、コピペとパクリのシナ韓国とは全く違った次元の国、今後も友情を大切に友好関係が長く続くといいですね。

金星目指した あかつき よかったですね。 軌道計算を2年間もなさっていたあの女性研究員の姿に本当の、そして世界に通用するエリートを見ました。 インドもすでに火星でしたか惑星探査衛星で先行しています。 遅れましたが成功して本当に良かったですね。

投稿: 絶望人 | 2015年12月12日 (土) 09時08分

インドと言えば、パール判事を思い出しますね。
連合国側から派遣されたにもかかわらず、客観的な状況判断を貫いた方でした。
リメンバー、パール判事!

投稿: バイオマスおやじ | 2015年12月12日 (土) 10時12分

ネット上では、インドはレイプ天国だとか、悪評が多いですが、あれは一種のプロパガンダでしょう。シナの陰謀だろうと考えています。
印度とインドネシアのODAをめぐる動きは、原油価格に多いにかかわっています。
ネシアは石炭価格暴落で貿易収支悪化、通貨安でどうにもならないのでしょう。無料のシナ鉄道をひくしかなくなった。一方、インドは原油輸入国ですから、原油安で貿易収支は大改善です。新幹線を導入する余力ができたということです。日本は韓国や欧米よりも割高に原油を購入していますから、早期に原発にしないと国民の生活水準が落ちます。アメリカはメタンハイドレート開発をあらゆる手段で阻止しようとしているようですね。
パール判事、ありがとう。

投稿: NINJA300 | 2015年12月12日 (土) 12時55分

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