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(27.12.3) 人民元がSDRの構成通貨になったことをどのように評価するか!

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 11月30日、IMFSDRの構成通貨として中国の人民元を採用する決定をした。
これでSDRの構成通貨としては米ドル、ユーロ、ポンド、円。人民元の5通貨が採用されることになった。
従来日本とアメリカは人民元自由通貨でなく中国政府の管理下にあるので、構成通貨としては不適切だと反対してきたが、ここに来てヨーロッパ各国が人民元の採用に前のめりになり、ラガルド専務理事も採用を支持したので結果的に採用が決まった。

注)投票権は出資割合でアメリカと日本の出資割合は合計で25%。採決に必要な票は7割で日本とアメリカの反対だけでは阻止できない。
なおヨーロッパが前のめりになった経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/11/pp.html


 もっとも人民元が構成通貨になったとしても実質的な影響は全くと言っていいほどない
SDRとはIMFが発効している通貨だがこの使用がっては人民元より悪く、実際に利用されることがほとんどない。
形式的には約30兆円SDRが発行されていて出資割合に応じて配分されているのだが、実際にIMFの支援を受けなければならないようなギリシャのような国はそもそも出資割合が小さいからSDRを引き出してもほとんど役に立たない金額になる。
一方引き出し権上位のアメリカや日本がSDRを引き出すことなどありえない。

注)日本では日銀券だけで約100兆円の発行をしておりSDRの30兆円はほとんどなきに等しい金額といえる。

 結局SDRとはあってないような通貨であり、実際はSDRではなくIMFは加盟国からの融資を元手にギリシャ等に融資を行って救済している。
だからどの通貨がSDRの構成通貨になっても何の影響もないので、ヨーロッパ各国は中国に恩を売りたい一心で人民元の採用に後押した。

注)構成通貨とはSDRの価値を決めるための基礎になる通貨でウェイトをかけてSDRを評価している。現在は1SDRは約150円。

 では構成通貨になることは何の意味もないのかというと象徴としての意味は大きい。
簡単に言えば豊臣秀吉が朝廷から関白の称号を得ようとした動機と同じで、世界のIMFから人民元が居並ぶ列強通貨の仲間入りをしたことを認められたということだ。
現在人民元の貿易と為替決済で使用されている実力は日本円とどっこいどっこいで、世界ではアメリカドルが約4割、ユーロが約3割の比重で利用されている。
日本円と人民元は3%以下だ。

 問題の所在は中国は人民元の使用を積極的に各国に働きかけているのに対し、日本はドル決済の世界にどっぷりつかっていて日本円の使用を強く働きかけていない。
はっきり言えば防衛と同じで通貨についてもアメリカの庇護下にあればいいとの対応で、日本がここでも実質的なアメリカの半植民地であることを示している。
安倍政権はこの日本の半植民地性を少しづつ打破しようと防衛については安保関連法案を通過させたが、一方通貨については未だそうした積極的な動きはない。

  一方中国は盛んに相互の通貨での貿易決済を働きかけており、最近はマレーシアとの間で人民元とマレーシア・リンギッドの相互利用の締結をしている。
自国通貨で国際決済が可能になれば為替の変動リスクを回避できることや、いざとなったら自国通貨を印刷して(金融緩和を行って)支払いができるので有利だが、日本はアメリカに遠慮してそうした行動をとることを控えている。

 人民元と日本円の相克は当面は人民元の攻勢が続くことが予想されるが、それも中国経済の動向に左右されるから(落ち目の経済の)人民元がSDRの構成通貨になったことをあまり大きく評価しない方がいいだろう。

 

 

 

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評論 世界経済 中国経済」カテゴリの記事

コメント

日本の存在が薄れていきますね。 
押されっぱなしの日本、シナは経済的にも政治的にも大変困難な事態と一方で主張する人達がいますがそれは日本の事の様です。 APECでも ヨーロッパでも日本の影は薄くなる一方で悲観的な状況です。 日本の再起はやっぱり一時の夢だったんでしょうね。

投稿: 絶望人 | 2015年12月 3日 (木) 10時32分

日本の自立を目指した政治家って 大抵潰されちゃってるんですよね!
田中角榮然り その他数名の人達がそうだろな
最近 外務省を離れた人達が 色んな形でブログとかで 日本の実情を暴露してるけど
絵空事みたいに捉えてるのが大半だと思います!
ん?って考えて辻褄を合わせていくと 何となく判るとは思うんですけどねえ(;´д`)

投稿: kuwankahn | 2015年12月 3日 (木) 21時06分

>>問題の所在は中国は人民元の使用を積極的に各国に働きかけているのに対し、日本はドル決済の世界にどっぷりつかっていて日本円の使用を強く働きかけていない。

そんなことをおっしゃられても、アジア通貨基金を創設しようとして、宮沢喜一はどうなったでしょうか?リアリティがありません。日本はアメリカの属国待遇なのです。
いずれにせよ、米国はシナと完全に切れたのか、それとも南シナ海示威航海は偽装なのかが時間とともにはっきりするでしょう。軍部は本気ですが、0.1%はシナの10億の乗り遅れた平民、農村部の需要に未練たらたらです。英国のごとく。

投稿: NINJA300 | 2015年12月 4日 (金) 15時04分

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