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(27.12.21) 電力の小売り自由化の前に新電力の腰が引けだした。 大阪ガスの火力発電所建設の撤回

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 来年の4月1日より電力の小売りの全面自由化が行われるという。全面という意味はすでに企業レベルでは自由化が行われており、あとは個人の家庭を残すのみだったからだ。
電力の自由化問題とは1990年代から言われており、日本の電力会社が地域独占企業のため、一種の独占価格を企業や家庭に敷いてきたという経緯がある。

  そこで日本においても企業の競争力の確保や家庭の電力代圧縮のために自由化を行い、どこの電気事業者からでも電力の購入ができることにした。
一般的には自由化による競争で1家庭で年間3万から5万程度安くなると言われているが、実際のプランがでそろわないと比較検討は難しい。

 大きな流れとして規制緩和の一環として電力の小売り自由化があったのだが、日本で自由化が急がれたのは日本の電力事情がひっ迫して、しかも高額のLNGを使用した発電が続けられていたからだ。
原因は東日本大震災で原子力発電が全面的にストップしたために一気に電力事情がシビアになっていた。

 「よっしゃ、これなら新たに火力発電所を建設しても高額の電気料金をとれるから電力の小売り事業に参入しよう
約800社近い事業者が電力事業者としてが登録したがここに来て新たな事業者の参入にストップがかかってきた。
大阪ガスが茨城県に建設予定だった石炭火力発電所(10万KW)の建設を取りやめると発表したのがその例だ。
大阪ガスは首都圏で電力の小売販売に乗り出そうとしたがとても収益が確保できないと判断したようだ。

 一番大きな原因は原油やLNGや石炭といった原料の価格が劇的に下がってきたことだ。
新規参入業者はほとんどが石炭火力発電所を建設しようとしてきたが、それは石炭価格が最も安くLNG発電に比較して圧倒的な価格優位性があったからである。
燃料費だけの比較ならば石炭価格はLNGの約半分といわれていた。

注)これは燃料費だけの比較であって二酸化炭素対策費や建設費を比較すると石炭火力発電のコストはあがり石炭の方が1割程度安価との試算を政府はしていた。。

 ネコも杓子も石炭火力発電の建設を表明したので、さすがに環境庁が危機感を持った。
石炭火力発電所の建設に反対である。これでは日本が世界に約束した温暖化ガスの削減目標が達成できない
だが環境庁の心配も杞憂に終わりそうになってきた。原料代が劇的に下がってきて特に原油は100ドルから35ドル程度まで3分の1の値段になってきた。
日本が輸入するLNGは原油価格にデペンドしているからこちらも劇的に下がっている。もちろん石炭価格も下がってはいるが二酸化炭素対策費等を加えて火力発電の優位性を比較するとかえってLNGの方が安くなりつつある。
現段階では石炭火力発電の優位性は完全に消えてしまった。

 さらに電力需要がひっ迫していたのは東日本大震災で原子力発電の稼働が一斉に停止していたためだが、ここに来て再稼働が始まり今後は確実に電力は有り余ってくる。
これじゃ消耗戦に突入して少しも儲からないじゃないか
新規参入を予定していた新電力各社の腰が引けだした。
たしかに長い目で見れば競争が促進され電気料金が相対的に安くなることが期待できる。
しかし現状はLNG価格の低下に伴って地域独占の東電等の電力料金が引き下げられるから消費者が新電力に飛び込むインセンティブは大きくない。

 せっかくの電力自由化も原料代の低下の前に はさして効果がないという状況になってしまった。

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評論 日本の経済 安倍内閣 経済政策」カテゴリの記事

コメント

>>さらに電力需要がひっ迫していたのは東日本大震災で原子力発電の稼働が一斉に停止していたためだが、ここに来て再稼働が始まり今後は確実に電力は有り余ってくる。

電力があまるのは日本にとってとても良いことです。日本の国際競争力が高まりますのでどんどん電力料金が安くなる方向に舵を切ってほしいですね。
日本と米国の電力料金を較べてみるとばかばかしくなると同時に、米国は一人当たりのエネルギー消費量が日本の倍。うらやましくなります。米国はどんどんロボットを導入しています。このままだと、日本は生産性で太刀打ちできなくなるのでは?
環境規制、CO2排出規制なんてのは、大嘘で、あれこそプロパガンダです。科学的には矛盾していることで、日本を抑えるための欧米の陰謀に乗せられているだけです。先日の合意なんて、日本の国是から考えると情けないことです。

節電はやめるべきですね。 日本人はどんどん電気を使うべきなんです。

投稿: NINJA300 | 2015年12月21日 (月) 12時46分

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