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(27.12.2) 21世紀の露土戦争 誇りをかけてプーチン大統領とエルドアン大統領がにらみ合っている

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 露土戦争
といえばロシアとトルコの延々300年にわたって繰りひろげられた戦争で、都合12回も戦争が行われているが、ほとんどの場合ロシアが勝利している。
だからトルコにとっては常にロシアから圧迫されてきたという思いがあり、日露戦争で日本がロシアに勝利するとトルコ人は自国が勝利したように喜んだものだ。

 歴史的にはロシアとトルコは宿敵の間柄だったが、ソビエトが崩壊し東欧圏にウクライナやポーランドと言った反ロシア国家ができたためにロシアは急速にトルコに接近していった。
その象徴が天然ガスパイプラインをトルコ経由で新たに建設する計画と、ロシア製原発のトルコでの採用である。
プーチン大統領とエルドアン大統領は急接近しほとんど蜜月状態だった。

 ところがそこに降ってわいたような事件が11月24日に発生した。ロシアの軍用機がトルコ領内に侵入しこれを阻止しようとしたトルコ空軍にロシアの軍用機が撃墜されてしまった。
撃墜したのはアメリカ製のF16、,撃墜されたのはロシア製のスホーイ24である。
私は前からロシアの軍用機はアメリカの軍用機に歯が立たないのではないかと予測していたが、そのことが図らずも実証されたが問題はそこにはない。

 今国際的に問題になっていることはロシア軍機が領空侵犯したか否かだが、ロシアは「領空侵犯していない」と主張し一方トルコは「再三にわたって警告したが無視したのでやむなく撃墜した」と言っている。
最近になってアメリカ国務省が「ロシア軍機がトルコ領空を侵犯したという証拠はトルコとアメリカの両方が持っている」と表明したので、どうやらロシア軍機の領空侵犯は確実なようだ。

 しかしプーチン大統領はそうしたことは一切認めないからことが面倒になってきた。
プーチン大統領はエルドアン大統領に謝罪を求めているが、誇り高いエルドアン大統領が謝罪するはずがない。
領空侵犯したのはロシアだし、トルコはNATOの一員だから背後にアメリカ、イギリス、フランス、ドイツが控えている。
謝罪をする理由などはない。撃墜は国を守る当然の行為だ」意気軒高だ。

 プーチン大統領は致し方なく経済制裁を発令することにしたが、これは双方にとってかなりの痛手になりそうだ。
トルコは観光大国でロシアからも年間450万人程度の観光客がくるが、ロシア人のトルコへの旅行への自粛を呼び掛けている。ロシアではプーチン大統領の指令は確実にまもられるから、トルコからロシア人観光客が消えてしまうだろう。
またロシア在住のトルコ人約20万人の国外退去を命じたが、こうした人々は主としてロシアに出稼ぎにきていたのだから、トルコにとってもロシアにとっても痛手になりそうだ。
さらにトルコからの食料品の輸入も禁止した。

 まだ天然ガスの供給は止めていないが、トルコの使用する天然ガスの50%はロシア産だから、これを止められてはトルコの生命が絶たれる。
もっともロシアが供給停止にまで実施しないのは、ロシア産の天然ガスの供給先が年々狭まってヨーロッパが良いお得意先とはとても言えなくなっているからだ。
これでトルコにも販売しないことになると、販売先がなくなってしまう。
癪だが天然ガスを止めるとわが国の財政が逼迫してしまう!!」

 エルドアン大統領もプーチン大統領も男だからここは一歩も引くことができなくなってしまった。もしこれがオバマ大統領だったら「もうやめた。制裁なんかしないよ」というところだが、マッチョの二人にはそうした言葉はない。
この問題は互いににらみ合ったまま時の経過が事件の記憶を消すまで待つしか方法はなさそうだ。
どう見ても一方が頭を下げるようには見えないからだ。

 本来はISに対する包囲網を形成するつもりがとんだところでほころびが出てしまった。
オランド大統領が「互いに喧嘩をしている場合ではないだろう」と当惑していた。
この撃墜はマレーシアの旅客機がウクライナ上空で実質はロシアによって撃墜されたがウヤムヤになったように、なんとなく歴史の時間の中に埋もれていくだろう。

 

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評論 世界経済 トルコ経済」カテゴリの記事

コメント

ロシア機は恐らく前々から過去に何度も何度も、領空侵犯を繰り返していたのでしょうね。
領空侵犯して十数秒後に撃墜していますからトルコ空軍機は待ち構えていたのでしょう。 お前は領空侵犯の可能性あり引き返せ、のトルコ機からの警告もいつもの事、まさか本当に攻撃してくるとはロシアパイロットは思わなかったのでしょう。 機体の広い範囲から火を噴いて墜落、空中分解までには至ってませんので小型の空対空ミサイルが機体近くで爆発、飛び散った破片が機体にたくさんの穴を開けたんでしょうね。

SU-24、ちょっと旧型機ですが現役機、そして対戦闘機能力もあるはずですが昔も今も空中戦は待ち構えていた方が絶対的に有利、一言警告後直ちに発射された近距離からのミサイルは離脱不可能でしょう。
でもトルコ国境にそんな危険を冒してまでロシアは何度も攻撃しなければならない何があったんでしょう。 よっぽど大量の何かがあるんでしょうね。 単なる反政府部隊だけだったんでしょうか。 トルコは何を本当は守りたかったんでしょうか。

投稿: 絶望人 | 2015年12月 2日 (水) 10時11分

中東イラク、シリアを舞台にキリスト教対イスラム教の争い、悪魔のキャンパス。
民の幸せのための宗教が民を地獄に堕している。これ悪魔の宗教でなくてなんでしょう。虚しいです
ここ三枚の写真いいですね~山崎さん、いつもありがとうございます。

投稿: 西日 | 2015年12月 2日 (水) 15時01分

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