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(27.11.22) ドルが高くなり調達が困難になっている。「大変だ、誰もがドルをため込んでいる!!」

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 ここにきて邦銀のメガバンクでドルの調達が非常に困難になっている。
来月にもFRBが7年間にわたって続けてきたゼロ金利政策を止めることがほぼ決定的になっているからだ。
ドルに金利が付くようになれば当然ドルの価値は上がるので、どの金融機関もドルをため込んで市場に放出しなくなった。

 もっとも特別な上積み金利を支払えば調達可能なのだが、1年もの換算で0.7%程度特別金利を支払わないと調達できないという。
本来ならばいらない金利だから0.7%とは法外な高さで、これはリーマンショック時のプレミアム金利と同程度だ。

 なら調達をしなければいいかというとそうはいかない。今ではメガバンクの取引の約3割は国外での取引になっており、その場合融資はほとんどがドルで行われる。
だがメガバンクが預金として調達している外貨預金のドルは融資金額の約3割程度で、残りは市場から調達しなければならない。
だから0.7%程度の上乗せ金利を支払らっても調達せざる得ないのだ。

 ここに来てメガバンクの収支が悪化しているのは稼ぎ頭の海外融資で、調達コストが上昇しているからで今までのようにほぼゼロ金利で思うように調達が可能だった夢のような好条件がなくなっている。
だがこれは日本への影響だが、新興国経済においてはさらに強烈な影響が出そうだ。
中国や韓国はネット資金収支はマイナスで海外からの資金調達の方が多いので、アメリカにドルが引きあげられると一気に資金繰りがひっ迫してくる。
韓国が日本にスワップ協定の再締結を望んでいるのもそのせいで、たのみの中国があてにできなければ日本に頼るほかに手段はない。

注)中国から資金が流失していることは前に述べてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/ppp.html

 新興国が我が世の春を謳歌し、そして資源のバカ食いができたのもほぼ無尽蔵といえるドルのたれ流しがあったからで、それが終われば当然のことにバブルも収束する。
中国経済もアメリカのゼロ金利政策に助けられていたのだが、そうした条件がなくなる。

 そして中国頼りだった資源国経済も同時に失速する。中国経済が資源のバカ食いを止めたことと、こうした資源開発に投じる資金が引きあげられてオーストラリアやブラジルやロシアや南アフリカの経済は大失速に突入した。
すでに多くの鉱山が閉鎖されているが今後ともこの動きが加速しそうだ。

 残るのはアメリカ経済とそれにタイアップした日本経済くらいになってきており、世界経済をけん引するメンバーがすっかり変わってきた。
潮の流れが変わったのだ。

 

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コメント

資源国と言えば、オイルサンドによる原油埋蔵量で世界第3位に躍り出たカナダはどうなのでしょう。原油を運ぶトラック運転手の年収が二千万以上といった報道が二年前にあったばかりです。カナダのオイルサンドばかりか、ブラジル沖で操業する一隻数千億円もする採掘船が多数活動していた深海油田採掘も採算割れ状態です。アメリカは強いドルと格安のシェールエネルギーを手に入れ世界の工場に返り咲きですね。

投稿: たぬき | 2015年11月22日 (日) 18時03分

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