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(27.11.18) GDP狂想曲 本当に日本経済は失速しているのか?

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 相も変わらないGDP狂想曲にはうんざりする。この数字を見て一体何が分かるというのだろうか?
内閣府が発表した15年6月~9月のGDPの速報値は前期比▲0.2%、年率で▲0.8%の落ち込みとなり、景気は停滞局面に入っているとマスコミは大騒ぎだ。
内訳を見ると設備投資が振るわず前期比▲1.3%になり、一方GDPの約6割を占める消費が+0.5%程度の伸びだったため、全体で▲0.2%になったのだという。

 一部メディアによるとアベノミクスは失敗だなどといっているが、これは誤解でありこのGDPの推移で景気を判断することは止めた方がいい。
山崎経済研究所の山崎所長がいつも言っているが、日本では年率で1%程度しかGDPは上昇しないのだが、それを計測するGDP 統計は上下で1%程度の誤差は常に存在しており、これではパンツのひもで身長を図っているようなものだという。

注)山崎所長の詳細な説明は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/09/ppp-6.html

 特にGDPの約6割を占める個人消費の統計には問題があり、統計が主として老人世帯の消費動向を反映しているため、本当の意味の消費が全く分からなくなっている。
財務省が思い余って統計の主管である総務省に「そんなじいさん、ばあさんばかりの消費を把握しないで若者の消費動向を調べてくれ」と泣訴していたが、「そんなこと言ったってまともに家計調査に応じてくれるのは暇な年寄りしかいません」とつれない返事だ。

注)財務省が消費のGDPの計測について総務省にクレームをつけていたことは前に述べた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/ppp-1.html

 統計などというものはえてしてそうしたもので、特に加工度の高い統計数字は実態との乖離が大きくなりすぎて、日本のように1%以下の数字を把握するためには全く役立たなくなっている。包丁でなくなたで大根のみじん切りを作っているようなものだ。
日本の企業は空前の利益を出し、失業率も完全雇用状態だ。だからGDPはマイナスで景気は最悪だ」なんてことになりほとんど精神分裂症患者がしゃべっているようなことになっている。

 円安のおかげで海外からの観光客は空前の規模で増加しており、ホテル業界やバス会社や鉄道会社や航空会社はこれまた空前の特需に沸いている。
秋葉原の電気街やデパートも中国人の爆買いで潤っており、また高級住宅地の値上がりは主として中国人富裕層が購入しているからだ。
輸出産業は好調だが貿易収支に反映していないのは相変わらず原発代替のLNGや原油の輸入が多いからで、今後原発の稼働が順調になれば貿易収支が黒字化してくる。

 実際は安倍首相と黒田日銀がしかけた円安政策は歴史的成功を収めつつある。
円安は輸出産業を復活させるための手段だが、通常は輸入物価が上昇して輸入産業や消費者を苦しめるものだ。
本質的には影響はイーブンなのだが、この円安によって競業品目が6割程度の韓国経済が崩壊過程に入り、さらに中国経済が過剰生産から製造業が失速して世界中からの資源の爆買いをすっかり止めてしまった。
アベノミクスの円安と中国経済の失速が実にタイミングよく競合している。

 この中国経済の失速で原油も鉄鉱石も石炭も銅も鉱物資源が半値になりさらにトウモロコシや大豆といった食料品価格まで値下がりしてしまった。
本来なら輸入物価の上昇で特に消費者の家計を直撃するはずがそうしたこともない。
円安による輸入物価の上昇は抑えられ、輸出産業が我が世の春を迎えるといった好循環に入っている。
 
 それでもGDPを見ると2期連続でマイナス成長ということになっているが、これはGDP統計が実態を反映できなくなって全く意味をなさないことを証明している。
山崎経済研究所の山崎所長は景気判断の指数に上場企業の収益額の推移失業率を提唱しているが、これを中国の李克強首相は「日本のGDP 統計はいかさまであてにならないから上場企業の収益額と失業率を山崎指数といって日本経済の実態を見るために有効な指数」だと判断しているという。
中国人でさえ日本のGDPを信用していないのだから、日本もGDP神話から脱却したほうがいい。

 

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評論 日本の経済 経済成長 GDPの計測」カテゴリの記事

コメント

今朝も快刀乱舞、経済の読み方御説の通りと心底から同意致します。
それにしてもサウディ王家の石油戦略、シナと韓国の凋落、VWのインチキ技術崩壊、難民流入による反日独仏の因果応報、ギリシャの健闘?。
今の今まで天下の春を唄っていた連中がうろたえるのは痛快、日本にはやっぱり 神風 が・・・・・・吹きますね。

そうですね。これだけ円安になってもガソリンも食料品も洗濯屋の料金も上がってないですね。 左翼マスコミは悲観的業界を探すのに必死でしょうよ。
シナのあの悪人相の男の言、本当ですか.。確かにGDPより遥かに正確に日本の現状を表していると思いますg 私は常々この男さえいなければ、この首相がいなければシナの崩壊はより早く進行すると思ってますがどうでしょう。 敵にもこんな男が、黒田総裁の好敵手 油断大敵です。

追) 毎朝掲載されるきれいな写真に感謝します。 今朝は横浜 港北センター北 そっくりだと思いながら拝見いたしております。

投稿: 絶望人 | 2015年11月18日 (水) 08時48分

GDP統計に問題があるのは昔からで新しい話題ではないとおもいます。
問題は、大儲けしている企業部門の内部留保です。再投資に向かっていません。また、実質賃金がほとんど変化していません。
インフレにして、投資を活発化させるのがアベノミクスならば、失敗しているのでは?

投稿: NINJA300 | 2015年11月18日 (水) 15時54分

財務省は消費増税の失敗を隠蔽したいのでしょう。GDP統計をいじれと総務省に圧力をかけるとは、シナと一緒ですね。

投稿: NINJA300 | 2015年11月18日 (水) 18時54分

内部留保とは、別の言葉で言うと自己資本です。

『自己資本比率の低い不良債権は、とっとと市場から退出させるべきだ』

と、みなさま煽り続けてきたじゃないですか。今でもそう考えていませんか?

そういった社会背景から、IR的に企業価値向上を目指すには、自己資本比率を少しでも高めることが肝要となります。
そのためには、一円でも多く内部留保を確保することが最重要事項になります。

信用できる会社との株式持ち合いも禁止され、J-SoxやISMS等でセキュリティーやコーポレートガバナンスもガチガチの体制です。
つまり、企業は、投資に対するリスクヘッジの手段が奪われている状態なのです。

一寸先は闇のグローバルビジネスシーンにおいて、リスクヘッジのできない状態では、投資などできるわけがありません。失敗すればそのまま倒産ですから。
リスクヘッジができるなら、予めリスクの範囲や規模を調整し、最初から割り切って失敗を折り込み済みでやることもできますが。

これでは、利益が内部留保に回らざるを得ないのは、必然です。

投稿: ばしくし | 2015年12月 6日 (日) 22時52分

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