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(27.11.2) 中国「元」はIMFのSDRの構成通貨になれるか? ヨーロッパと中国が手を組んで攻勢をかけている!!

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 ここに来てIMFを巡る情勢に変化が生じている。
中国の人民元をSDRの構成通貨として認めるか否かの問題なのだが、従来は中国元は自由に流通する通貨でないので構成通貨としては不適切だといわれていた。
ところがここに来て急に「いや人民元の流通は十分であり、構成通貨として認めるべきだ」という議論が急浮上している。

 この主張をしているのはイギリス、ドイツ、フランスといったヨーロッパ諸国で、イギリスとドイツは人民元を扱う市場開設で習近平氏と同意したばかりだから、中国の戦略が効を奏した形だ。
現在の構成通貨はドル・ユーロ・ポンド・円でSDRはこの4通貨をバスケット方式で評価することになっており、現在の価格は1SDR=150円程度だ。
ここに中国元を含めて1SDRの価格を決めることにするというのが今回の改革の中身である。

注)バスケット方式とはドル・ユーロ・ポンド・円にウェイトをかけてその平均で価格や利率を決定する方式。

 もっとも普通の人にとってSDRと言われてもさっぱりなのは、通常に流通している通貨ではなくIMFと各国の中央銀行間での取引に限定されているので、ドルや円のように個人が所有しているわけでないからだ。
それなら一体なぜSDRなるものが生まれたかというと、金やドルといった準備通貨にこのSDRを加えて3大通貨にしようと意図したからだ。
簡単に言ってしまえば将来世界が統一されてそこで通貨を発行するようになると、それをSDRとしようということだ。

 しかし実際はSDRなるものはドルやユーロといった貨幣に比べて実に影が薄い。
現在SDRは出資割合に応じで各国に配分されているが、総額で2040億SDR(約30兆円)程度であって、日本の米国債の残高が150兆円程度あるのに比較しても全く少ない。
一応準備通貨ということになっているが、SDRは実際はなきに等しいといえる。

 実際にギリシャ危機などが起こるとIMFは融資を行ってきたが、この原資はIMF参加国からの融資を受けるのと、IMF債からなっている。
ギリシャやウクライナといった経常収支赤字国に対するIMFの融資枠は2008年のリーマンショック前は2500億ドル(約30兆円)程度だったためとても足らず、当時は飛ぶ鳥を落とす勢いだった新興国の中国、インド、ブラジル2100億ドル約25兆円)のIMF債を発行して資金調達を行っている。
IMFがかなりケチなのはもともと原資が足りないからで、少ない原資を配分する以上ケチにならざる得ない。
ではSDRはどうしているかというと、こうしたデフォルトをするような国は当然出資割合が低く、割り当てられたSDRも僅少なためいざという時にはほとんど役に立たず、結局融資を受ける羽目になる。

注)実務的にはギリシャ等の中央銀行はSDRを売却してドル等の通貨に変えて危機対応するのだが、割り当てされているSDRだけではとても危機対応にならず、結局何の役にもたっていない。

 だからSDRといっても象徴的な意味しかないのだが、ここに中国が構成通貨として名乗りを上げてきたのは、まさにその象徴性がほしいからだ。
現在構成通貨として認められているのは米ドル、ユーロ、ポンドと円でこの4通貨が国際的に公認された通貨で、各国の準備通貨としてはこの4通貨と金が主なものになっている。

 この構成通貨の条件はその国の輸出割合と通貨の交換の自由度なのだが、中国元は前者は全く問題がないが後者は中国人民銀行が為替管理を行っていて自由市場での価格形成がなされていない。
これを理由に従来アメリカと日本が中国元の構成通貨入りに反対してきたが、ここに来て欧州勢が一斉に中国に肩入れし始めた。
イギリス、ドイツ、フランスといった各国だが、中国元の取引市場をこうした各国に開設することを見返りに中国とヨーロッパがタッグを組んだ形だ。
投票は70%の賛成が必要だが、投票権は出資割合に応じて配分されていてアメリカが18%、日本が7%だからこの2か国の反対だけでは阻止できない。

注)イギリスと中国の蜜月関係については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/10/pppp-cda7-1.html

 
SDRそのものは実際の役にはほとんどたっておらず、その構成通貨がどのようなものでも実務的には支障はないのでヨーロッパは中国に恩を売るために前のめりだが、構成通貨になる象徴的な意味は大きい。
いわば国際通貨としてお墨付きを得るようなものだから中国としてはぜひとも得たい地位だ。一方アメリカと日本は中国が金融面で膨張するのを抑えたいのが本音だ。


 IMFの総会はこの11月に開催されるのだが、ロイターはヨーロッパが賛成に回ったので中国元の構成通貨入りは確実だとの憶測記事を掲載した。
果たしてどうなるか目が離せなくなった。


 

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コメント

RMBがSDRに入るならば、今のドルペッグをやめなければなりません。それが条件です。ドルペッグなら意味がないですから。
ならばRMBは暴落するでしょう。1RMB=10円位か?

投稿: NINJA300 | 2015年11月10日 (火) 16時11分

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