« (27.9.25) ロドリゴとイェティさんの北海道自転車周遊記 その10 | トップページ | (27.9.27) 文学入門 森敦 「月山」 興味深い本だが面白さに欠ける。 »

(27.9.26) VWがコケてドイツがコケる。「ドイツ環境政策の大失態!!」

Cimg5688 

 ドイツの誇る環境政策がとんだイカサマだったことがばれてしまったのが、今回のVWフォルクスワーゲン)による窒素酸化物の環境汚染問題だ。
ヨーロッパでは新車販売の約5割がディーゼル車だが、ディーゼル車は軽油を使用するので燃料代が安価だが、一方窒素酸化物をまき散らしてしまう問題点があった。

 これを技術的に克服したとVWは公表し、それをクリーンディーゼルと称して欧州独自の環境技術として売りだしていた。
全く問題はありません。テストをして見てください。窒素酸化物はほとんど出ず基準を大幅にクリアしています

 ただ不思議なのはテストの時は基準を軽々クリアするのに実際の走行実験をするとやたらと窒素酸化物が発生することだった。
実際のテストを行ったのはウェストバージニア大学で路上でのテストをすると基準値を大幅に上回り、最大で基準の40倍になったので驚いた。

 大学はEP米環境保護局)にこの事実を報告し、なぜEPAのテスト時には窒素酸化物が少ないのに、走行テストをするとやたらと窒素酸化物が出てくるのかの真相解明を行った結果、信じられないようなソフトが搭載されていたことが判明した。
このソフトはハンドルが一定時間動かないのにエンジンが稼働していた場合は、それはテストと認識して燃費を落として窒素酸化物の放出を抑えるソフトだという。
だから反対にハンドルが動いている時は燃費を重視して窒素酸化物をまき散らすことになる。

 「さすがドイツ人だ。すごいソフトを考え付いたものだ」と私などは感嘆したが、収まらないのは7年間もだまされてコケにされたEPAで「こうした手段でEPAを欺くとはふてい野郎だ」と最大2兆円にのぼる制裁金をVWにかす準備をしている。
このVWの違法ソフトは欧州で販売されたディーゼル車でも見つかっていて、ことは全世界的規模でリコール問題が発生する。その数は1100万台だそうだ。
今回の問題が悪質なのは、意図的にだまそうとVWが操作をしていることであり、タカタのエアバック問題のような想定外の案件とは明らかに違う。

 それにしてもこれではドイツが誇る環境政策は台無しだ。いくら原発の稼働を止めクリーンエネルギーを利用しているといっても、足元の自動車が基準を大幅に超える窒素酸化物をまき散らして欧州中を走り回っているのでは欧州の空は真っ黒に汚れているのと同じだ。
こうした問題にドイツ政府が気が付かなかったこと自体不思議で、本当は気が付いていたのだがVWの世界戦略を後押しするためにあえて目をつぶっていたのではいかと勘繰りたくなる。

 ドイツの経済政策の基本は中国との結びつきの強化でドイツ・中国連合だが、その中国市場に最も適合していた企業がVWであり、いわばドイツ政府の先兵の役割を演じていた。
最近はますますボルテージが上がり19年までに中国での生産規模を500万台にするとアナウンスしていたばかりだ。
中国とドイツは一心同体でその象徴がこのVWの中国投資です」メルケル首相の鼻息はあらかったが、この中国シフトは完全に裏目に出てきそうだ。
VW車がどんなに排気ガスを出そうとも本当は中国は全く気にもしていないが、世界中で問題が発生した時に「中国では投資さえしてくれれば窒素酸化物の排出は認めます」とはさすがに言えない。

 これでガソリン車とディーゼル車の30年戦争に決着がつきそうだ。
ドイツは原発ゼロでクリーンエネルギーだけで発電を行うといったが、それならこの排気ガスだらけのディーゼル車をなんとかしなければ論理に整合性がなくなる。
このままではメルケル首相が環境保護政策を打ち出すたびにヤジに見舞われる。
メルケル地球温暖化ガス削減のためには、・・・・・・・
ヤジまずVWのディーゼルエンジンを捨てることだ!!!」

 
このVWの失態は一人VW社だけの失敗にとどまらない。ドイツはVWを先兵に中国との同盟を強化していたがその見直しを迫られる。
ドイツ(EU)・中国連合アメリカ・日本組に対抗しヨーロッパの復権を狙ったがとんだところでつまずいてしまったものだ。


 

 


 

|

« (27.9.25) ロドリゴとイェティさんの北海道自転車周遊記 その10 | トップページ | (27.9.27) 文学入門 森敦 「月山」 興味深い本だが面白さに欠ける。 »

評論 世界経済 ドイツ経済」カテゴリの記事

コメント

世界のVWもご立派な所業ではあります、ですね。

 10年ぐらいの内に新たな技術を開発していけば、一過性の所作として闇に埋もれていく――こんなところだったのでしょう。世の中そんなに甘くなかったという、とんだ落語の落ちでした。
 今やっと本物のクリーンエンジンを開発できた。すべては糊塗できるかと思った矢先の悪事露見だったのでしょうか。これから売り出すエンジンが見ものですね。

 中国と親密度を増すにしたがって、生産者の良心がねじ曲がった? この国では、儲けりゃなんでもありですからね。それとも、ドイツ国とはそういう体質を潜在的に持っているのでしょうか。そういえば、先の戦争の悪行をナチスにかぶせていますよね。それに権力を与えたのは、国民であるのにです。

 エンジンのソフトの改竄は、幼稚な所業としか見れません。VWに限った仕業なのでしょうか。他社は大丈夫でしょうか。VWだけでも、1100万台は少ない気がします。その倍はあっても良いのでは思いますが。

投稿: hiromiya | 2015年9月26日 (土) 08時17分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (27.9.25) ロドリゴとイェティさんの北海道自転車周遊記 その10 | トップページ | (27.9.27) 文学入門 森敦 「月山」 興味深い本だが面白さに欠ける。 »