(27.9.16) ロドリゴとイェティさんの北海道自転車周遊記 その7
(白滝高原のキャンプ場)
8月11日の朝はサロマ湖で迎えました。今日は湧別郷から遠軽郷を通って上川郷に抜ける道を通る予定でございました。蝦夷地は真ん中に山脈がそびえているため中央を抜けるにはかなりな山登りになるのですが、今回宿泊を予定した奥白滝の白滝高原は標高600mでした。
距離にして110km程度と思われましたが登りのためかなりきついコースになると思われました。
注)地図は以下参照
https://goo.gl/maps/HnQ79
湧別川と石北本線にそってロドリゴとイェティさんはただもくもくと自転車をこいだのでございます。旅に出て6日目になると身体はすっかりツーリングになれていたのでございますが、そうなると話す言葉も少なくなりひたすら自転車をこぐだけの生活になっておりました。
この上川郷に抜ける遠軽国道にそって旭川紋別自動車道が建設されていたのですが、なぜか無料で自動車はもっぱら自動車道をはしっているため国道はがらがらで、あたかも二人が占有しているような状況でございました。
「イェティさん、今日は早めに白滝高原に着いて五右衛門風呂なるものに入れてもらいましょう、坂でくたくたです・・・・」
目的地の白滝公園には五右衛門風呂があると聞きそれを楽しみにしていたのでございます。
坂道が延々と続いているような道なのでさすがに疲労困ぱいいたしました。
ロドリゴとイェティさんはもともとアスリートでございますのでどんな坂道でも休まず自転車で登り切ることにしておりましたが、ここ白滝高原の最後の標高100mはめちゃくちゃな坂道のためさすがにロドリゴが顎を出してしまいました。
「イェティさん、こりゃダメだ。自転車を押していきましょう」
到着したのは4時ごろでございましたが、そのころにかなり雨が降りだしキャンプ場の受付は管理人さんが作業で出ていたようでしばらく管理棟にもはいれず軒端で雨をしのいでいたのでございます。
このキャンプ場には多くのバンガローが設置されておりましたので今回はバンガローで寝て、評判の五右衛門風呂に入るつもりでございました。
しかし聞いてみるとこの五右衛門風呂に入るためには自分でかまどにまきをくべて湯を沸かす必要があるそうで、雨の中を薪を運んだりするのが疲労していた体にはつらくシャワーだけにしてさっさと寝込むことにしたのでございます。
ロドリゴはバンガローなるもので寝るのは初めての経験でしたが、夜になると部屋中異様な音がし始めたのでございます。
ガサガサという一種の羽音なのですがそれが段々と大きくなりバンガロー全体に響き渡るようになりました。
当初窓の外でそうした音がしているものと思っておりましたら、しばらくすると顔に異様な物体が落ちてきて顔中を徘徊し始めました。
「な、なんだ、なんだ、俺の顔が襲われている!!!」
かつてロドリゴは公園で野宿をしていたときにムカデのようなげじげじ虫に襲われて体中かまれたことがありましたが、一瞬その時の恐怖感に襲われ飛び起きたのでございます。
驚いて電燈をつけますと信じられないことに部屋中一面に蛾だらけでそれが飛び回っておりました。
「こりゃかなわん、イェティさん、この蛾を追い出しましょう」
二人して蛾の大軍を捕まえては外に追い出す作業をしたのですが、まさかバンガローが蛾の住処になっているとは思いもしませんでした。
イェティさんは「蛾ぐらいなんてことはない」と平然としておりましたが、ロドリゴはこうした虫に極端に弱くキチガイのようになって虫を追い出したのでございます。
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