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(27.9.8) インドネシア ジョコ政権の姑息な天秤外交 日本と中国から資金を搾り取れ!!

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 ひどい話だ。インドネシアに導入を検討していた高速鉄道計画が白紙になった。日本はこの計画を09年以降インドネシア政府と共同で検討してきており、昨年10月のジョコ大統領就任までは日本の新幹線方式での導入がほぼ確実といわれていた。

 ところがジョコ大統領になって急に風向きが変わりジョコ氏は中国と日本を天秤にかけて最も有利な条件を引き出す戦略に変えた。
中国を引き入れたのは日本からの条件を大幅に緩和させるための当て馬のつもりだったが中国が本気になって提案をしてきたために、日中の新幹線方式のうちどちらを導入するかというような状況になってしまった。
うまくいった。これでインドネシアは圧倒的に有利な条件を引き出せる」ほくそ笑んだだろう。

 ジョコ氏としては日本と中国が焦って融資条件を緩和するから、インドネシア政府は資金を一銭も使用せずに、簡単に言えば日本と中国にすべての費用をおっかぶせて鉄道建設ができると踏んだようだ。

 今回日本は総工費6000億円の75%の4500億円を円借款で供与し利率は0.1%と破格の条件を提示していたが、一方中国は総工費7200億円の100%を2%の利率で供与すると提案していた。
簡単に言えば中国は全額中国資金で、日本は75%日本資金で供与するというのだから、実質的にインドネシアの負担はほとんどなくなる。
そしてこれがポイントなのだがこうした資金は決して償還されることはなく、通常は新たな資金を供与して借り替えを図るので、実質的には半永久的に貸し出しを継続する。

 インドネシアにとってこれほどおいしい話はないのだが、ジョコ氏はさらに採用条件を厳しくして日本と中国を手玉にとれると踏んだようだ。
ジョコ氏はジャカルタとバンドンといったたった140kmの近距離に新幹線のような時速300kmを越す高速鉄道はいらないと主張を始めた。
中速列車で十分です。新幹線では30分もあればついてしまうが、それほど忙しく飛び回るようなインドネシア人はいません。新幹線方式は止めます。再提案してください

 最もこれは最初の区間で将来的には全インドネシアに幹線網を張り巡らすという計画があるのだから、140kmはごあいさつ程度の建設になるはずだった。
だがジョコ氏はしたたかで、これを餌にあらゆるインフラを日本か中国の資金で整備しようと思いついた
鉄道を導入したければ他の港湾や道路建設や飛行場等のインフラにも融資してほしい。そうでなければ新たな鉄道の建設はしない

 日本としたら踏んだり蹴ったりだ。09年以来導入を前提とした調査やその他の資金計画まで練りあげていたのに、ジョコ氏の要望はとどまるところを知らない。
ジョコ氏としては国民向けに無駄な投資をせずかつ日本と中国の両国からすべての資金を引き出させてインドネシアは一銭の費用もかけず鉄道が建設されるとアピールしたいのだろう。
国民からは拍手喝采で「さすがジョコ大統領」と人気があがったが、しかしジョコ氏の戦略が本当に実を結ぶかどうかはかなり怪しい。

 まず中国だが経済はがけっぷちで本当の意味での余裕資金などない。外貨準備が加速度的に減少しているが資金が中国から逃げ出している。
7200億円の供与といっても本当に出せるわけがなく、中国企業にすべての仕事をさせてその代金を値切りに値切る計画だった。一方企業としては利益を出すために手抜き工事をせざる得なくなりこの新幹線計画はどう見ても粗悪品になるところだった。
こんなバカげた工事は引き受けたくない」というのが中国の本音だ。

 一方日本としてもこのジョコ大統領の裏切りとも思える措置は我慢の限界を越しそうだ。
過去において最も多くのODAを供与しインドネシア産業の育成に努めてきたとの自負が日本にある。
そうした経緯を一切無視して中国との両天秤にかけて費用を全額日本におっかぶせようという態度には歯ぎしりする思いになっている。

注)ジョコ氏の態度は鳩山元総理が日米間で取り決めた辺野古の移設を白紙にして、海外か最低でも県外と言ったのに対応する。
従来の外交をメタメタにしてでも大衆受けする主張をする政治家をポピュリストと言うが、ジョコ氏と鳩山氏は丁度相似形をしているように似ている。


 今回新幹線方式は中止し、ジョコ氏のいう中速鉄道の導入についてもう一度提案を受けるのだそうだが、日本はすっかり嫌気がさしているのでコンペに参加するかどうか分からない。
一方中国は相変わらず意気軒昂で中速鉄道のコンペに参加の意欲を持っている。
私はここは中国に任せてインドネシアの鉄道計画からは手を引くべきだと思う。
ポピュリストのジョコ氏はこの先大衆受けをするために何を言いだすか見当もつかないし、融資金はまず確実に踏み倒されると思った方がいい。
それならば踏み倒されるのは中国に任せておいた方がはるかに精神的にはいいし、中国の経済実態は火の車だからますます資金繰りに窮して中国経済の凋落が加速化する。

 かつて江戸幕府は諸藩に無理やり土木工事を命じて諸藩の財政を枯渇化させて幕府に対する反逆を阻止しようとしたがその現代版だ。
中国の投資は失敗続きで外貨準備の約半額は焦げ付いている。そこにまた一つインドネシア鉄道の不良債権を加えさせてますます中国を窮地に陥れる絶好の機会といっていい。ジョコ氏に付き合う必要などはなく、高見の見物をしておくのがここは最善の策といえよう。

注)なおインドネシア経済の実態とジョコ政権の運営については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/pp-1.html

 

 

 

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評論 世界経済 インドネシア経済」カテゴリの記事

コメント

確かに、今のところインドネシアには超早くて正確運航できる鉄道機関なんて必要ないかもしれませんね。
鉄道発祥のイギリス人を驚嘆させた日本の新幹線は、我が国の技術者の潔癖さと技術開発の更なる高みを極めんとする意志のなせる業です。しかし、亜熱帯のノンビリ国家では、そんな事に魅力は感じないのではないでしょうか。むしろ、何でここまで!と呆れられるかもしれません。

今回の翻意は失礼にも程があります。両国を天秤にかけるのは、これまでの経緯から云って明らかに浅はかの極みです。誰か周りに忠告できる参謀はいなかったのでしょうか。
仰る通り、日本はこは静観すべきでしょう。無理に(相手が要らぬと云う)高価な贈り物を押し付ける意味はありません。
かの国は、事故った車両を瞬く間に土中に埋める、日本にはない高度な思い切った技術を持っていることですし、そこが評価されたのかも知れません。

投稿: バイオマスおやじ | 2015年9月 8日 (火) 07時59分

インドネシアに鉄道作るよりも、国内のリニアモーターカーを前倒しにしてほしいですね。
恩を感じない国をわざわざ援助することはない。

投稿: NINJA300 | 2015年9月 8日 (火) 12時59分

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