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(27.9.5) アラブ民族大移動 EUはローマ帝国になるか?

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 ヨーロッパにアラブ民族が押し寄せている。ほとんどアラブ民族大移動といったような状況だ。テレビを見ていたらハンガリーの首都ブタペストの駅に数千人規模のアラブ難民がいて、ドイツ行きの列車がくるとそれこそ終戦直後の日本の買い出し列車のような蝉噪を繰り広げていた。
入口からはいれない人は窓から強引に入っていたが、この光景はかつて日本にもあったものだ。

 アラブ難民がヨーロッパに押し寄せるようになったのにはアメリカとヨーロッパに責任がある。アメリカはイラクのフセイン大統領を、そしてヨーロッパはリビアのカダフィ大佐を殺害しアラブに民主主義の根を根付かせたと自信満々だったが、実際は更なる混乱と内戦が勃発しただけだった。
そして生活基盤を失ったアラブの人々は希望の土地ヨーロッパ、わけてもドイツを目指して殺到している。
あなた方が教えてくれた民主主義を味あわせてほしい!!!」

 現在陸路と海路からヨーロッパに難民が押し寄せているが陸路の中継地点のハンガリーが大混乱に陥った。
セルビアから毎日数千人規模の難民が国境を越えている。ハンガリーはEU加盟国だからここに入りこめばもはや国境はない。ハンガリー政府は国境に有刺鉄線を張って侵入を押しとどめようとしていたが簡単に突破されていた。警備兵がいないのだからペンチさえあればだれでも国境を越えることができる。

 ドイツのメルケル首相は人道的立場から受け入れに前向きだが、イギリスのキャメロン首相などは「難民は追い返せ」と主張している。
通常難民は政治難民と経済難民に区別され、前者は本国送還などすると生命の危険性があるので難民として受け入れ、経済難民はその国で解決する問題なので強制送還するのが原則だ。

 しかしここには二つの実務的問題があって、一つは政治難民と経済難民の区別がそれほど明確ではなく判定が難しいこと、それにもう一つは判定結果が出るまでは難民の送還ができないことだ。
通常でも判定までに1年近くかかるのは普通だから、その間難民はキャンプ地に保護しておかなければならない。さらに現在のように難民が加速度的に増えると難民判定事務など全くできなくなるのが普通だ。
だから実際は難民を追い返すことなどできず、結果的に全員をうけいれざる得なくなる。

 メルケル首相によると本年度の難民申請者数は約80万人になるというが実際はさらにその数は増加するだろう。当然のことに経済難民はドイツでも認めないが、だからといって追い返すこともできず結果的にはほとんどのアラブ人がドイツ人として生活することになる。
大変だ、ヨーロッパがイスラムに侵入される!!!」ヨーロッパ人の本音でオスマントルコのウィーン攻防戦以来の危機に陥った。

 さかのぼると西ローマ帝国は辺境から押し寄せるゲルマン人を押し返すことができず、結果的にゲルマン人の国になってしまったが、そのアラブ版が現在起こっているアラブ民族大移動だ。
陸路はバルカン半島を経由するもので、ギリシャに上陸した後はひたすらバルカン半島を北上してハンガリーにたどり着き、ここで列車に乗ってドイツを目指す。もう一つは地中海を船で渡って主としてイタリアの海岸にたどり着くルートである。
前者はシリア、イラク、アフガニスタンの難民で、後者は主としてリビアからの難民だ

 現在EUの最も差し迫った課題はこの難民問題で、ギリシャの財政危機などどうでもいいような状況になってきた。
メルケル首相とオランド大統領は受け入れのルール作りと、各国が平等に難民を負担する制度の設計に取り掛かったが、ハンガリーやバルト三国はこの措置を拒否しているし、イギリスも本音では反対でドーバー海峡を実質的に封鎖している。

 おそらく10年から20年の単位でEUはアラブとの融合国家に変貌せざる得なくなるだろう。イスラム教徒とキリスト教徒の共存だが実際は酷い混乱が予想されそうだ。
アラブに春をもたらすということの本当の意味がこの難民受け入れだったのだが、今EUはかつてのローマ帝国の末期のような混沌とした社会に陥り始めた。






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