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(27.9.23)「 日本のGDP統計がおかしい」 ようやく日経も気がついた!!

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  ようやく世の中が正気になってきたらしい。日経新聞が「日本の成長は本当か。GDPの精度を検証」という記事を9月21日掲載した。
なぜこのような疑問が出るかというと14年度の経済成長率は▲0.9%内閣府が発表しているが、経済実態と全く合わないからだ。

 企業業績は輸出産業を中心に過去最高益を稼ぎ出しており、海外からの観光客は爆買いをするし、長く低迷していた不動産価格も大都市を中心に上昇に転じた。学生は引く手あまたで人手不足は深刻だし、3K企業などはいくら賃金を上げても人が集まらない。
パート代金も上昇の一途をたどっていて、日本は大好況になっているのにGDPだけはマイナスだという。
いくらなんでもおかしすぎやしませんか!!!」さすがに日経も疑問を提示し始めた。

 GDPの定義は企業が稼ぎ出す「付加価値の総和」だが付加価値とは経済学の理論的用語で実際はそのようなものはない。
近似的には企業の営業利益の総和が近いが、実際は利益の計測はかなり厄介だからGDPの統計では簡単に手に入る数字を基に推測をおこなう。
すべて推測数字だから何とでも加工できるし、中国などは統計担当官が上部の指示に従って適当に鉛筆をなめて、「よっしゃ今回は7%の成長にしましょう」なんてやっている。

 日本のGDPは役所が真面目に統計処理をしているが、しかしもともと手に入るデータの中での推計だから真面目であっても限界があり、このところのGDP推計には多くの専門家が首をひねっている。
かがおかしいのではないか・・・・・・・・・こんなに世の中は好況なのにただGDPだけが不況だ・・・・・・

 BNPパリバ証券のエコノミストの河野竜太郎氏によると特に新しい商品やサービスの数字の補足がおかしいのではないかという。内閣府の推計では▲0.9だが、新たな商品やサービス等を計測すると14年度は氏の推計では+0.6%になると言う。
またネット販売もかなり怪しく、内閣府の調査では約4兆円だが、経済産業省の数字では約12兆円になっている。

 なぜこうした問題が起こるかというと、GDPの6割を占める個人消費を推計するために内閣府が利用するデータの家計消費動向調査は、アンケートにこたえてくれる階層が暇な専業主婦に限られ、忙しいサラリーマンやネットを特に利用する若者からはデータが採られていないからという。
簡単に言えば最も保守的な経済行為をしている専業主婦のデータで日本の個人消費が推定されているため、日本の消費は落ち込む一方になるのだという。

 もともとGDPは単なる推計数字だからそのデータを最新なものにしないとどうしても時代から遅れる。アメリカは四半期ごとに見直しを行っているが日本は5年に1回だから、新しいサービスや物などは全く反映されない。すべて統計の外だから昔からあった統計数字だけが精緻化されて、たとえば農業統計や日本酒の酒造関連統計などはこれ以上精緻にするのが不可能なぐらいになっているが、これらは衰退産業のデータだ。
日本の統計担当官は衰退産業や成熟産業の統計処理は上手だが、今盛んに生まれているネット販売等の新規産業の補足は全く苦手だ。
いいじゃないですか、今ある数字を使ってGDPを推計しましょうよ、どうせ推計なのだから当たるも八卦当たらぬも八卦でしょう!!」

 山崎経済研究所山崎所長は「景気の転換期にはこのGDPの数字は全く役立たない」といっていたが、それは「景気が後退してもGDP は高く評価され、一方好況になっても低いまま」だからだという。
それは法人企業統計を見れば分かることで、たとえば企業は不況になると無理な押し込み販売を行って売り上げを維持するのだが、一方収益は劇的に低下する。しかし利用できる数字は売上のような簡単に補足できる数字だから、企業業績の悪化を捕えられない。
一方好況になると売上よりり利益確保を優先するので、売り上げは伸びていなくとも企業業績は劇的に改善する。

 だから14年度のように日本は輸出産業を中心に過去最高益を誇ったのにGDP は▲0.9%だし、一方韓国などはすべての産業が減収減益になり造船などは赤字に転落しているのにGDPは約3%の成長を遂げていることになっている。
企業は倒産間際で、学生は就職先がないが、喜べ、GDPだけは3%の成長だ!!」という状況になる。

 GDPは日本の場合5年ごとの見直しなので実態から常に遅れてしまう。今見直し項目の一つに企業の研究開発投資をGDPに加えるという案が検討されている。
今までは日本では加えられていないがアメリカやドイツではこれをGDPの計測に使っている。
もしこの研究開発投資を加算すると年率で約3%程度GDPが上昇するというのだから笑ってしまった。
毎年1%前後の成長しかしない日本のGDPが一気に4%程度になるのだから劇的だ。

 ようするにGDPとは所詮こんなものなのだ。これを根拠に景気をうんぬんする人はよほどおめでたいといっていい。
そんなことより実際に企業業績が好調で就職率がよく、パートの賃金も上昇して不動産が売れていれば、GDPが何であろうとも好況なのだ。
GDPなどというどうにでも加工できる数字を眺めて一喜一憂しているようでは景気判断を誤るし、日本がマイナスだなんて思って更なる景気対策などしようものなら経済が過熱してしまう。もはやGDP崇拝の時代は終わっているのだが、ようやく日経も気が付いたというわけだ

 

 

 

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