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(27.8.28) ロドリゴとイェティさんの北海道自転車周遊記 その1

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 ロドリゴが走友会の雪男と呼ばれたイェティさんと蝦夷地の自転車旅行に出かけたのは、ジパングが真夏の太陽に照らされ草木がすべて死に絶えたような酷暑の8月6日のことでございました。
ここ千葉郷から蝦夷地に向かうには常陸の国大洗の港からフェリーと称する北前船に乗り、蝦夷地の苫小牧の港までほぼ1日半の船旅をする必要がございます。

 ここから大洗までは約30里(120km)程度の距離がございますので、夕方6時半の北前船に乗るべく朝5時に出立したのでございます。時速20kmで6時間、食事等を入れて約8時間が予定時間でございました。これだと午後3時には大洗の港に到着できるはずでございました。

 イェティさんは私より3歳ほど若い偉丈夫で体格もはるかに私をしのぎ、未だに極真空手の道場に通ってはあばら骨を折るのですが、医者にもいかず添え木を胸に充てるだけで直してしまう野生児でございます。
登山などすると本能がよみがえり登山道を疾駆するのですが、最近でこそ山岳トレッキングレースがあちこちで開催されていますからアルプスを走ってもそれほど奇異ではないのですが、10年程度前までは登山客が度肝を抜かしておりました。

 今回の自転車旅行のためにイェティさんは立派なロードレーサーを購入して準備し、それに荷台を設置して大量の荷物を運ぼうとしていたのですが、このロードレーサーと大量の荷物の組み合わせは最悪の組み合わせであることが後になって判明いたしました。
ロードレーサーは荷物運搬には全く向かなかったのでございます。

 一方ロドリゴの自転車はクロスバイクといってママチャリとロードレーサーの中間に位置される自転車ですが、相違はタイヤの細さと厚さの違いでございます。
ロードレーサーはあくまでスピードを重視し必ず車道を走ることを前提にしておりますので、タイヤは細く薄く間違っても側溝などに乗り上げることはないとの前提でできております。
それに対しロドリゴクロスバイクは車道より歩道を走る方が多いため、タイヤは太く丈夫でどのような側溝や石や穴ぼこに落ちてもそっとやちょっとではパンクなどしない構造になっておりました。

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 千葉郷より大洗の港までは国道51号線を走っていくのですが、ここは非常に交通量が多く、また車道など走っているといつダンプや自家用車にはねられてもおかしくないような状況でございました。
イェティさんは当初は颯爽と車道を走っていたのですが袖すれすれに何度もダンプがよってくるのでたまらず歩道を走ることにしたのでございます。
しかし今度は歩道のデコボコや段差にイェティさんの荷物をたっぷり積んだロードレーサーが悲鳴を上げたのでございます。
歩道を走り始めてからしばらくして、あれは50km程度走ったあたりでしたが、イェティさんの自転車がパンクを繰り返し始めたのでございます。
このパンク処理に手間取り予定の到着時間がだんだんと遅れてまいりました。

 このパンクは大洗の港に行くまで都合3回、また蝦夷地での旅行で3回と合計6回繰り返したのですが、最終的にはこれがタイヤの薄さが原因だと分かり旭川の自転車店で太く丈夫なタイヤに変えるまで続いたのでございます。
この日は90km程度の地点でとうとう予備のチューブもなくなり、やむなくパンク修理をしたのですが、パンク修理には水とバケツがないとパンク個所が分からないため道路沿いにあった工場に頼み込んで二人でパンクの手当てをいたしました。

 この日は途轍もなく暑く飛んでいる鳥がマルコゲになって道路に落ちてくる様な日で、自転車も走っている限りは何とか我慢できるのですが止まるとサハラ砂漠に佇んだような感じでございました。
工場の近くの道路沿いでこのパンク修理に悪戦苦闘したのですが、パンク修理にも相応の時間と技術が必要で炎天下の道路わきでいくら糊をつけてもすぐに空気が抜けてしまいどうにもならない状態になってしまいました。
イエティさん、ここから大洗まではまだ30k程度ありますが仕方がないので二人で自転車を押していきましょう。時速5kmなら6時間もあればつくでしょう。夕方の便に間に合わなくても夜中の便には間に合うでしょう
何度もパンク修理をしていたため午後4時ごろになっていましたが、夜中の便は午前1時半でしたので、それまでに間に合えば何とかなると思ったからでございます。
しかし本音を言えば炎天下の30kmを自転車を押して行くことは本当はガレー船の奴隷労働に匹敵する苦難だったのでございます。

 ところがここからがイェティさんの真骨頂で、イェティさんは走友会きっての折衝係ですべてを折衝で解決してしまう能力を持っておりました。
信じられないことに近くにあった中古車販売店のオーナーに頼み込み、大洗まで自転車と私たちを自動車で運んでもらう交渉をまとめてきたのでございます。
ロドリゴは困難が発生すると苦難を引き受けて乗り切ることが普通で、こうした場合も30kmを歩くのですがイェティさんはその対極にある能力を持っていたのでございます。
あとで聞くと費用は1両で、ここから大洗までは約30分程度で着きましたから、当初予定通りの午後6時半の北前船に間に合うことができたのでございます。

 こうして灼熱の太陽に照らさせ牛馬が死に絶えた関八州から我々二人は晴れて蝦夷地に向かうことができたのですが、もはや予備のチューブもなくなりパンク修理もままならない状況で蝦夷地に向かう船旅は前途に暗雲が差し込めているようでございました。

 

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コメント

ロドリゴさん 北海道自転車周遊記 昨年に続き 面白く読まさせていただいております。続報を楽しみにしています。

投稿: 佐藤仁 | 2015年8月29日 (土) 13時41分

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