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(27.8.2) 漂流するTPP交渉 アメリカ組の再結集が今回も失敗した!!

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 TPP
(環太平洋パートナーシップ協定)が漂流している。
今回の閣僚級会議で最終合意を図る意気込みだったが、合意にはいたらなかった。
乳製品の輸入枠問題と、新薬データの保護期間について最後までもめたからだ。
今回の閣僚級会議ではアメリカと日本が強く合意を図ろうとしたが、各国の利害調整に手間どってしまった。

 乳製品の輸入枠についてはニュージーランドがその拡大を強く迫り、一方新薬データの保護期間についてはアメリカの主張する12年とのオーストラリアの主張する5年との溝が今回の会議でも埋まらなかった。
会議終了後アメリカ代表のフロマン氏が「きな進展があり今後も集中的に交渉を続ける。ただし次回の閣僚級会議の日程は決まっていない」とコメントし、甘利TPP担当大臣は「もう一度会議を開けばすべて決着する」と述べていたが、実際は次回の会議日程も決められなかったという惨状だった。

 今回こそは閣僚級会議で決着を図ろうとした目論見が失敗したのだが、こうした交渉は各国がそれぞれ一定程度の妥協を図らない限り決着するものでないから、自己主張を繰り返すのは実際はTPP交渉をつぶすのと同じ結果になる。
そうした意味では合意を目指したアメリカと日本が大幅な譲歩しない限り決着は難しいだろう。

 現在なぜTPP交渉が大事かというと、世界経済が大きくブロック化しておりその中でアメリカ組の再結集が遅れているからだ
もともとは関税や貿易や為替の世界ルールはGATTという組織(のちWTO)で全世界規模で決めることになっていたが、何を決めようとしても時間ばかりかかるため、現在では各ブロックごとにこうした取り決めを図るようになってきた。

 なにか第二次世界大戦前のブロック経済のようなものだが、実際に世界は大きく3極化しており、ヨーロッパはEUでまとまり、中国はAIIBというインフラ投資銀行を設立することによって中国組を糾合したが、最後に残されていたのがTPPでこれはアメリカ組の再結集を狙ったものだ。
参加国は12か国だが、主なメンバーはアメリカ、日本、カナダ、オーストラリアでこのうちアメリカと日本とカナダはAIIBに参加していない。

 12か国の世界におけるGDPのウェイトは約40%だから設立されればここでの取り決めを世界標準として他のブロックに押し付けることができるのでとても有利な立場になる。
オバマ大統領も安倍首相も今回本気で妥結を図ろうとしていたが、最終合意に至らなかったのは誠に残念なことだ。

 残された時間はわずかで特にアメリカの場合は来年になると大統領選挙が始まり、現役の大統領が重大な決定をすることがはばかられるような状況になるので、ぜひとも本年度中に決着をつけたいと望んできた。
また安倍首相もアメリカと日本が組んで世界のルール作りをし、特に中国に対抗する経済連合体の創設に意欲を持っているので何としても決着を図りたかったというのが本音だろう。

 次回の閣僚級会議の日程調整は8月末のアセアン経済担当相会議と合わせて行う等の案が検討されているようだ。しかし次回に決着がつかないとTPPは完全に漂流してしまい、中国に対抗する経済連合体の創設は半永久的に不可能になってしまう。
甘利TPP担当相が言うように「もう一度会議を開けば決着する」ためには乳製品の輸入枠について日米の譲歩が必要になるだろうし、アメリカは新薬データの保護期間をオーストラリアの主張に近づけなくてはならないだろう。

 各国ともそれぞれ複雑な国内事情を持っているのはお互い様だが、オバマ大統領と安倍首相の政治決断がない限り、TPPという今後半世紀程度は各国を縛るフレームワークの確立は難しそうだ。



 

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