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(27.8.24) タイの爆弾テロ事件 犯人像が絞れない!!

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 この8月17日に発生したタイの爆弾事件については分からないことが多い。20名の死者と100名前後の負傷者がでていて、爆発犯の指名手配写真も出ているが、一見すると犯人は外国人のように見える。実際にこの犯人は英語以外の外国語を使用していたと、犯人を乗せたトックトック(自転車タクシー)の運転手は証言している。

 しかし国家警察の責任者は「犯人は外国人に変装したタイ人で約10名程度のグループである可能性が高い」と外国人説を否定している。
現在の軍事政権は昨年の5月にクーデターでタクシン派の政権を倒して成立したものだから、軍事政権を目の敵にしているのはタクシン派ということになる。
だからテロを行った可能性が最も高いのはタクシン派ということになるが、タクシン派は穏健派と急進派に分裂しており、タクシン派が行ったとすればこの急進派のはねっかえり分子ということになる。

注)タクシン派と反タクシン派の攻防については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-c7b6.html

 もともとタイの国民は穏健な人々が多くクーデターといっても人的被害はほとんどないのが普通だった。それが様変わりになったのが5年前の反タクシン派のアピシット首相による強権発動でこのときタクシン派のデモ隊を中心に約90名の死者が出た。
タイの政争がそれまでの穏健なタイ式から階級闘争に変わったのはこの時といえる。

 タイでは選挙をすれば必ずタクシン派が勝利するのだが、タクシン派とは農民と左翼を一緒にしたような政党で、一方反タクシン派とは国王、裁判所、軍、官僚組織、資本家階級が支持するいわゆる実権派といえる。
タイでは選挙でタクシン派が勝利するとまず憲法裁判所がタクシン派にケチをつけて選挙の無効を宣言し、その後軍がクーデターを起こして反タクシン派が実権を握るという方式が一般的で、現在の軍事政権もその方式をとっている。

 軍事政権としては今回のテロ事件はタクシン派の急進分子が起こしたものと想定して捜査を進めているが、一方で外国人説も捨てがたくホテルなどをしらみつぶしに洗っている。
いづれ犯人が上げられるだろうが、問題はこうしたテロがタイ経済に与える影響である。
タイは日本企業にとっては第二の日本といえるくらい企業進出が激しく約4000社、6万5千人の邦人が暮らしている。
特に自動車産業は日本以上の拠点になっているといっていいほどで、タイ経済の動揺は日本にとって由々しき問題になる。

 またタイ経済の屋台骨の一つは観光業でGDPの約1割を稼ぎ出している。上期の海外からの観光客数は約1500万人で日本のそれが約1000万人だから如何にタイが観光に立脚した国か分かろうというものだ。
今回のテロ事件は主要な観光スポットを狙ったものであり、これでは観光客はタイ観光を見合わすだろう。

 本年度のGDPは約3%程度の伸び率でこれは韓国とほとんど変わらずアセアンの中では低位に位置する。
軍議政権は経済政策はさっぱりだが国内に安定をもたらしている」というのが今までの国民の評価だったがそれも怪しくなってきた。
軍事政権から安定をとったら何も残らないのだから、今回の爆弾テロ事件の軍事政権に対する衝撃は実に大きいといえるだろう。

 

 

 

 

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評論 世界経済 タイの政治・経済」カテゴリの記事

コメント

 タイの国情不安定は日本人には無関係な出来事のように見えますが、私は、対岸の火事ではないと見ます。タイの状況を見ることは、日本の政治状況を考える教訓でしょう。

 タクシンは、一代にして成り上がった大富豪であり政治家のようです。その手法は、首相時代には賄賂政治(30%)であり、北部農民層へのばら撒きであり、自派デモには日当を出して集め扇動です。したがって、このばら撒きが効いて選挙に強く、今選挙するとタクシン派が多数を占めるのです。デモ隊やらのプロパガンダ行動が厚かましいです。

 タクシン派は選挙で民意を問えと主張しますが、賄賂とばらまきに感化されたままでは国家の将来は暗いものとならざるを得ず、国王の姿勢がその歯止めとなり、軍、最高裁判所をして超法規的体制を敷いているのです。

 日本に置いても、イデオロギーにかぶれた~~新聞とかあります。民意はそのプロパガンダに揺さぶられ、物事が正しく判断できない状況が続きます。政党も、反対するだけの存在であり、真に国民の事を考えているのか疑わしい限りです。

 タイの政情は注意を払って見ていく必要あるでしょう。
 下記ブログに詳しいです。
http://tansoku159.blog.fc2.com/blog-entry-964.html

投稿: hiromiya | 2015年8月25日 (火) 11時51分

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