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2015年8月

(27.8.31)ロドリゴとイェティさんの北海道自転車周遊記 その2

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(イェティさんのパンク修理風景、6回パンクをしてしまった)

  翌8月7日には時間通り午後1時半には北前船は苫小牧の港に入港いたしました。蝦夷地は関八州のうだるような暑さとは別の全く別天地といっていいような気候で気温も20度程度の心地よさでございました。
やはりこれが蝦夷だ
ロドリゴは蝦夷がことのほか好きなのでいつものように心が奮い立ったのでございます。

 しかしイェティさんは大洗の港までの120kmの間に3度もパンクを繰り返したため心が物憂かったのでございます。
相談した結果はここ苫小牧で予備のチューブを一人当たり2本購入すること、そしてイェティさんの15kgに及ぶ荷物を半減することでございました。
どう見てもロードレーサーと荷物の運搬は最も悪い組み合わせと思われたからでございます。
船宿の主人に聞いてできたばかりという自転車屋を紹介してもらい、チューブの手当てができたときは実にホッとしましたが、この時はまだ本質的な問題がタイヤの薄さにあることに気が付いておりませんでした。

 今回の旅は北海道の東部方面を一周する予定で一日の走行距離は100kmから150kmと定めておりました。
たった一日の旅行ならば自転車では200kmも可能なのですが、数日間にわたる場合は細いサドルが災いしてお尻に重圧が加わりほとんど耐えられないような痛さになるのでございます。
今回の旅の最大の課題は最後はこのお尻対策になり、イェティさんも私もお尻の下に手ぬぐいや子供用おむつを敷いたりして懸命に耐えたのでございます。
通常は100km、無理しても130km程度にとどめたのはこのお尻の激痛のためでございました。
たまらん、尻が火を噴いている!!!」

 今回の旅ではテントを用意しておりましたので気が向けばどこにでも泊まれるのですが実際の泊る場所はキャンプ場かあるいは公園とかの公共の場所を選択することになりました。もし個人所有の場所で寝ていると役人に通報されて手鎖になる可能性があったからでございます。
自由に寝られるといってもそこには一定の限界がございました。

注)クリックすると地図が出てきます。拡大して(+)見てください。

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  この日はえりも岬に向かって国道235号線を走ったのでございますが、チューブの手当て等をしていたため出立時間は3時半ごろになっておりました。
イェティさん、今日は走っても5時ごろには宿の手配をした方がよさそうですね
苫小牧という街は北海道の衰退を一手に引き受けたような街で、ここはもともと王子製紙の城下町でございましたが、製紙業の衰退とともに街の賑わいが薄れ、さらに起死回生の手段として実施した西部地区と東部地区の再開発はものの見事に失敗し、進出した企業は王子製紙関連企業以外はほとんどなく、荒れ地が10km以上にわたって続いておりました。
芭蕉翁が歌った「なつくさや つわものどもが ゆめのあと」そのものの情景なのでございます。

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(テントを張ったむかわ四季の館の芝生)

 しかし北海道の衰退問題はまた後ほど記載することにして自転車旅行だけに限ると最大の問題は体をいかに清潔に保てるかということでございました。当然のことに汗びっしょりになり排気ガスを十分に吸い込んだ体にはお風呂が一番で、古地図に「湯」のマークなどがついていれば一も二もなく自転車を止めては入浴することにいたしておりました。
幸いなことに今日本国中に「湯」マークの近代的な温泉施設が建設されており、大体500円程度で入浴をさせてくれるのでこれほど便利な施設はないといってよいと思われます。

 ロドリゴはかつて異国の旅をしばしばしてきたのでございますがこの日本国における「湯」は古代ローマの浴場に匹敵するすばらしい施設で、「テルマエ・ロマエ」のローマ人が日本国のお風呂をまねるのは至極当然と思われたのでございます。
今はほとんどの市町村にこの「湯」の施設が備えられており、ここ蝦夷地でもうれしいことにむかわ郷に、「むかわ四季の館」という立派な施設が完備されておりました。

 イェテイさんとロドリゴはこの湯に十分つかりその夜はこの施設の前の芝生の上で持ってきたテントで寝込んだのでございます。ただテントは二人が入ってようやっとの大きさのため、頭と足をさかさまにして寝なければならないほど窮屈なもので、さらに内部でおならなどしようものなら窒息死をしそうな狭さでございました。

 

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(27.8.30) 難民の時代 ヨーロッパの今は日本の明日 北朝鮮難民への対処はどのようにすべきか」!!

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 ヨーロッパ人は今深い悔恨の念に陥っている。今から約5年前にチュニジアから始まったアラブの春にヨーロッパの民主主義を標榜する教養人は歓喜したが、それは大いなる幻想だったことが明らかになったからだ。
チュニジア、リビア、エジプトからは独裁者は追放され、シリアのアサド政権は今一歩で崩壊の危機に瀕しているが、独裁者なきあとのアラブは単なる内戦地帯になり、独裁政権時代より多くの死者がでて、一般市民の生活は崩壊している。

 そして生活ができなくなったこうした市民が今地中海をわたって一斉にヨーロッパに押し寄せているが、これがアラブの春の現実的な帰結になっており、ヨーロッパの教養人に突き付けられた問は以下のようなものだった。
腹ペコの民主主義と一応生活できる独裁政権はどちらの方がいいのだろうか?」

 UNHCR(国連難民高等弁務官事務所)によると、15年度に入り約32万人の難民がギリシャとイタリアに押し寄せ、うち2400人が途中で溺死等で死亡しているという。
最もこれは判明している人数だから実際はこの数を数倍する難民がヨーロッパに押し寄せていることになる。
ドイツでは15年度の難民申請者は約80万人になるそうで、これは昨年の約4倍だから難民はあらゆる手段でドイツに押し寄せている(日本への難民申請数は15年度5千人だから比較にならない)。

 8月27日にはオーストリアで路上に放置されていた冷凍車から約20名の死体が発見されたが、最終的には死亡者は50名に達しそうだという。
またイタリア沿岸に漂流するおんぼろの漁船からは50名の死者が発見されているし、リビア沖で沈没した漁船ではすでに200名が溺死した。
本当は何人が死亡して何人が助かったのかもギリシャ政府などは数の把握ができておらず、ドイツのメルケル首相はギリシャ政府に代わってEUがこうした難民うけ入れの事務をすべきだと怒っている。
ギリシャは財政再建も難民対策も全くできないとんでもない国だ!!」

注)シリア方面の難民はギリシャにリビア方面の難民はイタリアに上陸する。

 だがこの難民問題の本質はリビアのカダフィ政権を人道主義の御旗の元の倒したNATOにも責任があり、そのつけを今支払わされているといってよい(シリアにもNATOが介入している)。
あんたがたがカダフィを倒して生活基盤をめちゃくちゃにしたのだから、我々を助けるのは当然だ」という意識がアラブ側にあり、難民は当然の権利だという意識がある。
しかもこのアラブからの難民は怒涛のごとく押し寄せており、これはローマ末期に起こったゲルマン人の侵入に匹敵する動きといえる。

 私は人道主義の名のもとに戦争をすることに反対なのだが、人道主義の帰結はほとんどが混乱でそんなことなら独裁政権に国家を仕切らせていた方がよっぽど社会が安定するからだ。
日本を取り巻く情勢でも同じで、ここには北朝鮮というグロテスクなまでの独裁国家が存在する。
国民は飢えてさらに独裁なのだからこれほどひどい体制はないのだが、それでも私はこの北朝鮮という体制が半永久的に続くことを望んでいる。

 それはもしこの体制が崩壊したら現在ヨーロッパで起こっている難民問題が一気に火を噴くからだ。
日本海をぼろ舟で渡ってくる難民が日本の日本海側に次々に漂着する様は悪夢といえる。
世界で最も貧乏で近代的な教養は何一つつけておらずただひたすらチュチェ思想を標榜するオカルト集団の上陸だと思っていい。

 そんなことになるくらいならキム・ジョンイル第一書記が国内の反対派を次々に粛清し、少しでも不満を持つ人民を山送りにして餓死させてくれた方がよほど助かる。
北朝鮮ではキム・ジョンイル氏だけがぶくぶく太って後の人民は痩せこけているが、それでもこの体制を維持することが日本としてはベストシナリオだ。
ありがたいことに時々何を思ったか韓国に砲撃までしてくれるのでパク・クネ大統領も日本敵視政策に時間を割くこともできなくなるのでさらに好都合といえる。

 私は人道主義とか愛とか正義とかを建前でなく本気で信じて実行する人を好まないが、それはその帰結が人道主義に最も遠いところになることが多いからだ。
現在のヨーロッパ知識人の苦悩を日本に持ち込ませないためのベストシナリオはキム・ジョンイル氏がますます独裁性を発揮して北朝鮮の人民を殺しまくってくれることで、そうして北朝鮮が自然消滅してくれるのを待つのが一番いい。
難民の時代の対処は難民を発生させないことを独裁者に一任するのが一番という何とも皮肉な結論だが、実際はそれが最も妥当な方法だと思っている。

 

 

 

 

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(27.8.29) 銚子市は夕張市になってしまうのだろうか? 財政再建団体問題

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 最近は地方公共団体の財政問題についてあまり興味を持ってこなかったが、先日読売新聞を読んでいたら銚子市が県から「このまま行くと北海道の夕張市のような財政再建団体になる可能性がある」ので財政健全化計画を策定するように要請されていた。
銚子市が一般会計の赤字を補填するために特別会計から約4億円を繰り入れたことを県が問題視したということのようだ。

 しばらく前までは私の住んでいる千葉市財政健全化団体に指定されそうになって、財政健全化計画を策定していたのでその時は市町村の財政に興味を持っていたが、最近は千葉市の財政も改善されたらしくかまびすしくなくなった。
そのため地方自治体の財政問題はメディアでとりあげられなくなっていたが、今度は銚子市が問題視され始めている。

注)千葉市の財政再建問題については以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2010/08/2284-0be0.html

 千葉県は東京湾寄りと東京寄りの地域は総じて人口も増加しまた産業基盤もしっかりしているのだが、太平洋に面した地域の産業基盤はほとんどなく衰退の一歩をたどっている
銚子市、館山市、勝浦市、鴨川市といったところがそうで、こうした場所は観光と水産業以外の産業は存在しないといっていい。
このため毎年のように人口減少に見舞われており、特に銚子市は水産業以外の産業が全くない。

 かつてといっても江戸時代だが銚子は江戸と東北や蝦夷地の物流の起点で、利根川をさかのぼり関宿で江戸川にはいる物流ルートの起点としてとして栄えていた。
明治以降は特に水産物の水揚げが全国的にもトップクラスで千葉県で市制を引いたのが千葉市に次いで古い。

注)三波春夫さんが歌った大利根無常にはそのころの利根川の殷賑ブりがよくわかる。
歌詞は「利根の利根の川風 よしきりの  声が冷たく 身をせめる これが浮世か 見てはいけない 西空見れば  江戸へ江戸へひと刷毛(はけ)  あかね雲 」というのだが平手造酒がやくざの用心棒をするほどやくざ稼業が跋扈していた。


 しかし日本の産業構造が変わって水産業が相対的に衰退産業になると銚子市の殷賑ぶりにもかげりが生じ人口減少に拍車がかかった。
若者の働き場所がないため若者は東京に出てしまい、残ったのは老人ばかりになったからだ。
1970年には9万人いた人口が現在では6.5万人程度になり、さらに激減が予想され2030年には県下で最高の人口減少地域になると推定され、その時の予想人口は約4万人である。

 そのため市の財政は毎年厳しさを増して、昨年度は赤字を補てんすることができず苦し紛れに水道事業特別会計から約4.2億円を振り替えて赤字決算を免れたのが実態だ。
だが本音を言えば銚子市の財政はもうどうにもならないのだと思う。住んでいるのは老人ばかりで若者は老人福祉ばかりに熱心な銚子市に愛想をつかして、周りの旭市や神栖市に引っ越してしまっている。

注)銚子市の実情については実際にここに住んでいるブログ「ちば公園のベンチから」の著者が詳細な報告を行っている。
http://midorinochiba.cocolog-nifty.com/blog/2015/08/post-cf2e.html

 銚子市の最大の課題というと市民病院問題だがこの病院は長く赤字が続き08年にいったんは閉鎖したのだが、病院を閉鎖した市長はすぐにリコールされてしまいその後再開された。
しかし病院経営が厳しいことはその後も全く変わらず年間10億円程度の赤字補てんをしなければ病院経営がなりたたなくなっている。
これが銚子市の財政危機の根本原因の一つとなっている。

 老人ばかりが住んでいるので市民病院は絶対に必要ということだが、実際は隣接する旭市に旭中央病院という規模も医師数も充実した病院があり、銚子市民ももっぱらこちらに通ってしまうので銚子市の市民病院は相変わらず閑古鳥が鳴いている。
市民は市民病院は必要だが実際の病気治療を当てにしているわけではない。

 銚子市の問題は地方自治体が今後も存続できるか否かの一つのメルクマールになるような問題なので今後とも実態をトレースする必要がありそうだ。

 


 

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(27.8.28) ロドリゴとイェティさんの北海道自転車周遊記 その1

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 ロドリゴが走友会の雪男と呼ばれたイェティさんと蝦夷地の自転車旅行に出かけたのは、ジパングが真夏の太陽に照らされ草木がすべて死に絶えたような酷暑の8月6日のことでございました。
ここ千葉郷から蝦夷地に向かうには常陸の国大洗の港からフェリーと称する北前船に乗り、蝦夷地の苫小牧の港までほぼ1日半の船旅をする必要がございます。

 ここから大洗までは約30里(120km)程度の距離がございますので、夕方6時半の北前船に乗るべく朝5時に出立したのでございます。時速20kmで6時間、食事等を入れて約8時間が予定時間でございました。これだと午後3時には大洗の港に到着できるはずでございました。

 イェティさんは私より3歳ほど若い偉丈夫で体格もはるかに私をしのぎ、未だに極真空手の道場に通ってはあばら骨を折るのですが、医者にもいかず添え木を胸に充てるだけで直してしまう野生児でございます。
登山などすると本能がよみがえり登山道を疾駆するのですが、最近でこそ山岳トレッキングレースがあちこちで開催されていますからアルプスを走ってもそれほど奇異ではないのですが、10年程度前までは登山客が度肝を抜かしておりました。

 今回の自転車旅行のためにイェティさんは立派なロードレーサーを購入して準備し、それに荷台を設置して大量の荷物を運ぼうとしていたのですが、このロードレーサーと大量の荷物の組み合わせは最悪の組み合わせであることが後になって判明いたしました。
ロードレーサーは荷物運搬には全く向かなかったのでございます。

 一方ロドリゴの自転車はクロスバイクといってママチャリとロードレーサーの中間に位置される自転車ですが、相違はタイヤの細さと厚さの違いでございます。
ロードレーサーはあくまでスピードを重視し必ず車道を走ることを前提にしておりますので、タイヤは細く薄く間違っても側溝などに乗り上げることはないとの前提でできております。
それに対しロドリゴクロスバイクは車道より歩道を走る方が多いため、タイヤは太く丈夫でどのような側溝や石や穴ぼこに落ちてもそっとやちょっとではパンクなどしない構造になっておりました。

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 千葉郷より大洗の港までは国道51号線を走っていくのですが、ここは非常に交通量が多く、また車道など走っているといつダンプや自家用車にはねられてもおかしくないような状況でございました。
イェティさんは当初は颯爽と車道を走っていたのですが袖すれすれに何度もダンプがよってくるのでたまらず歩道を走ることにしたのでございます。
しかし今度は歩道のデコボコや段差にイェティさんの荷物をたっぷり積んだロードレーサーが悲鳴を上げたのでございます。
歩道を走り始めてからしばらくして、あれは50km程度走ったあたりでしたが、イェティさんの自転車がパンクを繰り返し始めたのでございます。
このパンク処理に手間取り予定の到着時間がだんだんと遅れてまいりました。

 このパンクは大洗の港に行くまで都合3回、また蝦夷地での旅行で3回と合計6回繰り返したのですが、最終的にはこれがタイヤの薄さが原因だと分かり旭川の自転車店で太く丈夫なタイヤに変えるまで続いたのでございます。
この日は90km程度の地点でとうとう予備のチューブもなくなり、やむなくパンク修理をしたのですが、パンク修理には水とバケツがないとパンク個所が分からないため道路沿いにあった工場に頼み込んで二人でパンクの手当てをいたしました。

 この日は途轍もなく暑く飛んでいる鳥がマルコゲになって道路に落ちてくる様な日で、自転車も走っている限りは何とか我慢できるのですが止まるとサハラ砂漠に佇んだような感じでございました。
工場の近くの道路沿いでこのパンク修理に悪戦苦闘したのですが、パンク修理にも相応の時間と技術が必要で炎天下の道路わきでいくら糊をつけてもすぐに空気が抜けてしまいどうにもならない状態になってしまいました。
イエティさん、ここから大洗まではまだ30k程度ありますが仕方がないので二人で自転車を押していきましょう。時速5kmなら6時間もあればつくでしょう。夕方の便に間に合わなくても夜中の便には間に合うでしょう
何度もパンク修理をしていたため午後4時ごろになっていましたが、夜中の便は午前1時半でしたので、それまでに間に合えば何とかなると思ったからでございます。
しかし本音を言えば炎天下の30kmを自転車を押して行くことは本当はガレー船の奴隷労働に匹敵する苦難だったのでございます。

 ところがここからがイェティさんの真骨頂で、イェティさんは走友会きっての折衝係ですべてを折衝で解決してしまう能力を持っておりました。
信じられないことに近くにあった中古車販売店のオーナーに頼み込み、大洗まで自転車と私たちを自動車で運んでもらう交渉をまとめてきたのでございます。
ロドリゴは困難が発生すると苦難を引き受けて乗り切ることが普通で、こうした場合も30kmを歩くのですがイェティさんはその対極にある能力を持っていたのでございます。
あとで聞くと費用は1両で、ここから大洗までは約30分程度で着きましたから、当初予定通りの午後6時半の北前船に間に合うことができたのでございます。

 こうして灼熱の太陽に照らさせ牛馬が死に絶えた関八州から我々二人は晴れて蝦夷地に向かうことができたのですが、もはや予備のチューブもなくなりパンク修理もままならない状況で蝦夷地に向かう船旅は前途に暗雲が差し込めているようでございました。

 

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(27.8.27) 大阪寝屋川市の中学生殺人事件は犯人だけの問題か?

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 大阪寝屋川市の中学1年生の男女が殺害された事件では、山田浩二容疑者が逮捕され、本人は黙秘しているもののあらゆる証拠から犯人であることは明らかなようだ。
山田容疑者は過去にも中学生や高校生の男子生徒を監禁した前科があり、今回もその延長線上で若い男性を狙った犯罪で、一緒にいた女性の平田奈津美さんは邪魔なので最初に殺害された可能性が高そうだ。
いわゆる猟奇殺人事件といっていい性質のものである。

 この事件では当然殺害した容疑者に第一次的責任がありこうした殺人事件を繰り返さないためにも厳罰に処すべきだが、今回の事件はそれだけではすまないように思っている。
今回平田奈津美さんが家出をし(理由は知らない)、その同伴者として星野凌斗君を誘って京都に二人で出かけることになっていたようだが、家出をしたこともまた中学1年の男女が夜中に二人で繁華街をうろついていたこともかなり問題がある。

 日本は世界的に見ても安全な国の一つだがそれはあくまで相対的な意味で安全なのであり、絶対的に安全だとは言えない。
実際小中学校では父母が学校の行き帰りにセーフティーウォッチャーとして子供を見守っており、私もウォッチャーを委託されている。
だがこのウォッチャーが見守れるのも学校の行き帰り時間がせいぜいで、とても真夜中の街を見守るような時間的余裕などない。

 だからこうした時間帯は家族や本人が自己責任でリスク管理をする時間で、とても社会的見守りまで期待するわけにはいかない。
家出をするには相応の理由があったのだろうがこれは家族の問題で、家族のリスク管理の問題といえる。
家族も一種の組織体だから企業のリスク管理と何ら変わることはない。企業では従業員が無断で欠勤しかつ居所が分からないとなると大騒ぎになるが、家族でも一員が無断で家出すれば問題だ。

 また家出後夜の街をうろつくのは中学1年生としては危険極まりない行為といえる。どこが危険でどこが安全かは本人のリスク認識の問題で、たとえば外国旅行でISが支配している地域や紛争地に行くにはすべて自己責任になるが、夜半の繁華街を中学1年生がうろつくのも同様に自己責任の問題だ。
実際山田容疑者のようなオオカミが獲物を物色している場所で、その餌食になってしまったというのが今回の事件のあらましのようだ。
かつてイザヤ・ベンダサンは「日本人は安全と水はただだと思っている」と指摘したが、私は安全神話にどっぷりつかって何もリスクがないと思うのは日本人の最も悪い癖だと思っている。

 今回の事件で安全とは相対的なものであり、幼い中学生が夜中に街を徘徊できるほど安全ではないことが実証されたが、家出をするにもその程度のリスク感覚を身に着けなくてはならない。
犯罪者だけが問題で中学1年生が簡単な理由で家出をしたり、夜中の繁華街をうろつきまわっていいというのでは片手落ちだ。
新聞等の主要メディアではこうしたリスクを無視した行為について意図的に触れようとしていないが、それでは再びこうした事件が発生することを防ぐことはできない。

 

 

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(27.8.26) 中国人民銀行の死闘 それでも株価は低下する

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 世界の株式市場にパニックが走っている。日経平均はそれまで2万円台をキープしていたのに中国発株安の連鎖で18000円前後まで急落してしまった。
一方火元の中国などは上海総合が3000ポイント前後まで急落しておりこれは高値から約4割も落ちている。
中国人民銀行のPKOでは3600ポイントを死守するはずだったのが、もはや中国といえども支えるすべを失ったかのようだ。
8月14には「一般的な状況では政府は市場に介入しない」と居直り発言をしていたが、実際に投入する資金が枯渇しはじめたようだ。

注)最近の中国の株価対策については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/ppp-17.html

 中国経済が全く不調なのは世界のどの投資家にも見破られてしまい、GDP7%などという数字は単なる絵にかいた餅であることが知られた以上株式を買い支える理由もなくなってきた。
現在中国の株価急落に伴って世界中の株価が急落しているが、それは今まであまりに中国経済を買いかぶりすぎていたからだ。

 中国人民銀行はたまらず最後の賭けに出たようだ。
上海総合指数が3000にまで下がったため、中国人民銀行は再び政策金利の引き下げ0.25%と預金準備率の引き下げ0.5%を実施すると8月25日に発表した。
この効果も今まで同様一時的なものになるだろう。
それはかつての日本のPKO を見てもわかる。


注)現在の中国政府が行っているPKOが1990年代に日本政府が行ったPKOの二番煎じであることは前に述べた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/ppp-8.html


 山崎経済研究所山崎所長などは昨年8月ごろの原油価格急落を見て中国経済が停滞局面に入り、今年のスマートフォンや自動車の販売が前年割れしたのを見て今は中国経済はマイナス成長に入ったと指摘していた。
しかし一般の経済評論家や実務担当者は中国が発表するGDPなどのマクロ数字を信じていたか信じたふりをしていて、中国経済は減速しているがまだ世界最高水準の成長率だなどと評価していた。

  だがここに来て中国株式が政府がどのように対処しても価格がじりじりと値下がりするのを見て目が覚めたようだ。
もしかしたら中国経済はいわれているよりも不調なのかもしれない・・・・・
この不信感は2010年にギリシャのパパンドレウ首相が「ギリシャの財政債務が公表されている数字よりはるかに悪い」と真実を述べたときのギリシャショックに相当する。
以来ギリシャは常に欧州経済の足を引っ張る問題児になったが、今回の中国ショックは中国当局が統計数字の改ざんを認めたわけではないが、あらゆる状況証拠から市場がその信頼性に疑いを持ってしまった。

 実際の中国経済は不動産バブルが破裂していたるところに人の住まない鬼城が林立し、さらに今回株式バブルも破裂したのだから1990年代の日本とそっくりになってきた。
アメリカなどはバブルを持ってバブルをつぶすことができるがそれはアメリカが基軸通貨国で通貨の印刷がいつでも可能だからで、日本のような非基軸通貨国はその手は無制限に使えない。経常収支が黒字の間は使えるが赤字になったらおしまいだ
その点中国も同様で通貨の印刷は経常収支が黒字の間だけだから日本と全く変わらない。
現在中国の経常収支は黒字だが、一方で貿易額は減少し、生産は停滞し、不動産は全く売れず、資本は中国から逃げ出しているのでお先真っ暗になりつつある。

注)アメリカのバブルを持ってバブルをつぶす方式の詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/ppp-2.html

 中国が原油も鉄鉱石も銅も買わなくなったのでこうした原油や金属類の価格は急落し、ピーク時の約半額に落ち込んでいる。
特に原油はすっかり余ってしまい1バレル40ドルを切った値動きになりつつあるがこれはリーマンショック後の価格に近付いたということだ。

 リーマンショック後中国政府は約4兆元(56兆円)の国内投資を実施したが、これは中国式バブルを持ってバブルをつぶす方式だった。
これが功を奏して昨年の夏ごろまでは世界経済を引っ張ってきたが、そこで息切れした 結局中国が世界経済を引っ張ってきた時代は終わり、中国株式の値下がりが世界の株安の引き金になっている。資源国は中国が購入しなくなったためどこもひどい経済停滞に陥っており、ロシア、ブラジル、南アフリカ、オーストラリア等は青息吐息だ。
また中国との貿易に活路を見出そうとした韓国は貿易額のじり貧で国家の存亡にもかかわりつつある。

 中国人民銀行は懸命に頑張っているが実体経済を救う手立てはない。
中国の時代は終わり、中国と一蓮托生を目指した韓国のような国家は共倒れるだろう。また個別企業でも中国に深入りした企業は危険で、日本では伊藤忠商事やニッサンや王子製紙やファナックやコマツは業績低下に悩むだろう。
またドイツの自動車産業もVWを筆頭に生産調整に追い込まれそうだ。

 1980年代、日本はアメリカに代わる経済大国になる直前で失速し、今中国がそのワダチを踏もうとしている。中国が世界帝国になる夢が今崩れ去りつつある。

 

 

 

 

 

 

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(27.8.25) 敵の敵は味方 キム・ジョンウン氏の火遊びがパク・クネ氏を正気にさせる!!

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  敵の敵は味方
という原則をこれほど明瞭に実行してくれるのは北朝鮮だ。
韓国のパク・クネ大統領は日本を最大の敵国と見なして外交政策を展開しているが、北朝鮮がタイミングよく韓国を砲撃するのでパク・クネ氏も正気に返ることができる。
もしかしたら本当の敵は北朝鮮なのではないかしら・・・・・・・

 今回の砲撃事件8月4日軍事境界線をパトロール中の韓国兵が北朝鮮が敷設した地雷に触れて重傷を負ったことに始まる。
韓国はこの事件を重く見て2004年以来中止していた大型スピーカーによる非難を北朝鮮に向けて再開した。
これに対して8月20日突如北朝鮮から韓国軍陣地に砲撃がなされ、一方韓国軍も威嚇射撃で応戦した。

 もともとは北朝鮮が不法に地雷を敷設したのが原因だが、いつものように北朝鮮はこうした事実は一切認めず、北朝鮮軍による砲撃も認めていない。
どんなに証拠が挙がっても「悪いのはすべて韓国で北朝鮮は常に正しい」という居直りには感心してしまうが、これは韓国の日本に対する態度とうり二つだから、私などは北朝鮮をつい応援してしまう。
そうだ、いつものように悪人はなんでもいいから韓国と主張しろ!!」

 北朝鮮は過去に何度も韓国に侵入したり砲撃したりしてきたが今まで一切そうした行為を認めたことがない。
そもそも朝鮮戦争も韓国軍が始めたことにしているし、大韓航空機爆発事件も知らぬ存ぜぬだし、韓国の哨戒艇爆破も北朝鮮は関知していないということになっている。
2010年ヨンピョン島砲撃は北朝鮮が行ったことは認めているが、これは韓国海軍が領海を侵犯したからだという理由になっている。

 韓国人はよくこれほどの理不尽な北朝鮮のいいがかりに我慢しているなと感心するほどだが、その一方で日本に対して韓国は全く無茶苦茶な言いがかりをつけるのだから精神的にはそれで安定しているのだろう。
しかし日本としたらこれではたまったものではない。
だから日本としては北朝鮮が時に全くのでたらめな理由で韓国と緊張関係を強いるのは願ったりで、韓国をまともな国家に戻す気付け薬の役割を果たしてくれる。 だから
キム・ジョンウン氏パク・クネ氏に正常な神経を持たせるための精神科医といえる。

北朝鮮「まず謝罪が先だ
韓国「何を言うか、謝罪はまず北朝鮮がすべきだろう
北朝鮮「わが国は韓国から一方的な砲撃を受け、かつ韓国は最高司令官同志を誹謗する放送まで行っている。謝罪して放送を中止しろ
韓国「地雷を敷設し、さらに最初に砲撃したのは北朝鮮ではないか
北朝鮮「全くの妄言で、そうした態度をとる限りソウルを火の海にするぞ

 板門店で高官級会議が開かれたが、韓国が妥協しないかぎり問題解決にはならないから、今回も泣く泣く韓国は大型スピーカーでの放送を取りやめることになった。
しかしこれに対し右派勢力から「ナンダ、パク・クネが強気なのは日本にだけか!!」攻撃されそうでパク・クネ氏としては弁解に苦慮するだろう。
だからキム・ジョンウン最高司令官が時々火遊びをしてくれることは日本にとってはまことにありがたいことで、まさに敵の敵は味方なのだ。

注)韓国の発表では北朝鮮が謝罪したのでスピーカーによる宣伝活動を中止したという説明になっているが、これは政治的説明で実際に北朝鮮が謝罪するようなことはありえない。

 

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(27.8.24) タイの爆弾テロ事件 犯人像が絞れない!!

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 この8月17日に発生したタイの爆弾事件については分からないことが多い。20名の死者と100名前後の負傷者がでていて、爆発犯の指名手配写真も出ているが、一見すると犯人は外国人のように見える。実際にこの犯人は英語以外の外国語を使用していたと、犯人を乗せたトックトック(自転車タクシー)の運転手は証言している。

 しかし国家警察の責任者は「犯人は外国人に変装したタイ人で約10名程度のグループである可能性が高い」と外国人説を否定している。
現在の軍事政権は昨年の5月にクーデターでタクシン派の政権を倒して成立したものだから、軍事政権を目の敵にしているのはタクシン派ということになる。
だからテロを行った可能性が最も高いのはタクシン派ということになるが、タクシン派は穏健派と急進派に分裂しており、タクシン派が行ったとすればこの急進派のはねっかえり分子ということになる。

注)タクシン派と反タクシン派の攻防については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-c7b6.html

 もともとタイの国民は穏健な人々が多くクーデターといっても人的被害はほとんどないのが普通だった。それが様変わりになったのが5年前の反タクシン派のアピシット首相による強権発動でこのときタクシン派のデモ隊を中心に約90名の死者が出た。
タイの政争がそれまでの穏健なタイ式から階級闘争に変わったのはこの時といえる。

 タイでは選挙をすれば必ずタクシン派が勝利するのだが、タクシン派とは農民と左翼を一緒にしたような政党で、一方反タクシン派とは国王、裁判所、軍、官僚組織、資本家階級が支持するいわゆる実権派といえる。
タイでは選挙でタクシン派が勝利するとまず憲法裁判所がタクシン派にケチをつけて選挙の無効を宣言し、その後軍がクーデターを起こして反タクシン派が実権を握るという方式が一般的で、現在の軍事政権もその方式をとっている。

 軍事政権としては今回のテロ事件はタクシン派の急進分子が起こしたものと想定して捜査を進めているが、一方で外国人説も捨てがたくホテルなどをしらみつぶしに洗っている。
いづれ犯人が上げられるだろうが、問題はこうしたテロがタイ経済に与える影響である。
タイは日本企業にとっては第二の日本といえるくらい企業進出が激しく約4000社、6万5千人の邦人が暮らしている。
特に自動車産業は日本以上の拠点になっているといっていいほどで、タイ経済の動揺は日本にとって由々しき問題になる。

 またタイ経済の屋台骨の一つは観光業でGDPの約1割を稼ぎ出している。上期の海外からの観光客数は約1500万人で日本のそれが約1000万人だから如何にタイが観光に立脚した国か分かろうというものだ。
今回のテロ事件は主要な観光スポットを狙ったものであり、これでは観光客はタイ観光を見合わすだろう。

 本年度のGDPは約3%程度の伸び率でこれは韓国とほとんど変わらずアセアンの中では低位に位置する。
軍議政権は経済政策はさっぱりだが国内に安定をもたらしている」というのが今までの国民の評価だったがそれも怪しくなってきた。
軍事政権から安定をとったら何も残らないのだから、今回の爆弾テロ事件の軍事政権に対する衝撃は実に大きいといえるだろう。

 

 

 

 

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(27.8.23) 天津港炎上と中国共産党のレクイエム

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  私が約2週間ほど北海道を走友会の雪男と異名をとるイェティさんと旅行している間に、世界が激動していた。一つは中国の天津港での爆発事故で天津港の機能がほぼ失われたことと、もう一つはタイのバンコクで白昼に爆弾テロがあり、両者とも多くの死者と負傷者が出ている。タイの爆弾テロについては明日記載することとし、今日は天津港の爆発事故について述べたい。
この事故は一般的に言われているよりも多くの意味を持っており、中国というシステムが終わりを迎えたことを意味している

 中国の天津港の爆発事故はいかにも中国的な事故で、危険な化学物質の保管倉庫が住宅地の近くに存在し、しかもそれが約3000トンの規模で保管されていた。
この化学倉庫で火災が発生し消防車が放水したところ、化学物質の一部が水と反応して大爆発を起こしたのだという。
死者116名、行方不明者約60名のほとんどが消防士だというから殉職といえる。
かわいそうなのはそうした化学物質が保管されていたなどとは夢にも思わず放水していた消防士だ。
規則では住宅地から1km以内はそうした倉庫の建設を認められていないが、この倉庫は1km以内に建設されていた。

 中国では規則は役人がワイロをとるための手段で、規則を逸脱したければワイロを払えばいくらでも危険物質を持ちこむことができる。
もし無断で持ち込みを行うと規則に照らして厳罰に処せられるが、ワイロさえ払えば何でもござれだから、「規則とは役人が汚職をするための手段」と思えばいい。
中国人と汚職は同義語で中国人から汚職をとったら何も残らないのが実態だ

 だからこうした中国に進出した日本企業は中国人並みの汚職体質を身に着けてしまい伊藤忠商事などはすっかり中国人商社になってしまったが、かつて評論家の日下公人氏は「中国人と付き合うと人間性が劣化するので中国人とは付き合わない方がいい」と述べていた。
私も何度も「中国に企業進出するなどはキチガイ沙汰だ」と述べてきたが、それは規則が汚職をするための手段になっているような場所で正常な商取引ができるとは思われないからだ。
日本のイメージで言えば今から250年前の田沼意次の時代で、そうした汚職体質は日本では松平定信によって徹底的に排除された。

 この天津港の爆発事故は落ち目の中国経済にとっては致命的な影響をえるだろう。何しろ天津港は世界第4位の貿易額を誇り、鄧小平氏から始まる改革開放のモデル地域と位置付けられており、東洋のマンハッタンを目指していた場所だ。
そのために今回爆発事故があった2km以内に高層建築が乱立しているが、中国にとって幸いにもそのほとんどが鬼城だからマンション住民などおらず、人的被害は消防士だけで済んだ。
もし本当にマンハッタンになっていたらニューヨークの9.11に匹敵する史上空前の大惨事になったところだ。

 しかしマンハッタンはともかく港湾施設は機能していたが、その港湾施設が崩壊した以上、この天津港地区は日本でいえば苫小牧のぺんぺん草が生えている工場地帯のようなものになってしまった。
さらに近くの河川からは大量の死亡した魚が漂っており猛毒のシアンが河川に流れ出た可能性が指摘され毒物に汚染された地帯になっている。

 習近平政権としたら9月3日に抗日戦争勝利の大パレードを開催する計画でこれによって習近平氏が人民解放軍を完全に掌握したことを海外にアピールする予定だが、その前にとんだケチがついてしまった。
中国経済が不調なのは今では周知の事実で、いくら北京政府がGDPの成長率が7%といっても誰も信じていない。

 自動車もスマートフォンも売れなくなり、貿易額は傾向的に減少しており、株価は政府の懸命な下支えがあってもじりじりと値を下げており、思い余って中国人民銀行が為替レートの引き下げをしたがその効果も全くない。
中国経済はお先真っ暗になった中で天津港が炎上したのだから、もはや中国経済にとってはこれ以上の悪材料はない。

 戦争では戦線を拡大しきったところで敵の猛攻撃を受けそこから敗走が始まることが多いが、日本のガダルカナル、ヒットラーのスターリングラード、ナポレオンのモスクワがそうだ。
そして習近平氏のガダルカナルはこの天津港の爆発で、9月3日の抗日戦争記念日は同時に中国共産党の崩壊の葬送曲を奏でる記念日になるだろう。
そうか、あれが中国共産党の最後のセレモニーだったのか!!」



 

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(27.8.22) 夏休みシリーズNO17 文学入門 ちっちゃなかみさん

043754501 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

河村さん主催の読書会は都合7年間も継続しているのだから大したものだ。私は小説というものほとんど読まないが、この読書会でテーマ本になったものはすべて読了して感想文を書くようにしていたので、意外に文学関連の記事が多くなった。




(20.10.29)  文学入門 3    ちっちゃなかみさん

 今日(28日)は河村義人さんが主催する第4回目の読書会だ。河村義人さんは本業は銀行員だが、一方で「子どもたちへのブンガク案内」という本を出版されているおゆみ野在住の作家でもある(おゆみ野walkersの「この人に会いたい」に詳しい)。

 今日の担当者は他でもない私で、私が読書会に選んだ本は、平岩弓枝さんの「ちっちゃなかみさん」だ。私はこの本をちはら台で開催されている朗読会で知ったのだが、以来大変気に入っていて私が担当になれば是非取り上げようと思っていた。

 事前にレジュメを作り、机の上においていたらかみさんが目をとめて「私もでようかしら」という。特に断る理由もないので「いいんじゃない」と答えた。
もっともかみさんとしても一人で来るのはやや躊躇したらしく、友達のYさんを誘ってやってきた。
今日は新メンバーが4人も来て、なにかとても新鮮な気持ちだ。

 「ちっちゃなかみさん」はたった24ページの小説で1時間もあれば十分に読み切れてしまう。話の筋立てはいたって簡単だ。
向島で三代続いた料理屋、笹屋の一人娘、お京がこの正月で20歳になった。当時は20歳になれば嫁に行くには十分な年頃だ。

 お京は15歳の時から家の店を切り盛りしてきたので、今では親は楽隠居の身に成っている。親の心配事は娘の縁談だけで、親は色々な縁談話を持ち込むが、お京は『あてがあると』断る。聞くとかつぎ豆腐売りの信吉の嫁になりたいと言う

 ここまでが前段であるが、この前段までに江戸時代の三つの常識が紹介されている。
 当時の女性はほぼ全員が結婚し、それも20才前には片付いている(だからお京はやや婚期が遅れつつある)。
 大店の娘はかつぎ豆腐屋売り風情の男の嫁には出来ない(
親としては承服できない)。
 一人娘のお京は当然に養子を迎えて店を存続させる(
だから外に嫁に行くなんてとんでもない)。

 こうした当時の常識に挑戦させるために、お京に「信吉さんのお嫁になれないなら一生独身で過ごす」と言わせる。これで親は大弱りになり対策を打たなければならなくなる。

 話のスピードはいたって早い。板前や女中頭、植木屋の老翁から信吉の人柄を聞くがいづれも評判がいい。
このあたりはいかにも短編小説で、ながながと信吉の人となりを説明せず噂話として片付けている。しかも実際この小説に出てくる信吉は、お京との結婚話を心ひそかに思って夜人知れず泣いてしまう男だ。

 私はこの小説の唯一の欠点は、この信吉のめめしさに有ると思っているが、そうした性格描写を記載していると短編小説にはならないので、話をどんどん進める。

 どうやら短編小説では登場人物を最小に絞るのがポイントらしく、笹屋の主人、嘉平、その妻、お照、一方の主人公一人娘のお京、および本当の主人公ちっちゃなかみさん加代だけが実際に描かれている全てといっていい。

 ここからいっぺんにクライマックスにはいる。加代と治助が嘉平夫婦の長命寺の参詣に行くことを知って、後をつけ11歳の小娘である加世が兄のために自分達が身を引くので、信吉とお京を結婚させてくれと頼む。

 「弟は子守をしながら自分が面倒を見るので、なんとしても兄の願いをかなえてほしい」と言う。作者は明確には言わないが、この時代少女に出来ることは女郎しかない。

 11才や6歳の子供から「わが身を犠牲にしても兄の幸福を」などといわれて、涙を流さない日本人はいない。
日本人の琴線を知った作者が、まさにその琴線を震わした訳だ。

 平岩弓枝さんは本当に短編小説の名手だと思う。必要人物を最小限に絞り、話のスピードを上げ、必要な場面だけ詳細に描く。そして幼子が自らを犠牲にすると言わして読む人を泣かしてしまう。すばらしい短編小説だ。

 なお、河村さんから今回の読書会のまとめをいただいたので、一部抜粋して掲載する。

 意見交換に移ると、「癒される内容だが、娯楽小説の域を出ない」とか「文学の『毒』がない点が若干物足りない」といった辛口の意見が出される一方で、「人情的なものを前面に出す設定になっている」「季節感あふれる文章で終りが爽やかなのが平岩文学の特徴、表題作もハッピーエンドで、さらっと終わっている」というような好意的な意見も聞かれました。

 中には、11歳の〝ちっちゃなかみさん″こと加代が早熟すぎてそのリアリティを疑問視する意見も出されたものの、男女を問わず若年で独り立ちを余儀なくされた江戸時代と若者のモラトリアムが長い現代とでは人間の成長の早さが違う、というような説明が相次いでなされ、その疑問は氷解したようでした。

 私(河村)は今回初めて平岩弓枝の短編集を読みましたが、人情味豊かな市井ものあり、芥川龍之介ばりの凝った作品(「師」もの)あり、ある程度史実を踏まえた歴史小説あり…と多彩な印象を持ちました。

 いずれも文章がよく練られており、時代考証も行き届いていて、安心して読めました。個人的には、意匠を凝らした技巧的な作品よりも、表題作のような心温まるシンプルな作品の方がいいですね

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(27.8.21) 夏休みシリーズNO16 世界恐慌前夜 金融危機から実体経済の危機へ

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  このころになって世界はリーマンショックの本質がサブプライムローンにあることに気が付いた。金融工学というお化粧をはがしてみればそれはアメリカが仕掛けていた世紀の詐欺行為であることが判明した。

(20.10.7) 世界恐慌前夜 金融危機から実体経済の危機へ

  人間長く生きていると信じられないような経験をすることが出来る。1929年に始まった世界恐慌については、世界史や日本史でまなび、「当時の人はケインズ革命を知らず、財政金融政策もなってなかったんだな」なんて軽蔑していたがひとごとでなくなってきた。

 とうとうアメリカの金融危機実体経済を蝕みはじめ、世界恐慌前夜に突入してしまった。
金融安定化法案はすったもんだの挙句に3日、賛成263票反対171票で可決したが、市場の評価はまったくダメで、ダウ平均で157ドルも下げている。
どうやらこの法案だけでは金融危機は収束しないな。この制度を利用する金融機関は倒産寸前の金融機関だけだ」そう市場は評価した。

 アメリカ経済は金融問題に忙殺している間に、確実に実体経済が麻痺し始めている。GDPの約70%が消費で成り立っているが、その消費が低迷し始めたからだ。
消費財のうち最も大きいのが住宅の購入で次が自動車の購入だが、どちらも全く売れない。

 世界から金を集めて、古代ローマの栄華を誇っていたアメリカだが、サブプライムローンでケチがついた。
アメリカの証券化商品は欠陥品だ。こんなのを買うのは止めよう」世界が気づき、アメリカから資金が逆流している。

 すでに住宅価格は06年ごろをピークに下がり始め、大都市部では20%余り低下したといわれる。これがサブプライムローン問題の引き金になっているのだが、たった20%程度で問題が起こるところが、この問題の複雑なところだ。
考えてもほしい。バブルがはじけて20%程度の低下で終わるはずがない

 日本では土地バブルがはじけて、価格は最高時の3割程度まで下がった。70%の低下だ
私が住んでいる土地はピーク時6000万といわれ、「俺もなかなか金持ちじゃないか」なんて思っていたが、今の実勢価格は2000万程度だ。
もう少し公的な資料で見ると、京都市の都市部の公示価格は平成3年に74万円/㎡だったのが、平成15年には22万円/㎡と、これも最高時の30%程度に低下している。

 バブルがはじけると、価格は最高時の3割程度になってしまうのが普通だ。
だからアメリカの住宅価格が20%低下だということは、さらに50%低下する余地が有るということで、これがアメリカ経済の未来を暗くしている。
アメリカの危機はこれからが本番だ」市場の認識だ。

 すでに住宅建設はピーク時の半分近くに落ち込み、中古住宅はほとんど買い手がいない。差し押さえた住宅が185円で落札されたと新聞に載っていた。

 自動車について言うと、9月の新車販売台数が軒並み前年同月比対比で30%減になってしまった(GEだけが特別キャンペーンで▲16%)。世界の新車販売の2割強を占めるアメリカ市場の不振は痛い。

 しばらく前までは日本車は低燃費とハイブリット車でアメリカ市場を席巻していたが、日本車も売れなくなった。住宅価格の低下により、家の含み益で自動車を購入できなくなったのが原因だ。
アメリカではホーム・エクイティー・ローンという一種の消費者ローンがあり、住宅価格から住宅ローンを差し引いて余りがあれば、ローンを組むことが出来る。

 このホーム・エクイティー・ローンが消費を牽引してきたが、住宅価格が低下すると、ローンを返済しなければならない。歯車が逆回転している。


 失業者も急拡大し、9月の失業者は16万人増加して、失業率6.1%だ。これは03年3月以来の大幅な増加だ。
そして景気の先行指数である株価は低下の一途をたどり、ドルは世界中で売られている。
ドルは今に紙くずになるぞ

 あらゆるデータが景気に急ブレーキがかかったことを示しており、アメリカ経済は恐慌前夜にあることが分かる。
しばらく前までは原油価格200ドルまで行くのではないかと心配していたが、今は景気後退で50ドルまで低下して、産油国特にロシア経済が立ち行かなくなることを心配している。

 アメリカは金融工学で舞い上がり、今はその金融工学によってまっさかさまに墜落している。自由放任主義の経済運営の時代は終わり、再びケインズの時代が到来した。
フリードマンさん、さようなら。ケインズさん、いらっしゃい」大合唱が始まった。

 しかしこの恐慌を飼いならすまでは世界経済は相当の期間荒波にもまれそうだ。日本の失われた10年どころではなくなってきた

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(27.8.20) 夏休みシリーズNO15 アメリカ金融政策のダッチロール

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  リーマンブラザーズの倒産に当時のアメリカ政府がいかに慌てふためいていたかよくわかる記事だ。実際に事件が起こっているときは当事者はほとんど興奮しながら懸命な対処を図ろうとするが、はたから見るとダッチロールに見える。

(20.10.1) アメリカ金融政策のダッチロール

 アメリカ金融政策が完全にダッチロールし始めた。昨日(29日)までは金融安定化法案が通り、約75兆円の公的資金が投入されて不良資産の買取を実施する予定だったのに、一夜明けるとひっくり返っていた。

 早朝のテレビはアメリカ下院で金融安定化法案が否決されたとのニュースをトップで伝えている。私は当初民主党議員が反対したのだと思って聞いていたが、なんとブッシュ大統領のお膝もとの共和党議員の造反によるものだと言う。
ブッシュ大統領が苦りきった表情で「前進するための対応策を考え出す」と言っていたが、まさか共和党議員が造反するとは思っていなかったようだ(共和党議員の法案賛成は65票、反対は133票だった)。

 おかげで株価は過去最高777ドルの下げ幅で、円高も104円まで進んでいる。おりしもアメリカ第4の銀行ワコビアも実質倒産してしまった。
「アメリカはもうだめだ。全て売りだ」市場は大パニックだ。

 金融安定化法案が通らなければアメリカの金融崩壊は確実だから、いづれは妥協が図られるはずだが、この不手際は痛い。
なにしろペロシ下院議長ら米議会首脳の同意を得た法案が全く議会を通過できないのだから、米政府も議会首脳部も威信は地に落ちたようなものだ

 特にアメリカ政府高官の中でポールソン財務長官ほど評判を落とした人はいない。

リーマン・ブラザーズの救済に公的資金の投入を考えたことは一度もなかった」と公言してリーマン・ブラザーズを倒産に追い込んだかと思えば、翌日にはAIGに約9兆円の公的資金をつぎ込んでいる。
いったい、リーマン・ブラザーズとAIGの違いは何だ」市場は疑心暗鬼となったが、単にポールソン財務長官がパニックになっていたに過ぎない。

 さらに今度は金融安定化法案を通過させて75兆円の公的資金をつぎ込もうとしたら、根回しに失敗して下院で否決されてしまった。
ポールソンは何をやってもダメだブッシュ大統領は歯軋りをしているだろう。

 しかしポールソン氏のためにいささか弁明すると。歴史の変わり目には従来の思考に忠実に従う人は、対応不能におちいってしまうだけだ。
現在の状況は1929年の金融恐慌の再現だが、当時共和党フーバー大統領は「何もしないで市場に任せることが最善」と思い、恐慌の傷を深くした。そしてポールソン氏は100年を隔てて、フーバー大統領と兄弟のように思想が似ている。

何もしないのが最善だ」ポールソン氏の本音はそうだから、「75兆円の公的資金を投入するなんてとんでもない」と本心では思っている。
そうした同志は共和党議員にはたくさんいるから、両者でサボタージュして金融安定化法案をつぶしたようなものだ。

 ブッシュ大統領としたらどうしたらよいのか分からないだろう。公的資金を投入して大きな政府をめざせば、お膝もとの共和党が造反する
一方、何もしなければアメリカは第二の大恐慌に突入する。

 財務長官をポールソン氏からジョン・メイナード・ケインズのようなニュー・ディーラーに変えなければならないのだが、そうした人材は民主党にしかいない。

 結局、アメリカ政局はこのねじれ現象を解消するために、大統領をオバマ氏にして、大きな政府の再現を図るより手はなさそうだ
これで11月の大統領選挙はほぼオバマ氏に決定したといえよう。

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(27.8.19) 夏休みシリーズ NO14 日本の金融機関の反転攻勢とアメリカの金融危機

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  日米金融機関の逆転が始まったのはこのリーマンショック以降で、アメリカの金融工学が地に落ちてからである。それまで日本の金融機関はひたすらアメリカをまねて努力していたが、ようやく目が覚めた。

(20.9.26) 日本の金融機関の反転攻勢とアメリカの金融危機

リーマン・ブラザーズが倒産したりAIGが政府の管理下におかれるようになったのを見て、日本の金融機関の反転攻勢が始まった。
野村證券は倒産したリーマン・ブラザーズのアジア部門とヨーロッパ部門の人材、M&A、株式部門を引き継ぐと発表し、三菱UFJモルガン・スタンレーに9000億円出資し、株式の20%を取得すると発表した。

 思えばアメリカにやられっぱなしだった日本の金融機関がようやく世界に再び羽ばたこうと言うのだから喜ぶべきことだが、こうしたチャンスを物にできる金融機関は上記の2社だけであるらしい。
そうか、日本で世界と太刀打ちが出来る金融機関は三菱UFJと野村HDだけなのか

 かつては世界の金融機関だといってはばからなかったみずほ三井住友も1000億円程度のはした金しか出資が出来ないらしく、これでは数兆円規模で赤字が続いているアメリカの金融機関を乗っ取ることは出来そうもない。
みずほも三井住友も日本のローカルな金融機関として生き残るだけなのか」かつての栄華を知っている者としては感無量だ。

 失われた10年で日本の金融機関は三菱UFJ野村HDを除き徹底的に衰退してしまったようだ。
当時アメリカの金融当局は「不動産や株式の含み資産経営をしている日本の金融機関は全く信用できず、時価会計を採用できないならばアメリカ市場から撤退しろ」と迫っていた。

 おかげで地方銀行のアメリカ支店は次々に撤退に追い込まれ、大手都銀でもアメリカ市場では二線級プレーヤーとみなされて、高い金利を払わなくてはドルを入手できない状況だった。
悔しかったら格付をあげなさい。そうすれば安いドルを供給してあげますよ」まるで子供扱いだった。

 しかもその間アメリカの金融機関は金融工学という手法で証券化商品を次々に開発し、世界に売りまくり莫大な利益を上げていた。
一方日本ではようやく「金融工学とは何か」を学ぶために大学院の数学専攻の学生を採用し、リスク評価部門を作って盛んに意味不明のレポートを作成しては経営者に報告していたものである。

報告者現行の我が行のリスクを計測すると約○○億円になります
経営者そのリスクはどのようにして計測したのかね
報告者アメリカのA行で採用されているリスク計算の方法で計測しています
経営者そうか、それならきっと正しいのだろう
本当は誰も理解できないリスク評価方法に振り回されて、頭を抱えていただけだ。

 しかし人生は何が幸いするか分からない。アメリカの金融機関は金融工学にのめりこんで最大限のリスクをとった結果、サブプライムローンでものの見事にひっくり返ってしまった。
一方日本の金融機関はほとんど勉強だけしかしていなかったので被害を最小限にとどめることが出来た。
よかった。リスク管理を理解できなかったおかげで、変な商品を買わずに済んだ」これが本音だ。

 アメリカが世界に教訓をたれていた時価会計リスク管理方式は結局何の役にもたたなかった。
金融工学という博打を体よく見せるためのイチジクの葉に過ぎないことが、ベア・スターンズリーマン・ブラザーズ,AIGの破算で世界に知れ渡たった。

 だが、それにしても反転攻勢をかけられる金融機関が三菱UFJ野村HDだけだとは、日本の失われた10年がいかに大きな痛手だったかがわかる。
そしてこれからアメリカは日本の失われた10年を追体験するのだが、日本と同様その傷の深さに愕然とするはずで、生き残る金融機関は数社になるに違いない。

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(27.8.18) 夏休みシリーズNO13 アメリカ経済のメルトダウン

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  リーマンショックはアメリカと世界経済に大きな爪痕を残したが、そうなった最大の原因は当時の財務長官ポールソン氏の無能さが大きい。
ポールソン氏はことの重要性にほとんど気づかず、何の対応もしなかった。
最もサブプライムローンについて当時正確な情報を持っていたものは皆無だったからポールソン氏を責めるのも酷といえるかもしれない。

(20.9.18) アメリカ経済のメルトダウン

 私が生きている間にアメリカ経済メルトダウンし、アメリカの世紀が終わるとは予想していなかった。
1991年ソビエト連邦が崩壊しアメリカの一人勝ちになり、フランシス・フクヤマが「歴史の終わり」を宣言してから約20年で「アメリカの世紀の終わり」が来てしまった。

そうか、歴史の終わりとはアメリカの世紀の終わりのことだったのか」笑ってしまった。

 サブプライムローンを発端とするアメリカの金融危機は、金融工学という魔法の杖で巨大な利益を生み出してきたアメリカ経済のギアを逆回転させている。
リーマン・ブラザーズという巨大投資銀行(証券会社)が15日倒産したが、アメリカ政府は手をこまねいて何もすることが出来なかった。

 アメリカ経済は金融機関で成り立っていると言っていいほどその存在感が高い。たとえばフォーブス世界の大企業(2006年版)を見ると、世界の大企業10傑のうち5社がアメリカ企業で、上から順に、① シティーグループ、② GE, ③ バンク・オブ・アメリカ、④ AIG, ⑥ エクソンモービルである。
5社のうち金融機関3社であり、倒産が噂されていた保険大手のAIGは世界第4位の企業なのだ。

 ポールソン財務長官は「リーマン・ブラザーズの救済に公的資金の投入を考えたことは一度もなかった」と公言したが、手をこまねいている間にリーマン・ブラザーズが倒産してしまったと言うのが実態だ。
財務長官リーマン・ブラザーズバンク・オブ・アメリカに押し付けることが出来ず、その無能さを露呈した。

 リーマン・ブラザーズ負債総額64兆円は過去最高の負債額であり、日本に対する影響は4兆円と言われているが、本当の負債総額が世界を席巻するのはこれからだ。
通常は表面に現れた負債総額より、数倍負債総額が膨らむのが普通だから、日本も「4兆円で影響は限定的」だなどとは言っていられなくなるだろう。

 なぜ負債総額が増加するかの理由は簡単で、簿外の負債がこれからどんどん増えるからだ。
日本の長期信用銀行リップルウッドに売却された金額が、ただ同然の10億円だったことを思い出せば分かる。

 アメリカ政府がリーマン・ブラザーズを救えなかったことを見て、市場は次は世界最大の保険会社AIGが倒産すると判断した。
ここでも当初、アメリカ政府は効果的な手を打てなくて、大手金融機関にAIGの支援枠700億ドルを要請していただけだった。
国の資金を出すわけには行かないから、民間で共同して助けろ」と言っていたわけだが、民間企業としてはアメリカ政府の保証でもない限りおいそれと応ずるわけには行かない。

 結局アメリカ政府が折れて9兆円規模の公的資金の投入に踏み切ることになった。
また無能なポールソンに任せておくとAIGまで倒産してしまうから、さっさと公的資金を導入して救済しろブッシュ大統領が判断したのだろう。

 アメリカをジャンボ機にたとえれば、片側のエンジンが金融資本、もう片側のエンジンが石油資本、GE、ソフトウェア会社等その他資本が支えている構図になっている。
その金融機関のエンジンに火がついて燃えている時に、ポールソン副操縦士が、飛行場に引き返すことなくこのまま飛び続けると言っていたようなものだ。

 アメリカ政府は公的資金の導入を渋っていたが、結局日本と同様政府が支えるよりほかに手がなくなった。
大手の金融機関が倒産するときの最後の救い手は政府以外にないのが実態なのだ。

 アメリカの金融機関はこれから日本が経験した失われた10年を追体験する。
AIGを7兆円で救済しても、民間に売却する時はタダ同然になり、さらに追い銭を求められるのは長銀の例を見れば分かる。

 歴史はやはり繰り返す。
日本が失われた10年を経験して普通の国になったように、アメリカもこの金融恐慌を経験して気がついてみれば普通の国になっているのだろう。

アメリカの世紀は2008年の金融恐慌を経て、今終わろうとしている

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(27.8.17) 夏休みシリーズ NO12 アメリカ金融危機の第二段階

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  おそらく21世紀最大の事件の一つはリーマンショックだったが、その時の記事である。この事件がどの程度の広がりと深さを持つものか明確には分からなかったが、重大事件であることだけは認識していた。

(20.9.13) アメリカ金融危機の第二段階

アメリカの金融危機第二段階に入ったようだ。日本では住専の倒産第一段階であり、続いて第二段階として証券会社と金融機関山一證券、長期信用銀行、日本債券信用銀行、北海道拓殖銀行)が倒産した。

 アメリカではファニーメイ、フレディマックという政府系住宅金融会社が事実上倒産し政府の管理下に入ったのが第一段階で、続いてリーマン・ブラザーズの経営危機が発生したのが第二段階だ。

 リーマン・ブラザーズはアメリカでは名門中の名門の投資銀行であり、日本でいえば長期信用銀行に匹敵する。
(時期は前後するが20年3月には大手証券会社のベア・スターンズが倒産したが、これは山一證券の倒産に匹敵する)

 日本の失われた10年に比較して1年余りで第二段階まで来たのだから、アメリカの時価会計システムの明瞭性は褒めていいが、だからといって危機の度合いが日本より軽いわけではない。

 それどころか危機は日本の場合よりはるかに深く、かつ広がりが大きい
日本では住専処理で親銀行が債権放棄したり、公的資金が投入された金額は合計で約6兆円だった。
さらに長銀や日債銀の損失処理や、大手銀行への公的資金の投入は約50兆円だった(全体で100兆円の損失だったが、そのうち約半分が公的資金、残りは各金融機関が負担した)。

 この程度で済んだのは、所詮日本国内の問題だったからであり、融資も直接の不動産融資がほとんどで、証券化商品というようなそれ自体で自己肥大するような商品はなかったからである。

 これに比較しアメリカの金融危機は世界的規模で、かつ金融工学ディリバティブ)という博打で債権残高が膨張に膨張を続け、どこまで大きくなっているのかは誰にも分からないほどだ。

 たとえばファニーメイフレディマックの自行が発行している債券額は170兆円であり、そのほとんどを海外の投資家に販売している。
日本の金融機関では判明しているだけで15兆円の債券を購入しており、従来日本で最も固いといわれていた農林中金が5兆円三菱UFJが3兆円購入している(政府系住宅金融会社は債券を発行し、その金でアメリカの金融機関からローン債権を購入。それを証券化して世界中に販売している)


 そのほかに540兆円にのぼる住宅ローン証券保証したり保有しているのだから広がりはどこまで拡大するのかわからない。
まずい、アメリカが今まで構築してきた金融システムがつぶれる

 アメリカ政府はあわてて公的資金の投入枠を約22兆円設定した。
なんとしてもファニーメイとフレディマックを守れ

 しかし日本の例のように不動産融資の約70%が焦げ付くとすると、その金額は約380兆円(540×70%)で、これも日本の例のように半額を公的資金でカバーすれば190兆円規模の資金が必要になる。22兆円では焼け石に水だ。

 アメリカは金融工学と称して訳の分からない数式を使用して証券化商品を売りまくっていたが、ふたを開けてみれば屑ばかりなことが判明した。
金融工学ディリバティブ)とはアメリカを舞台とした巨大な賭場での博打で、負ければ裸になるのは今も昔も変わらない。
なんだい、ディリバティブは屑を集めて、外側だけ体裁を整えた欠陥商品の販売じゃないか」ようやく世界が目覚めた。

 そして今金融機関が倒産し始め、危機の第二段階が始まった
ファニーメイフレディマックが住宅ローン証券の半額を持っているが、残りは金融機関や証券会社や投資家が持っているからだ。

 シティーグループメリルリンチはなんとか投資家から資金調達できたが、経営状態が悪いと市場で評価されたリーマン・ブラザーズは誰も相手をしてくれない。
株価はたたき売られて底値が分からない。
バンク・オブ・アメリカが救済するとの噂があるが、長銀の時と同じで経営の実態を知れば手を引くだろう。

 これで金融機関の救済もアメリカ政府は視野に入れないとならない段階にきた
日本の失われた10年を笑っていたが、今アメリカではそれを何倍という規模で拡大して再現しているのだ。
金融工学ディリバティブ)はただアメリカの金融危機を拡大しただけに終わってしまいそうだ。

(20.9.16追加)リーマンブラザーズは日本時間で15日倒産した。メリルリンチはバンク・オブ・アメリカに吸収されることになった。ポールソン財務長官は「リーマン・ブラザーズに公的資金を投入することは当初から考えていなかった」とコメントを述べた。
アメリカの株価は500ドルあまり下落している。

 今後はうわさの出る金融機関はすべて倒産に追い込まれるだろう。ポールソン財務長官は「公的資金の投入はしない」といっているが、どこまで強気でいられるかは時間の問題だ

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(27.8.16) 夏休みシリーズ NO11 毒物餃子事件を隠蔽しているのは誰だ

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  毒入り餃子事件のことを覚えておられるだろうか。中国政府は絶対に中国の責任ではないと突っぱねていたあの事件である。
ところが途中で中国の責任であることに中国は気づき、そっと日本に通知してきた。しかしこの事実は読売新聞がスクープするまでは国民に知らされなかった。この隠ぺい工作は外務省が行ったと私は判断してこの一文を記載した。

(20.9.2) 毒物餃子事件を隠蔽しているのは誰だ

 とても不思議なことが起こっている。昨年末から今年の1月にかけて、千葉県と兵庫県の3家族10名が中国産餃子を食べて食中毒を起こした事件の真相を、日本側で隠蔽しようとする動きがある

 信じられないことだ

 日中両国の警察当局がそれぞれメタミドホスの混入は自国ではないと主張して対立していたが、6月中旬、洞爺湖サミットを前に中国は外交ルートを通じて「天洋食品が中国国内で回収した餃子を食べた人が、重大な健康被害におちいった」と通知してきた。

 中国国内で発生したのだから、これは日本でメタミドホスを混入したことはありえない。中国で混入したことの決定的証拠だが、なぜかこの事実が伏せられた。

 この事実が明らかになったのは読売新聞8月6日の朝刊で、「天洋食品が事件後に中国国内で回収した餃子が流通し、この餃子を食べた中国人が有機リン系殺虫剤メタミドホスによる中毒被害を起こして、重大な健康被害が出ていることが分かった」と報道したからである。
この報道は読売新聞のスクープで他紙にはこの記事はなかった

 それからの日本政府のドタバタぶりはひどかった。
福田首相が当日「わが国の捜査当局と情報交換している状況だ。どういう状況か今申しあげるわけには行かない」とコメントしたが、翌日高村外相が「情報提供者が公表しないでほしいといっている以上、公表しない。捜査のことだからということにも一定の合理性がある」とコメントした。

 さて、この高村外相の言葉は本当に真実か。「一定の合理性」とはなんとも奥歯に物が挟まったような言い方だ。
ここからはホームズワトソン君の出番だ。

ホームズ、今回の高村外相の言葉は真実だろうか。それにしても6月中旬に中国から通知があったのに8月6日に読売新聞がスクープするまで国民に知らせなかったのはなぜだろう

この鍵は読売新聞の記事がスクープだったことに隠されている。誰か内部のものがそっと記者に語ったのだ。
このまま隠しておくのはまずいと思った人がいたわけだが、その人が誰かと言うことだ


高村外相周辺の政府関係者じゃないのかい

いや、これは政治家ではない。この種の情報は外交ルート、すなわち外務省経由で通知される。知っていたのは外務省の中国ロビーと言われる人たちだ。だからそれをそっと知らせたのは外務省関係者だ

なぜ、そんなことをするのだろう。高村外相はどうして隠そうとしていたのだろうか

いや、高村外相は読売新聞がスクープするまで、事実を知らなかったと思われる。外務省の中国ロビーが情報を隠匿していた可能性が一番高い。

高村氏は政治家だから、日中間で政治問題化した案件で中国よりの立場をとれば国民がどう反応するか読める。
お前は中国の手先か』と思われることが一番怖い。そうなると選挙で勝てない。

一方外務省の中国ロビーは選挙はないので国民のことは考えない。自分の栄達だけを考える。将来中国大使になりたければ、中国のご機嫌を損ねたくない。中国から『公表しないでくれ』と頼まれれば恩を売りたくなるだろう

福田首相も高村外相も読売新聞のスクープで事実を知ったと言うわけか。それであんなにドタバタしていたんだな。すると高村外相の会見はどう判断すればいいのだろうか

政治家として知らなかったと言えば、それこそ『何をやっていたんだ』と言われてしまう。泣く泣くあのような会見になったはずだ。本心は『中国ロビーのやろう』という気持ちだろう

8月31日の毎日新聞の記事に『中国の捜査当局が従来の方針を転換し、中国国内での毒物混入の可能性を含めた捜査を進めており、これは胡錦濤国家主席の指示だ』と載っていたが、これは事実だろうか

こっちは中国国内の官僚機構の問題で、中国の警察当局は『メタミドホスは中国で混入されたことはない』と大見得を切った手前、捜査を適当にサボタージュしているからだ

そうなると、日本も中国も官僚機構が情報隠匿したりサボタージュしたりしているので、政治家が翻弄されていると言う構図なんだな。なんともひどい状態だね

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(27.8.15) 夏休みシリーズ NO10 貧窮問答歌

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  このころ日本は物価の高騰に悩まされていた。リーマンショックの直前ですべての物価が上昇しそれも半端な上昇率でなかった時期である。
我が家の家庭も崩壊寸前になって多くの有徳の人から食べ物を恵んでいただいて、なんとか生活をしていた。

(20.8.26) 貧窮問答歌

万葉の歌人、山上憶良(やまのうえのおくら)の「貧窮問答歌」に次のような一節がある。

直土(ひたつち)に 藁(わら)解き敷きて 父母は 枕の方に 妻子どもは 足の方に 囲み居て 憂え吟(さまよ)ひ 竃(かまど)には 火気(ほけ)ふき立てず 甑(こしき)には 蜘蛛の巣懸(か)きて 飯炊(かし)く 事も忘れて・・・・・


地べたにじかに藁を解き敷いて、父母は枕の方に、妻子は足の方に、自分を囲むようにして、悲しんだりうめいたりしており、かまどには火の気もなく、甑には蜘蛛の巣がはって、飯を炊くことも忘れたふうで・・・


 この「貧窮問答歌」を読んで「当時の人は大変だったんだな」なんて同情していたら人ごとでなくなってきた。
最近の物価上昇ははなはだしく、今まで105円で買っていたアイスクリームが126円になり、大好きなぶどうパンも200円前後になってしまった。
もう、アイスクリームもぶどうパンも食べられない

 こうなると我が家は年金生活だから、物価の上昇に対応するすべは緊縮財政以外に手はない。

 仕方なしにジャスコの時間割引お客様感謝デーの割引を狙って購買をしていたが、それでも追いつかずついに餓死線上に突入した。
米びつは空っぽになり、妻は空腹のために動くこともできないでいる。

 たまたまテレビを見ていると下北半島のニホンザルが厳しい冬をこすために木の皮を食べている場面があった。
猿でも木の皮で飢えがしのげるなら、人間でもしのげるだろう

 猿をまねて我が家のサクランボの木の皮をなめして食べていたら、これを見た知り合いの有徳の女性が山形のサクランボを持ってきてくれた。
お坊様が毎日元気に清掃活動をされているので、よもやこのような状況になっているとは知りませんでした。ぜひぜひ、サクランボの木の皮でなく、木の実を食べていただきとうございます

 この有徳の女性のサクランボおかげで妻は元気を取り戻し、危機を脱出することができた。

 しかし私は相変わらず木の皮をなめして生きながらえていたのだが、今度はK姉さんがこれを見かねた。
ロドリゴ様、神の僕(しもべ)とはいえ余りにおかわいそうなお姿。
幸い我が家にはスイカとマクワウリが誰食べることなく、置いてあります。どうか遠慮なくこれを食べてください
」持参してくれた。
以来スイカマクワウリでここ数日生き続けることができている。

 もっともスイカマクワウリだけでは身体が保てないらしく、あばら骨がハープの琴線のように出てきてしまった。
先日この琴線を使用して、バッハの名曲「飢餓線上のアリア」を奏でていたら、そのメロディーが余りに悲しかったのだろうか、Y姉さんが蕎麦とうどんを持ってきてくれた。
ロドリゴ様、ロドリゴ様が琴になってしまうのは余りに悲しゅうございます。蕎麦とうどんで炭水化物を補給してくださいまし

 ありがたくいただいたが、しかし我が家には餓死寸前の妻がいるので、この蕎麦とうどんは妻に食べさせた。
私は小谷小学校のつつじの芽をつまんで食べていたら、そばに住んでいるFおばあちゃんが見かねて塩せんべいを持ってきてくれた。
山崎しゃん、いくらなんでもつつじより塩せんべいのほうを食べなさいよ

 こうして、おゆみ野に住む優しい心の人々のおかげで、我が家はつらく厳しい夏を乗り切ることができた。

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(27.8.14) 夏休みシリーズ NO9 野口みずき選手の欠場はコーチの責任だ

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  私が最も好きなマラソン選手に野口みずき選手がいる。アテネオリンピックで金メダルを獲得し、続く北京オリンピックでも金メダルの有力候補だったが、足の故障で出場を断念した。
私はコーチのコントロールの甘さに愕然とし、この一文を記載した。

(20.8.16) 野口みずき選手の欠場はコーチの責任だ     

 愕然としてしまった。野口みずき選手が女子マラソンに欠場すると言う。
左大腿部の裏側にあるハムストリングと言われる筋肉の肉離れによるものだそうだ。
何てことだ。金メダル確実と言われた野口が欠場か」歯軋りしてしまった。

 野口選手は私が最も好きな選手の一人だ。150cm40kgの小柄の身体でストライドを身長と同じ150cmにして走る姿は、アフリカの草原を疾走するカモシカのようだった。

 しかしこのストライド走法は今回肉離れを起こしたハムストリングを酷使する。
走った距離は裏切らない」と信じて毎日40kmの距離を走っていたと言う。月間では1200kmで、男子のマラソン選手でもここまでは追い込まない。

 いわゆる金属疲労と同じで、ハムストリングを酷使しすぎて肉離れが起こってしまった。
野口選手の談話があるが、なんとも物悲しい。

・・・大腿後部に痛みを感じ、その後練習を中断することになりました。・・・1週間経ても痛みが和らがず、8月4日に帰国して今日まで検査と治療を続けてまいりました。

・・・(しかし)未だ走り出すと時間的経過と共に痛みを感知し、次の段階のトレーニングに入ることが出来ません。
・・・今も走りたい、走ろうという思いは消えることはありません。
しかし現状を認識すれば、出場を断念せざるをえません。・・・


 こうした事態について、野口選手を指導してきた広瀬永和コーチがコメントを述べている。
オーバーワークはないし、練習はそんなにきつくない。原因が何なのかははっきり分からない

 この言葉を聞いて、これがコーチの言う言葉だろうかと耳を疑った。そして私は野口選手に心から同情した。
コーチが悪すぎる

 コーチにとって重要な仕事が二つある。一つは言うまでもなく選手の走る能力を最大限に引き出せるように導くことだが、もう一つの大事な仕事は「目標とする大会で最大のパフォーマンスが発揮するように、コンディション作りをする」ことだ。

 そのためにはレース直前では練習をすることではなく、練習をしないことが重要になる
選手はそれまでの練習の結果信じられないような走力が身についておりさらに練習を強化したがるが、絶対にコーチはそれを許してはいけない

 大会前にピークが来てしまい、大会当日は疲労で失速してしまうからだ。
過去の事例では瀬古利彦がこの失敗をしている。瀬古はロスアンゼルス、ソウルといずれも優勝候補だったが、直前までの過剰な練習の結果本番ではいづれも惨敗している。

 瀬古はそれでもオリンピックに出場できたが、野口の場合は肉離れで出場すら出来なくなってしまった。
おそらく広瀬コーチ野口の希望のままに練習メニューを組んでいたに違いない。
野口の身体の異変に全く気がつかないとは、コーチとしての能力を疑う。

 すでに野口2006年ベルリンマラソンを左足首の故障で断念した経緯があるではないか。30歳を向かえ、カモシカのような走りには相応の負担があることは誰が見ても明らかだ。

 私が広瀬コーチが無能だと思うのは、一方で北島康介選手の事例があるからだ。
北島選手もアテネオリンピックの後失速し、05年の世界選手権の代表にさえもれている。
この不調の時期を支え、北京オリンピックに標準をあわせて最高の能力を発揮できるように導いたのは、北島を14歳の時から教えてきた平井伯昌コーチの手腕である。

 コーチとは平井伯昌氏のような人を言う。

肉離れの原因が何か分からない」のではない。広瀬コーチの無能さが原因なのは明らかだ。悲しくて涙が出てしまいそうだ。


「今日の先生の評論は広瀬コーチに少し厳しすぎやしませんか。ほかのメディアのどれを見ても広瀬コーチの責任だなんて書いていませんよ

それだから問題なのだ。このままでは野口選手がかってに練習をしてかってに怪我をしたことになる。
しかし、怪我をしないように指導するのがコーチの役割なのだ。
広瀬コーチはそのことを認識していない

確かに『原因が何か分からない』はコーチの言う言葉ではないですね。サッカーだったらすぐさま監督解任でしょう

責任逃れで『原因が何か分からない』と言ったのなら、とんでもない人間だし、本当に分からないのであればコーチとして無能と言うことだ。いづれにしても今回のことについてはコーチの責任は逃れることは出来ない

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(27.8.13) 夏休みシリーズ NO8 殺人狂時代

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  私が常に不満に思っていることは殺人者に対するマスコミの甘さである。
マスコミは事件が起こると加害者を懸命に擁護するが被害者の人権はほとんど無視される。特に朝日新聞にはこの傾向が強く、朝日はほとんど殺人者の味方だ。

(20.7.25) 殺人狂時代

殺人狂時代は1947年制作のチャーリー・チャップリンの映画だが、昨今の日本の現状はまさにこの殺人狂時代のようだ。
次から次と無差別殺人や、理由の分からない父親殺しが発生して日本はどうかしたのではないかと思ってしまう。

 3月に茨城県土浦で8人の殺傷事件がおき、岡山では18歳の少年が電車待ちの男性を突き落とし、6月には東京秋葉原でラガーナイフを持った犯人に17人が死傷される事件が起こっている。

 そしてこの22日の夜半、京王八王子のショッピングセンターで無差別殺人事件が再び起こってしまった。
殺された斉木愛さんは中央大学の4年生で、これから本当の人生を知る矢先だったのだから、気の毒で言葉にもならない。
斉木愛さんは死ぬまで「なぜ自分がこんなことになるのか」まったく分からなかっただろう。

 犯人の菅野昭一容疑者は「仕事がうまくいかず両親に相談したが乗ってくれず、無差別に人を殺したいと思って包丁を買った。むしゃくしゃしてやった。誰でもよかった。両親を困らせるためにやった」と供述したが、これが果たして理由になっているのだろうかと考え込んでしまった。

 仕事がうまくいかないのは日常茶飯事だし、33歳の大人なんだから両親が相談に乗らなかったとしても当たり前だ。むしゃくしゃするのは良くあることだが、なぜそれが「誰でもいいから人を殺す」ことになるのだろうか。
原因と結果に余りに乖離があって理解不能だ

 19日に発生した埼玉県川口市の15歳の少女による父親殺害事件もそうだ。
少女の供述によると「勉強しろと言われることがわずらわしかったこと。またお父さんが家族を殺す夢を見て、午前3時ごろ目がさめ、殺意を思いついた」と言う。

 親が子供に対し勉強しろと言うのは普通だし、夢では奇想天外なことが起こるが、だからといってそれが実際と同じだとは通常は思わない。少なくとも中学3年生程度になれば夢と現実の相違は分かっているのが普通だ。

 おそらく殺された父親は自分が死んだことすら分からなかっただろう。
この事件も全く理解不能だ。

 こうした事件が発生するたびに世の識者と言われる人が
全て社会のせいにするのはフェアじゃないが、社会の中に原因がないのか点検しないと、無差別殺人の連鎖は断ち切れない落合恵子氏)」とか
むしゃくしゃして人を殺すのは絶対にあってならないが、20~30代のまだ元気で働ける人たちが、格差社会であえいでいるのは、本当は考え直さなくてはならない京都造形芸術大学 寺脇研教授)」
とかコメントをしているが、本当にそうだろうかと思ってしまう

 20~30代の若者の多くが派遣社員という格差社会であえいでいることは事実だが、それなら派遣社員全員が殺人事件を起こすとでも言うのだろうか。

 こうした社会制度に原因を求める議論は日本ではおなじみの議論だが、格差社会や受験勉強の厳しさと殺人を結びつけるのは間違っている。少なくとも無差別殺人事件の主要な要因ではない

 無差別殺人事件が発生する本当の原因は、殺人に対する社会認識の甘さだ。

 なにしろ日本では裁判で死刑が確定した人間に対し、法相が死刑執行に同意するだけで、朝日新聞から「死神」と言われる社会だ。
多くの被告人は何人もの人間をほとんど理不尽な理由で殺害したから死刑になっているのに、そうした死刑囚を死刑にすることも躊躇する社会なのだ。

 日本では殺人者の人権を最大限守ろうとする人はいくらでもいるが、殺された人の人権を守ろうとする人は少数派だ。死んだ人は生き返らないのだからどうでもいいということなのだろうか。
そして殺人を犯す理由を社会制度の欠陥に求め、「それゆえ殺人者は無罪だ」と叫ぶのが正義だと思っている。

 これでは「無差別に何人人を殺そうとも、そして死刑判決になろうとも、有力新聞をはじめ世の識者が殺人者を守ってくれる」から「誰でもいいから人を殺そう」となるのは当たり前ではないか。

 殺人者の人権を擁護するなら、それと同程度に殺された人間の人権も擁護しなければ片手落ちだ。しかし実際の裁判では殺されたものは何も抗弁できないから、殺人者は言いたい放題だし、そしてそうした殺人者を擁護する人はごまんといる。

 だからこの殺人にも社会的理由があるとする甘い対応が、こうした連続無差別殺人事件を引き起こしているのだ。
本当に、朝日新聞を始めとする殺人擁護派の識者は反省してほしいものだ。

 原因を社会制度に求めるのではなく「目には目を、歯には歯を」と言うハンムラビ法典の単純明快な原則を適応することが、無差別殺人をなくす唯一の方法だと私は思っている。

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(27.8.12) 夏休みシリーズ NO7 パソコン教育でくたくただ。

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  これは私が小学生に教えたパソコン教室の実体験である。実際やってみるとかなりタフな授業で事前に十分トレーニングしないと失敗する。

(20.7.17) パソコン教育でくたくただ

私が毎日見ているブログにプールサイダー」という言葉が紹介されていた。プールの脇にいて泳法について実に的確な分析をするので、さぞや立派なスイマーと聞いた人は思うが、泳がしてみると全く泳げない人のことを言うのだそうだ。

 実は私もパソコン教育プールサイダーではないかと内心ジクジたる思いをしている。
校長先生、パソコン教育の最大の問題点は、サポート要員の不足です。先生一人ではどうにもなりません。リテラシー豊かな専門家を要請すべきです」専門語をちりばめた実に立派な進言だ。

そうですか、では山崎さん、貴方がサポート要員になってください
言われてしまった。最初は自信満々に引き受けた。
所詮、小学生が使用するソフトだ。たいしたことはあるまい

 千葉県の小学校にはキューブキッズというソフトと算数の補助ソフトが用意されている。
この二つのソフトを使用して子供たちのパソコン能力の向上に役立てようとしているのだが、キューブキッズは実に奥深いソフトであることに途中で気づいた。

 大人が使う、ペイント、プレゼンテーション、ワープロ、インターネット、MIDI、ホームページ、表計算等のソフトを子供向けに言葉と操作を簡単にしただけで、内容は大人のソフトと変わらない

うぅーん、俺が出来るのはワープロとインターネットと表計算ぐらいではないか」唸ってしまった。
実際にこのソフトを使用するとなると、事前に操作研修をしておかないと、操作方法がさっぱり分からない。

 ところが先生と事前打合せの時間がないため、すべてぶっつけ本番だ。
今日はパソコンの先生がいらっしゃいました。山崎先生です。先生は私よりもっともっとパソコンのことをよくご存知です。なんでも聞くのですよ
子供たちの尊敬のまなざしが降り注がれ、一方私はヒア汗が流れ、目まいがしてくる。

主よ、主はこのロドリゴに試練を与えたもうたのでしょうか。無から有を作り出す奇蹟はまだロドリゴには備わっていないのです

 先日は「かみしばい」というソフトでお話を作ると言う2年生の授業だった。一種のプレゼンテーションソフトで、映像と音声と動きを組合わせ、10枚程度のかみしばいをスライド形式で流し、各自がお話をするという趣向だ。
今回がそのソフトを使用した2回目の授業だった。

山崎先生見てやってください。とてもすてきなお話もあるんですが、少し手直しをしたほうが良い子もいるんです
担任の先生は私が「かみしばい」の専門家だと思っている。

はあ、かみしばいですか」聞いたことも見たこともないソフトだ。ヒア汗が脇の下を流れる。
仕方ないので一番上手そうな子供の後ろで操作方法を見ながら「これはどうするの」なんて聞いてようやくソフトの中身が分かった。

 それまではあちこちから「先生、先生、わからない」なんて声がワンワンしても無視だ。

分からないのは、君じゃない。この俺だ」泣きたくなった。

 毎回こうしてソフトを覚えていくのだが、精神のエネルギーの消耗たるやすさまじい。授業が終わるたびにその授業で使用したソフトの復習をするのだが、だんだんと意識が朦朧となってくる。

 誰もいないパソコン教室で30分程度寝てようやく帰宅が出来る状態だ。
しかし幸いなことに学年での授業は大体同じだから、一旦覚えれば他のクラスでも使用できる。
今日は同じソフトだと分かると心から安息の気持ちになる。

主よ、今日は主からパンとぶどう酒を授かりました。ロドリゴは主の恵みに感謝いたします

 まことにプールサイダーのパソコン教育は厳しいのだ。

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(27.8.11) 夏休みシリーズ NO6 マルチ商法は密の味

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  私はマルチ商法は絶対になくならないと思っているが、その理由は確かにこの商売で莫大な利益を得ている人がいるからだ。富そのものは別に拡大しているわけではないが、最初に投資した人にあとから投資した人の富が移転する仕組みがマルチ商法である。

(20.7.7)マルチ商法は蜜の味 ワールドオーシャンファーム

ワールドオーシャンファームWOF)、会長黒岩勇容疑者による巨大詐欺事件の全貌が明らかになってきた。
事件は05年3月から配当の支払いが停止した07年1月までの約2年間約3万5千人の出資者から849億円の資金を集め、そのうち約100億円が使途不明金になっているというものだ。

海老の養殖事業に出資すれば約1年で出資額は2倍になる」と言うのがキャッチフレーズだったが、海老の養殖事業など全くやっておらず、出資金を配当に回すことでやりくりするマルチ商法だったことが明らかになっている。

 私は当初黒岩容疑者が849億円全額をネコババしたのかと思っていたが、それではマルチ商法は成り立たないらしい。
少なくとも当初の出資者に「これは確実に儲かる事業だ」と思い込ませるための仕組みが必要で、10日ごとに律儀に配当がされていたと言う。

 出資者が十分信頼し始めたころを見計らって「このような儲け話は大変貴重な情報だから、一番大切な人を紹介してほしい。その場合の手数料は新規に獲得した出資金の20%だ」と勧誘をはじめた。

 このため多くの出資者がWOFを信頼し、親戚縁者に話を持ちかけたらしい。
年間100%は確実に儲かるのよ。これ見て、私の通帳に振り込まれてきた配当金。もう一年もやっているから元を取って、これからは儲けだけ

 このマルチ商法は2年間続いているから、当初の出資者は確実に元を取ってかなりの利益が得られていたはずだ。
Goo 教えて Goo」という掲示板には06年9月段階で「WOFは信頼できるか」と言う問いに対する回答の一つに「自分は1000万投資をし、すでに半年は過ぎたが、10日ごとに配当がされていて、あと2年は続くだろうからぼろもうけする」との回答があった。

 実際はWOF07年1月に配当を停止したので、この1000万を投資した人はさらに半年間配当金を得たはずだから、確かに元は取っているわけだ。

 マルチ商法はその倒産する直前までは投資者から全幅の信頼を得るために出資金のほとんどを配当金や手数料として支払っている。
そして、マルチが限界に差し掛かる直前で最後の大勝負に出るようだ。

撒きえは十分した。大魚を釣るぞ
07年1月に、期間限定の大キャンペーンをした。この期間の紹介料は通常の紹介料にプラスして、出資額の3%を上積するといって、大量の金額を集めた。その額が約100億円で、その金額を持ってトンズラを図ろうとした直前に逮捕されたと言うのがいきさつらしい。

 幸か不幸か私自身は年金生活者でとてもマルチ商法の対象になるような人間でないが、WOFの手口を見てマルチ商法というものがよく分かった。

 出資者の信頼を得るためには、配当金や紹介料を間違いなく払う。この段階で実際にぼろもうけをした人が出てくる。

 マルチ商法は新たな出資額がなくなるとその段階で破綻するので、1~2年が限界になる(年100%の配当を約束しているため、毎年2倍ずつ出資額が増えなければならない

 出資者に対する支払いができなくなる直前で、最後の金集めを行い、それがマルチ商法の主催者の詐欺の取り分になる。反対に最後に出資者になった人は全額騙し取られる。

 私は長い間マルチ商法になぜ人が引っかかるのか分からなかった。銀行利子が1%の時に、年率100%の配当など常識的にはありえないし、誰でもいかさまと気づくはずだと思っていたのである。

 しかしマルチ商法は確かに蜜の味がして、当初の参加者は確実に儲かっていることが分かった。だまされた人は最後の一発勝負に乗った人だけなのだ

マルチ商法は食い逃げが勝負よ当初の出資者の高笑いが聞こえる。
これでは今後もマルチ商法が廃れることはなく、被害者は必ず出てしまいそうだ。

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(27.8.10) 夏休みシリーズ NO5 マイクロソフトのたそがれ

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  夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

 7年前のこの段階でマイクロソフトの黄昏を予想しているとは山崎氏の推定能力は大したものだと思う。
現在ではアップルに大きく水を開けられ携帯電話部門は散々だが、検索エンジンでも同様なことが起こっていた。

(20.6.16) マイクロソフトのたそがれ

  巨人マイクロソフトたそがれが来るなんてとても信じられないが、今回のグーグルヤフーのネット検索大手同士の提携発表を聞いて、その感を深くした。

 実際最近までネットの世界では検索エンジンを誰が世界標準にするか熾烈な戦いが行なわれてきた。
その結果、北米大陸では、グーグルがこの分野で6割ヤフー2割のシェアを占めたので、マイクロソフトがどおあがいても勝ち目がない状態になってしまった。

 さらに今回の提携は「ヤフーグーグルの検索エンジンを使用して、ヤフーのサイトにネット広告を貼り付ける提携」で、これはヤフーがグーグルの軍門に下ったことを意味する。
グーグルの一人勝ちだ。

 これでマイクロソフトヤフー買収作戦は大失敗に終わったことになる。
マイクロソフトとしては憤懣やるかたないところであろう。ヤフーを買収し検索エンジンを手に入れてなんとかグーグルと戦おうとしたのに、ヤフーグーグルになびいてしまった。
5兆円出すと言うのに何が不満なのだ

 あとは、米上院の反トラスト委員会独占禁止法に違反するとの裁定をしてくれる、株主総会で「マイクロソフトとの提携が株主の最大の利益だ」と主張して委任状争奪戦をしているカール・マイカーン氏が勝利するのを願う以外にマイクロソフトとしては残された道はない。

 しかし常識的に考えれば、資本関係も結ばず、単にグーグルから広告を貼り付けてもらうだけだから、独占禁止法違反は難しそうだ。
またカール・マイカーン氏の委任状争奪戦は両者とも本気だから、これもヤフーが勝ちそうな気がする。

 なぜマイクロソフトがこれほどまでに検索エンジンの争奪戦にこだわったかと言うと、スポンサ-収入が従来のテレビ広告や、新聞、雑誌と言う旧メディアから急速にネット世界に移っているからである。

 グーグルの広告はいわゆるピンポイントの広告で、狭く深い。
たとえば私のブログにはSponsored Linkという広告が貼り付けられているが、この広告は私のブログを検索して、最もふさわしいと思われる広告主を貼り付けている。

 こおしてグーグルは広告主から高額の広告料を手に入れることができた。なにしろグーグル収益の95%相当が広告収入からなり、しかも利益率は30%程度と高く、これはマイクロソフトを凌駕している。

 一方マイクロソフトは主としてウィンドウズを初めとするソフトの売上で高収益を得てきたが、近い将来ソフトは急速に価格が低下し、場合によっては無料になる可能性がある。

 たとえばOSリナックスは無料で、しかも相当程度ユーザに認知されているのでウィンドウズもうかうかしてはいられない。
また、ネットの急速な普及で個人のパソコンにソフトを搭載しないでもすむようになっている。
このココログブログはすべてココログのサーバーの中にあるソフトを使用して記載している。

 だからマイクロソフトとしては次の時代の収益源を探しているのだが、それが検索エンジンで貼り付けられたネット広告収入というわけだ。

 思えばマイクロソフトライバルと見られる企業を次々と蹴落として現在の地位を築いてきた。
当初はIBMと提携し、IBMのOSの開発をしていたが突如IBMとの提携を破棄してウィンドウズを独自ルートで販売を始めた。おかげでIBMはパソコンのOS競争で破れ、その後の凋落の始まりとなった。

 表計算ソフトではLotus 1-2-3という世界標準だったソフトを蹴落とすため、OSの世界標準になったウィンドウズへの搭載を陰に日に妨害して開発を遅らさせた。
その間隙を縫ってExcelが世界標準になることができた。
今ではLotus 1-2-3というようなソフトがあることを知っている人は少ない。

 インターネットの世界になりWebブラウザが重要だと気づくと、先行していたネットスケープ・ナビゲータを蹴落とすため、インターネット・エックスプローラを無料でウィンドウズとセットで販売した。
何回も独占禁止法違反で訴追されたが、知らぬ顔のはんべいだ。
ネットスケープ・ナビゲータはもはやバージョンアップもできない。

 1990年代からつい最近まで、マイクロソフトライジングサンだったわけだが、ついに検索エンジンでたそがれを迎えた。
私のように、マイクロソフトの勝利だけを見させられてきた人間にはひとしお感慨が深い。

奢れるもの久しからず。ただ春の世の夢の如し」と言うことなのだろうか。あるいは不死鳥のように再び舞い上がることができるのだろうか。

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(27.8.9) 夏休みシリーズ NO4 カンガルーを絶滅の危機から救おう

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  シーシェパードとは当時オーストラリア政権の与党だった緑の党の別働隊であり、オーストラリア政府そのものといってよかった。
日本政府が何度もオーストラリア政府に改善を養成してもなしのつぶてだったのはそのせいだ。
2年前に誕生した現在のアボット政権は緑の党との関係が希薄だから、シーシェパードを擁護することはなくなった。


(20.5.26) カンガルーを絶滅の危機から救おう

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
 「pianotokurarinetto.mid」をダウンロード



 「このような素晴らしい動物が生存しない地球に住むことが想像できますか。何百年にもわたる捕獲によって、カンガルーは絶滅寸前です

 これは私が作った環境保護団体 カンガルーシェパードのキャッチフレーズで、元ネタはオーストラリア 環境相マルコム・ターンブル氏の「捕鯨反対キャンペーンの言葉」の「クジラ」を「カンガルー」に変えただけである。

 この19日オーストラリア国防省は軍用基地内にいたカンガルー約400頭の駆除を行なった。当初は3200頭のカンガルーの駆除を予定していたが、環境保護団体の反対に会い、他の場所への移送を検討していたが移送先から断られため、駆除に踏み切ったとのことである。

 このカンガルーの駆除に反対した環境団体は実に立派な団体だと感心したが、一方あれほど日本の調査捕鯨に反対し、公海上のシーシェパードの犯罪行動を黙認し、実際は陰で操っていた環境相マルコム氏は沈黙したままだ。

 クジラを駆除するのは犯罪行為だが、カンガルーを駆除するのは見てみぬふりをするらしい。

 このような態度をダブルスタンダードと言う。
私などクジラよりカンガルーのほうがよほど愛らしいと思っているくらいだが、オーストラリア人に言わせると「旱魃で残った草をカンガルーが食べてしまい、家畜のえさがなくなるので止む終えない措置なのだ」そうだ。

 それにカンガルーはいくらでもいるのだからて駆除しても一向に差し支えないとの態度だ。日本の水産庁が「クジラは順調に増加しており、そのうちの一部を捕鯨対象にしても問題ない」との発言とまったく同じなのだが、こと捕鯨となると聞く耳を持たなくなるらしい。

 何しろ環境大臣のマルコム氏元グリーンピースの幹部なのだから、捕鯨問題になると常識を逸脱するのは止む終えないのだが、問題はこのような人物を環境相に任命したオーストラリア労働党政権にある。

 これでは日本に喧嘩を売っているようなもので、クジラだけが人生の人間が日本とオーストラリアの国際関係をぶち壊しているようなものだ。
もし、マルコム氏がインドのジャイナ教徒のように、すべての生き物の殺生に反対し、植物以外に何も食べないのなら、私もマルコム氏の主張を認める。
しかしの肉を食べまくり、挙句の果てにカンガルーを殺害しても平然としているのだから、とてもまともに話あう相手ではない。

 グリーンピースのような環境保護団体が間違っているのは、生物はバランスの上に成り立っていると言う原則を無視するからだ。
たとえばクジラの頭数が激減すればそれを保護するのは正しい態度だが、保護が行き過ぎて増え続ければこんどは駆除するのが正しい態度になる。

 すべてはバランスを考えて実施しべきなのに、一方的に保護だけを主張し、挙句の果てはクジラをこの世の中で最も崇高な生き物だと祭り上げてしまう。

 なぜ、生き物に上下の区別があるのか不思議なくらいだ。すべての生き物には生存する権利があり、少なくなれば保護し、多すぎれば駆除するのが自然の態度ではなかろうか。

 日本政府はいい機会だから、カンガルー撲滅反対キャンペーンを大々的に行なって、オーストラリア政府が捕鯨問題でしたように、調査団をオーストラリアに送るべきだ。

 そして私が作ったキャッチフレーズをオーストラリアの放送局から流そう。

このような素晴らしい動物が生存しない地球に住むことが想像できますか。何百年にもわたる捕獲によって、カンガルーは絶滅寸前です


本件と関連する記事は「捕鯨反対運動について」です。

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(27.8.8) 夏休みシリーズ NO3 小学校の教師になりそうだ。

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 実に懐かしいことに7年前に私は小学校の特別講師をしていた。パソコンの指導だが教職員室に名札があり校長先生以下の名札がぶら下がっていたが、私の名札はその一番最後にかかっていた。特別講師ではあったが、私が教師をした唯一の経験である。

(20.5.9)小学校の教師になりそうだ

おゆみ野四季の道」のテーマソング。以下のファイルをダウンロードすると曲が始まります。
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 信じられないかもしれないが私が小学校の教師になりそうなのだ。
千葉市には「特別非常勤講師」という制度があり、「教員免許状は持たないが各種分野においてすぐれた知識や技術を有する社会人を・・・・非常勤講師として千葉市内の小学校または中学校に任用する制度」なのだそうだ。

山崎さん、山崎さんのシステムの知識を学校で教えてくれませんか小谷小学校校長先生に頼まれてしまった。

確かに私はシステム経験は長い。ある金融機関で30年近くもシステム開発やシステム監査の仕事をしてきた。また情報処理技術者としての通商産業省の資格もばっちり持っている。

 しかし正直言うと、これは誇大広告だ。金融機関のシステム部の人間は自分でシステムを作る訳ではない。
ユーザ部門の開発要望を聞き、ソフトウェア会社にどのようなシステムを作るのか指示するだけだ。
システム用語で概要設計と言うのだが、この概要設計書を作った後は、ソフトウェア会社が作るプログラムの品質管理納期管理をするだけだ。

 だから自分でプログラムを組んだ経験はない

 また情報処理技術者と言っても、ペーパーテストなのだから、ウェブデザイナーの娘から「おとうさんは手よりも頭のほうが働くみたいね」なんて笑われている。

 本当の意味で自分だけでシステムを維持管理したのは、引退しブログを立ち上げてからで、環境設定再セットアップを繰り返すうちに何とかプログラマーらしくなってきた。

 だがしかし、形式用件も必要なのだ。
先生、分かりました。私は30年のシステム経験のベテランで、情報処理技術者です」元気よく答えておいた。

 しかし本音を言えば、私は教育現場と言うものをしらない。
だいじょうぶだろうか」やはり不安がよぎる。

 昔、小学生の家庭教師をしたとき、もう少しで馬脚を現しそうになった経験が頭をよぎった。

 その子はある付属中学に入るための勉強をしていて、私が教えたのは小学5年から6年までの時期だったが、素直で利発な子供だった。
しかし始めてその子のうちに行った時は大変だった。

 母親から「この子はこんな問題が解けないのですよ」とある種の算数の問題を出されたが、信じられないことに私も解けなかった。
方程式を立てればなんていうこともなく解けるのだが、小学生は方程式を使えない

 いわゆる植木算とか鶴亀算と言うような特殊な解法があって、それを理解していないと解けないのだ。
ヒア汗がでてしまった。30分ぐらいうなって幸い何とか解法が見つかったが、小学校の算数が非常にタフなことが分かった。
やはり、この人を雇うのは断わろうかしら」母親はそお思ったに違いない。

 その日から1週間、私は小学校の算数の問題集を購入して大学にもいかずに一日中問題を解いていたものだ。
このままでは首になりそうだ。がんばれ

 おそらく今回もそおした努力が必要だろう。
知っているだけでも学校のシステム環境は特殊で古い。自動車の運転で言えば一世代前の手動クラッチの自動車の運転をするようなものだ。

 しかし、せっかくの与えられた機会だ。馬脚をあらわさないように努力して、特別講師の仕事に取り組もうと思っている。

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(27.8.7) 夏休みシリーズ NO2 アメリカの次期大統領は誰になうのだろうか

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

  オバマ氏が大統領になる前の日高義樹氏の予想と私の予想について述べてある。このころから日高氏の予測はことごとく外れるようになるのだが、それはアメリカ共和党に肩入れをしすぎて、正常な判断ができなくなったからだと私は思っている。

(20.5.5)アメリカの次期大統領は誰になるのだろうか

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 日高義樹氏は私の好きな評論家の一人だ。元NHKワシントン支局長を勤めたあと、ハーバード大学客員教授を務め、いまはアメリカのトップレベルの研究所と言われるハドソン研究所主席研究員をしている。

 また毎月1回テレビ東京で「日高義樹のワシントンレポート」という番組を放映しているので、この主の番組が好きな人はなじみの名前のはずで、私も毎回のようにこの番組を見ている。

 私は日高氏のアメリカ分析は超一流と思っているが、日高氏昨年の10月現在で、次期大統領選を予想した内容がまったく外れているのには笑ってしまった。

 日高氏は次のように分析していたのである。
アメリカ民主党の大統領候補には、・・・ヒラリー・クリントン上院議員が選ばれることがほぼ確実である。・・・オバマ上院議員は弁舌がたくみで新鮮な印象を国民に与えているが、やはり黒人であることが大きなハンディになっている。

 共和党側はニューヨークのジュリアーニ前市長と、トンプソン上院議員がトップを争っている。・・・・この二人のうちでは、減税とテロリストの戦いで定評のあるジュリアーニ前市長が有力だと私は考えている(「資源世界戦争がはじまった」日高義樹著)」

 日高氏をもってしても、アメリカ大統領選の行方はまったく予想不能らしい。
さらに現時点での日高氏の予測は、共和党マケイン上院議員が大統領になると言うものである。

 なぜ共和党が勝つかの理由は「アメリカの大統領選挙のシステムは、保守的な中西部や南部の州に有利になっており、保守的な政治家のほうが各州に割り当てられた大統領選挙人を集めやす」からと言うものだ。

 ちょうど日本の国政選挙と同じで農村部と都市部に格差があり、都市に強い民主党より、農村部に強い共和党のほうが有利だと言うものである。
実際そうした例があり、2000年大統領選挙では全体の得票数で上回った民主党ゴア氏が農村部を地盤にした共和党ブッシュ氏に敗れている。
日高氏は今度も同じことが起こるはずだと予測しているわけだ。

 しかしこの日高氏の感度は私の感度とはかなり違う。私の見るところブッシュ共和党イラク戦争で完全に手詰まりになっており、また経済サブプライムローン問題に見舞われ、満身創痍だ。
アメリカ国民の保守層がどんなに強くとも、現状はどう見ても共和党が不利だ。
変化」を求める国民は民主党オバマ氏を押すのではないだろうか。

 選挙制度は日高氏の言うように保守派の共和党に有利だが、日本で保守王国山口県の補選民主党が勝利したような動きが、アメリカでも起こらないとは限らない。

 私の予想は「オババ上院議員が大統領になり、イラクからの撤退をするとともに、世界の警察官を辞める」と言うもので、「変化」とはアメリカ伝統のモンロー主義の復活であり、「アジアのことはアジアで決めろ。俺は知らん」という時代の始まりだと思っている。

 果たしてプロの日高氏の予測が当たるのか、素人の私の予測が当たるか、大統領選挙の結果が楽しみだ。

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(27.8.6) 夏休みシリーズ NO1 チャレンジ富士5湖112kmに出場する

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 夏休みに入ります。この間は過去のブログ記事の再掲になります。

 平成20年といえば今からたった7年前だが、当時は100km以上のレースに何回も出ていた。100kmはどんな状態でもいつでも走れるほど体力はあったが、今ではフルマラソンも怪しくなってきた。


(20.4.27)チャレンジ富士五湖112kmに出場する

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 私は自分の行動を見て、つくづく愚かだと思う。本日(27日)富士五湖で行なわれるウルトラマラソン、チャレンジ富士五湖112kmにエントリーしたことだ。

 実はこれは5月の連休に行なわれる川の道250km練習としてエントリーしたのだが、練習としては距離が長すぎる
何しろ、翌週には250km走るのだから、どう考えても疲れが抜けそうにない。
俺は愚かだ」頭を抱えてしまった。

 どうしてこのような状態になってしまうかと言うと、エントリーをする時期が、3ヶ月以上も前だからである。
その頃は気分も高揚し「やはり、事前に100kmを2本は走っておこう」なんて気分になっているのだが、大会が近づくにつれ現実と向かい合わなければならなくなる。

 つい2週間前に行なった葛西臨海公園12時間走では、100km走るつもりが88kmしか走れなかった。
これじゃ、112kmなんてとても無理だ

 実は練習として走る場合と、レースとして走る場合は走り方がまったく違う。練習の場合は実力の8割程度で走っている。そうしないと練習で燃え尽きてしまうからだ。

 一方、それが目標のレースの場合は、実力の120%程度で走らないといけない。実力以上ということは身体が壊れても走ると言うことで、実際、昨年甲州夢街道215kmを走った時は、最後の50kmは死んでいた。

富士五湖をまじめに112km走ったら身体がこわれてしまう。どうしよう
出場を辞退すると言う方法もあるのだが、何しろエントリー代としてすでに16000円払い込んでいる。私のような年金生活者はこれがなんとしても痛い。
元を取りもどしたい福沢諭吉が目の前でちらちらする。

 結局行くことにした。112km制限時間14時間30分だから、今回は14時間30分走を行なうことにした。スピードは上げないで、淡々とこの時間まで走るのである。時間が切れたらそこで止めることにする。
これなら身体が壊れないだろう

 私は毎年のようにこの富士五湖のレースに出ているが、その理由は近場で行なわれ、交通費がかからないウルトラマラソンはここ位だからである。
通常ウルトラマラソンは非常に長い距離を走り、場合によっては交通規制もおこなわれるので、交通上の問題が難しい。
北海道のサロマや秋田のリゾートカップ100や、高知の四万十のように交通量の少ない地方で実施されるのはこのためである。
いづれも遠く、交通費が馬鹿にならない。

 その意味で富士五湖ウルトラマラソンは連休中でもあり、かなり交通量が多いにもかかわらず実施される実に不思議なレースだ。
景色は晴れていれば抜群にいい。富士山が目の前に迫ってきたり、河口湖の周りのさくらが満開だったりして、気持ちのいいコースだ。

 今日はデジカメを持って楽しく写真を撮りながら走ろう。今はそう思っている。完走しなくても読者に許していただきたい。

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(27.8.5) 資源価格の低迷と世界経済のパラダイムシフト 資源立国の時代の終わり!

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 ここに来て国際商品の価格が急激に低下しリーマンショック時を下回り12年ぶりの安値だという。
国際商品とは原油や天然ガスや鉄鉱石や金や石炭等を言うのだが、こうした価格の平均が急激に低下し始めた。世界経済に明らかに異変が生じている。

注)ロイターのコアコモディティー指数の推移はリーマンショック前は450程度だったのがリーマンショックで約200に落ちた。その後350まで回復したがここに来て200を切ってしまった。

 ここ10年程度に限って言えば世界の国際商品を買いあさっていたのは中国で、そのために高騰が続いていたが、昨年の夏ごろからこうした国際商品の価格が低下し始めていた。
特に目を引いたのが原油価格で当時1バーレル100ドルを超えていたのに、今では50ドルを割り込んでいる。
金価格も同様で、1トロイオンスが最高時には2000ドル近くまで行ったのに、今では1000ドルが目前に迫った。

 簡単に言えば国際商品価格はリーマンショック前の価格の約半額になってしまった。
日本等はLNGの輸入金額が劇的に減少するので願ったりかなったりだが、一方資源輸出国は塗炭の苦しみだ。
OPEC、ロシア、ブラジル、南アフリカ、オーストラリア等が主要な鉱物資源輸出国だが、特にロシアとブラジルと南アフリカは国家財政が赤字に陥っている。
アメリカではシェールガスやシェールオイルの掘削を行ってきた企業が次々に倒産し始め、日本の商社はシェールガスや石炭等の資源事業から撤退を始めた。
資源は今では収益を上げる事業ではなく反対に赤字が加算していく。

 ここ10年中国の成長が即世界経済の成長と結びついておりロシアもブラジルも、南アフリカも石油や天然ガスや鉄鉱石や金を中国に売ることによって経済を維持発展させてきた。中国の資源がぶ飲み体質が世界経済を引っ張ってきたといえる。
その中国経済がほとんど急ストップといっていいほどのスピードで停車したのが昨年の夏場で、今では中国経済は逆回転している。
公表のGDPは約7%の成長をしていることにしているが、世界中でこの数字を信じている人は中国人を含めて誰もいない。

 世界貿易は委縮をはじめ15年1月から5月間で輸出は約11%、貿易総額は約13%対前年比で減少した。
中国も韓国も貿易額が減少しており、特に韓国は国際経済の委縮をもろに受けて経済は崩壊の瀬戸際にある。
ロシアなどは石油と天然ガスだけで経済を維持してきたのにその価格が半減したことで国内経済はがたがたになり国内に貧乏人があふれ出した。

 先進国は十分に経済成長を遂げているので今後の成長率は1~3%の間で、それも金融政策で紙幣を印刷することでかろうじて維持できるのが実態だ。
一方新興国はエースだった中国経済の急失速でけん引役がいなくなってしまった。
インドが今後の成長の牽引役を期待されているがまだ経済規模が小さくとても世界を引っ張っていくほどの力はない。

 だから今後10年程度を見ると世界経済は後退期にはいり、資源価格に対する需要は低迷し、資源立国の収支は悪化する。
世界経済のパラダイムがシフトし、新たな時代に入ってきたといえる。
これを世界経済の委縮の時代と山崎経済研究所の山崎所長は名付けていた。

 

 

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(27.8.4) 中国の民間金融機関の崩壊 人民はひたすら共産党に収奪されている!!

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 中国の民間金融機関が大崩壊している。中国では銀行、自動車ローン、消費者金融に関する法規はあるが、それ以外の民間金融機関ついては法の網がないから高金利をうたって資金を集め不動産や鉱物資源に投資をする会社が雨後の竹の子のようにできていた。
高金利
とは大体10%以上20%以下の金利で、正式な定期預金レート2%の5倍から10倍の高金利がうたい文句だ。
「絶対もうかる。定期預金などしているやつはアホだ」散々あおってきた。

 一般に高金利をうたい文句に資金を集め不動産事業等に投資をする会社をシャドーバンキングというが、ここには個人や会社や果ては銀行までも参入しており、その規模は数百兆円にのぼるといわれている。
中国経済が右肩上がりで特に不動産価格の上昇率が20%以上であれば、確かにこの商売も成り立つが、実際は数年前から不動産価格は下降して投資をすればするほど損失が発生している。

 したがって多くの金融会社はマルチ金融でなんとかしのいできた。日本でいうマルチ商法で新たな投資者の資金を従来の投資者の利息に充てることで表面的には順調に営業しているふりをしてきた。
しかしそれにも限界がある。マルチ金融は新たな投資者がいなくなった段階で倒産するのだが、実際にそうした会社が続々と発生してパニックになってきた。
あんたの会社も倒産するって噂が立ったから資金を返してください
お客さん、この資金は○○不動産の物件に投資しておりますので今すぐ回収はできません
いやよ、今すぐ元金全額返してちょうだい

 河南省洛陽市の事例ではこうして倒産した金融会社が13年以降100社を超えており、当局の発表では違法な資金集めをした金融会社で摘発を受けたものは全国で14年度8700件、13年度の2.3倍だという。
いまや中国全土でこの金融会社の倒産が始まっており、被害を受けた債権者が土曜日に倒産会社に集まっては善後策を協議している姿が日常化している(倒産した会社の残された事務用品などを奪うために集まっている)。

 中国の小金持ちの資産はマルチ金融会社の倒産で消失しており、また株式投資も上海株の暴落に見るようにこちらも小金持ちの資産が奪われている。もちろん大金持ちは国外に投資(東京の繁華街等)をして収益を上げているが、そうした人は共産党の幹部であって一般の人が海外の金融資産や不動産に投資する道は閉ざされている。
一般人民は国内投資が唯一の投資先だが中国経済は昨年の夏には崩壊しているので、国内投資はほぼ全滅状態だ。

 パイが大きくならなければあとは共食いになるのはどこの世界でも同じで、中国国内では力の強い共産党員による一般人民の富の収奪が始まっており、共産党こそが最も悪辣な収奪者になっている。
習近平主席はこうした非難が中国共産党に向けられないように「トラもハエもたたく」と汚職撲滅運動を進めているが、そのためにさらに経済が委縮してしまい、成長などは夢のまた夢だ。

注)金融会社は共産党の地方幹部が経営して地方政府と結びついている事例が多い。

 小金を簒奪された人民の抗議活動はいたるところで発生しており、何か王朝末期の騒乱に近い状態になってきた。ソビエトロシアが信じられないようなあっけなさで崩壊したが、中国共産党もそうした運命が近づいてきたようだ。
鉄鎖以外に失うものは何もない。中国人民は団結して共産党王朝を打ち倒せ」マルクスの叫び声が聞こえる。

 

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(27.8.3)習近平氏が吠えている。  「ようやく江沢民派の大将の首を切った。 あとは俺の天下だ」

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 中国における政治家の人民解放軍の掌握術はなかなかユニークだ。
もともと人民解放軍は党の軍隊だから党の下部機関だが、実際はかつての関東軍のように自由にふるまうので党総書記にとってその掌握は常に頭を悩ます問題だ。
戦前の日本の政治家と同様な悩みといっていい。

 習近平党総書記は胡錦濤時代の人民解放軍の大将二人を党規則の重大規律違反で失脚させ、その後釜に自分の息のかかった将軍を大将に就任させた。
その記念式典が8月1日に行われ、新たに就任した大将が記念撮影をしていた。

 失脚したのは郭伯雄大将と徐才厚大将だが、この二人は江沢民氏が主席の時に大将に昇格させ、胡錦濤時代は江沢民氏の忠実な犬として胡錦濤政権ににらみを利かせていた。
胡錦濤氏は人民解放軍を掌握できず、実際は江沢民氏が人民解放軍の実質的なトップだった。
しかし習近平氏はこの江沢民派の実力者大将を重大な規律違反のかどで党籍離脱に追い込み、実質的にパージしてしまった。

注)上記二名の大将の逮捕劇の詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-c278.html

 中国でも軍人はその最高の地位である大将になることを望んでいるが、これは単なる軍事的な地位だけでなく経済的な意味があるからだ。
人民解放軍内で出世するためには、地位の上位者に常にわいろを贈らなければならない。
そのワイロが最も集中するのが大将で、大将とは中国では最大の利権なのだ。

 郭伯雄大将と徐才厚大将も当然利権としてその富を築き、一生涯遊んでもまだおつりがくるほど財産家になったが、それが今回重大規律違反ということで党籍離脱になってしまった。
だがこれは大将の利権だから、この二人だけでなく誰もが最大限その地位を利用して富の蓄積をしており、なぜこの二人だけが規律違反で追及されるかというとこの二人が江沢民派だからだ。

 中国では汚職が当たり前で、汚職と中国人とは同義語といえるほど汚職体質が染みついているが、だからといって摘発されるかどうかは本人が主流派にいるか反主流派にいるかによって決まる。
反主流派になったら、財産を海外に移してさっさと逃亡しなければ必ず規律違反で逮捕され、せっかく築いた財産は一夜にして奪われ、その財産は主流派の間で分配されてしまう。
国家に没収されるのではなく主流派のメンバーの懐に入るところがいかにも中国らしい。

 現在江沢民系の国有会社の幹部や地方の党書記や人民解放軍の将軍が次々に重大規律違反でしょ引かれているが、あまりの激しい追及に江沢民氏はたじたじになっている。
もちろん習近平氏をなんとか暗殺できないかと虎視眈々と狙ってはいるが、習近平氏は周りを信頼できる人民解放軍の将軍が固めて、間違ってもクーデター等起こされないように気をつけているので暗殺もままならない。

注)習近平氏の暗殺未遂事件については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/ppp-13.html

 習近平氏の手法はかつてのソビエトロシアのスターリンに似てきており、反対派を根こそぎ粛清しようとしているように見える。
江沢民氏や胡錦濤氏といえども油断すると習近平氏の餌食になってしまう。
習近平氏は人民解放軍の大将を自身の息のかかった福建閥で固めているので人民解放軍を掌握したといっていいような状況になってきた。
人民解放軍を掌握した習近平氏の汚職撲滅運動はますます過激になってきたといっていい。

注)ただしこれは大将といった上級幹部を掌握したという意味で、一方人民解放軍の大将といえども現場の掌握はままならないため現場が勝手な動きをするのを止めることができない。詳細は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-b965.html

 

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(27.8.2) 漂流するTPP交渉 アメリカ組の再結集が今回も失敗した!!

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 TPP
(環太平洋パートナーシップ協定)が漂流している。
今回の閣僚級会議で最終合意を図る意気込みだったが、合意にはいたらなかった。
乳製品の輸入枠問題と、新薬データの保護期間について最後までもめたからだ。
今回の閣僚級会議ではアメリカと日本が強く合意を図ろうとしたが、各国の利害調整に手間どってしまった。

 乳製品の輸入枠についてはニュージーランドがその拡大を強く迫り、一方新薬データの保護期間についてはアメリカの主張する12年とのオーストラリアの主張する5年との溝が今回の会議でも埋まらなかった。
会議終了後アメリカ代表のフロマン氏が「きな進展があり今後も集中的に交渉を続ける。ただし次回の閣僚級会議の日程は決まっていない」とコメントし、甘利TPP担当大臣は「もう一度会議を開けばすべて決着する」と述べていたが、実際は次回の会議日程も決められなかったという惨状だった。

 今回こそは閣僚級会議で決着を図ろうとした目論見が失敗したのだが、こうした交渉は各国がそれぞれ一定程度の妥協を図らない限り決着するものでないから、自己主張を繰り返すのは実際はTPP交渉をつぶすのと同じ結果になる。
そうした意味では合意を目指したアメリカと日本が大幅な譲歩しない限り決着は難しいだろう。

 現在なぜTPP交渉が大事かというと、世界経済が大きくブロック化しておりその中でアメリカ組の再結集が遅れているからだ
もともとは関税や貿易や為替の世界ルールはGATTという組織(のちWTO)で全世界規模で決めることになっていたが、何を決めようとしても時間ばかりかかるため、現在では各ブロックごとにこうした取り決めを図るようになってきた。

 なにか第二次世界大戦前のブロック経済のようなものだが、実際に世界は大きく3極化しており、ヨーロッパはEUでまとまり、中国はAIIBというインフラ投資銀行を設立することによって中国組を糾合したが、最後に残されていたのがTPPでこれはアメリカ組の再結集を狙ったものだ。
参加国は12か国だが、主なメンバーはアメリカ、日本、カナダ、オーストラリアでこのうちアメリカと日本とカナダはAIIBに参加していない。

 12か国の世界におけるGDPのウェイトは約40%だから設立されればここでの取り決めを世界標準として他のブロックに押し付けることができるのでとても有利な立場になる。
オバマ大統領も安倍首相も今回本気で妥結を図ろうとしていたが、最終合意に至らなかったのは誠に残念なことだ。

 残された時間はわずかで特にアメリカの場合は来年になると大統領選挙が始まり、現役の大統領が重大な決定をすることがはばかられるような状況になるので、ぜひとも本年度中に決着をつけたいと望んできた。
また安倍首相もアメリカと日本が組んで世界のルール作りをし、特に中国に対抗する経済連合体の創設に意欲を持っているので何としても決着を図りたかったというのが本音だろう。

 次回の閣僚級会議の日程調整は8月末のアセアン経済担当相会議と合わせて行う等の案が検討されているようだ。しかし次回に決着がつかないとTPPは完全に漂流してしまい、中国に対抗する経済連合体の創設は半永久的に不可能になってしまう。
甘利TPP担当相が言うように「もう一度会議を開けば決着する」ためには乳製品の輸入枠について日米の譲歩が必要になるだろうし、アメリカは新薬データの保護期間をオーストラリアの主張に近づけなくてはならないだろう。

 各国ともそれぞれ複雑な国内事情を持っているのはお互い様だが、オバマ大統領と安倍首相の政治決断がない限り、TPPという今後半世紀程度は各国を縛るフレームワークの確立は難しそうだ。



 

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(27.8.1) マイクロソフトのOS無料提供  「そうでもしないとシェア低下を防げない!!」

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 ウィンドウズ10
が無料で提供されることになって話題をさらっている。
パソコンのOSとしてはウィンドウズは圧倒的なシェア(約9割)を持っているので、今もパソコンが情報機器の主流であればマイクロソフトとしても無料提供など絶対にしないはずだが、今や主流はスマホとタブレット端末に移ってきた。

 何しろスマホなどは誰でもといっていいほど持ち歩いているから、スマホさえあれば電話をかける以外にメール情報検索もその他のちょっとした処理も自由にできるので、パソコンの必要性が薄れている。
私などはブログを書いているからキーボードがないと何とも不便でパソコン使用のウェイトが極端に多いが、通常の人はそんなに情報発信をするわけではないからスマホから簡単なメール送信を行って十分なようだ。

 スマホやタブレット端末のOSはアップルのiOSかグーグルのアンドロイドがシェアをほぼ二分しているので、マイクロソフトの出番はほとんどない。
ウインドウズは減少しつつあるパソコンのOSで、いわば斜陽産業になってしまってマイクロソフトも焦ったのだろう。

 今回のウィンドウズ10を出す前に、2012年にタッチパネルを前面に出したウィンドウズ8を発売したがこれはものの見事に失敗した。
操作性が極端に悪くスマホやタブレット端末を使用しているものから見ると何か数世代前の操作性だったので馬鹿馬鹿しくなって利用者が増えなかった。

 私もタッチパネルのタイルを見て愕然とした一人だ。
何をどう操作したらいいのか分からないので、仕方がないのですぐにデスクトップに切り替え、絶対にタッチパネルなど操作しないようにした。
私が使用するソフトはGmail のようなメールソフトとグーグル検索とココログとワードぐらいで、あとの利用はほとんどない。
通常の人が使用するソフトはせいぜい私と同じ程度で、それさえあれば十分なのだから、それ以上のソフトなどあっても全く迷惑だ。

 だからタッチパネル等は無用の長物で、「マイクロソフトも実に迷惑なOSを開発したものだ」とため息が出たものだ。
一般のパソコンユーザもほとんどそうした感想を持ったらしく、多くのユーザはウィンドウズ7を8にバージョンアップすることをためらってきた。
ウィンドウズ8が発売されたのが2012年だが未だにシェアは1.5割程度でウィンドウズ7が約7割だから、利用されていないといった方がいい。

 タッチパネルもどきのウィンドウズ8の不評にたまりかねてマイクロソフトが経営方針の大変更をした。
これからはOSで商売するのではなくクラウドで勝負する。また主戦場はスマホやタブレットでパソコンはもはや主戦場とはいえない

 最もそうは言ってもスマホやタブレット端末に占めるマイクロソフトのOSの割合は3%程度だから、いくら歯ぎしりしてもアップルやグーグルにかなわない。
そこでアップルやグーグル向けに開発したソフトがちょっとした手直しでウィンドウズ10で動くような変換ソフトを提供するのだという。
これをコバンザメ作戦というらしいが、スマホとタブレット端末のアプリをパソコンでも自由に扱えるようにしようとの戦略だ。

 だがこのところのマイクロソフトの経営戦略は完全に裏目に出ている。2014年に携帯電話事業参入と称してノキアの携帯部門を約1兆円強で買収したがこれが予想以上に不振で、15年4月~6月期に約8割の減損処理をしいられ赤字に転落した。
ノキア買収はこの1兆円をどぶに捨てたようなものだが、ノキアがスマホへの対応が遅れた会社だったことを知っていて買収したのだから責任はマイクロソフト側にある。

 かつては世界で最も躍動的な会社だったが、今ではアップルに完全に水を開けられ株式の時価総額でもアップルの半分になっている。
業績は四半期で1兆円規模の収益を上げているのでそれは立派だが、しかし増収増益というわけにはいかず横ばいといった方が良い。
そしてモバイル事業ではノキア買収の失敗に見られるように誤算続きだ。

 今回のOSの無料提供はこうした厳しい外部環境化でなんとか起死回生の一発を狙ったものだが、だからといってウィンドウズ10がスマホやタブレット端末市場で受け入れられるかはかなり怪しい。
業務系ではマイクロソフトは世界標準だがモバイルのような民生系ではマイクロソフトの出番はほとんどないのではなかろうか。


 

 

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