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(27.7.2) 「中国の夢」 私は皇帝になるのだ!! 習近平氏の野心と反腐敗闘争

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 私は習近平国家主席が語る「中国の夢」とか「中華民族の偉大なる復興」とか言う言葉は一種のキャッチフレーズで選挙の宣伝文句程度のものだと思っていたが、意外にこの人は本気でそう考えているのではなかろうかと思うようになってきた。
昨今の南シナ海や尖閣諸島への海洋進出や世界の金融秩序に対するAIIBによる挑戦や、そして何よりもライバルを粛清する態度の厳格さにおいて、習近平氏は中国の最大領土だった清朝乾隆帝の時代を再現しようとしているのではないかと思われる。
彼は言う「この夢には数世代の中国人の念願が凝縮されている」。

 一党独裁政治の権力闘争は実に厳しい。日本やアメリカならば選挙で敗れれば野党になるだけだが、中国では命の保証がなくなる。
反主流派に落ちたとたんに、汚職容疑で検挙され、それまで築いてきた地位と財産を一挙に失なう。

 私は習近平氏が行ってきた「反腐敗闘争」は単なるパフォーマンスであり適当な汚職官僚を捕まえた後は「これにて一件落着」するのかと思っていたら、どうもそうではないらしいことが最近分かってきた。
習近平氏は自分に対立する権力者全員の首をとらないとおちおち枕を高くして眠れないため、腐敗闘争を止めようとしない。

 中国では汚職と権力は同義語であって、誰でも権力者は汚職をしているのだが、どんなに汚職をしていても主流派に属している限りは汚職容疑で検挙拘束されることはない。
しかしいったん反主流派になったらそれこそ一目散に中国から逃げ出すかあるいは自殺でもしない限り、逮捕されて拷問をかけられ自白を強要される。
中国官憲の取り調べは拷問ありの自白調書優先だから、ありとあらゆる拷問で責められるので、どんなことでも自白をしてしまう。
なんでもいいからあんたの望むとおりの内容で自白する。だから拷問だけは止めてくれ」泣いて頼むほどだ。

  石油閥のドン、周永康氏が逮捕軟禁され6月の初旬に非公開の裁判で終身刑を言い渡されたので、このへんで「習近平氏のトラ退治」は終了すると思っていたら、次のターゲットに李鵬一族が狙われだした。李鵬氏は天安門事件で学生を弾圧した責任者でその後首相にまで上り詰めた人物である。江沢民氏の懐刀のような人物だった。
李鵬氏の一族は電力業界を牛耳っており、李鵬氏の娘の李小琳氏が電力会社の主要なポストを歴任している。李鵬氏は2008年ころから脳梗塞を患って入退院を繰り返しているから廃人同然であり、この李小琳氏が実質的な電力業界のドンである。

 この李小琳氏が習近平氏の「トラ退治のターゲット」にされたのを察知して捜査の手から逃れようと北京空港から逃亡しようとした直前に汚職容疑で逮捕拘禁されてしまった。
石油閥殲滅の次は電力閥殲滅が習近平氏のターゲットになっている。

 周永康氏の逮捕の後に「残された虎」は江沢民氏、曽慶紅氏と李鵬氏の3名だが、このうちの李鵬氏が「習近平氏のトラ退治」の餌食になったことになる。
習近平氏のトラ退治は本気でこのまま行くと次は曽慶紅氏で、最後は元国家主席の江沢民氏ということになる。
習近平政権の前の胡錦濤政権では、こうした腐敗闘争運動は一切行わず、江沢民氏と事実上和解することで権力基盤を維持してきたが、習近平氏は果敢にもこの牙城に切り込んでいる。

  習近平氏に対する評価は今のところ二手に分かれている。
非常に果敢で決断力があり、対立勢力をぐうの音も言わさないほど抑え込んだ非常に有能な指導者でまさに清朝乾隆帝の再来だという人と、単なるドン・キホーテで怖いもの知らずなだけでやることがすべて粗雑だという評価だ。
実際にどうなるかは習近平氏が李鵬一族を締め上げ、最後に残された江沢民一派を根こそぎパージすれば中国史上歴史に残る権力者になるが、一方で江沢民派の巻き返しで権力を追われることになると、「やりすぎた指導者」として歴史に汚名を刻んでしまうかもしれない。

 今のところどちらに転ぶかは全く不透明だが、習近平氏自身は本気で「中国の夢」を語り、過去の中国最大の版図を再現しようとし、自らは中国の歴史に名を残す皇帝になろうとしていることは確かだ。

(とても参考になるコメントがありましたので転載いたします)

 国力戦力に自信を持ってきたシナの指導者が本気で旧清帝国皇帝を目指し旧清帝国最大版図回復となると、単なるシナの国内問題に止まらずロシア極東地域への領土回復戦争勃発の可能性も拡大すると思います。

 今シナの教科書にはウラジオストックは我が国の固有の領土と記載されており、沿海州、シベリヤ東部、樺太、カムチャッカ半島まで愛国熱狂者はシナの領土回復を主張しております。 この地域はアイグン条約、北京条約の不平等条約により旧ロシアが清より割譲させた地域も多くシナの言い分に理がある地域も多いと思います。

 旧版図回復は先ず南シナ海で行われつつありますが、日本に対しては沖縄はシナ領と内心決めていますので、国内を煽動し領土回復対日戦争勃発も近くなった思われます。 何と言われようと沖縄にアメリカ軍、そして自衛隊の増強は大いに必要です。

 ロシアとは北方領土問題が日露間で問題継続中ですが、ここは面積折半で妥協し日露国境画定を行い、ロシアを我が方に引き寄せ日露協調を早く取り決めることが必要です。 これはロシアにとってこの地域の領土がロシア領であることの傍証にもなり、地政学的日露両国共通の利益になります。




 




 

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コメント

国力戦力に自信を持ってきたシナの指導者が本気で旧清帝国皇帝を目指し旧清帝国最大版図回復となると、単なるシナの国内問題に止まらずロシア極東地域への領土回復戦争勃発の可能性も拡大すると思います。
今シナの教科書にはウラジオストックは我が国の固有の領土と記載されており、沿海州、シベリヤ東部、樺太、カムチャッカ半島まで愛国熱狂者はシナの領土回復を主張しております。 この地域はアイグン条約、北京条約の不平等条約により旧ロシアが清より割譲させた地域も多くシナの言い分に理がある地域も多いと思います。

 旧版図回復は先ず南シナ海で行われつつありますが、日本に対しては沖縄はシナ領と内心決めていますので、国内を煽動し領土回復対日戦争勃発も近くなった思われます。 何と言われようと沖縄にアメリカ軍、そして自衛隊の増強は大いに必要です。
ロシアとは北方領土問題が日露間で問題継続中ですが、ここは面積折半で妥協し日露国境画定を行い、ロシアを我が方に引き寄せ日露協調を早く取り決めることが必要です。 これはロシアにとってこの地域の領土がロシア領であることの傍証にもなり、地政学的日露両国共通の利益になります。

本日の貴下の記事は読者をして早朝の頭を覚醒させるものです。

投稿: 絶望人 | 2015年7月 2日 (木) 07時02分

経済問題に関しては、周主席よりも李 克強首相が担当になるのですが、この李首相が厳格すぎて、官僚も国営企業もとてもついていけない、というのが真相なのではないでしょうか。
李首相の推し進める、明朗会計、汚職追放、というような構造改革には、彼らはついていけないのです。
そこに周主席が割って入ってきて、多少の汚職は中国の商慣習だからやむを得ないだろう、ただし君たち汚職官僚のトップを更迭するのに協力しなさい。
そして代わりに周一派の傀儡役人をトップとして仰ぎ、その配下となりなさい。
この手法で周政権が権力固めをしている、という話をよく耳にします。

投稿: 三太郎 | 2015年7月 2日 (木) 23時28分

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