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(27.7.29) フィリピンへの戦略的ODA実施  マニラ鉄道への2400億円の円借款

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  日本と中国のインフラ投資合戦が始まっている。中国はAIIBで仕掛けてきたが、日本は中国に比べると戦略的なインフラ投資で遅れていた。
しかし安倍総理になってから巻き返しが始まっており、このたびフィリピンに対しODAの一環としてマニラ鉄道への円借款2400億円を実施することにした。
正式な契約は11月のAPEC首脳会議の折にアキノ大統領との間で取り交わされるという。

 日本のODAはひところ世界最高だったが停滞の20年間にアメリカに追い越され、今ではイギリス、ドイツ、フランスの後塵をはいしている。少なくなったODAだが本質的な問題があって、中国に対するODAは(総額で7兆円規模)これは戦後賠償としての位置づけだったから、中国からはいいように請求されて日本は全く口出しできなかった。
金を支払うのが日本の義務で、中国はこの支払いに一切感謝しない」という態度だった。

注)日本の中国に対するODAの実態については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-04f4.html

 さすがにこうしたただ無駄なだけの資金援助は取りやめることとし、最近のODAはもっぱら友好国へのインフラ整備に使用されているようになっている。
トルコのボスポラス海峡横断地下鉄整備やインドデリー高速鉄道の整備資金だが、今回のフィリピンへのマニラ鉄道の整備は単独事業として最大規模の円借款になった。

 こうしたODAが絡む円借款事業では、当然日本のメーカーとタイアップしている。かつて日本の左翼運動が盛んだたころ「日本のODAは工事の請負がもっぱら日本企業になって地元の企業のメリットにはなっていない。ODAとは日本企業を儲からせるために行うものだ」との批判があった。
しかし金を貸す身になればそれがしっかりと工事に使用され、目的の完成水準になってなくては困る。
一般に開発国の企業は手抜き工事をするし、費用はちょろまかして請求するし、間にたつ役人はワイロを要求するしまともな工事にならない。
ODAが食い物にされて、できたインフラは稼働しないというのでは困る。
だから信頼できる日本企業を間に立てるのは当然の措置なのだ。

 今回マニラ鉄道に対する2400億円の円借款は、日本とフィリピンの同盟関係を強化する意味も持っている。フィリピンは自国の領土を中国にかすみ取られているが、これに抗議しようにもまともな船舶がないから中国が思いのままふるまっている。
アキノ大統領としては歯ぎしりする思いだが、フィリピンは貧しい国だから防衛もままならないのが実態だ。
かつてフィリピンには米軍の海軍と空軍の基地があったが、1992年に米軍を追い出してそのあとに経済特区を設けた。
しかしこれは二重の意味で失敗で、経済特区そのものは閑古鳥がなき一方防衛力がなくなって丸裸になったため中国の海洋進出をやすやすと許している。

 フィリピン経済は長く低迷し、東南アジア諸国が急成長していた間も全くと言っていいほどの低成長が続いていた。
それがアキノ政権になり積極的な外資誘致策と汚職撲滅策を展開し、さらに防衛力強化のため一度閉鎖したアメリカの軍事基地を再開したりして、リーマンショック後は年率6%台の高成長を続けている。
投資環境が整い他国からの企業誘致が盛んになった結果だが、インフラ投資はさらにこのフィリピン経済を加速させるためのブースターといえる。

注)フィリピンが経済成長できなかった原因の一つにひどい汚職体質があり、特区に進出した企業は理由の分からない税金(ワイロ請求)に悩まされ続けたためフィリピンから撤退してしまっていた。

 日本は長い間ODAを中国への実質賠償資金や外務省の大使を遊ばさせるためだけに使用してきたが、安倍総理になってからは戦略的なODAへと変化している。
フィリピンは中国を取り囲む真珠の首飾りだからこの国の経済発展は即日本の安全保障に寄与するため、積極的な支援を図るというのが日本政府の方針だ。




 

 

 

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