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(27.7.18) イデオロギー論争は強行採決しか決定方法はない。 集団的自衛権の確立と安倍首相の勝利

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 日本は聖徳太子の昔から話し合い中心の国で、「和を持って貴しとなし、さからうこと無きを旨とせよ」といわれたほどの国柄だから、通常は話し合いですべてを解決してきた。
しかしそれは平時や内容が大したことがない場合で、どうしても意見が一致しない場合は最後はガチンコ勝負になり、かつては戦争で決着をつけたし、今は国会の強行採決で決着をつけている。

 「」を説いた聖徳太子自身が崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏との間のイデオロギー論争の時は蘇我氏側にたって、物部守屋を滅ぼしている。
またその蘇我氏は大化の改新で天皇中心主義者の中大兄王子が、飛鳥の豪族連合の長だった蘇我入鹿中臣鎌足と組んで暗殺している。
天皇中心か、豪族中心かのイデオロギー論争では妥協の余地などなかったからだ。
ガチンコ勝負になれば「」ではなく実力勝負になるのはどこの世界でも同じだ。

 戦後日本のイデオロギー論争はすべて安全保障の面で現れている。
簡単に言えば1990年まではアメリカ組になるかロシア組になるかの選択であり、21世紀になるとアメリカ組中国組の対立になっている。
この選択には妥協の余地はなく二股をかけようとすると国を亡ぼす。
だから日本のありようとしてどちらを選択するかの決断であり、したがって安全保障に関する国政の決断のほとんどが強行採決になっている。

注)韓国が経済は中国、軍備はアメリカに依存して両国を手玉にとっていると豪語していたが、実際は両国から見捨てられよ うとしている。二股外交は特別な事情がない限り成功しない。

 1960年といえばいまから55年も前のことだが、日米安全保障条約の締結を巡って国を二分する論争が勃発している。今では名前さえなくなったが当時は社会党がこの安保反対闘争を主導して、国会内外で激しい衝突を繰り返した。
国会の外では主として全学連によるジグザグデモが繰り返えされ、私は小学生だったが小学校でもこの「安保反対デモ」が遊びではやった。竹を横にしてそれを数人の小学生が押し立てて「安保反対」と叫ぶ遊びだった。

 それから10年後の1970年前後にこの安保条約の改定時期が到来し、今度はこの反対運動を指導したのは全共闘系の学生だった。私は当時大学生だったが友達から誘われてはデモに参加したものである。霞が関の大通りをフランスデモと称して両手いっぱいに広げてデモったが、機動隊に阻まれて逃げ出したものだ。

注)私は当時政治的主張を持っていなかったが友達に民青系の友人が多く、頼まれればデモに参加していた。

 
さらにそれから20年たった1992年には、湾岸戦争で日本が資金以外の貢献がなかったことをアメリカから責められPKO法案を一部野党と共同で強行採決している。
だから今回の安全保障関連法案の強行採決は4度目のガチンコ勝負ということになる。

国家のありようを決めるイデオロギー論争では強行採決以外の方法はなく、両陣営とも妥協はできないから、あとは議会制民主主義の原則である多数決だけが最後の決定方法になる。

 今回の安保関連法案で安倍内閣は集団的自衛権の容認に踏み込んだが、116時間かけての討論も何の歩み寄りがなかった。
それは当然で当初からどちらの陣営も歩み寄ろうなどとは考えていないから、野党は足を引っ張ることだけに専念し、一方与党は相手に言質を与えない曖昧模糊とした答弁になっている。

 安倍首相は集団的自衛権を「国民の命を守り戦争を未然に防ぐための絶対に必要な法案だ」と述べたが野党の反応は全く反対で「便宜的な憲法の解釈変更で立憲主義に反し、強行採決は認められない」と応じた。
新聞の論調も二分されており、読売や産経のような保守主義陣営に立つメディアは「日本の平和確保に重要な前進」と評価したが、朝日や毎日のような左派系新聞は「民主主義を揺るがす施行」と反対の大キャンペーンを張っている。

 だが客観的に見て日本の周辺は中国、北朝鮮、韓国といったヤクザ国家ばかりでありおりあらば日本の領土をかすめ取ろうとしており、また国連やその他あらゆる機会に日本を誹謗して国際的地位を貶める活動を日常化している。
さらに中国は特に海軍の増強を図って西太平洋は中国の海だと主張し始めており、このような状況下では日本はアメリカとの軍事同盟の強化だけが生き残る道になっている。
集団的自衛権はそれまで片務的だった日米安全保障条約の実質的改定で日米の軍事関係を双務的に変更するものだが、だからこそ中国や旧ソ連に郷愁を持つ左翼陣営や左翼メディアはなんとかして安倍総理の目指す集団的自衛権の足を引っ張ろうと躍起になってきた。
だが、日米安保条約が今まで片務的だったのは日本が本当の意味では独立国ではなく、アメリカの軍事的植民地だったことを意味している。

 ようやくこのイデオロギー論争に決着がついた。今国会で集団的自衛権は容認され、日本はアメリカ陣営として戦後70年たって初めて軍事的に独立国家になれたといっていい。
だからこそ4度目の両陣営のガチンコ勝負になったのだが、安倍首相はこの苦難を乗り切ったのだから大した総理大臣だと評価できる。
左翼陣営の最後の抵抗は終わり、日本が経済的だけでなく軍事的にも独立国になった記念すべき年が2015年だと歴史に刻まれるだろう。

(興味深いコメントがされたので本文に転載します)

 先日、電車で二人の70代くらいのおばあさんたちの話を聞いていましたが、安保法案の議論になった時、「私は戦争の時に苦労したから戦争は嫌だ。だからこの法案には反対。安倍はわかっていない。」ということをおっしゃっていました。

 今回、60代以上の年配(小職の両親を含む)の方々の反対が多いのは心情的には理解できますが、彼らが今の世界情勢を踏まえ、我が国の状況をとことん考えた上でこのような反対意見を言っているとは思えません。むしろ、戦後、ひたすら米国の傘の下でひたすらいい子ぶり、波風立てずに立ち回ってきたたつけが、今、彼らよりも若い私以下の世代が活躍する時代になっても中韓にぐだぐだ言われる遠因になっていると思っています。本当にわかっていないのは誰なのか、と問いたくなります。波風立てないというのは確かに一つの知恵でそれを否定する気は毛頭ありませんが、偽善もほどほどにして欲しい、というのが私の偽わざる意見です。

 小職は20代(1990年代)の時に中東に駐在しましたが、その時にインド系バンカーに「日本は世界第二位の経済大国なのに何故自衛のために核兵器を持たない?日本よりもGDPが下の英仏は持っているではないか?」と問われ、返事に窮したことがあります。世界は所詮力と力のぶつかり合いであり、力の強い方がより有利です。憲法9条を文字通り解釈する限り、日本に未来が待っているとはとても思えません。

 今回の法案が仮に廃案になったとしても、一石を投じたという意味では大きなターニングポイントだと思います。

 








 

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コメント

久しぶりに投稿あせて頂きます。お体の方がその後如何でしょうか?
先日、電車で二人の70代くらいのおばあさんたちの話を聞いていましたが、安保法案の議論になった時、「私は戦争の時に苦労したから戦争は嫌だ。だからこの法案には反対。安倍はわかっていない。」ということをおっしゃっていました。
今回、60代以上の年配(小職の両親を含む)の方々の反対が多いのは心情的には理解できますが、彼らが今の世界情勢を踏まえ、我が国の状況をとことん考えた上でこのような反対意見を言っているとは思えません。むしろ、戦後、ひたすら米国の傘の下でひたすらいい子ぶり、波風立てずに立ち回ってきたたつけが、今、彼らよりも若い私以下の世代が活躍する時代になっても中韓にぐだぐだ言われる遠因になっていると思っています。本当にわかっていないのは誰なのか、と問いたくなります。波風立てないというのは確かに一つの知恵でそれを否定する気は毛頭ありませんが、偽善もほどほどにして欲しい、というのが私の偽わざる意見です。
小職は20代(1990年代)の時に中東に駐在しましたが、その時にインド系バンカーに「日本は世界第二位の経済大国なのに何故自衛のために核兵器を持たない?日本よりもGDPが下の英仏は持っているではないか?」と問われ、返事に窮したことがあります。世界は所詮力と力のぶつかり合いであり、力の強い方がより有利です。憲法9条を文字通り解釈する限り、日本に未来が待っているとはとても思えません。
今回の法案が仮に廃案になったとしても、一石を投じたという意味では大きなターニングポイントだと思います。

投稿: KS | 2015年7月18日 (土) 14時10分

私たち日本人は絶対戦争反対です。
が集団的自衛権衆議院通過は世界的常識です。
衆議院通過を一番強く非難しているのが中国と韓国で逆にフィリピンやベトナム、タイ等々は歓迎しているようです。
アメリカのアーミテイジさんの言葉が印象に残っています。
もしも他国(中国、北朝鮮、ロシア)のミサイルがアメリカ本土に向けて発射され、自衛隊のイージス艦がそれを捉えても迎撃しなかったその瞬間、アメリカと日本の同盟関係は消滅する。
そして沖縄や三沢基地のアメリカ兵は即座に撤退する、そうなれば日本は中国、北朝鮮に裸同然になりますと・・・。
怖いことです。
鳩山前政権時に普天間基地移設発言や胡錦濤氏と鳩山が新東南アジア構想をアメリカで並んで発表しアメリカを怒らせ、日本とアメリカの同盟関係にヒビ割れができた時がありました。
途端に韓国の前大統領李明博の竹島上陸し天皇侮辱発言が出ました。そして中国漁船が海上保安庁の巡視船に体当たりした事件が起きました。
アメリカの影響力が薄れたら即座に覇権国の中国が台頭し、韓国はその中国にすりよって日本を攻撃する姿勢をみせた。
ヤクザ国家と与太者国家の正体見せたりです。
このことを我々日本の民衆に見せつけてくれたのは誰あろう、前民主党政権とルーピー鳩山・エゴイスト菅直人であった。
日本人を平和ボケから目を覚まさせてくれたのは、民主党の迷走政治と中国、韓国の根深い反日思想だった。
私思うんですが・・今回の集団的自衛権衆議院通過を一番後押ししてくれたのは、皮肉にも中国と韓国だと思います。
これからは理不尽で国際法に反したその行動は必ず報いを受けるという当然の事を中国、韓国はその身で知らねばなりません。
中国は今、人権派弁護士約80人を拘束し、その共産党的独裁違法国家ぶりを見せつけてています。
言論、経済、思想宗教の自由の無い国、中国に与するのか、自由の国アメリカに与するのか?
香港の若者や経済界の人達の反中国姿勢が物語っているではないか。
日本の野党の政治家は何を考えているのか知らん。
日本は現実に小国なのです。
アメリカのおかげで経済も豊かになれたのではないでしょうか、恩を忘れたら没落します。
慢心おごり高ぶりが最大の敵であります。

投稿: 闇代 | 2015年7月18日 (土) 17時54分

まだまだ喜べません。マッカーサー憲法を廃止しない限りは属国の地位のままでしょ。ベトナムや豪州は相手にしてくれてもインドは日本を対等に見て同盟を結ぶはずがありません。残念ながら現実です。憲法改正なら泣いて喜びます。

投稿: NINJA300 | 2015年7月19日 (日) 08時35分

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