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(27.7.13) 中国の自動車産業に過剰生産恐慌が始まった。「いくら生産しても売れないじゃないか!!」

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 大学生時代、私が経済学を学んでいたころマルクス経済学の花形は恐慌論だった。ほぼ10年周期で資本主義社会には恐慌が発生し、その規模がだんだんと拡大生産され最後に資本主義社会が滅ぶという学説だった。
資本主義社会は自由な競争下にあるため好況時には過剰な設備投資が行われ、需要と供給がマッチできなくなって過剰生産に陥り、一気に供給者を淘汰するからだといわれたものだ。

 しかし現在本当の意味で過剰生産恐慌に陥っているのは社会主義国中国である。
中国のあらゆる産業が今過剰生産に陥っており、鉄鋼業も建設業も鉄道業もニッチモサッチモいかなくなっているが、ついに中国の花形産業の自動車産業までが過剰生産に陥った。
2013年まで二ケタ成長が当たり前だったが2014年に7%増程度になり、そして今年はついに上期は1.4%の増だが、4月以降対前年比マイナスになり、6月は▲2.5%になっている。今年の対前年比伸び率はマイナスになるだろう。

 なぜ社会主義経済で過剰生産が起こるかというと、主要な産業が国営企業だからである。国営企業であれば金融機関からの融資はほぼ100%保障されており、親方日の丸だから倒産の可能性はまずない。
そうなると企業経営は常に増産だけを目指していればいい
見てみよ、我が社は今年も7%成長だ。GDPを底上げしているのは自動車産業だ

 社会主義経済のGDP統計は基本的に生産額だから(付加価値の計測ではない)、それが売れようと売れまいと全く関係ない。増産はひたすら在庫を増やすだけだが、経営者は満足する。
ただ増産しろ、なんでもいいから増産しろ、金が回らなければ銀行から調達すればいい
これが資本主義経済ならマルクスが予見した通り企業の倒産が起こるが、社会主義経済では倒産が起こらない。
国営企業はつぶれないからであり、日本のイメージで言えばかつての国鉄と同じだ。
かつての国鉄は乗客がいようといまいと日本中に鉄道網を張り巡らすことだけが使命だと思っていた。

 市場は需要と供給がぶつかり合う場所だが、社会主義国経済ではこの関係が成り立たないから、いつまでたっても生産縮小は行こなわれない。
ただただ増産が続いて、ある段階でパニックになる。
もしかしたら、工場の敷地に自動車を積んでおくことが本当に生産といえるのだろうか?もう生産した自動車の置き場所がなくなってきたが、自動車置き場を探すことが生産なのだろうか?」
さすがに物理的に置き場所がなくなれば経営者も反省する。
しかし生産縮小などすれば党中央から通達された生産目標を達成できない。どうすればいいんだ・・・・・

 中国経済の過剰生産体質は特に不動産建設で顕著で、中国中いたるところに人の住まない鬼城が存在するが、鉄鋼業も同じで仕方がないのでダンピング輸出を行って世界各地から顰蹙を買っている。
そして今また自動車産業がこの過剰生産におちいった。
中国の自動車産業は100社程度あるのだが、大手はすべて国有会社でしかも生産は外国資本との50%、50%の合弁企業になっている。

 中国独自の自動車生産の技術は極端に低いため党中央も外国からの50%合弁を認めているのだが、このシステムに最も適合して中国の生産を増やしているのがドイツのVWである。VWは年間300万台の生産規模を誇り他を寄せ付けない。次が韓国の現代とアメリカのGMで160万台規模、そのあとが日産の100万台規模である。すべて合弁会社で第一汽車とか上海汽車とか東風汽車との合弁になっている。

 特にVWは戦略的に中国での生産を増加させているが、問題は中国では生産縮小がほとんどできないことだ。労働者の馘首や生産調整は厳禁で、何しろ増産だけしなければならない。しかし消費者は自動車に飽いているので、あとは価格引き下げのダンピング競争になって、国営企業以外の自動車会社が淘汰される。

 過剰生産恐慌論はマルクス経済学の十八番だが、実際にそれが起こるのは社会主義経済で国営企業ばかりが優遇される中国である。
だから山崎経済研究所の山崎所長は新たな恐慌論を打ち立てた。

社会主義経済においては国営企業は生産を増加させることだけを自己目的にするため、需要を無視して生産が行われる。この状態は国営金融機関が融資に応じてくれる間継続される。しかし生産財がただ倉庫に積まれるだけの状態になり、党中央が驚いて生産縮小を指示した途端(金融を絞った途端)に経済恐慌に突入する。これを新マルクス型恐慌論と名付けマルクス経済学の新たな拡張という


 

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