« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »

2015年7月

(27.7.31) 中国版国家独占資本主義 「株式の価格操作は国家が行う!!」

 21_171

 おもわず笑いこけてしまった。中国が行っている株価維持政策がかつて私が学んだ「国家独占資本主義」そのものだったからだ。
国家独占資本主義とはマルクス経済学の用語で、資本主義の最後の形態で市場に任せていては恐慌を防ぐことができないため国家が財政と金融でテコ入れをせざる得ず、それでも恐慌を防ぐことは不可能だという理論である。
直接的にはケインズの財政・金融政策批判だったが、今この国家の介入を最も劇的に行っているのが社会主義市場経済の中国政府だ。

 上海総合指数が急激に下がって約5000ポイントから3373ポイントまで下がった後の中国政府の株式市場への介入はすさまじかった。
証券会社21社を集めて約2.4兆円の資金を貸すのでそれで株式の買い支えをすることと、指標が4500ポイントまで戻るまでは売却は一切あいならんというものだった。

 それだけでは不十分だから上場している会社に対し当面の売買停止措置を申請させ、新株公開などは認めず、さらに何ともわけの分からない政府系金融機関中国証券金融を通じて約40兆円から80兆円規模の株式の買い支えを実施した(正確な金額は分からない)。
この中国証券金融の買い支えとは中国政府そのものの買い支えだから、上海市場は中国政府が一人で買っているようなものだ。
上海証券市場とは国家が最大の株主になるための装置である」というのが実態で、これなどは典型的な国家独占資本主義といえるだろう。

注)最近までの中国政府の株価維持対策については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/ppp-8.html

 マルクス経済学の教科書ではこれは資本主義の最後の形態で「だが何をしても崩壊するものは崩壊する」と最後は託宣を述べるのだが、果たして中国政府の実施している国家独占資本主義の運命はどうなるのだろうか。

 中国政府が昨年の夏ごろから大々的なキャンペーンを始めて株式の高騰をあおったのはそれ以外に大衆のタンス預金を引き出す方法がないと判断したからだ。
経済は失速して企業は青息吐息だ。株価を上げて売り逃げさせないと倒産企業だらけになる。そのためには株価を意図的に上昇させよう。日本でもこの方法が成功したじゃないか・・・・
官制メディアを通じて「株価はまだまだ上がる」とあおったため、一時は2.5倍に急騰しそこから約30%値下りした。
慌てた政府のPKOで4000ポイントまで戻ったが、再び3700ポイント台まで値下りしている。
官制のPKOと売り逃げをしたい個人投資家との綱引きが始まっている。

 中国経済がまだまだ成長すると信じている向きには気の毒だが、中国経済は昨年の夏場からほとんど成長が止まってしまった。公表するGDPは約7%の成長をしていることになっているが、世界から物笑いの種になっている。
統計の責任者が「これは正しい数字だ」と念押しまでしたのでさらに笑いを誘った。

 中国との取引が深い会社の業績が悪化しており、ファナックやコマツや日産の中国での業績が悪化している。
今後最も影響を受けそうなのは中国に首までどっぷりつかった伊藤忠商事でせっかくのTICITとの提携も中国市場が逆回転を始めた以上最悪の判断になる可能性が高い。
私はこのブログで何度も「中国への進出はキチガイ沙汰」だと述べてきたが、今後1年間の間にそれが実証される可能性が高くなった。
中国経済が躍進していた時代が終わり、日本と同様な停滞の20年が始まったのだ。

注)伊藤忠商事の中国進出の詳細は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-62c9.html

(とても参考になるコメントを頂きましたので転載します)

 ちょうど1年ほど前、商社マンと工作機械メーカーの人に中国景気について訊いたところ、2人とも口をそろえて、「悪い悪い、というがそれほどのことでもない、現に機械はそこそこに売れている」と答えてくれました。

 其れから半年後、同じ質問をしたところ、工作機械メーカーの方の答えが変わりました。
「中国が産業用ロボットや工作機械を買うのは、必要に迫られてのことだ。人件費の上昇と為替で中国は生産基地としての価値が無くなくなり、多くの会社がベトナムに逃げ出している。中国は生き残りをかけてロボットを買っている。」というのです。
今から20年前、日本企業が中国に進出し始めたころは、少しでも多くの雇用を生むため、流れ作業工程のコンベアーに敢えて手押し車を使っていたことを話すと、
「そんなことを言っていたら競争にならない、タイムマシンに乗ってきたみたいなことも言わないでくれ」と笑われてしまいました。

 そして数日前、話題をそっち方面にふると、こんなことを言っていました。
「今、中国の会社からの依頼で一番多いのは、偽ブランドの工作機械や産業用ロボットの修理依頼だ。精度が悪くて生産性が八分の一の偽ブランド機械のスペックアップと修理なんてできるはずがない」と怒っていました。
結果的に日本メーカーの産業機械が、それなりに売れる状況は継続しているそうです。

 山崎経済研究所のマクロ分析と、もっとも現場に近い人達の実感が完全に一致しましたね。


 

 

| | コメント (1)

(27.7.30) 岐路にさしかかったインドネシア経済 失速か回復か?

2414_0391

  通常日本人はインドネシア経済についてもまたその政治についてもほとんど関心を示さないが、2億5千万人と東南アジア一番の人口規模をほこる大国が苦吟している。
インドネシアはここ数年経常収支と財政収支が赤字で言ってみれば火の車だから、外国からの借金でどうにか国家の運営をしている。
だからインドネシアにとって一番の懸念は外国資本が一斉に引き上げるようなことが起こることで、もしアメリカが利上げなどすればそれは即通貨危機に陥ってしまい、国家破産が起こることだ。

 現在、通貨危機が起こった場合の国家破産候補国は、市場ではブラジル、南アフリカ、トルコ、インド、インドネシアになっている。
ブラジル、南アフリカは資源大国で資源価格が低迷すれば即破産だし、トルコとインドは慢性的な経常収支赤字国で、インドネシアは資源大国でかつ赤字体質の国である。

 インドネシアのGDPはほぼ毎年6%程度伸びてきたから中国と比較すれば低いが世界的に見れば高成長を遂げてきた。それゆえ外資も喜んでインドネシアに貸し込んできたのだが、ここに来て経済が失速し始めGDPは5%を切りそうになっている。
日本のような低成長の国から見たら「だから何が問題なの?5%で十分じゃない・・・」といえそうだが、実際は市場の評価は厳しく通貨ルピアはたたき売りのような状況で、1997年のアジア通貨危機の水準まで通貨価値が下がってしまった
過去3年間では約40%低下で、その点は日本とさして変わらずインドネシア版アベノミクスのようなものだが、日本と異なってるところは意図的に通貨を切り下げているわけではなく、市場からそう評価されていることだ。

 インドネシアの経常収支が赤字なのは貿易収支が赤字のためだが、石油と天然ガスの輸入国になったのが最大の原因である。
もともとは石油も天然ガスも外貨を稼ぐ筆頭だったが油田が枯渇してきたところに国内需要が旺盛になってとても輸出などしていられなくなった。
残った輸出品は石炭やパーム油といった資源関連で、一方工業製品についてはほとんど輸出能力がなく国内での消費が主体だ。

 インドネシア経済に追い打ちをかけたのは昨年の夏場からは資源価格が一斉に低下し始め最後のよりどころだった石炭価格も30%程度低下してしまったことで、原因は中国が購入しなくなったからである。
輸入品については通貨が下落した分だけ国内価格は上昇してしまい、6月には7.26%とインフレが高進している。

 大統領は14年10月に当選したジョコ氏だが、強力なリーダーシップを発揮してインドネシア経済の立て直しに奔走している。インドネシア版安倍首相といったところだ。
最初の取り組みはインドネシア経済の癌といわれていた燃料費の補助金をカットした。
インドネシアはもともと石油の輸出国で国内に十分石油があったので意図的にガソリン価格や灯油価格を低く抑えてきた。
いわばインドネシア版福祉対策がこの燃料費の安さだったが、2003年以降は原油の輸入国になってこの補助金が財政硬直化の原因になっていた。
本来なら輸入国になった段階で補助金は打ち切るべきだったが、国民の反発を恐れて補助金を支出してきたため財政の大きな負担となり、他に回す財源がなくなってしまった。

 ジョコ氏はそれに大ナタを振るって補助金を止めようやく資金をインフラ整備等に回せる体制を作った。しかしながら現状は古い行政組織という既得権益層がいて面従腹背のためジョコ氏が意図するような行政改革もまた適切な予算執行もなされていない。

 インドネシア経済は従来は資源輸出で持っていたようなものだが、石油と天然ガスは枯渇し石炭は中国が買わなくなったため急激に悪化して経済構造の変革が迫られている。
ジョコ氏は外国資本を呼び込んで経済立て直しをしようと懸命だが、実際は資本は逃げ出しておりジョコ氏の改革とのいたちごっこになっている。
果たしてインドネシア経済はこのまま失速するのか、立て直しに成功するのか岐路に差し掛かった。







 

 

| | コメント (0)

(27.7.29) フィリピンへの戦略的ODA実施  マニラ鉄道への2400億円の円借款

Dscf6204 

  日本と中国のインフラ投資合戦が始まっている。中国はAIIBで仕掛けてきたが、日本は中国に比べると戦略的なインフラ投資で遅れていた。
しかし安倍総理になってから巻き返しが始まっており、このたびフィリピンに対しODAの一環としてマニラ鉄道への円借款2400億円を実施することにした。
正式な契約は11月のAPEC首脳会議の折にアキノ大統領との間で取り交わされるという。

 日本のODAはひところ世界最高だったが停滞の20年間にアメリカに追い越され、今ではイギリス、ドイツ、フランスの後塵をはいしている。少なくなったODAだが本質的な問題があって、中国に対するODAは(総額で7兆円規模)これは戦後賠償としての位置づけだったから、中国からはいいように請求されて日本は全く口出しできなかった。
金を支払うのが日本の義務で、中国はこの支払いに一切感謝しない」という態度だった。

注)日本の中国に対するODAの実態については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/07/post-04f4.html

 さすがにこうしたただ無駄なだけの資金援助は取りやめることとし、最近のODAはもっぱら友好国へのインフラ整備に使用されているようになっている。
トルコのボスポラス海峡横断地下鉄整備やインドデリー高速鉄道の整備資金だが、今回のフィリピンへのマニラ鉄道の整備は単独事業として最大規模の円借款になった。

 こうしたODAが絡む円借款事業では、当然日本のメーカーとタイアップしている。かつて日本の左翼運動が盛んだたころ「日本のODAは工事の請負がもっぱら日本企業になって地元の企業のメリットにはなっていない。ODAとは日本企業を儲からせるために行うものだ」との批判があった。
しかし金を貸す身になればそれがしっかりと工事に使用され、目的の完成水準になってなくては困る。
一般に開発国の企業は手抜き工事をするし、費用はちょろまかして請求するし、間にたつ役人はワイロを要求するしまともな工事にならない。
ODAが食い物にされて、できたインフラは稼働しないというのでは困る。
だから信頼できる日本企業を間に立てるのは当然の措置なのだ。

 今回マニラ鉄道に対する2400億円の円借款は、日本とフィリピンの同盟関係を強化する意味も持っている。フィリピンは自国の領土を中国にかすみ取られているが、これに抗議しようにもまともな船舶がないから中国が思いのままふるまっている。
アキノ大統領としては歯ぎしりする思いだが、フィリピンは貧しい国だから防衛もままならないのが実態だ。
かつてフィリピンには米軍の海軍と空軍の基地があったが、1992年に米軍を追い出してそのあとに経済特区を設けた。
しかしこれは二重の意味で失敗で、経済特区そのものは閑古鳥がなき一方防衛力がなくなって丸裸になったため中国の海洋進出をやすやすと許している。

 フィリピン経済は長く低迷し、東南アジア諸国が急成長していた間も全くと言っていいほどの低成長が続いていた。
それがアキノ政権になり積極的な外資誘致策と汚職撲滅策を展開し、さらに防衛力強化のため一度閉鎖したアメリカの軍事基地を再開したりして、リーマンショック後は年率6%台の高成長を続けている。
投資環境が整い他国からの企業誘致が盛んになった結果だが、インフラ投資はさらにこのフィリピン経済を加速させるためのブースターといえる。

注)フィリピンが経済成長できなかった原因の一つにひどい汚職体質があり、特区に進出した企業は理由の分からない税金(ワイロ請求)に悩まされ続けたためフィリピンから撤退してしまっていた。

 日本は長い間ODAを中国への実質賠償資金や外務省の大使を遊ばさせるためだけに使用してきたが、安倍総理になってからは戦略的なODAへと変化している。
フィリピンは中国を取り囲む真珠の首飾りだからこの国の経済発展は即日本の安全保障に寄与するため、積極的な支援を図るというのが日本政府の方針だ。




 

 

 

| | コメント (0)

(27.7.28) ロシア経済も奈落の底に落ちていく 救う手段は全くない!!

21_597 

 中国経済が低迷し、韓国経済が奈落の底に落ちようとしているが、今度はロシアがひどいマイナス成長になってきた。大失速といっていい。
プーチン大統領が昨年3月クリミア半島に軍隊を派遣し統合した時にはよもやこれほどの痛手を被るとは予想をしていなかったろう。

 ロシア経済は石油と天然ガス(輸出の約3分の2でもっていてこの資源価格が高止まりしている限り、ロシア経済は安泰だ。しかし昨年の夏場から原油価格が大暴落をはじめ1バーレル100ドル程度だったのが、今や50ドル前後まで半減してしまった。
国家の歳入は石油やガス会社の上がりで持っているようなものだから、簡単に言えば国家収入が半減してしまった。

 プーチン大統領はクリミア半島併合後はさらにウクライナ東部のドネツクやルハンスクの住民をたきつけてウクライナからの分離独立運動を支援したが、さすがにこれには西側諸国が反発してロシアへの経済制裁を発動した。
経済制裁の最大のポイントは西側金融機関との取引停止で、これで金融機関からの資金調達も石油代金等の決済もできなくなってしまった。
金融機関は今や世界のインフラだから、金融制裁の発動は痛い。銀行との取引ができなくなると個人イメージで言えばクレジットカードの利用も口座振り替えも送金もできなくなってあとはすべて現金を持ち歩かなくてはならなくなるがそんな感じだ。

注)ロシア経済の苦境については何回も述べてある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/12/post-3446.html

 経済指標は昨年の第4四半期あたりから急激に悪化してGDPはマイナス成長になり、物価はうなぎのぼりになって10%を越えてしまい、さらに今年になって17%と悪化している。
あまりの物価上昇に堪えかねて昨年12月には政策金利を17%に上げたが、これはいくらなんでも上げすぎでその後国内投資は全くと言っていいほど停滞してしまった。
17%の金利を支払って商売できるような案件はどこにもない。

 最近になってプーチン大統領が採った措置は内務省職員の1割削減措置だった。約11万人規模だという。さらに防衛費も1割削減でプーチン大統領も自己の給与を1割削減した。
原油価格の上昇は当面見込めない。国家収入が半減しているので国民も痛みを分かち合ってほしい」苦渋の選択だろう。
ロシアは意外と貧しい国だ。貧困層の定義は月に2万円の収入以下だがそうした人が約2000万人程度いて、それが急速に増加している。

 プーチン大統領は年金改革やその他の補助金でこうした貧しい人々の生活改善を図ってきており、それがプーチン大統領の支持基盤だったが逆回転を始めた。
物価上昇で貧困層は悲鳴を上げておりプーチン氏を見限り始めている。
我々に死ねというのか・・・・・・
ただロシア人は昔から生活防衛は上手で個々人はダーチャという小規模の農耕地を持っておりそこで栽培した野菜類で自給自足の生活ができる。

 ロシアは中国と組んでAIIBの創設に熱心で出資割合も中国29.7%、インド8.3%、ロシア6.5%の順に出資することにしたが、中国を除けば何か貧乏人のムジンのようになってしまった。
またBRICS銀行の方も悲惨でブラジル、南アフリカ、インド、ロシアとここも中国を除けば世界の貧乏人のオンパレードのようなもので、ブラジル、南アフリカ、ロシアがマイナス成長、インドは完全な借金体質、そして中国経済は急ストップだからこちらも銀行というよりムジンと何ら変わりがない。

 昨年の夏場から世界経済は変調をきたしていて特に資源価格が暴落したが、最大の要因は中国の成長が止まりいわゆる資源の爆買いが終わったからだ。
ロシアは資源価格だけで国家運営をしている国柄だから、完全な逆風に吹かれている。
いくらプーチン氏が強気でもこの逆風はどうにもならない。
相かわらず突っ張る以外にプーチン氏の残された手段はなく、弱気のプーチン大統領などはありえないからロシア経済が奈落の底に落ちていくのを救う手段はない。

| | コメント (2)

(27.7.27) 中国軍は張り子の虎 兵士も装備も二流 兵頭二十八氏の指摘

21726_079 

 とても興味深い本を読んでいる。軍事評論家の兵頭二十八氏の「こんなに弱い中国人民解放軍」という本である。
通常日本人は私を含めて軍事技術を正確に理解することはほとんどない。だから最近の中国の軍事費の増額を見て「人民解放軍はとてつもなく強いのではなかろうか」との気持ちになってしまう。
新聞などを見ていても経済に関する情報は満ち溢れているが、軍事技術を解説したような記事は湾岸戦争のような戦闘が起こらない限り目に触れることはない。
だから中国の軍隊を正確に評価できないし、また自衛隊の実力も評価できない。
もしかしたら自衛隊は中国軍にかなわないのではなかろうか・・・・・・・・」漠然とした不安感がよぎる。

 私がかろうじて知っている中国人民解放軍の実態は、ポストは実力でなくワイロで決まるということで、出世したければ上司に付け届け(ワイロ)を送りその多寡で決まるというものだ。
だから人民解放軍は上位の地位になればなるほど軍事知識はなく、一方商行為的には有能(軍事費をちょろまかして懐にいれ、それをワイロの原資にする)な人物が配されている。
だから実際の戦闘が始まれば無能な上司が指揮をとるのでこれは非常に混乱することだけは確かだ。
しかしそれでも近代的な航空機や艦船をそろえれば日本は苦戦するのではなかろうかと思ってしまう。

 だが今回兵頭氏が指摘している内容はそうした兵士の腐敗問題ではなく、そろえている航空機や艦船は実際は使い物にならない一世代前の武器であり、実際の戦闘になれば自衛隊が中国軍を一方的に蹴散らすという内容だった。
なぜそこまで断定できるのだろうか。

 兵頭氏が示した理由は二つあり一つ目は中国空軍の戦闘機はロシアのミグやスホーイのデッドコピーだが、ロシア製の空軍機はもはやアメリカの空軍機に全く歯がたたないという実態だ。
それはイスラエルとシリアが1982年にベッカー高原で戦った実績から分かるのだが、イスラエルが保有していたアメリカ製のF15とシリアが保有していたロシア製のミグ21,23、スホーイ22との戦闘で、シリア側は86機が撃ち落され、一方イスラエル側の損失はゼロだった。
この時からロシア製戦闘機は全くアメリカの戦闘機に歯が立たなくなったのだが、中国の戦闘機はすべてロシア製戦闘機の劣化コピー無断でコピーしたもの)でしかもその後の改良は全く加えてないので、はっきり言えば自衛隊のF15に全く歯がたたないのだという。

 もう一つの理由は今は戦闘機同士が互いに敵を見つけてドックファイトする時代ではなく、AWACSという空戦指揮所から各戦闘機に指令を出して、戦闘機そのものは敵を見ることなくミサイルを発射し、それで戦闘が終わるのだという。
これをAWACSのミサイル万能時代というのだが、アメリカ軍も日本の自衛隊もこのAWACSを整備しており、戦闘が起これば各戦闘機は自身のレーダーを止め(レーダーを照射すると位置が分かってしまう)、AWACSとの連絡だけがとれる状態で、その指令に従って空対空ミサイルを発射するのだそうだ。ミサイルの射程距離は約70kmだから、当然戦闘機からは見えないが、ミサイルにはレーダーがついていて相手の戦闘機を追尾でき撃墜するという。

 一方中国軍にもAWACSがあることになっているが、これがまたロシア製の劣化コピーで性能が極端に悪く、またレーダーの範囲がアメリカ製が500km程度なのに対し300km程度しかないのだという。
だからアメリカから見えていても中国のAWACSからは何も見えず、さらに性能が悪いためノイズだらけなのだそうだ。
これは太平洋戦争当時のアメリカ軍と日本軍のレーダーの能力差とおなじで、たとえば戦艦ヤマトにもレーダーはあったがまともに利用できず監視はもっぱら人の目に頼っていたのと同じ状況だという。
だから実際は(レーダーのない日本軍が撃滅されたミッドウェイのように中国空軍は自衛隊のカモになることは確実だという。

 簡単に言えば戦闘機は二流でしかも空中指揮所からまともな支援が受けられない中国空軍はドックファイト(空中戦)以外には有効な対策はとれず、実際は空中戦など行われずミサイルが飛んで来るだけなので次々に撃ち落されるだけになるという。
かつて日本海軍は大艦巨砲主義で艦船同士の一騎打ちを想定したが、実際に飛来してきたのは航空機だけで、次々に戦艦は撃沈されたが中国軍のドックファイト中心主義も同じ運命をたどるという。

 さらに中国空軍が戦闘機やAWACSの性能を改良をしないのは、改良のための資金を上層部がネコババしているからで、中国では外形だけが整っていればそれ以上の資金の投入はせず資金を盗んでしまう。
大丈夫だ。北京の上層部は形さえ整っていれば満足するから、そっとネコババだ!!」

 兵頭氏はこうした中国軍が練度の高い自衛隊に勝てるわけがなく、ベッカー高原のシリア空軍と同じ運命をたどると指摘する。
私は軍事情報に疎いので今回の指摘はとても新鮮だったが、軍事知識がないと判断を誤るのでこれを機会に軍事的なセンスを磨いておく必要性を強く感じた。



 

 

| | コメント (3)

(27.7.26) 文学入門 中條高徳 「おじいちゃん 戦争のことを 教えて」

22725_057_2

 今回の読書会のテーマ本は中條高徳氏の「おじいちゃん 戦争のことを 教えて」という本だった。私は不覚にも中條高徳氏のことをわすれていたが、アサヒビールスーパードライ育ての親だと聞いて思い出した。
私が大阪で融資担当をしていたのは1980年前後のことだが、そのころはビールといえばキリンで、どこの居酒屋に行っても「キリンを出してくれ」と頼むのが一般的だった。
私は酒はほとんど飲まないからキリンだろうがアサヒだろうがサントリーだろうがなんでもかまわないのだが、顧客を招待した場合などは間違ってもアサヒを頼んではいけないといわれたものだ。

 その朝日ビールがスーパードライで劇的な復活を遂げたのが1980年代の後半で、コマーシャルで「アサヒスーパードライ」という何かドスの利いた宣伝の言葉を連日聞くようになり、そのころからアサヒが復活しキリンの凋落が始まった。その仕掛け人が中條高徳氏で、私はこの人をアサヒビールの有能な経営者だと思っていた。

 しかし中條氏は有能な経営者である前に帝国陸軍の生粋の軍人であり、かつ戦後日本の左派の思想的潮流を嘆いていた保守派の論客だったとはこの本を読むまで知らなかった。
この本はニューヨークの学校に通う孫娘の質問状に対して答えるおじいちゃんの手紙になっており、難しい言葉は一切使用していないから理解しやすい。
私の読んでいる小学館文庫は2002年が初版だからこのころにかかれたものだ。
日本が停滞の10年を経過したころの本である。

 読むまでは題名から左翼論壇よくある「戦争反対、日本人は世界で最も残酷な人間だ」というような内容だとかってに思っていたが、その対極にある内容だった。
基本的スタンスは「太平洋戦争を勝者の論理で歴史を記述しているだけではだめで、日本の立場から歴史を記述し、日本民族の誇りと公の精神を取り戻さなければ明日の日本はない」という危機感で記載されていた。
勝者にも敗者にも相応の歴史があり、歴史とは価値中立だという主張である。
だから日本人が東京裁判史観をそのまま素直に認めている現状を激しく非難している。

 歴史を見る場合歴史が価値中立的なものか、それとも勝者の歴史なのかはかなり議論がある。
かつてE・H・カーの「歴史とは何か」という本を読んだとき「歴史とは未来と現代と過去との対話であって、現代の視点から過去を断罪するものでもないし、過去の事実のみを語るだけのものでもない。人類の未来にとって何がよいのかといふことを常に意識したものでなければならない」と記載されていたが、これは歴史そのものは価値中立的なものだといっているのであり、中條高徳氏の主張に近い。

 だが、実際の歴史は東京裁判史観がそうであるように勝者の歴史である。日本の歴史教科書は日本がアメリカに敗戦し、その結果アメリカが日本に押し付けた東京裁判史観そのもので、太平洋戦争の責任も原爆投下がされたこともすべて日本に責任があることになっている。
また第二次世界大戦の極悪人はヒットラーとなっているが、それはヒットラーが戦争に負けたからで、もしロシアを打ち破っていれば間違いなく極悪人はスターリンになっていただろう。
何しろスターリンが粛清した人数は半端ではなく、旧地主階級、旧ロマノフ王朝関連者、反対勢力等合わせて最低でも2000万は殺害している。ヒットラーの比ではないのだ。

 歴史が勝者のものだというのが最もはっきりしているのが中国の歴史で、歴史書は次の王朝が記載することになっているが、ここにはなぜ前王朝が滅び、今の王朝ができたのかを記載する場となっている。
極悪非道で酒池肉林にふけっていた前王朝は、わが始祖である○○に打ち破られた
中国では歴史が勝者のものであることを明確に示している。

 だが実際の歴史は当初は勝者のものであっても、時代が経つにしたがって価値中立的なものへと変化していくものだ。
時間が絶てば互いに冷静になるし、歴史の記述は理性的になり論理的整合性が求められれば一方だけが悪人だというような記述が少なくなってくる。
そして太平洋戦争の評価でも、アメリカが意図的に戦争をしかけた経緯も明らかになってくる。

 だがこと中国と韓国についてはこの原則が当てはまらない。
時代が経てばたつほど勝者の歴史が強調され、韓国などは第二次世界大戦時は日本人だったのだから日本人として敗北したのだが、すっかり勝者側にたった歴史記述になっている。
言論の自由が抑圧されている中国や、すべてが感情で支配されている韓国では、相も変わらず自己中心の勝利者の歴史が語られさらに強化されている。

 中條高徳氏の提言で特質に値するのは歴史教育は近現代史からはじめ、特に江戸時代から始めるべきだという提言である。
実際縄文時代や弥生時代をいくら勉強しても現在とは直接的なつながりはない。
平安時代の貴族の生活や鎌倉時代の武士の生活もまた現代から遠い存在だ。
やはり中学生や高校生は江戸期以降の歴史を集中して学ぶべきであって、特に明治維新後の近代化や帝国主義時代の日本のあり方、そしてなぜ日本が太平洋戦争に敗れたかは必須の歴史だ。
さらに戦後日本の安保闘争の意義についても正しい知識が必要で、特にソビエトロシアがなぜ崩壊し社会主義というものが歴史的に失敗した経緯は克明に教えなければならない。
 
 歴史とはE・H・カーが言うように「過去との対話」であり、現在にとって対話する相手は縄文時代や弥生時代でないことは明らかだ。
なぜ現在の日本が存在するかの対話は近現代史を研究することで初めて明らかになるのだから、積極的に太平洋戦争の敗北とその後の世界情勢について教えるべきだと私は思う。



 

| | コメント (2)

(27.7.25) 孫の世話でパニックだ!! 

21_354 

  いやはやこの年になって子育てをするようになるとは思いもしなかった。子供といってものことである。
娘が二人目の子供を出産するために1か月前から我が家に帰っていたが、先日出産のために入院してしまった。帝王切開だから10日間程度は入院し続けることになる。
その間2歳になった孫の面倒はかみさんと私で見ることになった。
おとうさん、育児が上手な男の人をイクメン(育MEN)といって、世の中で尊敬されているのよ。お父さんはイクメンの素質があるわ」おだてられてその気になった。

 だが私が子育てをしていたのは今から40年以上前のことで、しかもそのころは体力が有り余っていたが、今は少し体を動かすと息切れがするほど体力が低下している。
年寄りにはつらい育児だ!!」愚痴が出そうだ。
私がしているのは日に二回の外出で近くの公園や四季の道で孫を遊ばせることと、風呂に入らせることと、ウンチの世話だ。
おとうさんは将来孫からウンチの世話をしてもらうのだから、このぐらいはお安いものよ」娘が私がウンチ係になる理由をこう説明した。
俺も将来はオシメが必要になるのだろうか・・・・・・・・・・・

 今回孫の世話をして見て老人の存在の重さに気が付いた。もし私とかみさんがいなければ2歳の孫をどのようにして見ていくかの問題が発生する。お金を払えばそれなりの施設はあるが、何しろ馬鹿高いからそれだけでも出産をするのが嫌になってしまうだろう。
ライオンなどの哺乳類を見ていると集団で子育てをしているが、やはり子育てはあるまとまった集団で行わないと母親が育児疲れで精神的に崩壊してしまう。
母子家庭で親が子供を殺害するような事件がよく起こるが、家族に老人がいてそれが子育てに参加していれば、そうした悲劇はまず起こらないのではなかろうかと思う。

 実施してみると孫の世話をするのは楽しいのだが、生活がすっかり孫の世話を中心に回っており、自由時間というものがほとんどなくなってきた。かみさんか私が常時孫を見ていないといけないから、好きな自転車乗りもほとんどできない。
私は土日を除いて中学生と高校生に勉強を教えているので、この時間は確保しなければならないし、日常的に四季の道の清掃作業もしている。
最近はベンチの補修作業も復活したし、何よりこのブログを書く時間も必要だ。
孫の世話をしているとそうした時間を確保するのが難しくなるので、どうしても自分の趣味を削らざる得ない。それが自転車の遠乗りで孫がくるまでは2時間から3時間の範囲で行っていたがそれができなくなった。
ひどい運動不足だ。また腹が出てきそうだ・・・・・」私は運動をしないとすぐに太る体質なのだ。

 最近一番時間をとっているのは高校生に数学を教えることで、前もって復習しておかないとほとんど記憶の彼方になっている。
このトレーニングを日常的にしているが、最近は難しい問題を見るととたんに睡魔に襲われてしまう。これは目の治療で副腎資質ホルモンの錠剤を呑んでいるためで、夜半睡眠が極度に少なくなってしまい、昼間は何とも眠いのだ。そこに複雑な問題などが出てくるとほとんど子守唄になってしまう。
高校生に数学を教えるなんてしなければ良かった・・・・・・・」

 しかし子育ても子供たちに勉強を教えることも今までお世話になった世の中への最後のご奉公だから、ここは歯を食いしばって乗り越えなければならないだろう。
老人ががんばらないと日本という社会は成り立たないのは、世界で最速の老人社会になっているから、老人のパワーなくして日本は成り立たないからだ。
それに「老人閑居して不善をなす」といわれているから、少し位忙しいのがいいのかもしれない。

 


 

 

 

| | コメント (0)

(27.7.24) 観光立国元年 観光産業が大ブレイクしている!!

226_023 

 日本が観光立国になるとは思いもしなかったが、今年は確実に観光立国元年になりそうだ。
15年上期(1月~6月)までの訪日客の合計913万人でこれは前年同期に比較すると46%の増加だそうだ。
このままの推移が続けば今年の訪日客はほぼ2000万人になりそうだ。
政府の計画では東京オリンピックが開催される2020年の目標数字がこの2000万人だから、それよりも5年も早く達成することになる。

 今や観光地は訪日客であふれかえっており、特に中国人の訪日客は217万人と倍増している。
先日テレビを見ていたら鳥取県の境港に中国のクルーズ船がやってきて、約3200名の観光客が90台のバスを連ねて出雲大社や大山に向かっていた。また境港では海産物の爆買いがあったようで、これには日本人の方が驚いていた。
なんで中国人が大挙して山陰ツアーをするのだろう・・・・・・・・・・・

 日本に観光客が押し寄せる最大の理由は円安で、何しろ80円程度だった為替が120円を越して50%も円安になり、日本は外国人から見れば物価がバカ安の国になってしまった。
かつて私はタイに旅行した時に100円で木賃宿に泊れて驚いたが、おそらくその逆バージョンのようなものだろう。

 その中でも中国人が多い理由には訳があって、中国の通貨「元」は政府が高めに誘導しているため、リーマンショック時から比較すると「元」の購買力は対円で約2倍になっている。
ねえ、知っている。日本に行くと日本製品が半値になっているのよ。これを中国に持ってきて売ると利益率50%になるわ」なんて感じになっていて中国人が旅行と運び屋を兼ねて日本に殺到している。

注)通常こうした爆買いは知り合いへのおみあげといっているが、そう言わないとと国内に持ち込むときに税金がかかる。

 中国では上海市場で株価が暴落したため日本での爆買いに支障が出るという予測があるが、私はこれはないと見ている。理由はこの爆買いは一種の商行為で行っていて、運び屋が儲かるからしているので円安が続く限りは中国人のこの行動はおさまらない
旅行費用は浮くし儲かるし、日本旅行こそ最高!!」なんて感じだ。

 私たちはあまりに長い間日本の風俗や習慣になれているので、日本のサービスが諸外国に比べて無料でしかも高品質であることを忘れているが、海外に行くと日本のサービスの良さを再確認してしまう。
10年ぐらい前だが香港で国営デパート(中国資本)で買い物をしたとき、販売の主任みたいな男性が購入した商品を私に投げてよこしたのは驚いた。
日本では絶対にありえないのだが、顧客をほとんど虫けらみたいな存在と思っていることがよくわかって、「これじゃ、中国人は大変だ」と同情したものだ。

 サービスだけでなく公共交通や環境も抜群で、こんな生活のしやすい場所はちょっとなく、また長野や北海道に行けば自然だらけでその美しさも抜群だから日本が観光地として適任だということは分かる。
しかし、今までは日本人はもっぱら外国旅行ばかりして海外からの顧客の誘致に熱心だとは言えなかった。

 外国人用の案内標識はほとんどが英語で、外国人と見ればアメリカ人だった戦後を今も引きずっている。実際は中国人や韓国人やタイ人等が主流なのだからそれに対応しなければならないし、またガイドも英語だけではやっていけない。
観光産業のすそ野は意外と広く、旅行会社、航空会社、バス会社、ホテル業、デパート、観光地にすさまじい追い風が吹いている。

 地方空港などは今まではぺんぺん草が生えてひばりが飛んでいたのに、ここに来て千歳ではターミナルビルの拡張がされ、福岡や沖縄では滑走路の新設計画が相次いでいる。
ホテル業界は稼働率90%と極端に上がってしまいビジネス客などはホテルの手配ができなくなりつつあり、ホテルも建設ラッシュだ。
斜陽産業といわれていた百貨店も中国人等の爆買いで息を吹き返しており、免税品売り場を拡張している。

 日本がこんなに観光地になるとは私は予想もしていなかったが、外国人から見ると旅行費用は安いし日本製品は高品質なのにバカ安なのだから、旅行しない方がおかしいという状況になっている。
円安が続くかぎり訪日外国人は増加こそすれ減少することはなく、安倍首相の円安政策は輸出産業と旅行産業を驚異的なスピードで立ち直らせてしまった

 

 

 

 

| | コメント (1)

(27.7.23) レジャーランドの終焉 大学の文系にリストラが迫っている!!

Dscf00141 

 文部科学省が大学に対して文系学部の再編を迫っている。
日本には現在86校の国立大学があり、ほぼ10万人の定員枠があるがこれは同一世代の若者の約8.5%が国立大学にはいれる勘定だ。
1966年というから私が大学生になる直前だが、そのころの定員は約7万人同一世代の若者の約3%が国立大学の学生だった。

 大雑把に言って私が大学生だったころに比較して約3倍程度大学に入りやすくなっているのだが、理由は定員枠の拡大と少子化である。何しろ戦後のベビーブームの時は約270万人の子供がいたのに、今は約100万人だから、当然のことに大学の定員はゆるゆるになってしまった。
企業だったらすぐにリストラの対象になり、規模を3分の1にする対策が採られるが、大学の場合はなかなかそうはならない。

 最大の理由は教職員の身分保障の問題があり、規模縮小をするとありあまった教職員の処遇に苦慮するからだ。
たとえば漢文の大学教授に「漢文の講座を閉鎖しますのでこれからはコンピュータの授業を受け持ってください」などととても言えない。
仕方なしに文部科学省は大学の定員を維持し大学の教職員の職場を確保し続けてきたが、財政がひっ迫してそうした手段をとっていられなくなってきた。

 財務省から「あんた国家財政の立て直しのために協力してくれなくては困る。第一子供がいないじゃないか」とせつかれて、いたしかたなく文部科学省は国立大学に対して来年1月までにリストラ計画を出すように大学に迫っている
特に問題なのは教育系学部で、ベビーブームの時に270万人いた児童が今は100万人でしかも毎年のようにその数が少なくなっているのだから、小学校や中学校や高校の教員を養成しても教える生徒がいなくなってしまった。

 また文学部や法学部、経済学部の卒業生の受け皿についても、企業は世界的規模で学生を募集するので、ほとんど外国語もしゃべることができない学生は就職が極端に難しくなっている。
日本の文系の大学生は大学でまともに勉強しておらず、高校生の時のレベルを超えることがないから、海外の優秀な学生と競争すると勝ち目がない。
現在大相撲がモンゴル勢に席巻されているが、それと同じ事が文系の学生の就職戦線でも現れている。

 文部科学省は今までは教員をリストラせずになんとか職場を確保しようと、たとえば教育学部に教員を目指さない生徒の応募を認めたりしていたが、こうした弥縫策も万策が尽きてしまった。
もうだめだ。これ以上教員を養っていく力は文部科学省にはない
ついに匙を投げたのだが、驚いたのは国立大学の文系の教職員だ。
文系は理系に比較してすぐに役立つことはないが、源氏物語を読んだ人とそうでない人は教養に差があり、人間の奥深さが異なる。何の教養の香りがしない理系の大学生だけでいいのか」と反論している。

 しかし私も文系出身者だからよく知っているが、大学で勉強をして卒業するものはごくわずかでほとんどがバイトやクラブ活動をして卒業している。
源氏物語等読んだ学生などほとんどおらず、教養の香りがしないのは理系の学生と同じだ。
勉強をしようがしまいが卒業できることは同じだから馬鹿馬鹿しくなって勉強などしない学生が多く、かくして文系の大学はレジャーランドになっている。

 こうした大学生のために養育予算をとらなければならない財務省や文部科学省に同情するが、いったん大学は学部を作ってしまうとそこに身分保障された教授等が配属されるため、教職員のリストラができないという側面の方が大きい。
文系の大学教授になるには数十年の研鑽が必要だが、なれる年齢に達した時には学部がなくなっていたというのではあまりにかわいそうだ」というのが文部科学省の立場だった。

 だが大学も時代に即応して変化しなければ存立が難しいのは企業と同じだ。今まではなんとか教育予算を捻出してきたが、ただ遊びほうけているだけの文系の学生や、教職員のための職場確保のために学部を残し続けるのは難しいのが実態だ。時代に合わせて文系の再編成をしなければならないのは当然だと私は思っている。

| | コメント (1)

(27.7.22) 今年の北戴河会議は関ヶ原  習近平氏が勝つか長老グループが勝つか!!

22712_025_2 

 今年の中国の北戴河(ほくたいが会議は相当もめるだろう。北戴河会議といっても日本にはこうした会議がないのでさっぱりイメージがわかないだろうが、共産党の長老と現役幹部が8月の上旬北戴河に集まり、向こう1年間の政治方針を決める会議である。
中国ではこの会議が実質的に最も重要な意思決定機関だと認識されており、そこで方針と重要な人事が決められるという共産党ならではの特殊なシステムだ。

 現役の幹部からしたら長老からあれこれと注文がつく全く気の重い会議であり、現役幹部はこれを乗り切るための戦略をあれこれ立ててきた。
たとえば胡錦濤前国家主席の場合は長老との対決を避けるために,間違っても汚職追放運動などはしなかった。
長老は大事です。どうぞ自由にお暮しください」という感じだった。
しかし習近平国家主席は何を思ったか「ハエもトラもたたく」と称して反腐敗キャンペーンを実施したため大騒ぎになってしまった。

 習近平政権がこうした運動をせざる得なくなったのは中国経済の失速が原因である。誰にもパイを分配することができなくなって、多くの人民が不満を持ち始めた。
なぜ俺たちは貧乏なのに、共産党の幹部だけは巨万の富を蓄えることができるのか。共産党とは赤い資本主義か!!」
ほおっておくと共産党が人民から捨てられてしまうという危機感がある。


  中国と腐敗は同義語であり、中国人から腐敗をとったら何もなくなってしまうほどだが、習近平氏は盟友の王岐山氏をトップに据えて反腐敗キャンペーンを開始した。
ターゲットが江沢民氏の派閥になったのはこの派閥が実権派だからで、中国の国有産業をほぼ牛耳ってきたからだ。
中国の裏の帝王は胡錦濤時代を通じて江沢民氏である。

 最近までに逮捕された大物は周永康氏だが、周氏は江沢民氏の子飼いの部下だ。
さらに習政権のいうことを聞かない軍のトップ二名の首をとった。
軍と腐敗がどう結びつくかというと人事がすべて金次第なので、軍トップはそれだけで莫大な財産を築くことができるし、また軍の経費をちょろまかすのも日常化されているので、軍も利権集団といってよい。

注)軍で上級幹部になるためには贈賄が欠かせない。幹部は贈収賄の能力が高いかで決まっており軍事能力とは全く関係ない。だから装備品の予算のかなりの部分がこうした贈収賄に充てられ個人の懐に入っていく。これは中国軍の伝統になっている。

 またつい最近胡錦濤氏の懐刀の令計画氏も逮捕したが、これは令計画氏のバカ息子がフェラーリに女性を乗せて交通事故を起こし本人が死亡した事件で、親の令計画氏がもみ消しを当時の実力者だった周永康氏に頼んだのが発覚したからだ。
何しろ同乗していた2名の女性も本人も下半身が裸だったから、ひどいスキャンダルになってしまった。

 習近平氏の反腐敗運動は当初は人民の人気取り政策でいい加減のところで止めるはずだったが、こうしたキャンペーンは始めると止めることが難しい。
何しろ逮捕されそうな人物は自分の派閥に泣きついてなんとかして罪を逃れようとするし、それを突破するには強制的に逮捕して自白を迫る以外に方法はない。
中国では裁判は今でも自白中心だから、どんな拷問をしても自白を強要されるので、いったん逮捕されたら逃れることは不可能だ。

 あとは全く関係ない関係者まで汚職をしていると自白調書に署名させられて、次々に習近平氏の反対勢力が逮捕されていく(自派の人物はどんなに汚職をしても逮捕しないのも中国の伝統だ)。
あの野郎、俺が国家主席にしてやった恩を忘れて主人の手をかむとはふてえ野郎だ」江沢民氏をはじめとする長老は北戴河会議を手ぐすねを引いて待っている。

 だから習近平氏としては長老の一族郎党の汚職の事実を十分つかんでおいて、長老から脅されたときの反撃材料にするしか対応策はない。
そんなことを言ったらすぐにでも逮捕できるのですよ」と脅しかえしの準備が怠れないからますます反汚職キャンペーンはエスカレートしてしまう。
なんでもいいから習近平と胡錦濤の周辺を洗え。徹底的な拷問で自白調書をそろえておけ」激が飛んでいる。

 かくして習近平氏と長老グループはガチンコ勝負になって、最近習近平氏の暗殺未遂事件の情報がいろいろと噂されている。
あいつは殺すより仕方がない・・・・・・
自動車に爆弾をしかけられたり、健康診断時に注射バリに毒を塗られたり、ウルムチ駅から北京に向かう時に駅に爆弾を仕掛けられたりしている(これはウィグル人の仕業になっているがそれを装った暗殺計画だったとの噂が絶えない)。
トラ退治の影響で反対に習近平氏の命が狙われるようになって、北京市の周辺警護を担当する公安局長や警備局長を信頼できる部下でかためた。

 さて今年の北戴河会議を習近平氏は乗り切ることができるだろうか。乗り切れなければ習近平氏の政治生命が絶たれる。「中国の夢」は雲散霧消してしまうがどうなるか目が離せなくなった。

 

| | コメント (1)

(27.7.21) 急速に悪化する新聞社の経営状況 広告収入が集まらなくなった!!

 226_035_2 

 渡邉哲也氏
の「朝日新聞の経営状況分析」というブログ記事を興味深く読んでいる。
私は新聞社の経営、特に広告収入については全く知識がなかったから、この記事を読んで啓発された。

 大手の新聞社にとって大きな収入源は新聞の購読料広告収入でこの二つで新聞事業の収支が成り立っているという。
その中でもウェイトが高いのが広告収入でいかに広告をとれるかで新聞社の収益は大きく左右される(購読料だけでは赤字)。

 そして広告は新聞の紙面の50%まで許されており、そのため新聞社はこの50%水準までぎりぎりに広告を掲載しようとするが、実際は集まらなくて断念する場合もあるようだ。
紙面を見てこの半分の水準に達していなければ広告獲得競争で苦戦していると見ていい。

注)我が家は毎日新聞なので7月20日の広告の割合を調べてみたら28ページ中約10ページだった。これだと36%だから毎日新聞はかなり苦戦していることが分かる。

 広告料金は完全に需要と供給で決まり、広告主がおおければ広告料は高くなる。朝日新聞が提示する参考価格では一面を使った広告は約4000万円だそうだが、実際はカラーかどうか、良い広告主で何度も広告を出してくれるか、曜日はいつか、第何面に出すのか等によって価格は自由に変わってきて、いわば本当の意味での自由価格になっているらしい。

 一般的に言えば自動車会社などが出している新車発売のイメージ広告などは高く、反対に通信販売の広告、旅行会社の広告、書籍の出版関連の広告は安いという。もともと利益がそれほど上がらない業界ではバカ高い広告料などとても支払えないからであり、こうした広告が多いのは安手の広告が主体だということになる。

注)7月20日の毎日新聞の広告のほとんどが上記の安手の広告料しか取れない内容なのには笑ってしまった。

 さらに問題なのは穴埋め広告というものがあり、これはほとんどただ同然だが紙面を空白にしておくわけにいかないために実施する広告なのだそうだ。
系列会社の広告とか自社のイベント広告、それに公共広告がそれにあたるらしい。
渡邉氏によると朝日新聞の14年度の広告にはこの穴埋め広告が激増していたという。

 15年3期の朝日新聞の決算は、新聞事業利益4033億円(対前年比▲8%)、セグメント利益(30億円▲55%、なおセグメント利益とは学生新聞のような本誌とは別に販売している新聞類の利益)、営業利益75億円(▲23%)だった。
利益減少は部数の減少によるという説明だが、680万部で対前年比約65万部の減少のようだ。

 私の率直な印象は従軍慰安婦問題で日本人を欺いてきた朝日新聞が1割程度の部数減少にとどまっていることの方が不思議だが、この680万部とは印刷した発行部数で、実際は新聞販売店が抱えていたり、キヨスクで売れ残って返品されたりするのが、2~3割はあるから実際の発行部数はかなり下振れることになる。
どうやら朝日新聞の本当の意味での部数減少は新聞事業収益の減少幅の1割から、営業利益の減少幅2割の間ぐらいにありそうだ。

 長い間新聞はオピニオンリーダーとしての役割を演じてきたが、テレビの登場とインターネットの普及ですっかりその地位を追われてしまった。
私の子供などは新聞の宅配をしておらず、もっぱら必要な情報はインターネットで検索している。
新聞の購読者は毎年のように減少しており、今までは大体年間に1%の割合で減ってきていた
これは老人が死亡していくからで、老人はほとんど宅配による新聞を読んでいるが、一方若者は新たな購読者にならないからだ。

 そうした意味で今回の朝日の1割相当の減少部数は相当大きいとはいえるが、これは朝日だけでなく多くの他の新聞も同じような傾向だから、新聞そのものが社会的使命を終わりつつあると判断したほうがいいのかもしれない(読売の減少部数は58万部)。

注)発行部数の実態については前に記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/12/post-1b72.html

 現在私が読んでいる毎日新聞は安倍内閣が推し進めている集団的自衛権の行使への反対キャンペーン一色だが、実際は新聞の役割が低下していることと、その中でも特に毎日新聞は購読者層が減少して経営的に相当厳しい条件にあること(借金経営に陥っている)から、影響力は限定的になっている。
まあ、頑張って左翼的言動を吐いていなさい」同情して応援しているほどだ。新聞の時代が急速に終わりつつあるといっていいのだろう。


 

 


 

 

| | コメント (2)

(27.7.20) インフラ輸出元年 日本の鉄道輸出に弾みが付いた タイ都市鉄道の受注

22725_130

  実に喜ばしいことに日本のインフラ輸出、特に鉄道の輸出にようやく弾みがついてきた。
日本の鉄道技術は世界でも屈指のレベルだが、その輸出となるとさっぱりでドイツのシーメンスやフランスのアルストムに大きく遅れをとってきた。
シンガポールでもマレーシアでもタイでもヨーロッパ勢にかなわなかった。

 理由は二つあって一つは円高が進んでいたため価格面で全く競争力がなかったからだ。
日本の鉄道技術は十分評価しますが、わが国に導入するには高すぎます」と断られることがしばしばだった。
もう一つの理由はこうしたインフラは個々の商品でなく運用のノウハウを含めたトータルで販売しないと相手が当惑してしまうということがあった。
わが国ではこうした高度な鉄道システムを運用するのは初めてで、どのようにして運用したらよいのか分からないのです」といわれてしまう。
だから日本の車両メーカーが車両だけ売ろうとしたり、信号機メーカーが信号システムを売りこもうとしても、ヨーロッパ勢のようなトータルな売り込みができないため、個々の車両だけの販売は不可能だったような事例が多い(特に新幹線のような高速鉄道の場合は運用方法が最も大事になる)。

  だがここに来て情勢が激変した。安倍首相のアベノミクスによってかつては80円前後だった為替が120円前後に約5割も円安に振れたため、日本の輸出価格が急激に下がって価格競争力が抜群になってきた。
さらにかつては車両メーカーや信号機メーカーが個別に売り込みをしていたが、特に新幹線の売り込みではJR東やJR東海が日本連合として参加するようになり、鉄道インフラをトータルとして売りこめる体制がとれるようになった。
ご心配ありません。世界最高の車両と信号システム、それに無事故のJRの運行システムを貴国に提供できます」と胸を張って言える体制をとるようになった。

 タイのバンコクは日本と比較すると全く鉄道網が未発達で、ようやく最近になって地下鉄等の建設が始まったようなものだが、その都市鉄道の新路線レッドラインに住友商事、三菱重工、日立の日本連合が1200億円で受注することが決まった。過去最大規模の商談だ。
すでにタイではパープルラインに車両と信号システムの導入が決まっていたが、今回のように運用を含めて全面的に日本連合が受注するのは初めてといえる

 今世界では鉄道建設が見直されており、インドのムンバイとアーメダバード500km、アメリカのワシントン、ボルチモア区間、同じくサンフランシスコとロス区間、マレーシアとシンガポールの区間、ブラジルのリオとサンパウロの区間等、日本連合が食い込みを図るチャンスが激増している。
品質も価格も一番です」というのが売り込みトークになっているのだから、シーメンスやアルストムにとっては脅威といえる。。
また中国も盛んに低価格での鉄道建設を持ち掛けており、アフリカやトルコでの高速鉄道建設の実績がある。
ただし中国の場合は安からろう悪かろうで、トルコの新幹線開通式では一時車両が動かなくなって開通式に臨んだエルドアン首相は肝を冷やしていた。
やはり中国製は問題が多い」そう思っただろう。

 今までは高品質ならヨーロッパ、ただ安いだけなら中国と相場が決まっていたが、これからは低価格でしかも高品質の日本の鉄道技術が世界各国に導入される日が迫ってきた
インフラ輸出こそがこれからの世界経済を引っ張るけん引役で中国はAIIBという世界的金融機関を立ち上げてインフラ輸出を加速化させる計画だが、日本はADB(アジア開発銀行)による融資や円安で一気に競争力を増した力で中国と対抗することになるだろう。

 すでにインドのムンバイとアーメダバード500kmについては安倍首相の首脳外交が効果を発揮してほぼ日本の新幹線が受注することが確定している。
過去日本の新幹線は台湾への輸出の実績しかないが、日本全国に新幹線網を敷設してしまったのであとは海外に輸出することだけが、関連メーカーやJRを含めて生き残る道だ。
日本の輸出競争力が付いた今こそその最大のチャンスで、日本は今インフラ輸出元年を迎えているといっていい。

注)インドへの新幹線の輸出については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-fa3c.html

| | コメント (0)

(27.7.19) アメリカとイランの歴史的合意 互いに協力してイスラム国をつぶそうじゃないか!!

22720_015_2

 アメリカにとって主要な敵が20世紀型から21世紀型に変化した。
2001年9月11日、アメリカはニューヨークの貿易センタービル等4か所を同時に攻撃され約3000名もの犠牲者を出したが、それは国家による攻撃ではなくアルカイダというテロ組織による攻撃だった。
21世紀に入ると敵の所在が明確な国家から国家を装う組織に変わったのだが、アメリカもようやくそうした21世紀型の敵からの防御を第一においた戦略に転換し始めた。

 冷戦の遺物ともいえたキューバとの和解を成し遂げたと思ったら、今度はイランとの和解が実現した。イランは1979年イスラム革命でアメリカ大使館員が人質に取られ追い出された屈辱の場所である。
以来テロ支援国家としてアメリカの主要な敵であったが、実際は中東での危機要因ではあってもアメリカの直接的な脅威とは言い難たく、イランが直接アメリカを攻撃する危険性はほとんどなかったといえる。
宗教的にはスンニ派のサウジアラビヤがシーア派のイランと対抗し、またイスラエルがシーア派のテロ組織から自国を守るために主敵としたのがイランだった。

 それでもアメリカが中東問題にかかわらざる得なかったのは二つの要因がある。
一つは経済的要因で長らくアメリカは中東から石油を輸入していた。日本が中東から石油と天然ガスの輸入を行っているが日本にとっての中東の重要性と同じ意味でアメリカにとって中東が重要だったといえる。
もう一つの要因はイスラエルでアメリカはユダヤロビーの影響力が極端に強く、イスラエルを防衛することが国家戦略にまでなっていた。
イスラエルを攻撃する国はすべてアメリカの敵であり、かつてはエジプトが、そして最近はイラクとイランがその主敵とされていた。

 しかし21世紀に入り情勢が大幅に変化した。アメリカはシェールガス・オイル革命に成功し石油や天然ガスの輸出国になって中東は商売敵になってしまった。
中東情勢がどうなろうとも石油確保に狂奔する理由がなくなり、それまで中東最大の同盟国だったサウジアラビアとの間で隙間風が吹きすさび始めた。サウジアラビアがアメリカの戦略的パートナーだった時代が終わったのだ。

注)サウジアラビアとアメリカの関係が冷却したことについては前に述べてある
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/ppp-5.html

  またイスラエルは相変わらず周辺諸国と緊張関係にあるが、所詮はイスラエルの問題であり未来永劫にイスラエルを守るためにアメリカが軍事介入をする理由が薄れてきた。
いつまでたってもイスラエルの問題ではあるまい。それにネタニアフはやたらと強硬であんな奴に引っ張られるといつまでも軍事介入をし続けなくてはならなくなる
オバマ政権になりイスラエルの防衛を実質的に放棄したため、イスラエルのネタニアフ政権とは犬猿の仲になり、ネタニアフ氏とオバマ氏はまともに口もきかない仲になっている。

 こうした情勢変化のもと、オバマ政権は中東問題を20世紀型から21世紀型に変えるため、イランとの歴史的和解を行ったが、これはアメリカが大幅に譲歩したことにより実現した。今回の合意はイランに核開発の可能性を残したまま、実質的に核開発をさせないという非常に奇妙な合意になっている。

 核開発にはウランの濃縮が必要でそのための遠心分離機が多数必要なのだが、合意ではこの数を3分の1に減らさせて核開発の速度を3分の1にさせるという、何とも不可思議な協定だ。
時間がかかってその間にイランも馬鹿馬鹿しくなってウラン濃縮など止めてしまうだろう。もし協定を破って濃縮を始めたらIAEAの核査察でチェックし、ふたたび経済制裁を科す」ということだからイスラエルのネタニヤフ氏がかみついたのも無理はない。

 ネタニアフ氏は単独でもイランの核施設の攻撃をしかねないほど激怒していたが、だからといってイスラエルがアメリカの合意なしにイランと戦争状態になることは不可能だからオバマ政権としたらイランとの核協議をこれで切り上げることにしたようだ。
現在アメリカにとって最も危惧される問題はイスラム国の台頭で、イスラム国がかつてのオサマ・ビンラディンに率いられたアルカイダのようにアメリカを攻撃してきては一大事だ。
イランがアメリカを攻撃することはないがイスラム国はどうなるか分からない。

注)ネタニアフ政権とオバマ政権の関係については3年前に以下のような記事を記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/04/post-ec30.html

 何としてもこうしたテロ組織をつぶしたいが、そのための最大の協力者が皮肉なことにイランになっている。
イランはスンニ派主導のイスラム国を制裁するために革命防衛隊という実質的な陸上部隊を派遣して封じ込めのための戦いをしている。
まともに戦っているのはイラク政府軍ではなく、イランの革命防衛隊だからアメリカとしてはイスラム国掃討作戦ではイランが最大の友になってしまった。
ちょうど第二次世界大戦の時のアメリカとロシアの同盟のようなもので共通の敵イスラム国を退治するまでは立派な同盟者だ。

 2015年7月、こうしてアメリカとイランは歴史的合意に達し、核開発の可能性をのこしたままアメリカとイランは共通の敵イスラム国に立ち向かうことになった。
取り残されたイスラエルと中東で主導権争いをしているサウジアラビアはこの合意に全く不満だが、これしか中東紛争を解決する手段はないというのがオバマ政権の判断で、アメリカは中東問題を21世紀型に再構築することにしたといえる。

 

| | コメント (1)

(27.7.18) イデオロギー論争は強行採決しか決定方法はない。 集団的自衛権の確立と安倍首相の勝利

 22725_108

 日本は聖徳太子の昔から話し合い中心の国で、「和を持って貴しとなし、さからうこと無きを旨とせよ」といわれたほどの国柄だから、通常は話し合いですべてを解決してきた。
しかしそれは平時や内容が大したことがない場合で、どうしても意見が一致しない場合は最後はガチンコ勝負になり、かつては戦争で決着をつけたし、今は国会の強行採決で決着をつけている。

 「」を説いた聖徳太子自身が崇仏派の蘇我氏と排仏派の物部氏との間のイデオロギー論争の時は蘇我氏側にたって、物部守屋を滅ぼしている。
またその蘇我氏は大化の改新で天皇中心主義者の中大兄王子が、飛鳥の豪族連合の長だった蘇我入鹿中臣鎌足と組んで暗殺している。
天皇中心か、豪族中心かのイデオロギー論争では妥協の余地などなかったからだ。
ガチンコ勝負になれば「」ではなく実力勝負になるのはどこの世界でも同じだ。

 戦後日本のイデオロギー論争はすべて安全保障の面で現れている。
簡単に言えば1990年まではアメリカ組になるかロシア組になるかの選択であり、21世紀になるとアメリカ組中国組の対立になっている。
この選択には妥協の余地はなく二股をかけようとすると国を亡ぼす。
だから日本のありようとしてどちらを選択するかの決断であり、したがって安全保障に関する国政の決断のほとんどが強行採決になっている。

注)韓国が経済は中国、軍備はアメリカに依存して両国を手玉にとっていると豪語していたが、実際は両国から見捨てられよ うとしている。二股外交は特別な事情がない限り成功しない。

 1960年といえばいまから55年も前のことだが、日米安全保障条約の締結を巡って国を二分する論争が勃発している。今では名前さえなくなったが当時は社会党がこの安保反対闘争を主導して、国会内外で激しい衝突を繰り返した。
国会の外では主として全学連によるジグザグデモが繰り返えされ、私は小学生だったが小学校でもこの「安保反対デモ」が遊びではやった。竹を横にしてそれを数人の小学生が押し立てて「安保反対」と叫ぶ遊びだった。

 それから10年後の1970年前後にこの安保条約の改定時期が到来し、今度はこの反対運動を指導したのは全共闘系の学生だった。私は当時大学生だったが友達から誘われてはデモに参加したものである。霞が関の大通りをフランスデモと称して両手いっぱいに広げてデモったが、機動隊に阻まれて逃げ出したものだ。

注)私は当時政治的主張を持っていなかったが友達に民青系の友人が多く、頼まれればデモに参加していた。

 
さらにそれから20年たった1992年には、湾岸戦争で日本が資金以外の貢献がなかったことをアメリカから責められPKO法案を一部野党と共同で強行採決している。
だから今回の安全保障関連法案の強行採決は4度目のガチンコ勝負ということになる。

国家のありようを決めるイデオロギー論争では強行採決以外の方法はなく、両陣営とも妥協はできないから、あとは議会制民主主義の原則である多数決だけが最後の決定方法になる。

 今回の安保関連法案で安倍内閣は集団的自衛権の容認に踏み込んだが、116時間かけての討論も何の歩み寄りがなかった。
それは当然で当初からどちらの陣営も歩み寄ろうなどとは考えていないから、野党は足を引っ張ることだけに専念し、一方与党は相手に言質を与えない曖昧模糊とした答弁になっている。

 安倍首相は集団的自衛権を「国民の命を守り戦争を未然に防ぐための絶対に必要な法案だ」と述べたが野党の反応は全く反対で「便宜的な憲法の解釈変更で立憲主義に反し、強行採決は認められない」と応じた。
新聞の論調も二分されており、読売や産経のような保守主義陣営に立つメディアは「日本の平和確保に重要な前進」と評価したが、朝日や毎日のような左派系新聞は「民主主義を揺るがす施行」と反対の大キャンペーンを張っている。

 だが客観的に見て日本の周辺は中国、北朝鮮、韓国といったヤクザ国家ばかりでありおりあらば日本の領土をかすめ取ろうとしており、また国連やその他あらゆる機会に日本を誹謗して国際的地位を貶める活動を日常化している。
さらに中国は特に海軍の増強を図って西太平洋は中国の海だと主張し始めており、このような状況下では日本はアメリカとの軍事同盟の強化だけが生き残る道になっている。
集団的自衛権はそれまで片務的だった日米安全保障条約の実質的改定で日米の軍事関係を双務的に変更するものだが、だからこそ中国や旧ソ連に郷愁を持つ左翼陣営や左翼メディアはなんとかして安倍総理の目指す集団的自衛権の足を引っ張ろうと躍起になってきた。
だが、日米安保条約が今まで片務的だったのは日本が本当の意味では独立国ではなく、アメリカの軍事的植民地だったことを意味している。

 ようやくこのイデオロギー論争に決着がついた。今国会で集団的自衛権は容認され、日本はアメリカ陣営として戦後70年たって初めて軍事的に独立国家になれたといっていい。
だからこそ4度目の両陣営のガチンコ勝負になったのだが、安倍首相はこの苦難を乗り切ったのだから大した総理大臣だと評価できる。
左翼陣営の最後の抵抗は終わり、日本が経済的だけでなく軍事的にも独立国になった記念すべき年が2015年だと歴史に刻まれるだろう。

(興味深いコメントがされたので本文に転載します)

 先日、電車で二人の70代くらいのおばあさんたちの話を聞いていましたが、安保法案の議論になった時、「私は戦争の時に苦労したから戦争は嫌だ。だからこの法案には反対。安倍はわかっていない。」ということをおっしゃっていました。

 今回、60代以上の年配(小職の両親を含む)の方々の反対が多いのは心情的には理解できますが、彼らが今の世界情勢を踏まえ、我が国の状況をとことん考えた上でこのような反対意見を言っているとは思えません。むしろ、戦後、ひたすら米国の傘の下でひたすらいい子ぶり、波風立てずに立ち回ってきたたつけが、今、彼らよりも若い私以下の世代が活躍する時代になっても中韓にぐだぐだ言われる遠因になっていると思っています。本当にわかっていないのは誰なのか、と問いたくなります。波風立てないというのは確かに一つの知恵でそれを否定する気は毛頭ありませんが、偽善もほどほどにして欲しい、というのが私の偽わざる意見です。

 小職は20代(1990年代)の時に中東に駐在しましたが、その時にインド系バンカーに「日本は世界第二位の経済大国なのに何故自衛のために核兵器を持たない?日本よりもGDPが下の英仏は持っているではないか?」と問われ、返事に窮したことがあります。世界は所詮力と力のぶつかり合いであり、力の強い方がより有利です。憲法9条を文字通り解釈する限り、日本に未来が待っているとはとても思えません。

 今回の法案が仮に廃案になったとしても、一石を投じたという意味では大きなターニングポイントだと思います。

 








 

| | コメント (3)

(27.7.17) 再び迷走しはじめた新国立競技場建設 抜本的な見直しを開始

 

 えらいことになった。新国立競技場の建設がまた迷走しはじめた。
一旦は文部科学省が「まずゼネコンとの契約を先行させる」といって当初のデザインから屋根を外し、可動式観客席を止めた案でオーダーを出そうとしたら、再びテンヤワンヤの大騒ぎになってしまった。
この案でも費用は2520億円でしかも建設資材の値上がりや労賃の値上がりを見込むと最終的には3000億円規模になるという。

注)文部科学省がゼネコンと契約を急いだ経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/ppp-4.html

少し文部科学省は頭がおかしいのではないか、今まで建設で一番多くかかったロンドン大会でさえ1000億円以下で済んでいる。なぜ3000億円もかかるんだ!!」
あちこちからクレームがついて政府もほっておけなくなった。
このままで行くとまた八ッ場ダムの二の舞になってしまう。オリンピックが済んだあとは無用の長物になりかねない。ここは設計変更を含めて見直さざる得ないのではなかろうか・・・・」政府が動き出した。

 今一番の問題は現行のキールアーチを残した設計案の通りにし、しかも19年秋のワールドカップラグビーに間に合わせるには、すぐにでも建設に取り掛からなくてはならないほど時間に追いつめられていることだ。
五輪組織委員会会長元森総理にせっつかれて文部科学省はゼネコンとの契約をこの7月の上旬にも締結する運びだったが、またふりだしに戻ってしまった。

 菅官房長官から「国民負担ができるだけ生じないように工夫をできる限りしなければならない」といわれ、再び建設費の見積もりが必要になった。
ゼネコンの言いなりになるな」ということだ。
しかし文部科学省は対応する手段をすべて使い切っているから頭をかかえてうろうろするだけだ。
そんな見直しのことなんて何にも聞いていない。このままゼネコンとの契約ができなければワールドカップには間に合わない・・・・・・」

 文部科学省は新国立競技場とワールドカップラグビーを結び付けているが、本当はワールドカップと新国立競技場とは関連がない。あればそれに越したことはないが、なくても他に代替できるラグビー場はJリーグのサッカー場を含めていくらでもある。
だから20年のオリンピックに間に合わせるということであれば、設計変更を含めた見直し時間は十分ある。
新たなデザインの無理なキールアーチなど作らず、どこにでもあるサッカー場レベルの建設であったらすぐにでもできるのが実態だ(一度建設されたものならば設計図やその他のノウハウが残っている)。

 それにオリンピック終了後の維持管理費のことを考えればかける費用は少なければ少ないほど良い。どう考えても新国立競技場でお金儲けができるとは考えられないからだ。
今回の建設計画の進め方を見ていると、デザイン選定までは費用のことを一切考えてなかったことが分かる。
デザイン選考委員会の会長だった安藤忠雄氏が「自分たちが委託されたのはデザインだけで、それ以降の費用の見積もり等には責任がない」と居直っていた。

まあ、金のことはあとでじっくり相談しましょう!!」ということだったが、費用見積もりが当初予算の1300億から3000億円程度に膨らみそうだとなると誰もが一言述べたくなる。
「そんなに金をかけてまでオリンピックをする必要があるのですか」
「競技場など競技ができれば十分で、なんでデザインに凝る必要があるの」
「維持メンテ費用を考えないのは従来の公共事業と同じじゃないか」
「ゼネコンにだまされてるんじゃないの」
「デザインの依頼主はこちら側なのに、なんでハディドに大きな顔をさせるの」


 ここまで紛糾してくるとやはり抜本的な見直しをせざる得ず、それには時間がかかるから19年のラグビーワールドカップのことは諦めて、できるだけシンプルで建設しやすい競技場を作らざるえないような雰囲気になってきた。
オリンピックだからといって無尽蔵に費用をかける時代が終わったということだろう。

 

| | コメント (2)

(27.7.16) ホンハイが中国から逃げだした。 中国製造業の黄昏とインドシフト

 22725_086

 台湾のホンハイ中国撤退作戦を開始した。ホンハイは世界最大規模のEMS企業(受託生産専門企業)で、中国本土に約12の大規模な工場を持っており、アップルのアイフォーンシャオミのスマートホン等を生産している。中国国内で100万人の雇用をしているといわれ、民間企業としては最大規模の雇用を誇っている。
そのホンハイがとうとう中国の生産に嫌気をさして工場をインドに移転させる計画を発表した。
発表では2020年までにインドに中国と同規模の工場を建設し、そこで100万人の雇用を創出するというのだから簡単に言えば中国の工場をインドに移すといっているわけだ。

 中国での雇用情勢は日々厳しくなっており、かつてのような低賃金は期待すべくもなく、それに輪をかけて共産党の支部からホンハイが理由のない嫌がらせを受けるようになっている。なぜ嫌がらせを受けるかというとこうした工場を中国共産党が乗っ取ろうとしているからである。
もうEMSという仕組みは分かったので、今度は俺たちがやるからあんたは出ていってくれ

注)地方政府によるホンハイに対する嫌がらせの実態は前に記載した
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/03/post-1547.html

 ホンハイとしたらアップルのアイフォーンなどを生産している拠点なのだから、「出ていってくれ」といわれてもおいそれと出るわけにはいかなかった。
仕方なく労働者の待遇を改善し、それだけではコスト増になるために作業用ロボットを大量に導入して生産性の向上を図ったりしてきたが、それなら何も中国本土で行う理由はなく世界を見渡せばいくらでも工場適地はある。

 時あたかもインドのモディ政権はインド経済の飛躍のためにインフラの整備や複雑な労働慣行の見直しに着手し、かつての中国の深圳のような労働特区を作る約束をしたので、ホンハイは中国にこだわっている理由がなくなってきた。
それなら低賃金のインドに工場を移すのが最も合理的だ
2020年までに12工場100万人の雇用計画を発表したが、このことは同時に中国から100万人の雇用が失われることを意味している。

 中国が低賃金労働を武器に発展した時代はすでに終わり、毎年のように労務費は上昇し、そればかりでなく労働争議も多発するので、中国進出企業はすっかり中国での生産に嫌になっている。
ホンハイは最も中国進出に熱心だった企業だが、そのホンハイが逃げ出すということは他の台湾企業もほぼ同様のビヘビアーをとると思った方がいい。
すでに日本企業は伊藤忠商事という中国の商社になり下がった企業を除けば撤退をしており、自動車産業もピークを打ったのでドイツ車(VW)の投資もおしまいになるだろう。

注)伊藤忠商事が中国シフトをさらに強化していることはすでに記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/01/post-62c9.html

 昨今のホンハイの業績は必ずしも満足の行くものでなく、かつては毎年50%以上の売上げ増があったのに、最近は10%増がやっとこというような状況になっている。
さらに利益率はEMSの性格から必ずしも高くはなく10兆円以上の売り上げでせいぜい1000億円だ。
わが社は低賃金労働がないととてもやっていけない。もう中国ではそれを期待するのは無駄だ

 なおホンハイはシャープとの提携をしきりに望んでいる企業だ。何回もラブコールを送って来ているが、それはホンハイは販売力はあるが技術力がないためである。
一方シャープは技術力だけの会社で販売力に欠点があり15年3月期は最終利益が2000億以上の赤字だった。
日本の輸出企業が過去最高益を稼ぎ出している時に赤字だとは信じられない惨状だ。
現在は金融機関の支援のもとになんとか資金繰りをつけているが、早晩販売力の面で限界がくるだろう。
私はホンハイとシャープの提携は非常に良いものだと思っており、特にホンハイが中国ではなくインドに軸足を移すのであれば積極的に参加するのが良いと思っている。

注)ホンハイとの提携を推奨する理由は前に書いた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-8190.html



 

| | コメント (1)

(27.7.15) スカイマーク再建案の攻防 清水の舞台を飛び下りるのはANAかデルタ航空か?

Dsc_00121
(友達のブログ「ちば公園のベンチから」に掲載された利根川の朝日。ほぼ毎日利根川の朝日の写真が掲載されている)

 ついにガチンコの勝負になってきた。スカイマークの再生について、ANAとアメリカのリース会社イントレピッドがそれぞれの再建案を引っ提げて、8月5日に予定されている債権者集会に臨むからだ。
ANAはスカイマークや国の政策投資銀行の賛同を得ておりいわば日の丸連合だが、これに対してイントレピッドはスポンサーにデルタ航空を要したアメリカ連合だ。
採決には債権額と債権者の過半数の同意が必要になるが、帰趨を制するのは二番目の大口債権者エアバス社ということになりそうだ。

注)ANAとイントレピッドの今日までの確執については以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-aee6-2.html

 現在確定している債権額を持っているのは38%をイントレピッド、続いてエアバスが28%だからエアバスが同意をする方に勝利の目が転がり込む。
もともとエアバスはANAの再建案に賛成していたのだが、それはスカイマークがキャンセルした超大型機A380,6機の使用をANAが同意すると思っていたからだ
しかしANAはこの大型機の導入を拒否した。
乗客数が850人を超えるようなジャンボ機を飛ばしても乗客がおりません。今や大型機の時代は終わったのです」つれない返事をエアバスに行った。

 エアバスとしてはA380はほとんど経営問題になっており、すっかり赤字体質になってしまったのは、このA380の開発に社運をかけたのに実際に運行できる状態になった時には全く大型機の需要が冷え込んでしまったからだ。
現在は中型機か小型機の燃費のいい機種が主流で、特にLCCはほとんどがこの機種になっている。

 さて8月5日の債権者集会はどうなるだろうか。債権者に対する配当は現在5%を両陣営とも提示しており、エアバスとしたらどちらに投票しても同じだが、問題はスカイマークがキャンセルしたA380、6機の扱いになる。
これをANAが導入すればANAに投票し、デルタ航空が導入すればデルタ陣営に投票することになるが、両社も導入しないとなると判断に迷うだろう。

 現在どこの国でもメガキャリアはLCCの追い上げで経営に苦しんでいるが、それでもメガキャリアが生き残っているのは国内市場を外国の航空会社から守ってきたからだ。
たとえば羽田は国内線はANA、JAL、スカイマークといった日本の航空会社が独占しており、これでようやくANAもJALもそしてスカイマークも生き残ってきた
外国航路は競争で運賃は極度に低くなっているが、国内運賃は寡占状態で競争を阻めるからだ。

 これはアメリカも同様で、デルタ航空をはじめノースウェストなど数社のメガキャリアが生き残っている本当の理由はアメリカ国内の航空路をほぼ抑えているからに過ぎない。
デルタ航空が今回スカイマークの支援に立ち上がったのは日本国内、それも羽田枠の約8%をスカイマークが抑えているからで、羽田発の国内線であれば採算が確保できると踏んでいる。

 さて債権者集会ではエアバスの票が採決の帰趨を制するが、ANAやデルタはエアバス票を取り込むためにA380の導入にYESのサインを出すだろうか。
エアバスが反対する再生案は通らないし、一方A380を導入すれば今後の経営に支障をきたす。エアバスを説得するために清水の舞台を飛び下りるのはANAかデルタ航空かどちらになるのだろうか。




 

| | コメント (2)

(27.7.14) 中国政府のPKOは日本の二番煎じ 長期的には失敗する!!

Img_25171
(友達のブログ「ちば公園のベンチから」に掲載された利根川の朝)

 思わず笑ってしまった。マルクスの「歴史は二度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」という言葉がよぎったからだ。
現在中国当局が上海株式市場の暴落をとどめようとして懸命に実施しているPKOは、1990年代の初頭に日本が東京市場の価格維持のために行ったPKOの二番煎じだからだ。

 1989年に約4万円だった日経平均はその後奈落の底に落ちようとしていたが、その時大蔵省や日銀が行ったPKOは公的資金による株式の買い支えと、大口取引先(金融機関や証券会社)に対し株式の売却をしないようにさせる口先介入、それと新規の株式公開を週に1社にとどめて株式の値崩れを防ぐ対応だった。
売ってはあいならん。新株公開などして値下がりでもしたらどうするのだ。国がしばらく株式を購入して買い支えるから市場が落ち着くまで待て!!」

 あれから20年たち、今中国政府が同じ事をしている。
株式の売買を停止させろ。先物取引で株価の引き下げを狙うとはとんでもないやつらだ。
国の資金を2兆円投入するからしばらく売買はするな。特に国営企業や証券会社が売却などしたら絶対に許さんぞ

中国の投資家人口は約9000万人だそうだが、こうした人々が1か月の間の約30%の値下がりで悲鳴を上げている。
もちろんそれまでに株価は2.5倍にも跳ね上がっているのだから売り抜けた人は巨万の富を得たことになるが、最近になって信用取引等を始めた個人投資家は自殺ものになっている。

注)中国政府が国家を上げて株式の価格上昇対策をとることをいち早く知った共産党幹部やその家族は巨万の富を得て売り抜けたはずだ。

 もともと中国当局は低迷する経済をなんとかして上昇気流に乗せようとして、意図的に株式市場を誘導してきており、人民日報などは盛んに「強気相場は開始したばかりだだから人民は資金を箪笥預金にしないで株式に投資しろ)」と露骨なまでにあおってきた。
政府が株式をささえるといっているんだから、こりゃひと儲けしよう」と最近は今まで株式に無縁だった個人投資家が雨後の竹の子のように株式市場に殺到していた。
そこでの30%クラッシュだから政府に責任追及の声が上がるのはやむおえない。
政府が株価を支えるんじゃなかったの!!!!!」

 中国はすべてに国が介入する社会主義国家で、もちろん株価も政府の管理下にある。
人民は株価を政府が保証するか否かで購入を決めるので、今回のように人民日報が散々あおった後では国家の責任になってしまう。
仕方がないので習政権は今回の株価暴落のスケープゴート探しを始めた。
第一番のスケープゴートは空売りを仕掛けていた投資会社等で、さっそく中国保安局のこわもてが捜査に入りこんだ。
一般に資本主義国の市場では空売りは一種の商行為として認められているが(ただしヨーロッパでは空売りは規制の対象になったりする)、中国では完全に悪徳行為という位置づけだ。

 問題はこうした中国政府のPKOがどの程度効力があるかだが、一時的にはそれなりの効果を発揮して7月9日以降株価は持ち直している。
上海市場の大崩壊はなかったのだが、今後の推移を見ると心もとない。
それは日本市場のPKO後の株価の推移をたどってみると分かるのだが、4万円近くあった株価がその後20年近くかけて低迷し、アベノミクス発動前には8000円程度に値下がりしていた。単純に言えば5分の1だ

 今後の推移はやはり実体経済を反映したものに長期的にはなるだろう。確かに中国政府のPKOはその時は効果を上げるが、あくまでも対処療法で中国経済が立ち直らない限り効果は限定的だ。
すでに主要産業はすべて対前年比割れになっており、たのみの自動車産業もとうとう前年割れを始めた。
公表されているGDPは年率7%程度の成長をしていることになっているが、この統計数字を信じている人は中国当局者を含めて誰もいない。
実際は日本の失われた20年と同様な経済停滞に入っているが、それを言い出すのが恐ろしい」というのが実態だ。

注)中国自動車産業の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/post-5c4f.html

 何しろ中国政府は強気一辺倒で、AIIBBRICS銀行の設立をしなければならないし、シルクロード経済圏というオオボラも吹いている。
すべてが中国経済が躍進していることを前提にしているのに、実際の経済が崩壊寸前では、こうした組織が金を集めることもできない。
AIIBで世界から金を強奪するまでは、何としても中国経済は順調でなければならない」中国政府も苦しいのだ。
株式価格維持のために今後も中国政府はなりふり構わない介入を続けるだろうが、そのたびに体力が衰えていく。
中国経済の今後は日本経済がたどった1990年以降の日本とほぼ同様の推移をたどると見て間違いなさそうだ。

 やはりマルクスは正しかったのだ。「歴史は二度繰り返す。一度目は悲劇として、二度目は喜劇として」

 

 


 





| | コメント (2)

(27.7.13) 中国の自動車産業に過剰生産恐慌が始まった。「いくら生産しても売れないじゃないか!!」

P7240111 

 大学生時代、私が経済学を学んでいたころマルクス経済学の花形は恐慌論だった。ほぼ10年周期で資本主義社会には恐慌が発生し、その規模がだんだんと拡大生産され最後に資本主義社会が滅ぶという学説だった。
資本主義社会は自由な競争下にあるため好況時には過剰な設備投資が行われ、需要と供給がマッチできなくなって過剰生産に陥り、一気に供給者を淘汰するからだといわれたものだ。

 しかし現在本当の意味で過剰生産恐慌に陥っているのは社会主義国中国である。
中国のあらゆる産業が今過剰生産に陥っており、鉄鋼業も建設業も鉄道業もニッチモサッチモいかなくなっているが、ついに中国の花形産業の自動車産業までが過剰生産に陥った。
2013年まで二ケタ成長が当たり前だったが2014年に7%増程度になり、そして今年はついに上期は1.4%の増だが、4月以降対前年比マイナスになり、6月は▲2.5%になっている。今年の対前年比伸び率はマイナスになるだろう。

 なぜ社会主義経済で過剰生産が起こるかというと、主要な産業が国営企業だからである。国営企業であれば金融機関からの融資はほぼ100%保障されており、親方日の丸だから倒産の可能性はまずない。
そうなると企業経営は常に増産だけを目指していればいい
見てみよ、我が社は今年も7%成長だ。GDPを底上げしているのは自動車産業だ

 社会主義経済のGDP統計は基本的に生産額だから(付加価値の計測ではない)、それが売れようと売れまいと全く関係ない。増産はひたすら在庫を増やすだけだが、経営者は満足する。
ただ増産しろ、なんでもいいから増産しろ、金が回らなければ銀行から調達すればいい
これが資本主義経済ならマルクスが予見した通り企業の倒産が起こるが、社会主義経済では倒産が起こらない。
国営企業はつぶれないからであり、日本のイメージで言えばかつての国鉄と同じだ。
かつての国鉄は乗客がいようといまいと日本中に鉄道網を張り巡らすことだけが使命だと思っていた。

 市場は需要と供給がぶつかり合う場所だが、社会主義国経済ではこの関係が成り立たないから、いつまでたっても生産縮小は行こなわれない。
ただただ増産が続いて、ある段階でパニックになる。
もしかしたら、工場の敷地に自動車を積んでおくことが本当に生産といえるのだろうか?もう生産した自動車の置き場所がなくなってきたが、自動車置き場を探すことが生産なのだろうか?」
さすがに物理的に置き場所がなくなれば経営者も反省する。
しかし生産縮小などすれば党中央から通達された生産目標を達成できない。どうすればいいんだ・・・・・

 中国経済の過剰生産体質は特に不動産建設で顕著で、中国中いたるところに人の住まない鬼城が存在するが、鉄鋼業も同じで仕方がないのでダンピング輸出を行って世界各地から顰蹙を買っている。
そして今また自動車産業がこの過剰生産におちいった。
中国の自動車産業は100社程度あるのだが、大手はすべて国有会社でしかも生産は外国資本との50%、50%の合弁企業になっている。

 中国独自の自動車生産の技術は極端に低いため党中央も外国からの50%合弁を認めているのだが、このシステムに最も適合して中国の生産を増やしているのがドイツのVWである。VWは年間300万台の生産規模を誇り他を寄せ付けない。次が韓国の現代とアメリカのGMで160万台規模、そのあとが日産の100万台規模である。すべて合弁会社で第一汽車とか上海汽車とか東風汽車との合弁になっている。

 特にVWは戦略的に中国での生産を増加させているが、問題は中国では生産縮小がほとんどできないことだ。労働者の馘首や生産調整は厳禁で、何しろ増産だけしなければならない。しかし消費者は自動車に飽いているので、あとは価格引き下げのダンピング競争になって、国営企業以外の自動車会社が淘汰される。

 過剰生産恐慌論はマルクス経済学の十八番だが、実際にそれが起こるのは社会主義経済で国営企業ばかりが優遇される中国である。
だから山崎経済研究所の山崎所長は新たな恐慌論を打ち立てた。

社会主義経済においては国営企業は生産を増加させることだけを自己目的にするため、需要を無視して生産が行われる。この状態は国営金融機関が融資に応じてくれる間継続される。しかし生産財がただ倉庫に積まれるだけの状態になり、党中央が驚いて生産縮小を指示した途端(金融を絞った途端)に経済恐慌に突入する。これを新マルクス型恐慌論と名付けマルクス経済学の新たな拡張という


 

| | コメント (0)

(27.7.12) ようやく病気も回復しベンチの補修作業を再開した。

Img_0747

 今日(11日)は本当にへたばって寝込んでしまった。
2か月ぶりにベンチの補修作業を再開したのだが、昨日までの梅雨空が嘘のような晴天になり、夏の太陽光線に照らされ続けての作業は実につらい。
春の道公園にあるベンチ1基を補修したのだが、1基の補修が限界だった。身体が作業になれていない。

 5月の初めに突然目が見えなくなり入院したのだが、その後も病院に定期的に通っており、まだ副腎資質ホルモンの投与を続けている。
薬には必ず副作用があって、この副腎資質ホルモンを飲み続けているとほっぺたが膨らんできてお月様のような顔になってくる。
お父さん、顔が最近膨らんでいるよ
鏡を見るとしもぶくれになっていて、奈良朝時代の美人画にある女性のような顔立ちだ。

 顔ぐらいはどうでもいいのだが、夜睡眠が十分とれず、いつも2時ごろには起きてしまうのには閉口している。これも薬の副作用でおかげで毎日いつも眠むたい。
目の見え方は完全に戻ったので先生に聞いてみた。
先生、私は全快したと思っているのですが、まだ薬を飲み続けなければいけないのでしょうか
この病気は常に再発の可能性があるので、あと5か月間は薬を投与する予定です
5か月間と聞いて目の前が真っ暗になったが先生の指示に従わないわけにはいかないので、あきらめて副腎資質ホルモンを飲み続けることにした。

  病気になった後は基本的に無理な作業を控えることにしており、このベンチの補修作業だけでなく、四季の道の草刈も止めていた。疲れると病気が再発するのではなかろうかという危惧があるからだ。
おかげで四季の道の草がぼうぼうとなってきて、昨年だったらただちに草刈を実施したのに、今はじっと我慢の子だ。
もう少しだ、もう少しで体力が元に戻るからその時まで待ってくれ」 四季の道にあやまっている。

 現在実施しているボランティア作業はほぼ毎日の四季の道の清掃作業だが、これは体力回復策の一環として行っているもので、約6kmの道を散歩しているようなものだ。
そして今回久しぶりにベンチの補修作業カーペンター・オクさんと実施したが、真夏の太陽に照らされて日射病のような症状になってしまった。
帰ってからしばらく寝ていたが、夕方ごろになってようやく体が動くようになった。
イヤー夏場の屋外での作業は老人にはつらい」愚痴が出る。

 実は最近作業が一つ増えている。
娘が子供を産むために帰ってきており、孫を一人連れてきている。
この孫の世話をかみさんと一緒に行っているのだが、私の担当が孫の散歩と風呂入れで、これなどは昔したことがあるのだがもうすっかり忘れていた。
こちらは楽しくしているのだが、時間的には制約があってブログを書いたり、自転車で遠乗りすることにはできるだけ早く切り上げなければならない。

 でもまあ、病気になって以来久しぶりのベンチの補修作業ができたのだからまずよしとしなければならないだろう。こうして少しずつ病気前の生活を取り戻している。



 

| | コメント (0)

(27.7.11) 日本 人間型ロボットのコンテストで完敗 自律性の欠如が明確になった!

21_970 

 正直言ってかなりのショックを受けている。なでしこジャパンが決勝でアメリカに完敗したのと同じようなショックだ。
この6月5日にアメリカでダーパが主催した人間型ロボットの選手権で信じられないことに日本のロボットが完敗した。
実は私は楽勝すると思っていたのでこの完敗は悪夢のような思いだった。
23チーム中、産業技術研究所のロボットが10位、東大のロボットが11位だった。

 ダーパとはアメリカの国防総省の研究機関で国防高等研究局のことだが、それよりもインターネットとGPSを民間に開放した組織といった方がよくわかる。
軍事目的の技術を民間に開放することでIT分野で世界標準を作ることを主な目的にしている。

 今回ダーパがアメリカで世界選手権を開催したのは、福島第一原発の事故処理において作業用ロボットが思ったほど活躍できなかったことが原因にある。
今の水準のロボットでは災害現場で役にたたない。なんとかして本当の意味で役に立つロボットの開発が必要だ」そう考えて世界の英知を集めたコンテストを開催したという。
その時の内容をNHKのクローズアップ現代で特集していた。

 コンテストの課題は実際の原発事故現場を想定し、そこにロボットが自動車で駆け付け、ドアーを開けて中に入り、必要なバルブ等の開け閉めを行い、最後にがれきの中を歩いて生還するという内容だった。
具体的な課題が10個所用意され、それを1時間以内にすべてクリアすると10点が与えられ、10点どうしだと早く作業が完了したロボットが勝ちになる。

 ロボットの操作は約500m離れたコントロールセンターから行うのだが、実はこのコンテストでは、建物の中に入ると外からの無線通信が一定間隔で切断される設定になっていた。
事故現場では完全な通信環境が確保できないという想定で、特に原発事故では強い放射線でしばしば通信が途絶えた経験からきている。
そうした時ロボットが自主的に判断して操作をしなければならず、これをロボットの自律性というのだが、日本のロボットはこの自律性が弱くほとんどの指令を外部にいる人間が行うという構造になっている。

 一方アメリカのロボットは特にソフトウェアの開発に特化した自律性抜群のロボットが出場していて、ヘリオスというロボットが6位に入っていた。説明だとロボットに任せておけば良かったのにスタッフがあせって無線で指示を出したためにひっくり返ってしまったらしい。
人間が関与したから駄目だったんだ」というのがアメリカチームの反省だから何をアメリカチームが目指していたかよくわかる。
優勝したのは韓国チームで平らな場所では下部に取り付けた車で移動し、がれきの場所で二足歩行をするように設計されていて、無理に二本足で歩き回るような設計になっておらずとても合理的なロボットだった。

 今回のコンテストで日本のロボットの欠点が明確になったのだが、それは遠隔操作ができない環境では全く役立たずということで、自律性が欠如しているという欠点である。
自律性とはソフトウェアの優劣であり、特に人工知能の優劣が自律性を決定するのでアメリカの研究者はもっぱらこのソフトウェアの開発にしのぎを削っていた。
一方日本のロボットはハードウェアはとても良く、たとえば温泉でダンスをさせると芸者さん顔負けのダンスをするのだが、そうした環境は足場もしっかりしており遠隔操作もバッチリの無線環境下にあるのだという。

 反対に言えば日本のロボットは修羅場に弱く、実際福島原発事故の時も全くと言っていいほど役に立たなかったが、今回のように無線が定期的に切断されるとその間はロボットは何もすることができず、ただ立ち止まっているだけだった。
日本のロボット開発を後押ししている経済産業省の責任者は危機感をあらわにしていたが、日本のロボットが災害に弱いのはかなり致命的な欠陥といえる。

 もっとも今回ダーパがコンテストを開催した裏の狙いは軍事用ロボットの開発を加速させることで、戦場ではロボットが人間と同様の判断力で戦闘を行える能力を獲得させたいと思っているため、自律性の開発に力点を置いたコンテストになっていた。
一方日本のロボット開発はもっぱらエンターテイメントや癒しを目的に開発されており、平地を走ったり、ダンスをするのはとても上手だが修羅場にはほとんど対応できない状況だ。

 これはある意味で開発のコンセプトの相違でもあるが、確かに災害現場で全く役立たずのロボットでは、再び福島原発事故のような災害が発生した場合、「日本のロボットは全く無能か」というショックを日本人に与えそうだ。
世界の流れが自律性の確保に向かっていたことが図らずもこのコンテストで明らかになったが、ソフトの開発は日本人の最も苦手とするものの一つだからよほど努力しないと人間型ロボットの標準化でもアメリカに負けてしまいそうな予感がする。

(参考になるコメントがありましたので下記に掲載します)

 大会のレギュレーションからは外れますが、無線がダメなら有線でやればいいのです。長いコードを引っ張りながら動くアレです。人が指示する場所から建物までは通信を使い、建物から内部へは有線で行う。さらに作業するロボと、補助するロボをペアで行動し、有線の障害をカバーしながらの行動です。

 日本にはブシドーという優秀な姿勢制御ソフトがあるのですから、細かい作業指示は人間が行うという日本流の手法を極めていただきたいところです。
ただし平地は車輪で移動する、というのは理に適っています。不整地のある現場作業なら建設機械のように下半身は車輪やクローラーのついたメカでいいと思います。



 

 

| | コメント (2)

(27.7.10) NHKスペシャル「生命大飛躍 知性誕生の謎」は実に興味深い番組だ!!

21_1036 

 NHKスペシャルの「生命大飛躍、第3集、知性の誕生の謎」は大変興味深かった。知性とはまったく偶然の突然変異によって生まれ、それも40億年に1回程度のほとんど奇跡に近い突然変異だというから驚いてしまう。
DNAが何らかの理由でその構成要素が変わっていくのは知っていたが、そのほとんどは生物が生きていく上で不必要な変異であり、たまたま知性のような飛躍が遂げられるのは40億年のような長い年月が必要らしい。

 恐竜が滅んだのは約6550万年前の隕石の落下によるものだが、最近の発掘調査で恐竜の中のあるものは現在の哺乳類並みの知性を持っていたことが確認されているという。
哺乳類が知性を持っているのだから恐竜が持っていてもなんら不思議はなく、もし隕石の落下がなければこの地球上の支配者は哺乳類の人類でなく恐竜人間だった可能性が高いのだそうだ。

 われわれ人類の祖先の哺乳類が知性を持つようになったのは今から約2億年前の恐竜時代で、これはほとんど偶然といっていいようなDNAのちょっとした変化によるのだそうだ。
だからほとんど同時代に哺乳類と恐竜は別個の突然変異で知性を持っていたことになる。
哺乳類の知性は3cm程度の小さなねずみハドロコディウム)の大脳新皮質が突然巨大化し始めたことに始まる。この巨大化のメカニズムは、脳を作るにはアクセル遺伝子ブレーキ遺伝子があって、適度な大きさになるとブレーキが効いてそれ以上脳は大きくならないのだが、たまたまDNAの変異でブレーキ遺伝子がある一定期間働かなくなってしまったからだという

 これによってこのねずみは大脳新皮質)を巨大化させて、その結果感覚器官がそれまでのねずみと比較して異常に発達したのだという。
聴覚、知覚、触覚等の発達でいわゆるセンサーが他の生物よりはるかに鋭敏になり、その結果このねずみは夜の世界ですむことができるようになったのだそうだ。昼間の世界はもっぱら恐竜が闊歩していたから哺乳類の祖先はこの暗闇の世界を生きることで、恐竜時代を生き延びてきたという。
これを40億年に1回の奇跡といい、そのおかげで人類はますますこの大脳新皮質を発達させて、今日の文明を作るまでになったという(なお恐竜が知性を持ったメカニズムの説明はなかった)。

 現在の人類はホモサピエンスというが、今から4万年以上前まではホモサピエンスより地球上で人類の代表だったのはネアンデルタール人だった。
ネアンデルタール人は脳の大きさも体格も現在のホモサピエンスよりはるかに大きく、イメージはアメリカンフットボールの選手みたいな人類だった。
このネアンデルタール人が氷河期にマンモスや毛の生えたサイの狩りをしていたのだが、なぜ滅んでしまったかは人類史の一つの謎だ。何しろ当時は史上最強のハンターだったのだからホモサピエンスに負ける理由などなかったはずだからだ。

 番組ではその理由をホモサピエンスがかなり自由に言語を話していたのに対し、ネアンデルタール人の言語は稚拙なものだったからだという。
これもDNA分析で分かったことだが、言葉を使用するにはFOXP2というおしゃべり遺伝子が必要なのだが、通常はそれを抑えてしまう遺伝子があってなかなか言葉を話すことができない(ホモサピエンス以外がしゃべれないのはこれが理由だという)。
ところがこれも偶然のいたずらでホモサピエンスのDNAの言葉を押さえる部分が突然変異してしまい、自由に言葉が話せるようになったのだという。
一方ネアンデルタール人は昔とか わらない言語能力だったため、それ以降文化を伝える能力で決定的な差がついてしまったという。

 その一番いい例が石器でホモサピエンスの石器は時代が下がるにしたがって精緻化と目的に応じた用途別石器になっていったが、ネアンデルタール人の石器は何時までたっても同じものだったそうだ。
言語がなかったため文化を後世に伝える能力が劣っていたからだという。

へー、と思ってしまった
人類史の中で最も不可思議な事件は、このホモサピエンスとネアンデルタール人の相克で、負けるはずのないネアンデルタール人がなぜホモサピエンスに負けたかという疑問である。
数年前にNHKで放送された番組ではこの解説を、ホモサピエンスがネアンデルタール人に勝利したのは投擲器と言う武器を持ったからだという説明だったが、いまひとつ納得がいかなかった。
ならネアンデルタール人も真似をして投擲器を開発すればよかったのではないか」と思ったからである。
今回の説明では言語能力に決定的な差があってネアンデルタール人は文化を伝える能力が劣っていたため、従来の手投げやり程度の武器しか持ちえなかったことになる。

注)投擲器の発明がネアンデルタール人を駆逐したという説明の詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/01/post-de92.html

 ここからは私の推定だが、学会の主流派の見解ではネアンデルタール人は滅んでしまったことになっているが私はホモサピエンスと混血をしたのだと思っている。特にヨーロッパ人が際立って体格がいいがこれはかつてのネアンデルタール人のDNAを引き継いでいるからだと私は思っている。
混血といっても現在のような合意によるものでなく、ホモサピエンスの人類史でも種族同士の戦闘が行われると勝利者は男を全員殺し女を奴隷にして子供を作らせたが、それと同じ事がホモサピエンスとネアンデルタール人の間で行われたはずだ。
過去の人類のDNAの詳細が分かってきたので(ネアンデルタール人のDNAは完全に解析されている)そうした研究成果が出るのではなかろうかと期待をしている。



| | コメント (2)

(27.7.9) サムスン浮上せず、韓国経済が地獄に落ちつつある。「すべて日本のせいよ!!」

21_963 

 それまで増収増益が当たり前で韓国経済躍進の象徴だったサムスンが急停車したのが14年で、当時はサムスンショックといわれたが、実際は韓国経済の凋落の始まりだった。
あれから1年、サムスンの業績は対前年比で減収減益が続いており、15年4月~6月期減収減益だった。
連結決算の速報値が発表されたがそれによると営業利益は対前年比▲4%約7千億円)、売上高は▲8%だという。
15年1月~3月期は対前年比営業利益▲30%、売上高は▲12%だったから、韓国のメディアは最悪期は脱したと大喜びだが、実際は低迷が続いているといっていい。

 サムスンは韓国経済そのものといってよく、サムスン電子だけで韓国経済のGDPの20%相当を稼ぎ出して、グループ全体では30%に達するといわれている。
だから韓国経済をトレースするにはサムスンを見ていればそれだけで済むという単純な経済構造をしている。
ちょうどロシア経済を見るにはガスプロムを見ていれば済むのと同じだ。
日本の場合はトヨタの動向がポイントになるがGDP対比4%程度、グループ全体では10%程度

 「サムスンがこの惨状では他は推して知るべし」というところだが、韓国の新聞の見出しが「ありがとう、サムスン」だったのには笑ってしまった。
この意味はサムスンが昨年のサムスンショックから徐々に立ち直って営業利益ベースで見ると毎期1000億円規模で収益が改善していることを喜んでいる見出しである。
大丈夫だ、サムスンがなんとか利益を上げだした。韓国頑張れ」という意味である。

注)それまで毎期10兆ウォンの営業収益を稼いでいたが、14年7月~9月期に約5兆ウォンに落ちその後は毎期1兆ウォン程度づつ収益額は改善されている。

 だが客観的に見てサムスンの業績は下降線をたどっていてとても「ありがとう、サムスン」などといえるような状況とは言えない。
輸出環境は最悪でウォン高はとどまるところを知らず、期待のスマートフォン、ギャラクシーS6も期待外れに終わっている。
主戦場の中国ですでにスマートフォンの売れ行きが落ちていてシャオミ等に追い落とされているが、アメリカでは頑張っているというのが韓国メディアが胸をなぜおろしている理由になっているようだ。

注)中国の経済がストップしスマートフォンの売れ行き全体もマイナスになったことは前に述べた
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-48a1.html

 実際は韓国の経済は地獄に落ちつつあり、自慢の輸出は上期1月~6月)は▲5%だった。石油関連▲36%、家電▲19%、自動車▲6%だからほとんど総崩れで、サムスンもヒュンダイもLG電子もポスコも一応に業績を落としている。
こうした状況下で韓国政府は約2兆円の補正予算を組んで景気対策に乗り出そうとしているが、国会は相変わらず国会法の改正問題で審議が止まっており、補正予算すら国会を通すことができない。
企業は全く振るわず政府支出は国会の審議すらできない。消費はMERSでめちゃくちゃだし、中国の観光客は韓国を避けて日本にばかり行ってしまう・・・・・・

注)韓国国会が全く機能不全に陥っていることは以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/07/ppp-5.html

 もはや韓国経済は瀕死の状態で対応するすべさえないという状況で、さらにギリシャ問題が追い打ちをかけているので時間がたてばたつほど窮地は深まっていく。
たのみの中国経済も全く不振で出口がまったくないとはこのことを言うのだろう。
パク・クネ大統領は日本の菅首相が福島原発でパニックを起こしてヒステリー状態になったのと同様に、韓国経済のメルトダウンに遭遇してただヒステリーを爆発させているだけだ。
クヤシー、なんであたいが大統領の時に経済がめちゃめちゃになるの…、すべて日本のアベノミクスのせいだわ・・・・・」なんでも日本のせいにするのが韓国のメンタリティーだが、いくら日本を非難しても韓国経済の凋落はとどまるところを知らない。

(興味深いコメントがありましたので掲載します)

 もはやこれまででしょう。
ノキアも大苦戦とのことですが機械にノウハウのない電子商品は簡単に追いつかれます。

 産業機械はそうはいきません。例えば航空機や自動車のエンジンは 設計図を見たり、業務提携して指導を受けても、それでも尚、それでも尚簡単に信頼性の高いエンジンは作れません。失敗を重ね粘りに粘って得られたその奥の隠されたノウハウはなかなか真似られるものではありません。 国産車も30年程前までは箱根峠や日光いろは坂でトラブル続発、高速道路や荒れた道路でもよく故障したものです。
富士重工 スバル車の水平対向エンジン搭載車、マツダのクリーンディーゼルとガソリンエンジン車が欧米の本物を知ってる人達に支持され売れ行きが伸長していることは粘りに粘った技術陣の勝利です。

 スマートフォン、こんな商品は基本的にブランドは有り得ません。普段使いに差が無く、格安品にキャッチアップされすぐ置き換えられつつあります。差がなくなり追い上げられると後は単純な消耗戦です。敵はシナ勢、凶暴な人海戦術との戦いが、絶望的な戦いが残されています。 サム.....に勝ち目があるとは考えられません。




 

| | コメント (2)

(27.7.8) 韓国伝統の内ゲバ発生 パク・クネ大統領と院内代表の死闘 「あいつの首をとらないとおちおち眠れない!!」

22615_0221 

 韓国
(朝鮮名物の内ゲバが発生している。別名政治闘争というが経済の大失速やMERS発生対処をそっちのけで内ゲバを行うところが韓国の名物だ。
パク・クネ大統領と与党セヌリ党の院内代表が罵りあっている。もっとも罵っているのはもっぱらパク・クネ大統領で、院内代表は表面的には恭順の意を示しているが、その程度の態度ではパク・クネ大統領のヒステリーは収まりそうもない。
あいつの態度は表面的だ。絶対に政治生命を奪ってやる。絶対にだ!!」

 大統領制の韓国の院内代表とは丁度アメリカの議会の院内総務みたいな立場で、本来は協力して国政を担当しなければならない。しかし実際は足の引っ張り合いだ。
韓国の大統領制はどこの国の大統領より権限が大きく、国会はあえて言えば批准だけをするような翼賛国会なのだが、この状況を改善しようとセヌリ党院内代表のユ・スンミン代表と野党の党首が手を組んで国会法改正案を通してしまった。

  内容は従来政府の施行令(法律に基づき大統領府等が出す細則)が法律に合致しない場合は、国会はその内容を所管官庁に報告するだけの権限(だから全く国会のチェックが効かなかった)だったのを、「国会は施行令の修正変更を要求でき、この場合は(政府は)要求を受けた事項を処理し、その結果を報告しなければならない」と修正したものだ。

 簡単に言えば国会の権限を強化して大統領府が勝手に施行令を出す権限を弱めようとしたものだから、パク大統領が切れてしまった。
ユ・スンミンのやつ、何を考えているんだ。あたしの国政運営に国会の力でチェックをかけようとはとんでもないやつだ
先月25日にはこの法案に対し拒否権を発動し、返す刀でメディアを通じユ・スンミン批判を繰り返した。
政府の行政権限を国会が干渉するものであり、歴代のどの政権も受け入れていない。(ユ・スンミン院内代表は国会法を)自らの政治哲学と政治的論理に利用してはならない

 ユ・スンミン氏パク・クネ氏セヌリ党だが、主流派と反主流派の立場にある。
特にパク・クネ氏が掲げる増税なき福祉の拡大に対しユ・スンミン氏が「それは幻想で増税が必要だ」とかみついたりTHAAD(アメリカが韓国に配備しようとしている弾道弾迎撃ミサイル)の配備について正式に議論すべきだ」と述べたりして、パク氏が中国の習近平政権に遠慮してTHAADの取り扱いを先延ばしにしていることに対する強烈な批判をしてきた。
ユ・スンミンのやろう、あたしの政策の足を引っ張ることばかりやりやがってもう許さん。こうなったら経済もMERSもしらん。ユ・スンミンの政治生命を奪わなくてはおちおち安眠もできん!!」

 大統領と院内代表が公開の席上で非難の応酬になったのだが顔を真っ赤にして非難していたのはパク大統領で、一方ユ・スンミン氏は表面上は「パク大統領に繰り返し申し訳ないと申し上げ、大統領も私どもに心を開いてくださるのを期待する」と陳謝したのだが、陳謝はうわべだけで、「俺たちのいうことを聞け」というのが本音だからパク大統領の怒りは収まらない。
ユ・スンミンを院内代表を引きずりおろせ」とセヌリ党のパク支持議員に命令しているが、世論はどちらかというとユ・スンミン氏の味方で、一方パク大統領の支持率は日を追って低下しており、とうとう30%割ってしまった。

 主要新聞の論調は「和解勧告」一色で、これ以上大統領府と与党指導部の醜態をさらすなということだが、パク・クネ大統領は全く聞く耳をもたない。
韓国の政治闘争は激しくいったん始まると極端なまでにエスカレートして他の重要案件などすっぽかして非難合戦と相手の抹殺(かつては暗殺)が始まる。
日本が韓国を植民地化する前の大院君と閔妃の権力闘争がそれで、国家を売り渡してでもにくい相手を抹殺しようとしていた。

 韓国(朝鮮)は日本と異なり相手を許すという土壌がないのでいったん権力闘争が始まると極端にまで先鋭化してしまい、特にパク・クネ氏はその傾向が強い。
経済はどん底なのに国会法改正案で動きが取れない国政に対し、メディアは嘆き節一色になっているが、政治闘争こそが韓国のお家芸だからどうにもならないのが実態だ。







| | コメント (0)

(27.7.7) ギリシャ悲劇とヨーロッパ統合の挫折 「EU、ユーロもここまでか!!」

Dscf62041 

 新たなギリシャ悲劇が誕生した。主人公はチプラス大王といい、幻想にかられてオリンポスの神ユーロと戦い、最後に悲劇的死を遂げる物語である。
チプラス大王は群衆に向かって叫ぶ。「我に力を与えよ、ユーロを打ち負かす力を与えよ、、雄たけびを上げよ!!
群衆は歓喜してチプラス大王を支持したが、実際はチプラス大王にはたたかうべき剣もなく、やむなく竹光を仕込んで巨人ユーロの勇者メルケルと戦うがすぐに竹光と見破られ、その竹光でもって首をのこぎり引きされて息絶えたという話である。

 今回の国民投票ではユーロの提案にNOオーヒ)と投票した人が61%にのぼった。
これ以上の緊縮財政は耐えられない」ということだが、今まで公務員給与が支払われ年金も支払われていたのは33兆円規模の財政支援をEU等から受けていたことを忘れている。
今回の国民投票を経てチプラス首相33兆円の棒引きを主張するだろうが、この主張にEUがすんなり応じるわけはない。

 実際はギリシャには返済する資金などどこにもなく、ただひたすらユーロEU、ECB、IMF)から借り替えていたのに過ぎない。したがってユーロの借り替え資金がなくなれば自動的に返済は不可能になりデフォルトに陥る。
すでにIMFに対する2200億円は踏み倒しており、7月に来るECBに対する返済資金9500億円も当然踏み倒すだろう。

 そしてユーロ側が新たな支援をしなければ、ギリシャに残された手はギリシャ国家の借用証書ギリシャ通貨)を発行するよりほかはなくなる。
さあ、公務員も年金生活者もドラクマを使用しよう。この通貨は古代ギリシャで用いられていた由緒ある通貨だ!!」とチプラス首相は言うだろうが、現実には誰もこの通貨を見向きもせずすぐにユーロかドルに交換されてしまう。

 ギリシャがあくまで強硬策に出ればユーロも妥協するわけにいかないから互いににらみ合いが続き、借金返済はできないから結局は33兆円は踏み倒されることになる。
もう仕方ない、33兆円は勉強代だ。ギリシャのことはほっておこう
ギリシャはユーロにとどまってはいるが、ユーロからは村八分にされて実質ユーロから離脱したも同然になる。
国内の物価は高騰し生活はさらに苦しくなるがもうユーロからの支援はなく、ギリシャは昔のギリシャに戻るだけだ。

 一方ユーロから見るとこのギリシャ悲劇は同時にユーロの悲劇になる。ここまで拡大を続け19か国が使用しているが、とうとうユーロの拡大に限界が到達した。ヨーロッパは統合から離散に舵を切り始めた。
EUやユーロは簡単に言えばドイツとフランスの連合体だが、イギリスではすでにキャメロン首相がEUに残るかどうかの国民投票を行うと言明している。
ヨーロッパはEUの旗のもとに通貨も経済もそして政治の統合までも目指したが、通貨統合で限界を示し始めた。
ヨーロッパの復活もここまでだったのか・・・・・・・」再びヨーロッパに深い霧が立ちこみ始めた。

注)古代ローマにおいてもユーロと同様なこれ以上の拡張が不可能な時代に遭遇したのがハドリアヌスの時代である。ハドリアヌスはラキア(今のルーマニア)の土地の放棄を主張したが元老院から拒否された。具体的には以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/23720nhk-c973.html

| | コメント (5)

(27.7.6) 「明治日本の産業革命遺産」登録は承認されたが、新たな火種を残した!!

22725_057_2 

 ドイツのボンで開催されていたユネスコの世界遺産委員会で日本が登録を要請していた「明治日本の産業革命遺産」の登録が一日遅れで承認された。
一日遅れになったのは韓国が「強制徴用」という文言にこだわり、委員会の席上で意見を述べると主張したからだ。

 日本としては今回登録を申請したのは明治期における産業革命を推進した施設としてであり、2010年の朝鮮併合以前の話だと反論したが、韓国が納得しなかった案件である。
6月に行われた日韓外相会議でこの問題が取り上げられ両国は互いに申請を予定している案件を支持することで合意したとしていたものだから、話し合いは解決したと思っていたがどっこいそうは問屋がおろさなかった。

 日本と韓国の間で厳しい裏折衝が行われ最終的には日本が「意志に反して厳しい環境の元で働かされた多くの朝鮮人等がいた」と説明し、「こうした事実を記憶するための施設を設置する」ということで決着を見た。
韓国のユン外相は「強制的に労役した厳然たる歴史的事実を日本が初めて言及し」と韓国側の要望が通ったと評価し、今後日本が「この事実を記憶するための施設を忠実に設置するかどうかを見守っていく」と述べている。

やれやれ」と思ってしまう。韓国が主張する7施設について強制徴用があったかどうかについてはかなり議論がある。主として炭鉱で働いていたのだが朝鮮には十分な働き場所がなかったため日本に職を求めて炭鉱で働いていた多くの朝鮮人がいた。そうした人の労働が過酷であったのは事実だが、戦前の炭鉱労働は日本人も含めて過酷だった。

 問題の本質はこうした労働を韓国側がナチスのホロコーストで行ったユダヤ人の強制労働をイメージしているのに対し、日本は「朝鮮人も日本国民として戦争に協力させた」という立場をとっていることである。
そこで問題になるのが未払い賃金のことで、賃金が支払われなければ強制労働という位置づけになるが、日本は1965年の日韓請求権交渉で未払い賃金については支払いを行ってこの問題は解決済みだとの立場をとっている。

 今回ユネスコに「明治日本の産業革命遺産」の登録が決まったことは慶賀すべきことだが、また新たな火種を残したことになる。
韓国としては今回の登録にあたり「日本がこの事実を記憶するための施設を忠実に設置するかどうか見守っていく」と念押しをしているから、何か強制労働者像のような施設を作らないと韓国は納得しないだろう。
日本の産業革命に強制労働者とはまったく似合わないが、韓国はどうしても作らせる気だから頭が痛い。

 さらに問題になるのはユン外相が述べている「強制的に労役した厳然たる歴史的事実を日本が初めて言及しと述べていることで、今後このことをたてに三菱重工や新日鉄に対し未払い賃金の個人による請求訴訟がさらに増える可能性があることだ。
何か河野談話のような位置づけになる可能性がある。


 歴史を振り返ると日本が懸命に明治維新以来の国作りをしていた時に韓国は国内を二分する権力闘争を大院君と閔妃の間で繰り広げていただけで、全く国づくりなど無視した内ゲバをしていた。それゆえ20世紀になって日本の植民地になってしまったのだが、まともな国家運営をしていたら日本の植民地になることもなかったのに自業自得というものといえる。

注)このあたりの朝鮮の歴史については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-fe96.html

 今回のユネスコの登録では日本は外相会談の約束通り百済の歴史遺跡地区」の登録に同意したのに、韓国はいつものように最後の最後になって国際的な約束をすっぽかしごねる態度に出ている。
日本に対してはどんな悪辣非道でも許される。なぜなら36年の日帝への恨みがあるからだ」という論理だ。

 だが何回も言うが今回のユネスコへの登録案件は朝鮮とは全く関連のない話で、そもそもいちゃもんをつけられるような話ではない。
それでもやさしい日本人は外相会談で韓国の登録を承認するという妥協をしたのに、韓国は日本を世界の笑いものにするためだけに外交努力を繰り返している。

 

 

 

| | コメント (6)

(27.7.5) 中国人民銀行の悲壮な戦い 「株価維持に失敗すれば中国経済は崩壊する、何としても守るのだ!!」

031 

 中国人民銀行
による株価操作が不発に終わりつつある。昨年の秋口までは、上海総合指数は2000程度だったのが、人民銀行の相次ぐ利下げと預金準備率の引き下げでスパークし最近まで5000の大台を超えて半年でほぼ2.5倍の上昇だった。
やったぜベイビー、アベノミクス以上の成果だ!!」人民銀行は勝利感に酔っていた。

 しかし6月下旬から急激な調整局面が始まり、慌てた人民銀行が4度目の利下げと3回目の預金準備率引き下げを行ったのに効果はさっぱりで下げ足はとまらない。
ついに3日には上海総合指数はピーク時から3割もダウンして3686ポイントまで下がってしまった。

 中国人民銀行が株価の上昇に固執するのは、民間企業が市場で株式の公開をしやすくして国営会社ばかりの中国で、ベンチャー企業を育成したいからである。
国営企業はコネとワイロと独占で十分利益を上げられる体制を構築したが、一方民間会社は全く振るわず中国経済の足かせになっている。
これでは中国は国営企業ばかりになってあの崩壊したロシア経済と同じになってしまうではないか・・・・・

 中国人民銀行の度重なる政策金利の引き下げと預金準備率の引き下げで、中国株式は火のついたような上昇を始めたが、半年で2.5倍という上昇はやはりあがりすぎだ。
なぜこのような急激な上昇をするかというと中国株式市場の特殊性による。
中国では機関投資家が育っておらず株式投資の約6割から8割は個人といわれている。
個人投資家の場合は機関投資家と違ってその場の雰囲気で頻繁に売り買いをするので値動きが激しくなる。

 いわゆる提灯買いや噂によって一方方向に流れるから上昇する時はすさまじく、また下降する時はジェットコースターのようだ。
信じられないことに中国では信用取引が個人でも広く行われており、このレバレッジ効果が上昇局面ではテコになるのだが、一方下降局面になると追加担保を要求されそれができなければ強制的に株式を売却することになる。
現在の状況がそうで、強制的に売却させられ損失が膨らんだ個人投資家の自殺の噂が絶えない。

 だがそうした個人レベルの悲喜劇とは別に中国人民銀行としては非常な苦境に陥ったことになる。
人民銀行最後の切り札がこの株価操作で株価を高く維持することで資本市場からの資金調達を容易にさせ中国企業の再生を図ろうとした戦略が崩れつつある。
何としても株価を維持するんだ。こうなったら直接介入しかない!!!」
中国の大手証券会社21社を通じて約2兆4千億円PKO株価維持)資金を供出することにした。
さらに証券会社には念押しをした。
お前ら保有株の売却をしたら許さんぞ!!!」

 中国人民銀行は今持てる力のすべてを使って株価維持を図ろうとしている。
年金基金の株式の運用を認めて機関投資家を育成しようとしたり、株式売買手数料を30%引き下げている。
今が最大の戦いだ。国営企業は軒並み過剰生産で動きが取れないし、民間企業は資本市場が再びつぼんで資金手当てができなくなる。そうなれば未来永劫に中国は国営企業が非能率なまま巨大化することになってしまう・・・・・・・・ロシアの二の舞だ・・・・・・」

 中国経済の闇は深い。国営企業の決算などは日本の東芝どころの比ではなく、GDPなどは世界の笑いものになっている数字だが、そうした虚構の数字を公表している間に中国の経済実態は福島第一原発並みのメルトダウンを起こし始めている。
人民銀行は実務家の集団だから中国経済の実態はよく把握している。
この戦いに負ければ中国経済は崩壊が始まる。何としても株価だけは維持しなければ・・・・・」悲壮なのだ。

 

 
 

 
 

| | コメント (3)

(27.7.4) 「あねさん、ここは友好のそぶりを見せてくだせい!!」 韓国経済の凋落と日本籠絡戦術

017_21 

 たまたま隣にヤクザが住んでいるからといってそのヤクザと仲良く暮らす必要があるのだろうかと思う。
近所付き合いなど止めて互いに干渉し合わないようにするのが一番で、それでも何くれと因縁をつけられるのだが通常は無視して大人の態度を見せるしか手はない。

 その隣のヤクザとは韓国のことだが、今まで散々因縁ばかりつけてきたのがここに来て態度を急変し始めている。
未来志向でいこう」などといいだしたのだが、これは歴代の韓国大統領が一度は口にするが、すぐに態度を急変させ「歴史認識がなっておらんから教育してやる」などといつものヤクザに戻ってしまう。
ヤクザが本業で「未来志向」は副業だから本性を現すだけなのだが、今まで日本はコロッとだまされ「韓国は隣人だし仲良く尊重し合うのが必要だろう」などと考えて、日本の最重要技術をほぼ無償で提供しているうちに無断借用されて日本は軒下を貸して母屋を乗っ取られてしまった。

 「未来志向」とは技術を無償で盗むまでの方便で、盗んだ後は「あんたらは日帝36年の補償を支払っただけだ」とぬけぬけというので、その時になって日本はまただまされたということに気付く。
ついこの間までパク・クネ大統領は存在もしていなかった従軍慰安婦をたてに脅しとすかしを繰り返し国連やアメリカ議会で散々日本の誹謗をしてきた。これなんかは完全に冤罪で朝日新聞がでっち上げたものだが、日本はありもしない罪を着せられていた。

 それだけでなく日本が明治の産業遺産をユネスコに登録しようとしたら、朝鮮とは全く無関係なのに「韓国の許しを得なければ登録は認めない」と横槍を入れた。
兄さん、ここはおれっち韓国組のしまだ。誰の許しを得ているんデイ、落とし前をつけてもらおうじゃねいか」とすごむ。

 韓国はヤクザだから何があっても付き合わないのが最善の策で、一緒に食事をするなんてのはもってのほかなのだが、ここに来てまた韓国が猫なぜ声を上げはじめている。
江戸時代は通信使を互いに交わしていた仲だったじゃないですか、あの仲良かった江戸時代に戻りましょう」などと急に朝鮮通信使の話を持ちだしたりして何とも薄気味悪い。

注)正確に言うと日本の返礼使は対馬藩が出しており江戸幕府が出していたわけでないので相互というのは言いすぎ。

 朝鮮通信使は江戸時代に都合12回日本にきているが、主として将軍の代替わりの時の祝賀として派遣されたものである。日本での位置づけは朝貢だが、もちろん朝鮮の位置づけは違い、文化使節団で優れた朝鮮の文化を日本に伝えに来ていたということにしている。
互いに都合よく解釈していただけだが、朝鮮側の本当の狙いは日本が再び朝鮮半島に攻め入らないかどうかの確認をしていたのであり、一方日本側の狙いはそうした意図がないことを朝鮮側に伝えることにあった。だから確かに江戸時代は互いに情報を交換することで仲良くしていたという解釈も成り立たないことはない。

 さて今回再び韓国が猫なぜ声を上げ始めたのは韓国経済の凋落を防ぐためには再び日本の技術を盗むよりほかに手がなくなりつつあるからだ(中国はサイバー攻撃で技術を盗むが韓国は日本から技術者を引き抜いたり技術提携を装って盗む)。
韓国の技術は日本より下だが中国よりは上という位置づけで、それでも世界市場を席巻できたのは韓国ウォンを安価に設定して日本製品を駆逐したからだが、アベノミクスでこの戦略が全く役にたたなくなった。
中国には追い上げられ日本からは高品質の商品が安価にあふれ出したのだから韓国の立つ瀬はない。
もう一度日本の技術を盗んでキャッチアップしよう。そのためには従軍慰安婦は封印だ」

 
いつものご都合主義の友好だから、韓国経済が軌道にのれば再び「歴史認識と従軍慰安婦」が始まる。
パクあねさん、ここはどうか我慢をなさってくだせい。一時の辛抱すれば韓国経済は立ち直りまたウェノムを歴史認識で徹底的いたぶりやしょう、ウェノムはバカだからこっちの戦略に必ず乗って友好、友好なんて言い出すにちがいありやせん

 ヤクザと仲良くしても何も得ることはない。何度も苦汁を飲まされてきたがまた友好の大合唱が始まりそうだ。しかしこれは韓国経済が立ち直るまでの友好だから日本は戦略的に韓国経済を疲弊させたままにしておくのがベストの戦略になる。

韓国が疲弊している時が日本にとって安息日なのだ。

| | コメント (2)

(27.7.3) 前代未聞 なぜ容疑者は新幹線車内で自殺したか?

Dscf6841 

 釈然としない事件だ。71歳の男性が新幹線に乗って焼身自殺を行った。男性は死亡したがたまたまその車両に乗り合わせていた52歳の女性が巻き添えで死亡した。気道熱傷による窒息死だという。
ひどい話で「なんで新幹線の中で焼身自殺をして他人を巻き添えにするんだ」という思いにかられる。

 自殺した男性は日ごろから年金の受給額に不満を持っており「月12万円で暮らしていけない、年金事務所にロープを持っていって首をくくる」といっていたという。
そうであれば年金事務所か厚生労働省の前で焼身自殺をしたならば、それはそれなりに首尾一貫性があるが、新幹線の中では理由が全く立たない。

 この71歳の男性の行動はどう見ても正常ではない。自殺する場所の選定がそもそも誤っているし、それに年金が12万円で必ずしも多くないのは分かるが死んで抗議をするような金額ではない。その程度の金額で生きている人はいくらでもいるし、それでも足らなければ働けばいいので、文句を言う前にすべきことはいくらでもある。

 この事件は正常な人が起こした事件というよりも、正常な判断ができない精神疾患者が起こした事件とみなす方が整合性がある。この容疑者はいわゆる認知症の初期(まだらボケ)ではなかったかと私は疑っている。
自殺をする前に関係ない人に千円札を渡そうとしたり、ガソリンをかぶってからそばの人に「あなたは逃げなさい」といったりしているが、行動と言語に首尾一貫性がない。
特に一貫性がないのは新幹線を自殺場所に選んだことだ。

 日本は幸いにもテロの少ない国ではあるが、一方で認知症患者は世界で最速に増えている。現在の認知症患者約500万人だそうだが、2025年(10年後)には700万人になり65歳以上の5人に一人は認知症患者だと厚生労働省が試算した。
もちろん認知症の患者がすべて事件を起こすわけではないが、判断力がなくなれば何が起こるか分からないのも事実だ。
実際今回のような焼身自殺についてはJRも警察も「前代未聞」と驚いている。

 政府はJR各社に対し、こうしたガソリンのような危険物持ち込みをチェックできる体制の検討を指示したが、実際の体制整備は容易ではない。
すぐに考えられることは飛行機に乗る時のような持ち物のセキュリティーチェックだが、こうしたチェックには多大の設備と人員が必要になり、また列車運行にも支障が発生することが予想される。
世界を見渡してみても高速鉄道でセキュリティーチェックを行っているのはテロの発生が日常化している中国位しかない。

 JR各社も何らかの対応策は立てるだろうが、何をしても万全ということにはならないから常にある一定の危険と隣り合わせで生活することもやむおえない時代になってきた
日本は長い間「安全と水はただの国」だったが、だんだんと世界の標準レベルに近づいてきた。

 世界で最も安全といわれている新幹線でもこうした焼身自殺までは防ぐことができないし、他の場所でも同じような「前代未聞」の事件がいつ起こってもおかしくない時代になったのだろう。
従来は認知症問題は主として介護の問題に特化されていたが、今後は犯罪問題にも目を向けなければならないという警鐘のような事件だったといえる。

注)なお、上記の分析は事件を起こした人物が軽度の精神障害者だという前提で記載したが、別途の情報を入手したらその段階で修正する。

(興味深いコメントがされましたので転載します)


 ガソリンは専用の携行缶さえ持っていけば簡単に売ってくれます。 今回の事件は大変悩ましい事件ですが今のところどうにもなりません。
着火源さえあれば、 静電気スパークでも簡単に着火爆燃します。  

身 の回りにも思わぬ危険が存在しています。 台湾で先日若者たちが大勢火傷をおう事故がありましたが、あのふりまかれた粉、爆発的に燃えた粉はコーンスターチ、トウモロコシを微細に粉末化したもので食糧にも用いられている 粉 にしかすぎません。 勿論小麦粉も先に挙げた理由で蓄積サイロが爆発、多数の死者が発生するのはアメリカ カナダでよく聞く事故です。
 クリーニング店で石油系溶剤でドライクリーニング中に溶剤が細かい粒、液滴 が発生し衣類の摩擦[化繊の場合が多い]による静電気着火等で爆発する事故が一時多発したことがあります。店では静電気防止能力のあるソープ投入し事故防止をしていますが。 そして今この溶剤は一定の容量以上は準工地区以上でないと使えないはずですがね。

 酸素と着火源と燃えるものが、この三点が揃えば、この条件さえ揃えば思わぬ火災事故となります。 つまりこの条件はどこにでも揃っているのです。 

 ここで申し上げるのは問題と思いますが戦後70年、知っておく事と思いますので、神風特攻隊は近くに来襲したアメリカ艦隊に特攻する場合も爆弾は勿論、燃料満載で、燃料満タンで特攻自爆攻撃に向かいました。 ガソリンによる焼夷効果を狙っての事、沈没させるのが困難な事は事前に分かっていましたから効果は、焼夷効果は十分でした。
 

 



 

| | コメント (1)

(27.7.2) 「中国の夢」 私は皇帝になるのだ!! 習近平氏の野心と反腐敗闘争

Cimg25151 

 私は習近平国家主席が語る「中国の夢」とか「中華民族の偉大なる復興」とか言う言葉は一種のキャッチフレーズで選挙の宣伝文句程度のものだと思っていたが、意外にこの人は本気でそう考えているのではなかろうかと思うようになってきた。
昨今の南シナ海や尖閣諸島への海洋進出や世界の金融秩序に対するAIIBによる挑戦や、そして何よりもライバルを粛清する態度の厳格さにおいて、習近平氏は中国の最大領土だった清朝乾隆帝の時代を再現しようとしているのではないかと思われる。
彼は言う「この夢には数世代の中国人の念願が凝縮されている」。

 一党独裁政治の権力闘争は実に厳しい。日本やアメリカならば選挙で敗れれば野党になるだけだが、中国では命の保証がなくなる。
反主流派に落ちたとたんに、汚職容疑で検挙され、それまで築いてきた地位と財産を一挙に失なう。

 私は習近平氏が行ってきた「反腐敗闘争」は単なるパフォーマンスであり適当な汚職官僚を捕まえた後は「これにて一件落着」するのかと思っていたら、どうもそうではないらしいことが最近分かってきた。
習近平氏は自分に対立する権力者全員の首をとらないとおちおち枕を高くして眠れないため、腐敗闘争を止めようとしない。

 中国では汚職と権力は同義語であって、誰でも権力者は汚職をしているのだが、どんなに汚職をしていても主流派に属している限りは汚職容疑で検挙拘束されることはない。
しかしいったん反主流派になったらそれこそ一目散に中国から逃げ出すかあるいは自殺でもしない限り、逮捕されて拷問をかけられ自白を強要される。
中国官憲の取り調べは拷問ありの自白調書優先だから、ありとあらゆる拷問で責められるので、どんなことでも自白をしてしまう。
なんでもいいからあんたの望むとおりの内容で自白する。だから拷問だけは止めてくれ」泣いて頼むほどだ。

  石油閥のドン、周永康氏が逮捕軟禁され6月の初旬に非公開の裁判で終身刑を言い渡されたので、このへんで「習近平氏のトラ退治」は終了すると思っていたら、次のターゲットに李鵬一族が狙われだした。李鵬氏は天安門事件で学生を弾圧した責任者でその後首相にまで上り詰めた人物である。江沢民氏の懐刀のような人物だった。
李鵬氏の一族は電力業界を牛耳っており、李鵬氏の娘の李小琳氏が電力会社の主要なポストを歴任している。李鵬氏は2008年ころから脳梗塞を患って入退院を繰り返しているから廃人同然であり、この李小琳氏が実質的な電力業界のドンである。

 この李小琳氏が習近平氏の「トラ退治のターゲット」にされたのを察知して捜査の手から逃れようと北京空港から逃亡しようとした直前に汚職容疑で逮捕拘禁されてしまった。
石油閥殲滅の次は電力閥殲滅が習近平氏のターゲットになっている。

 周永康氏の逮捕の後に「残された虎」は江沢民氏、曽慶紅氏と李鵬氏の3名だが、このうちの李鵬氏が「習近平氏のトラ退治」の餌食になったことになる。
習近平氏のトラ退治は本気でこのまま行くと次は曽慶紅氏で、最後は元国家主席の江沢民氏ということになる。
習近平政権の前の胡錦濤政権では、こうした腐敗闘争運動は一切行わず、江沢民氏と事実上和解することで権力基盤を維持してきたが、習近平氏は果敢にもこの牙城に切り込んでいる。

  習近平氏に対する評価は今のところ二手に分かれている。
非常に果敢で決断力があり、対立勢力をぐうの音も言わさないほど抑え込んだ非常に有能な指導者でまさに清朝乾隆帝の再来だという人と、単なるドン・キホーテで怖いもの知らずなだけでやることがすべて粗雑だという評価だ。
実際にどうなるかは習近平氏が李鵬一族を締め上げ、最後に残された江沢民一派を根こそぎパージすれば中国史上歴史に残る権力者になるが、一方で江沢民派の巻き返しで権力を追われることになると、「やりすぎた指導者」として歴史に汚名を刻んでしまうかもしれない。

 今のところどちらに転ぶかは全く不透明だが、習近平氏自身は本気で「中国の夢」を語り、過去の中国最大の版図を再現しようとし、自らは中国の歴史に名を残す皇帝になろうとしていることは確かだ。

(とても参考になるコメントがありましたので転載いたします)

 国力戦力に自信を持ってきたシナの指導者が本気で旧清帝国皇帝を目指し旧清帝国最大版図回復となると、単なるシナの国内問題に止まらずロシア極東地域への領土回復戦争勃発の可能性も拡大すると思います。

 今シナの教科書にはウラジオストックは我が国の固有の領土と記載されており、沿海州、シベリヤ東部、樺太、カムチャッカ半島まで愛国熱狂者はシナの領土回復を主張しております。 この地域はアイグン条約、北京条約の不平等条約により旧ロシアが清より割譲させた地域も多くシナの言い分に理がある地域も多いと思います。

 旧版図回復は先ず南シナ海で行われつつありますが、日本に対しては沖縄はシナ領と内心決めていますので、国内を煽動し領土回復対日戦争勃発も近くなった思われます。 何と言われようと沖縄にアメリカ軍、そして自衛隊の増強は大いに必要です。

 ロシアとは北方領土問題が日露間で問題継続中ですが、ここは面積折半で妥協し日露国境画定を行い、ロシアを我が方に引き寄せ日露協調を早く取り決めることが必要です。 これはロシアにとってこの地域の領土がロシア領であることの傍証にもなり、地政学的日露両国共通の利益になります。




 




 

| | コメント (2)

(27.7.1) 愚者二人  パク・クネ大統領とチプラス首相

Dsc_00061
(友達のブログ「ちば公園のベンチから」に掲載されている利根川の夜明け。このブログの主催者はほぼ毎日利根川の夜明けの写真を撮影している)

 東西の二人の愚者が今国家を倒産させようとしている。東の愚者は韓国の大統領パク・クネ氏で西の愚者はギリシャの首相チプラス氏である。
国家の指導者が愚者だとどうなるかの具体的な事例研究としてこの二人ほど適切な人はいない。

 韓国のパク・クネ氏が愚者であることはこのブログで何回もとりあげているからいささか耳ダコだろうけれど、簡単に整理すると従軍慰安婦という存在もしなかった亡霊を呼び覚まし、ただひたすら日本を呪うという言霊政治を続けてきたことにある。
その結果従軍慰安婦問題以外は完全に無視されたから、韓国の経済はがたがたに崩壊し、政治は何も決められず、セオゥル号が沈没して300名あまりの死者が出たときは大統領は7時間も密会をしていた。
それを指摘されると産経新聞の支局長を拘束し韓国から出られないようにし、さらにMERSの拡大の時はサムスンソウル病院の名前を秘匿したため患者がこの病院を中心に拡大してしまった。

 ただひたすら日本を呪い、日本が明治の産業遺産をユネスコに登録しようとすれば、韓国とは何ら関係ないのにもかかわらずケチをつけて引きずりおろさせようとした。
パブロフの犬とおなじで日本」と聞くと「妨害せよ」と命令していただけだ。
しかしこれでは国家の指導者としては落第だ。今や韓国の日刊紙は崩壊過程の政治・経済の現状に悲鳴を上げているが、言霊政治のパク・クネ氏の耳にははいらない。
朝日の神よ、朝日の神よ、日本を呪うのじゃ、呪うのじゃ!!!! 1000年の業火に焼かれてしまえ

注)韓国経済が海面に衝突しそうなことは前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/cat44234699/index.html

 パク・クネ氏の政治は相当非道なものだと思っていたら、西のギリシャにパク・クネ氏とブービー争いをするような政治家が現れた。ギリシャのチプラス氏である。
もともとEUからの借入はすべて踏み倒すのが公約で首相になったのだから、意気揚々と踏み倒し交渉できると思ったらしいが、世の中には契約やら約束やら条約やらがあって一筋縄ではいかない。

 あまりの複雑さに嫌気をさしてアレクサンダー大王の故事を思い出した。こうしたときはアレクサンダー大王にならって「ゴルディアスの結び目を一刀両断に切断するのがいい。金は返さん、一銭も返さん、文句があるか!!!
6月末のIMFに対する返済金の約2200億円をとりあえず踏み倒し、その後のECBへの返済も踏み倒すことにし、「あとは野となれ山となれ、俺の知ったことじゃない」と居直った。

注)ギリシャの債務の総計は約40兆円でこの償還期限が次々に迫ってくる。


 国家の首相としては相当荒っぽい対応で、おかげでギリシャの銀行は資金が底をつきそうになったのでとりあえず休業になった。
金は下ろせない(正確に言うと60ユーロまでは下ろせるが紙幣切れになっている場合が多い)、送金はできない、決済機能はなくなってしまって、ギリシャ経済は19世紀に一気に逆戻りだ。
経済なんてもはやあろうはずはなく、観光客もATMから金を下ろせないので観光に訪れることもできない。

 チプラス氏がEUの提案をけったのは年金の受給開始年齢を61歳から段階的に2020年までに67歳にするように要請されたからである
この67歳という年齢はヨーロッパ諸国の標準的な支給年齢だからそれに合わせるように言われたのだが、何しろギリシャ人は働くのが何より嫌いだ。
「駄目だ、61歳で定年退職して余生を過ごす、これがギリシャ的生き方だ。働くのはドイツ人だけでいい
自己主張はすさまじいが、しかしその財源はないのでEUから調達することにしている。
ギリシャ国債を発行するからこれをECBが買い取れ。それを年金財源に充てる
もちろん最初から踏み倒しのつもりだからいくらでも国債を発行するつもりでいる。

 チプラス氏の問題は妥協ということをしないことで、一国の首相としては信じられないような資質だが、チプラス氏が運動家で政治家でないことがその原因だ。
政治とは妥協の技術であり相手のあることだからぎりぎりの妥協点を探って落としどころを見つけるのだが、それを一切しない。
ギリシャの年金支給年齢はヨーロッパの標準からするとあまりに若すぎ、しかも財源が全くないにもかかわらず引き上げには一切応じないという。
駄目だ、駄目だ、一切駄目だ、ギリシャ人に働かせるなんてオリンポスの神が許さない。働くのはドイツ人で金があるのだからそれをギリシャに回すのが神の意志だ

 はたから見ていると何を言っているのかさっぱり理解できないがギリシャ人には受けがいい。
そうよ、そうよ、働くのはドイツ、遊ぶのはギリシャ、ソクラテスの昔から奴隷が働いていたわ・・・・・・・・」

 運動家が国政を運営すると国家が滅ぶ典型的な例がギリシャになりそうだ。
こうして東西の愚者が今二つの国家を倒産させようとしている。


 


| | コメント (2)

« 2015年6月 | トップページ | 2015年8月 »