« (27.6.28) これぞ中国 「1970年代の肉がおいしいよ!!」 | トップページ | (27.6.30) 愚かなギリシャ、チプラス首相のチキンゲーム 「死ぬのはギリシャかユーロか!!」 »

(27.6.29) 再び株価が落ち始めた。景気は回復しないのにどうしたらいいんだ・・・中国人民銀行の悩み

23725_082 

 中国人民銀行
が慌てふためいて株価維持政策PKO)に乗り出した。
まずいじゃないか、せっかく上海総合指数を5000ポイントまで回復させたのに、このままでは4000ポイントをまた割り込む。なんでもいいから金を出して支えろ!!」
政策金利を0.25%引き下げ、預金準備率も引き下げた。現在の中国の株式相場は人民銀行の資金力だけに支えられている。

 中国経済そのものは昨年の夏場ごろから全く成長はストップしてしまい、株価を押し上げる要因は全くない。一応GDP統計では7%成長をしていることにしているが、それが本当なら世界でも屈指の成長率であり、こんな時に政策金利を引き下げたら経済が完全に加熱してしまう。金融マンは実務家だから政治家と異なって嘘はつかない。
昨年から3回も政策金利を引き下げたのに経済は全く反応しない。反応したのは株価だけでそれも少し手を緩めるとすぐに下げ基調になる。これでは半永久的に政策金利を引き下げざる得ないではないか・・・・・・・」

注)中国経済に実態については以下参照。GDPが7%成長しているというのは単なる政治的プロパガンダ
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-cd7f.html



 貸し出しの基準金利5.10%から4.85%に引き下げたが、中国はまだ引き下げ余地があるのだから大したものだ。
アメリカや日本やEUはとっくに政策金利が0%に張り付いてしまい、金利政策なんて言葉を忘れてしまった。
その点中国は経済学の教科書に従って金利引き下げ措置を行っている。

 笑ってしまうが現在の経済運営で最もケインズ経済学に忠実なのは中国だ。
リーマンショック後に56兆円規模の公共投資を行ってバブル崩壊の経済停滞からすぐに立ち直ったのは記憶に新しい。
日本が停滞の20年間に毎年10兆円規模の公共投資を行ってきたが、中国のようなまとめて集中することはしなかった。
その結果「本の公共投資は常に遅すぎてかつ少なすぎる」と揶揄されたものだが、それに比較して中国の公共投資は大成功だったと評価された。

 だがここに来て中国の評判も地に落ち始めた。最初こそ景気回復に貢献したがその後はさっぱりで、特に昨年の夏場からは全く成長が止まってしまった。
ミクロの指標を見れば中国経済の停滞は明らかで、鉄道の輸送量は昨年から停滞し、輸出も前年比割り込み、自動車販売も急停車している。
不動産販売は誰も見向きもしないのが実態だ。

 アメリカや日本やEUはとっくにケインズ政策基準金利の引き下げと公共投資の増額をいい、金融財政政策と言ってきた)をあきらめ、今は金融の量的緩和策を実施している。
金利など引き下げ余地はないし、公共投資などする資金もない。中央銀行に紙幣を刷らせて株価と不動産を上げるしか方法はないじゃないか・・・・・・・」これをバーナンキ方式という。
アメリカと日本とEUからケインズ政策が消えて久しいが、それを今なお守っているのが中国とは歴史の皮肉だ。
共産党支配下の中国を救うのはケインズです」なんてマルクスが聞いたら目をむいて怒りだすだろう。

 だがこの方式は日本が停滞の20年間に繰り返して実施し効果がなかったと評価された方法だ。毎年10兆円規模の公共投資を20年間続けたのだから約200兆円の公共投資を行い、金利も徹底的に下げてゼロ金利政策を実施してきた。
その結果が1%前後の経済成長だったのだから、ケインズ政策とはそれ以上悪くしないための方策で経済成長そのものには全く寄与しなかったように見える。

 これは少し考えてみれば当たり前で日本のように十分に発展した資本主義国では投資余力がなくなり、簡単に言えば道路も橋も港湾も飛行場も有り余るほどあるから、いくら公共投資を行っても無駄な投資物件が増大してかえって荷物になってしまうからだ。

 さて問題は中国だ。中国は日本のように高度に発展した資本主義国ではないから投資余力は十分にあるのだが、中国には中国の問題があって投資が利権集団によって行われていて効率的でない。一番いい例が鉄道で中国では毎年10兆円前後の鉄道投資を行ってきており、特に今年は景気対策として13兆円の投資を行うという。
日本全体の公共投資を大幅に上回る金額で、中国中に鉄道の建設をしているのだが、これでは鉄道ができても乗る人がいなくなってしまう。
乗っているのはパンダだけというような惨状だ。

 中国には投資を最適化するメカニズムが働かないので、日本と同様に公共投資が有効に機能しなくなってしまった。
かくして中国はせっかくケインズ政策を実施しても日本の停滞の20年と同様の低成長に陥ってしまっている。
結局中国も日本と同様に残っている資産をケインズ政策で費消しつくし、最後はバーナンキ方式で紙幣を印刷する以外に方策がなくなるまで追い込まれるだろう。



 

 


 

|

« (27.6.28) これぞ中国 「1970年代の肉がおいしいよ!!」 | トップページ | (27.6.30) 愚かなギリシャ、チプラス首相のチキンゲーム 「死ぬのはギリシャかユーロか!!」 »

評論 世界経済 中国経済」カテゴリの記事

コメント

>日本のように十分に発展した資本主義国では投資余力がなくなり、簡単に言えば道路も橋も港湾も飛行場も有り余るほどあるから、いくら公共投資を行っても無駄な投資物件が増大してかえって荷物に

そういう時は科学技術開発に投資を振り向ければいいんですよ~
いくらでも余地はありますよ、ロボットとか太陽光発電の効率とか、人工細菌とか

あと、最近の日本では、土建的な公共投資だって必要だと噂ですよ
具体的には、道路や水道のメンテナンスと、首都直下地震対策

投稿: abraaa | 2015年6月29日 (月) 20時35分

日本で土木投資が必要ではないなら、なぜコンテナ船は香港やプサンで大型コンテナ船に積み替えてから北米へいくのでしょう?神戸や横浜はすでに浅いんですね。大型コンテナははいれません。浚渫工事が必要ですね。リニアなんてなぜ政府はJR東を支援しないのか?あれは首都分散化に絶対に必要なものでしょう。財務省のプライマリーバランス重視は裏がありそうですね。

投稿: NINJA300 | 2015年6月30日 (火) 09時16分

コンテナ船の超大型化に伴う大深度岸壁については、日本では横浜南本牧埠頭「MC3埠頭」が完成して利用が開始されています。
たしか ー18mバース岸壁で現在の最大大型コンテナ船でも十分OK。 尚隣接地にも「MC4」計画で岸壁延伸工事中。おっしゃてる 既存の岸壁の深度浚渫は出来ません。 不可能です。 新設するしかないのです。

後背ドッグヤード 大型クレーン 道路物流ルートの整備、完成しております。遅ればせですが着々とやっています。
日本にやってくる超大型コンテナ船で -18mの大深度岸壁 を必要とする貨物過積載状態で到着する船は、航路からもアメリカ西海岸から発船して日本に着岸する船で、アジア航路の最初の着岸地だからです。 もはや釜山経由の屈辱は晴らしつつあります。 [日本発も同じ]

釜山 高雄 香港が伸びた理由はこの地域の経済発展が第一の理由です。 
例えば日本も名古屋港は大きくずっと進展し続けております。 トヨタ ホンダの貢献が第一でしょう。  尚 港湾名で順位を挙げる時、古い意味の横浜港とか東京港 川崎港 千葉港と分けるのは最早有り得ません。 一括して「東京湾港」とでも言うべきでしょうね。 機能が分割されているからです。 地図をご覧ください、東京湾は横須賀から千葉港までほとんど一体の港、岸壁です。

投稿: 絶望人 | 2015年7月 1日 (水) 11時48分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (27.6.28) これぞ中国 「1970年代の肉がおいしいよ!!」 | トップページ | (27.6.30) 愚かなギリシャ、チプラス首相のチキンゲーム 「死ぬのはギリシャかユーロか!!」 »