« (27.6.29) 再び株価が落ち始めた。景気は回復しないのにどうしたらいいんだ・・・中国人民銀行の悩み | トップページ | (27.7.1) 愚者二人  パク・クネ大統領とチプラス首相 »

(27.6.30) 愚かなギリシャ、チプラス首相のチキンゲーム 「死ぬのはギリシャかユーロか!!」

21513_011 

 いやはや驚いた。ギリシャのチプラス首相とドイツのメルケル首相チキンゲームを始めたからだ。最も仕掛けたのはチプラス首相で、メルケル首相は致し方なく応じたのに過ぎない。
この6月30日を期限とするギリシャ支援策の延長を巡って、チプラス首相は7月5日に国民投票を行うという。

 投票の内容はEUの支援策の是非を問うもので、「これに反対投票をしろ」とチプラス氏は意気軒高だ。
途方に暮れたのはユーロ圏の財務相たちで「チプラスはいったい何を考えているんだ。せっかくの妥協案をけって国民投票とは頭がおかしいのではないか」と息巻いている。

 私は前のブログでギリシャ問題はもはや終わったと記載したが、これは即断しすぎたようだ。
ECBが毎月10兆円規模の資金緩和に乗り出したので今更ギリシャにきつい緊縮策を押し付けることはなく、したがってギリシャも妥協すると思っていたが、チプラス氏は一ミリたりとも妥協しないと突っ張った。

注)私がギリシャ問題はすでに終わったと書いたブログは以下の通り
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/post-affe.html

 ユーロ圏が出した妥協案は非常に微温的なものであり、① 年金の支給開始年限を現在の61歳から2020年までに段階的に67歳まで引き上げること、② 空港や港の一部民営化の二つだから、これなどユーロ各国がギリシャに妥協させるために示した提案だ。
ここまでは読み通りだったがそれをチプラス氏は「駄目だ年金の支給開始期間を引き上げることは断じてできない。ドイツ人は働くのが好きだがギリシャ人は働くのは嫌いだ。年金財源はないからEUがギリシャを支援して年金を払え」とばかりに突っぱねている。

 ドイツのメルケル首相としてははらわたが煮えくり返る思いだろう。すでにEU側はギリシャに対し33兆円余りの支援をしてきており、ドイツ一国でも7兆円余りの支援をしているのに「それでも足りないから支援を継続せよ、代金はドイツもちだ」といわれているに等しい。
政治とは妥協の技術でどこで妥協を図るか懸命に探るものだが、チプラス氏は政治家ではなく運動家だから妥協など一切せず、それをするなら国民投票の結果を受けてだと居直っている。
私はEUの提案に反対だが、国民がイエスといっているなら仕方ない」何とも都合のいい論理で自己保身そのものだが、運動家とはえてしてそうしたものだ。

 日本でも沖縄の辺野古への移設を巡って仲井眞前知事は政治家だから妥協案に応じたが、現在の翁長知事は一切の妥協をしないと突っ張っている。
チプラス氏と翁長氏はメンタリティーとしては国が違っていても心の友だ。

 しかしギリシャ問題はチプラス氏がチキンゲームを始めたために市場が大荒れになってきた。市場の一般的な見方はチプラス氏もメルケル氏も妥協に向かいギリシャ問題は軟着陸するということだったので、驚いた東証などは約600円も日経平均を下げてしまった。各国の市場も同様の流れだ。

  チプラス氏の国会演説が振るっている。
民主主義が生まれた国で市民の声を生かし民主社会を守るためにEUの許可を求めるようなことはせず、国民投票を行う
民主主義が生まれたのは確かにギリシャだが、現在のギリシャとは場所が等しいというだけで何の関係もない。
何しろギリシャは東ローマ帝国滅亡後はオスマントルコに約400年にわたって植民地化されていたし、オスマントルコから200年前に独立したものの第一次世界大戦までは王政だった。
その後も王政と共和政と軍事政権が交互に樹立されており、とても民主主義国家だといばれるような状況でない。
あえて言えばオリエント風国家といった方が実態にあっている。

 ドイツにとってはギリシャは目の上のたん瘤だ。何しろ駄々をこねることだけは一人前で、ドイツが少し強気に出ると「第二次世界大戦の戦後賠償金をよこせ、金額は約20兆円だ」と居直る。丁度日本と韓国の関係がこのドイツとギリシャの関係で、日本人に説明するなら「ギリシャとは韓国のような国家だ」というと納得できるだろう。
このチキンゲームはいったいどうなるだろうか。
7月5日までの国民投票日まで全く目が離せない状況になってきた。
それにしても運動家という人種は厄介なものだとつくづく思ってしまった。

 

|

« (27.6.29) 再び株価が落ち始めた。景気は回復しないのにどうしたらいいんだ・・・中国人民銀行の悩み | トップページ | (27.7.1) 愚者二人  パク・クネ大統領とチプラス首相 »

評論 世界経済 ギリシャ経済」カテゴリの記事

コメント

大変だ、大変だ

ギリシャがとうとうグレちゃった

普通の人が一つの事件をきっかけに大きく変身するのを歴史では英雄と呼ぶことも

ただEU離脱問題ではチプラス氏はクレオンの二代目になってしまった

国民にとって本当に不幸なことに

投稿: makina670 | 2015年6月30日 (火) 08時24分

後知恵ですが、バルファモス財務相もチブラス首相もヤクザそのもの、あの服装 物腰を見ればちょっと人種が違うなとは皆思っていた筈。 こいつら始めっから穏やかに交渉する気など全然無かったんでしょう。
あの服装 態度 物の言い様。 もうどうにもならず ちゃぶ台をひっくり返し相手を脅し開き直る、「サー殺せ」と開き直る、最初っからそのつもりだったんでしょうね。 
新政権ができてそれからしか手は打てないでしょうから、一旦破綻、その後何とかユーロ圏にだけは残してIMFに手厳しく治療してもらうしかもうありませんね。 

貿易依存度の異常に高いシナと韓国はヨーロッパとの取引が多いと聞いてますがそうであれば楽しいニュースがまた聞けそうですね。

投稿: 絶望人 | 2015年6月30日 (火) 09時35分

さて、年金など福祉制度を切り詰め、公務員を削減するなど
緊縮財政をやれば権力の座から引き下ろされる。
税金を増やせば、同じく不平をかい、政権引き渡しにつながり前の民主党のような名門名利だけ私利私欲だけの国賊どもが政権を握り日本国を破滅させる。
中国、韓国が泣いて喜ぶ。
ゆえにだれも緊縮財政をやれない。
日本国の歳出がどんどんふくらむ、
ああ、今後どうすればいいのでしょうか?
山崎先生~。

投稿: 荒海や~ | 2015年6月30日 (火) 20時19分

 勝手気ままに言わせ頂く。

 ギリシャをユーロに留めて置きたければ、EUとしてギリシャを経済特区的な地域として、産業を起し自立できるようにしたら良いのだ。無理してユーロに抱き込んだのだ。ドイツ中心にして、自国の反映だけでなく、他国の向上にも配慮し、殖産興業をなしたら良いのだ。ギリシャ一国の経済規模は小さい。ドイツ一国のこれまでの利益を一部回せば済むことだ。良い前例のなるだろう。自分たちの税金をギリシャには回せないからとかが出来ない理由のようだが、同一通貨経済圏がかくも広ければ、でこぼこは出る。一国の経済政策はそれぞれやらせて、うまくいかないとその国に緊縮財政を強いるだけでは、片手落ちだ。

 この前例はある。わが日本である。戦前に荒れ放題の台湾や朝鮮の地を20年ぐらいで見違える国土にしていったのだ。このくらいの大きな構想を持って戦略を練る必要はないのか。経済力の強い国は強いまま、弱い所は貧乏に耐えよでは、ユーロ統合の意味がないだろう。
 ただし、これにはギリシャも相当な覚悟がいるが。

投稿: hiromiya | 2015年6月30日 (火) 22時05分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (27.6.29) 再び株価が落ち始めた。景気は回復しないのにどうしたらいいんだ・・・中国人民銀行の悩み | トップページ | (27.7.1) 愚者二人  パク・クネ大統領とチプラス首相 »