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(26.6.26) ロシアのクマが動き出した。 流し網漁の禁止はロシアのカードになるか?

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(友達のブログ「ちば公園のベンチから」に掲載された利根川の夕陽)

 私のように漁業関連の知識がないと流し網漁といっても今一つよくわからない(小型漁船が網を引っ張る漁法のようだ)。
今回ロシアの議会でカムチャッカ周辺のロシアの排他的経済水域EEZ)内での流し網漁を禁止する法案が可決された。
日本はこの水域で長い間ロシアとの二国間協定で流し網漁を実施してきたが、ロシアの環境保護団体がこの流し網漁の禁止を強く求めていた。
サケ・マスを一網打尽に捕まえるので資源保護の立場から認められないというものだ。

 この漁法はロシアのサハリン州周辺の漁業者も行っており、禁止になると日本だけでなくロシアの流し網船団も操業できなくなる。
だから法案提出者は「これは日本をターゲットにした措置ではなく、あくまでも漁業資源保護のためだ」と述べているが、実際は漁業資源保護が半分、日本がロシア制裁に参加していることへの意趣返しが半分というところだろう。

 日本の漁船団は根室市の花咲港を母港とする船団が主体で戦前からここを基地としてきたが、実際の水揚げ量は年々減少してきている。
1995年のピーク時には2万8千トンをこの海域でとっていたが、昨年は6400トン(33億円、そして今年は1961トンで風前の灯になっていた。
1961トンは日本の全体のサケ・マスの水揚げ量15万トンの1.3%程度だから決して大きなウェイトではないが、根室市花咲漁港の関係者にとっては大きなインパクトになっている。

注)日本全体のサケ・マスの消費量は約40万トン前後で、このうち約6割が輸入になっている。日本での水揚げ量15万トンのうちほとんどが定置網漁で流し網漁は細々と継続してきた。

 北海道は漁業と農業で持っているところがあるが、北方海域のサケ・マス漁業は年年歳歳先細りだった。私は夏になるといてもたってもいられなくなって北海道で歩いたり走ったり自転車に乗って旅をしているが、この根室周辺はことのほか寂しいところだ。
根室市の人口は昭和40年のピーク時には約5万人だったが、最近は毎年のように人口が漸減し今では3万人を割り込んでしまった。

 根室市の唯一の産業が漁業だが、日本の漁業は輸入と養殖にうつってきており船団を組んでロシア沿岸で操業するのは北島三郎が歌う演歌の中の世界になりつつある。漁業の衰退に合わせて根室市の人口も減少している。
安倍首相はプーチン大統領に流し網漁禁止措置の善処を求める電話をかけたが、実際の影響はそれほど大きなものではなく、不足をするサケ・マスは輸入量を増やせば何とでもなるというのが実態だ。

 安倍首相とプーチン大統領はことのほか仲がいいから何らかの妥協点を見出すかもしれない。だがサケ・マスの流し網漁が禁止になったとしても日本全体では特に痛痒を感じるような事態ではない(根室市花咲漁港の関係者にとっては死活問題だが・・)。

 
今年中にプーチン大統領の来日がささやかれているが、その時に北方領土問題が解決するかどうかの方がはるかに重要な問題だ。
プーチン大統領としてはG7各国の制裁措置に悩まされており、なんとか仲の良い安倍首相に制裁措置の緩和を働きかけてもらいたいと思っている。
さて土産は「オホーツク海のサケマス流し網漁」か「北方領土」か、それとも完全な「手ぶら」になるのか分からないが、制裁措置の緩和は日本の安倍首相に頼むか、あるいはドイツのメルケル首相に頼む以外にプーチン大統領に選択肢はない。






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評論 世界経済 ロシア経済 プーチン」カテゴリの記事

コメント

かつてアメリカとロシアの冷戦が緩んだら北方領土問題が解決するかも?
と思ったのは全くアマチャンでしたね。
今後も領土問題が解決するとは到底おもえません。
アメリカの陣営から出てもないでしょう。
世界の目は最前線は戦略基地で戦地ですから。
沖縄と同じように・・・・

投稿: ど~こ吹く風 | 2015年6月26日 (金) 11時41分

・ サケマス資源 減少。
・ 母川国主義 による 漁獲規制。
・ 海水温上昇による サケマス回遊域 一部消滅。全体水域が狭くなっている。 これらの資源要素。プラス ロシア極東経済。
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鮭鱒漁 資料として . . ニチロ サーモンミュージアム http://www.maruha-nichiro.co.jp/salmon/ 。定置網漁・流し網漁も。資料アリ。
沖獲り漁(オホーツク・北太平洋)の諸問題のうち、獲り過ぎによる記事。
・揺れる北海道サケ・マス漁 www.kotoni.net/kadowaki/kado/suisan/sakemasu.htm
・中型サケ・マス漁船の盛衰↓ http://www.kotoni.net/kadowaki/kado/gyogyoshi/8.htm
「昭和47年の減船は形式的なものでした。トン数の売買も公然と行われていて、50年ごろは中部サケ・マスの権利が5億くらいで …(略)
52年と53年に連続して減船しましたが、そのときも余力がある人がやめていった。 …(略)
まだまだ権利が4億くらいで売れて、船体も合わせば5億の金が入りました。経営内容の悪い人ほどやめられなかった」 …(略)
「私が払う税金だけで歯舞漁協の全コンブ漁家の税金を上回った年もあったくらいです。根室では中型船の黄金時代が長く続きました。
でも最後はみじめなものでした」 …(略) -
--
サケマス中型漁船 (例 ) 70~80トン。全長30〜35m。水線長25m程。全巾5.0〜5.5m程。乗組員17〜20名。約10ノット(新船時)。
小型 はもう2まわりほど小さい。
最盛時の北洋サケマス船は、大船団を組み.6月頃から、鮭鱒を獲りに寒風荒天のベーリング海に長躯漁労に携わり、加工品(缶詰)を輸出。
現在は.小型(~30トン・中型(70~90トン)共に漁獲規制のため激減傾向。
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世界的傾向として、天然サケマス→養殖サケマスに移行する傾向。北欧・南米ではフィヨルドを利用し、大規模養殖し、日本も大量に
輸入・消費しています。(商品:アトランティック・サーモン。トラウト・サーモン)
日本では、湖沼養殖が成功し (商品:シナノユキマス) 市場参入した。
※ 東北地方のリアス式海岸での養殖は … 水温が大型サケマスの養殖には高く不適らしい。困難 ... 。.. ト か。
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ロシアは、日本に サケマスを大量に売りたい…。売れると思っている。
しかし、ロシアの水産化工業の技術水準は低い。アラスカ・カナダでは日本の技術指導で 格段に向上し特に「日本向けの製品」は
「米国向け…」よりも高額で 輸出している。
トコロが、ロシアの水産加工品=(塩-加工・切り身加工など)の水準では、日本の消費者に受け入れられない。
ダカラ 輸出出来るのは、加工用:冷凍サケ・マスとなってしまう。ロシアはふと..考えた。
…カナダの 「日本向けのサケマス」は台湾・支那にも再輸出されているらしい ! 「日本人の作ったススモークサーモン」は、
台北・上海・香港では 1匹-ドル換算500$と 言うではないか! !。 ロシアが輸出している冷凍サケは1匹-ドル換算1~1.5$だ!。
-
そこで、根室 釧路の加工場が千島に..《マルゴト(設備・技術しど・資本・) 》移転してくればOKだ。と目論んだ?
領土を将来返す(かも??)…をカタに ... 南朝鮮スタイルの 〈資本投資・水産加工場誘致 技術移転〉。
加工場の労働者は …朝鮮半島。支那東北部から出稼ぎ労働者を充てる。 ロシア人は監督者にすれば良い。
--
シベリアの「天然ガス」「森林資源」「オホーツク・ベーリング海のカニ・サケマス」を売って、日本から 自動車・機械を買う。
シベリアは、朝鮮半島・支那からの移住労働者を使って《天然資源》を売り高度工業品を買う。シッカリ 後進国経済と言える。
だが、シベリアの《天然資源》も、、いつかは枯渇する。 すでに「シベリア森林資源」は先が見えてきた。
寒冷の地で困難な植林に務めても、再度 林産経済を支えるの規模の森林成長に 約80~100年はかかる … はるか遠い先の未来だ。
いまも、過去も千島列島とサハリンは 経済自立出来ていない。 カムチャッカ半島を冷凍サケマス輸出で一息つくためシベリア東端に
冷凍魚輸出基地を造る。次に千島・サハリン地域経済が採算に近付くようにしたい … のが、《モスクワ》の願望と 思います。
-
プーチンの年内来日も 北方領土返還交渉の第1段階… ではなく。 「天然ガス・水産物」輸出。
「サハリン地域 商・工業」技術支援・投資要請。
または、「サハリン・千島・カムチャッカ」への〈資本投資・水産加工場誘致〉だろうと推測。

投稿: たなか | 2015年6月26日 (金) 17時43分

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