(27.6.19) 新国立競技場建設 文部科学省が尻をまくった「舛添なんかもう知らん!!」
(友達のブログ「ちば公園のベンチから」に掲載されている利根川の夕焼け)
もう 四の五といっていられない立場に追い込まれてしまった。文部科学省の新国立競技場建設のことである。
デザインが奇抜すぎてゼネコンは逃げ腰だし、東京都の舛添知事は説明を聞かなければ一銭も金を出さないというし、IOCからは新国立競技場の問題を早く軌道に乗せろとせっつかれるし、時間はどんどんたつし、完全に追い込まれてしまった。
「もうこうなったら、やるっきゃない!!」
注)舛添東京都知事との交渉経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/06/qq-e851.html
面倒な舛添知事の説得や、デザイン設計者バディド氏への設計変更の要請をあと送りして、とりあえずゼネコンと工事契約を結ぶことにした。
そうしないと19年3月までの完成はおろか、20年のオリンピックにも間に合わないかもしれないからだ。
実際の契約は文部科学省の外郭団体JSC(日本スポーツ振興センター 会長は元総理の森氏)が行うのだが、最終的な責任は文部科学省にある。
問題の発端はバディド氏のデザインを採用したものの技術がデザインに追いつかず、当初予算の1300億ではとても建設が不可能だと分かってからである。
1300億はメイン会場としての建設費としては破格に高額で2012年のロンドン大会の930億円(最終)をはるかに上回っていたが、それでもとても費用が足らず一時は3000億円まで膨らむといわれていた。
慌てた文部科学省が「屋根はいらん、可動式スタンドなんてナンセンスだ」だといって予算を削ったのだが、それでも1625億円になり、さらに昨今の資材費や人件費高騰の余波で「やはり予算は2500億円程度かかりそうだ」という話になっている。
文部科学省は完全に浮き足立っており、「もう舛添なんかと話をしている場合じゃない。バディドが何といおうと難しいデザインはゼネコンができないといったら止める。何が何でも19年3月までに完成させて、オリンピックの前年のラグビーW杯に間に合わせる」と尻をまくった。
注)オリンピックの前年の19年9月に日本でワールドカップラグビーが開催される。
ゼネコンとは大成建設と竹中工務店だが実際の作業段階に入るとゼネコンがその気にならなければどうにもならないのが実態だ。
技術も人も資金も集めてきて昼夜突貫で完成させてしまうのが日本のゼネコンのスタイルで、従来は予算オーバーの赤字部分をゼネコンが負担してきた。
「日本のランドマークを作るのだから少々の出血は致し方ない。技術を見せ付けてやる」
しかし現在はゼネコンもせちがらくなり(公共工事が少ないため他の仕事で穴埋めできない)収益が確保できないような工事を引き受けたがらない。
今のままではどうみても赤字になるのでゼネコンまでも逃げ腰になっている。
「ここでゼネコンにまで逃げられたら新国立競技場など作れないじゃないか・・・・・」
文部科学省はとりあえずゼネコンと工事契約を締結して首根っこを抑えて逃げられないようにさせ、費用については別途考えることにしたようだ。
「舛添も最後は費用分担に応じるだろうが話し合いなどやっている暇はない。もし金がなければtotoの収益金を配分する方法だってある・・・・・・」
「それにバディドのやつ、妥協するつもりはない、などといっているが依頼主はこっちであんたじゃないぞ、必要があればデザインは変更する・・・・・」
工事契約は7月上旬までに結び9月からは工事に着工する計画だ。
文部科学省は完全に切れてしまっている。
「テンヤデー、矢でも鉄砲でも持ってこい、交渉などしている暇はねい。俺が作るといったら何が何でも作るんだ」という雰囲気だ。
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コメント
そこで囁かれる味の素スタジアムをそのまま新国立にスライドさせる案ですよ。
正式名称は東京スタジアムで都が握っていますから。
ザハ案では叶わないサブトラックも味スタは既に備えた上で一昨年の国体開催経験さえあります。
あとは世論形成だけでしょう。
投稿: 読者 | 2015年6月19日 (金) 07時37分
今日のキメの 一言。 < 「テンヤデー、矢でも鉄砲でも持ってこい、交渉などしている暇はねい。俺が作るといったら何が何でも作るんだ」… (空笑い。
もともとの、コンペが … 「新国立競技場は建てちゃダメです」 HUFF POST で 、< どんどん仕様が膨らんで、「全部入りラーメン」みたいな … 。
... http://www.huffingtonpost.jp/2015/01/02/no-new-national-stadium_n_6405616.html
出来の悪い . . 山間僻地再生策公募みたようなトコロからスタートして、審査がカギカッコ付きの『高名な文化人』の大先生達。それで採用案は …
「現在の建築技術で 実施不可能では … ナイ デスけどぉ〜。ちょっと コレは … 」。でありました トサ。
外苑にコノ《 バケモン》を造って20年後・30年後まで 維持・利用を計るのはタイヘンでしょうなぁ〜。 なんか〜。隣の国を彷彿とさせてくれます。
開会式・閉会式を 他の場所に移すのが正解でしょうが …。
投稿: たなか | 2015年6月19日 (金) 11時31分