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(27.5.21) 中国世界金融秩序への挑戦 かろうじて残っているのはAIIBだけだが・・・・

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 中国が2009年以降仕掛けてきた国際金融秩序への挑戦AIIB(アジアインフラ投資銀行)を除けば失敗に終わりそうだ。中国が仕掛けた3点セットはBRICS銀行緊急時外貨準備基金、それとAIIBであり、これはアメリカが戦後築いてきた世界銀行、IMF,アジア開発銀行への挑戦といえる(アジア開発銀行は実質的に日本に任されている)。

 BRICSとはブラジル、ロシア、インド、チャイナ、南アフリカの略称で、この5か国が世界銀行に変わる役割を果たすべくBRICS銀行を設立すると宣言したものだ。世界銀行の出資比率はアメリカ16%、日本7%でこの比率に基づき投票権がある。中国は4%程度で全く発言力がなく、アメリカと日本とヨーロッパが組めばどんな評決でもできる。
くそ、世界銀行をつぶして俺たちの世銀を作ろう」中国が音頭をとって呼びかけたのだが、数年前はBRICSは上り竜で5か国の意見がまとまった。
昨年7月、5か国で100億ドルづつ出し合って、当面500億ドルの資金を集めて15年末にも業務を開始することにしていたが、急激に世界の経済情勢が変化した。

 昨年の夏場から激変と言っていいほど原油価格が値下がりし、それだけでなく鉄鉱石も石炭もありとあらゆる鉱物資源の価格が低下した。鉱物資源依存国のロシア、ブラジル、南アフリカの3国の経済がマイナス成長を始めた。もちろん出資する資金などはどこにもない。
いったいどうしたのだ、石油も鉄鉱石も銅鉱石もレアメタルも売れなくなった。世界経済に何が起こったのだ!!!」慌てふためいたが原因は中国である。

 中国経済は昨年の夏にはピークを打っており、現在は急激な生産の縮小に見舞われている。健在なのはホラで固めたGDP だけで輸出入量も鉄道輸送量も電力消費量も不動産の販売も対前年比急激に低下している。
それまで世界を引っ張て来た中国経済の大失速によって、中国に資源供給をして発展してきたロシア、ブラジル、南アフリカ経済も大失速している。
かろうじて経済成長をしているのはインドだけで、中国を除くと後の4か国は貧乏人ばかりの集団になってしまった(インドは経済成長しているが国際収支は常に赤字で資本輸入国)。

注)中国経済の失速については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/post-cd7f.html

 「果たして貧乏人が集まって新規に世界銀行を経営できるだろうか???」全員が疑問に思っている。かつてアメリカが世界銀行を創設していたころのGDPは全世界の約5割だった。中国は現在13%程度だから当時のアメリカの足元にも及ばない。
本部を上海に置き初代総裁をインドに譲ってなんとか体裁だけは整えたが、これでは融資など夢のまた夢だ。
まあ、仕方ない。融資をするふりだけはしておこう」というような状態だ。

 緊急時外貨準備基金はIMFに対抗してBRICS諸国の中で資金を譲り合おうとしたもので、1000億ドルの枠組みのうち中国が410億ドル拠出することにしている。これは完全に中国主導の疑似IMF体制を目指したものだが、さっそくロシアやブラジルや南アフリカやインドが泣きつきそうだ。
中国さん、なんとかお金を貸してください。わが国は倒産するかもしれません」中国以外は拠出など夢のまた夢で、これなどは単に中国にたかるのと変わりがない。

注)IMFの出資比率はアメリカ16%、日本7%であり中国は4%になっている。BRICSは出資比率の増加を求めて運動してきたが、アメリカと日本の反対にあって増加を阻止されている。

 もう一歩で中国が世界金融秩序の改革に成功しそうだったが情勢が変わったのだ。14年の夏にそれまで世界を引っ張ってきた中国を中心とする新興国経済が(インドを除けば)成長が止まりかえって後退を始めた。
今や世界経済のけん引役はアメリカと日本になり再びに日がまた昇りそうな勢いだ。
BRICS銀行に出資金など出しようがなく、ただひたすら中国の援助を待つという姿勢に変わってしまった。
これではBRICS銀行も緊急時外貨準備基金も泣いてしまう。

 現在かろうじて中国が設立にこぎつけようとしているのはAIIBだけで、これはアジア開発銀行に対抗したもので、はっきり言えば日本追い落としの道具である。
世銀もIMFもアメリカが主導では勝ち目はない。せめて日本のADB(アジア開発銀行)だけでも追い落とそう」中国は戦略を大幅に縮小している。

 日本がAIIBに参加しなかったことに一部の評論家から異議が出ているが、参加するなどとはアホな態度だ。AIIBはADBつぶしの手段で日本を金融的に追い詰めようとする謀略だからこんな組織に日本が参加するのは泥棒に追い銭を与えるものだ。
AIIBは現在57か国で中国の出資比率が30%程度になる予定だが、これは中国がこの組織を使ってアジアのインフラ投資の全権を握ろうという戦略だからだ。
内のインフラはこれ以上増やしようがない。鉄鋼などは有り余ってしまい捨て値で外国に輸出しているが、インフラ投資に利用できれば中国鉄鋼業界も一息つける

注)アジア開発銀行はAIIBに対抗して融資枠を1.5倍の200億ドルに引き上げる決定をした。AIIBに負けられないということだ。なおアジア開発銀行の実態については以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/05/a-9092.html


 中国による世界金融秩序への挑戦は結局世界銀行もIMFも脅かすことができなく、わずかにアジア開発銀行だけでも乗っ取ろうという戦略に矮小化されている。
中国は中国の時代が始まると思った矢先に経済の大失速が始まり、一方新興国はその影響で見る影もなくなった。
中国のAIIBは日本ADBとの競争に勝てるか最後のバトルにかけている。

 

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コメント

BRICS, この連中は国内に貧困, 貧富の格差教育の挌差国土の, 街の荒廃等々デタラメ汚染三流国家の集まりにすぎない。

これらの国に出張する機会の多い連中に話を聞くと, 先ず皆が一番に言うことは「どこも汚い, 遠目には一流だがどうにもならない汚い街ばかり, 人間もある意味どうしょうもない」。 そして「日本は綺麗だ, 下町の横丁の商店街もあの連中の大通りに比べればシャンゼリエ通りのようだ」。つい先日の日曜日の集まりでの皆の一致した話でした。
最近住みやすい世界の都市ランクで東京が二位, 京都九位, 福岡十位で他はヨーロッパがほとんどだったとありましたが, 街の評価即ち国民レベルの世界の評価だと思います。

最近の横暴中国に対してですが輸出はGDP比3%以下, 投資は1%しかないことを知り安心しました。レアアース レアメタル依存度も低下の一途で嬉しい限りです。 また我が国の輸出依存度も11%強で日本は本当は貿易対外依存度の極めて低い内需大国なのですね。 隣の半島南部の国など輸出輸入依存度ともに40%ほどで,これでは 最近のかの国の狼狽ぶりが手に取るように分かります。 痛快です。

日本はもっとドッシリと何が起こっても, 少々な事に狼狽しないで自信をもって自分の信ずる道を進めばいいと思いますが。

投稿: 絶望人 | 2015年5月21日 (木) 09時45分

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