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(27.5.2) 日本のメガバンクも利益1兆円企業になってきた。 三菱UFJの躍進

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 日本の金融機関、わけても三菱UFJの躍進が素晴らしい。
15年3期の連結純利益が1兆円を越えるとのアナウンスメントがあったが、これはトヨタに次いで日本で二番目の高収益企業ということになる。
三井住友も過去最高益になりそうで、メガバンクの中ではみずほだけがトラブル続きでもたついているが日本の金融機関の収益も順調に拡大している。

 もっとも世界的規模から見ると1兆円という数字は必ずしも高くない。アップルなどは四半期でゆうに1兆円を越しており、韓国のサムスンも年間で3兆円規模の純利益を上げている。
日本の企業は長い間売上高至上主義で利益を度外視する傾向があったが、しかしそれでは世界企業としては二流だ。
売上も利益もというのが世界企業の条件といえる。日本経済復活の条件は連結純利益で1兆円を超す企業がどの程度現れるかによると言っていい。

 そうした意味で日本のメガバンクが1兆円レベルに達し始めたことは誠に喜ばしい。
メガバンクの中で特に三菱UFJが先頭を切っているのは海外戦略がここに来て効を奏し始めたからだ。
リーマンショック時にモルガンスタンレー持ち分適用会社(22.5%の持ち株で収益は投資有価証券として計上にしたし、アメリカのユニオンバンクを買収し、そしてアジアではタイのアユタヤ銀行を買収し連結子会社にしている。アメリカとアジアに拠点を築いたのが効を奏して国外での収益が順調に伸びている

注)メガバンクが復活してきたありさまについては前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2012/10/post-e1ef.html

 一方で日本での国内融資は全く振るわない。大企業は十分すぎるほどの自己資金を持っており、また中小企業はここ数年設備投資を手控えてきた。国内の需要が頭打ちで国内投資をしても全く利益を上げることができないからだ。
その結果貸出金利は極端なまでに低下し融資の利ザヤはほとんどなくなってしまったので、融資をするなら利ザヤの稼げる海外で行うというのが一般的だ。
日本国内の収益事業は国債保有とそのディーリングくらいになっており、利回りが低下するたびに債券価格が上昇するのでそれで食っていた。
金融機関の収益構造は海外での融資と国債のディーリングという構造になっていたといえる。

 ところが先日バーゼル委員会が金融機関の国債保有に自己資本の縛りを設けるべきだと提言を始めた。
国債の利回りが上昇すれば手持ちの国債価格が低下する。日本の金融機関は平均で25%相当の国債を保有しているが、もし金利が上昇局面に入り国際価格が暴落したら日本の金融機関の収支は持たないではないか」というのが提言の理由だ。

注)提言そのものは日本の金融機関を対象にしたものでなく国債保有が多い金融機関を対象にしたものだが、実際は日本の金融機関は際立って日本国債の保有が多い。
なお、バーゼル委員会の提言の詳細は以下参照。

http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/04/post-e0e3.html

 この規制が実際に導入されると日本国債の販売に関して従来の金融機関引き受けができなくなる可能性が高い。金融機関が自己資本不足で特に危険な国債と認定されている日本国債を保有することができなくなるからだ。
今まで財務省も日銀もS&P等のレーティングを無視して国債発行ができたのは、日本の金融機関に押し付け販売ができたからだ。
国民の預金のほとんどを国が国債として吸い上げているといったら正確だろう。

注)国民の個人金融資産は約1600兆円だが、一方国債残高は1000兆円になっている。約6割の資産が国債に化けている。

 金融機関引き受けという構造が崩れるといったいどのような対応がされるのだろうか。
金融機関がもてなければ日銀が持つことになり、日銀はほぼ無制限に国債を保有するだろうから日銀のバランスシートは悪化の一途をたどることになる。日銀のバランスシートの悪化とは日銀券の価値の低下だからひどいインフレが起こる可能性が高い。
現在の金融機関引き受けの方が預金の範囲内という縛りがあるからまだ健全なのだが、バーゼルの勧告の如何によってはハイパーインフレに火が付く可能性がある。

 なお先日バーゼル委員会の勧告について記事を書いたところkantokuさんから以下の質問を頂いた。
いつも拝読しております。世界経済の勉強になり大変感謝しております。先生に教えて頂きたくコメント欄に書きました。BIS 規制の際には融資規制が起こり不動産業やゴルフ場、中小企業が倒産しました。国債引き受け規制となれば今回も同じ事が起きるのでしょうか?」
kantokuさんは1990年代のいわゆる貸し渋りのことを懸念しているのだが、今回はそうしたことは起こらない。
当時は不動産投資資金を中心に旺盛な資金需要があったのだが、現在は上記に記載した通り大企業も中小企業もほとんど資金需要がないし、あっても大企業の場合は債券を発行して自己調達できる。

 今回の規制では金融機関は国債を購入することができなくなった分、どこかでその資金を使用しなくてはならず、反対に運用先で困るぐらいだ。
ことの本質は日本政府が国債を日本の金融機関に押し付けることができなくなることで国債消化のあり方が変わるということだろう。
また金融機関だけに限って言えば国債のディーリングでようやく国内での収益を上げていたのにそれに大幅な縛りがかかるということになる。


 

 

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評論 日本の経済 金融機関」カテゴリの記事

コメント

先生ご回答ありがとうございました!
資金需要のない借り手市場ですね、なるほどです。大手は安泰。銀行融資に頼った一部業種の中小零細企業は厳しいというところでしょうか。やはり中小不動産、ゴルフ場は厳しいと想像します。
国債暴落で公務員や天下り団体の整理にでもなり、次なる経済成長につながる事を期待したいと思います。

投稿: kantoku | 2015年5月 2日 (土) 05時24分

日本が何とか立ち直ろうとすると何かと弱点を見つけ因縁をつけて阻害する, いつもながら イヤナ組織だと思います。
アングロサクソン/ユダヤの嫌がらせと思いますが, でもこの際この嫌がらせを逆手にとって財政健全化, 先ず国会議員公務員の削減から始めるいいタイミングとして捉えたらいかがでしょうか。 余計な道路工事も削減するべきです。

銀行が国内で儲けられないのは企業が海外に打って出ているのと同じ, 海外で儲ければ済む話, 同情はできませんね。 

ハイパーインフレですか 年が年ですので勘弁して欲しいですね。

個人向け国債は親から絶対ダメと言われ一切無縁, 銀行金利になど勿論一切期待などもっておりません。 70歳超えましたが現役時代の手蔓で小遣い銭稼ぎ, 妻も手に職があり年金も合わせると今は預貯金は増えるばかりの現状ですが, 普通にまじめに働き, 酒タバコ麻雀ゴルフなど一切しなければこうなるのが当たり前と思います。

これがパー, 遊び怠けた連中と一緒に無一文では神も仏もあったもんじゃーありません。  

投稿: 絶望人 | 2015年5月 2日 (土) 09時14分

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