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(27.5.4) NHKスペシャル 「世界牛肉争奪戦」 中国の牛肉買い占めが始まっている!!

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 NHKスペシャルで非常に興味深い番組を放送した。題して「世界牛肉争奪戦」というのだが、現在牛肉の値段が急激に上昇しており、その元凶が中国だというのだ。
従来日本は牛肉の輸入大国だったが、今では中国がその地位にあり世界の牛肉をかっさらっている。
日本が輸入している牛肉はショートプレートといって牛の腹の下側の柔らかい肉で、もっぱらその部分だけを輸入してきた。主として牛丼で消費されるあの肉である。

 ところが昨今中国の牛肉の消費量が拡大し不足分を輸入で補っており、2010年以降6倍のスピードで輸入を行なっている。
ここ10年のタームで牛肉の消費量を見るとアメリカもEU も日本も消費量は横ばいかやや低下しているが中国だけは猛烈に増加している。

 牛肉の主たる輸出国であるオーストラリアニュージーランドでは羊の飼育を止めて牛の飼育に切り替えており、拡大部分はすべて中国向けになっている。
しかも中国は牛を四つ切にした塊で輸入し、日本のようなショートプレートだけと言った輸入方式をとらない。

注)中国では牛肉のどの部分でも消費するので日本のような特定の部分だけの輸入をしない。

 しばらく前までは牛肉の価格決定権は日本にあったため日本向けにショートプレートの指定ができたが、今は価格決定権が中国に移りしかも四つ切で輸入してくれるので輸出業者は輸出先を中国一本に切り替えようとしている。
これからは牛肉はほとんど中国向けにしたい」番組に登場したオーストラリアの農場主が言っていた。

 笑ってしまった。これはしばらく前まで石油や鉄鉱石や銅やアルミと言った鉱物資源を中国が爆買いしていたが、それが終わったかと思ったら今度は牛肉と大豆と小麦の爆買いに変わっていた。
なぜ中国の消費がここに来て拡大しているかというと、消費は生産の遅行指数だからだ。
これは少し考えてみれば分かる。たとえば日本でもアベノミクスで2年前から企業業績は伸びていたが、賃金が実際に上がり始めたのは今年からだ。
企業としては収益が上がってもすぐに従業員に還元しない。しばらく様子を見て労働市場が過熱し始めて新人の募集が難しくなってきてからようやっとのことで賃金を上げる。

注)大豆の価格が上昇しているのも中国が大量に購入しておりこれは中国国内で生産される牛の飼料として輸入されている。

 だから中国においても生産拡大で賃金を上げなくては人が集まらなくなってこのところの賃金上昇は急激なものだった。10年間で約3倍の上昇率である。
現在中国経済は踊り場に差しかかっておりほとんど成長していないが、だからといってすぐに賃金を引き下げることはできない。
企業倒産が始まって多くの首切りが行われた結果賃下げが行われるので、日本の場合も1990年にバブルが崩壊してから実際に実質賃金が下がり始めたのは1997年からだった。
経済が不況に突入しても約7年間は賃金は上がっていたことになる。現在の中国はそうした状況にある。

 今中国では爆買いの季節だ。日本にきた中国人観光客が紙おむつや電気炊飯器を爆買いするのを見て日本人は驚いているが、中国人にとっては今が一番賃金が上がっている時だから消費に走るのは当然だ。
従来は豚と鶏ぐらいが主要な肉だった中国人が今牛肉に目覚めてしまった。
おかげで世界中の牛肉が中国に集まるようになり、価格は中国人が決めるからこの半年でショートプレートは50%も値上がりしている。

 最も牛肉の値段や大豆の値段の上がり下がりは通常の需要と供給のレベルを越えているが、ここに投機資金が流れ込んでいるからで、相変わらずウォール街野のディーラーは狡い。
そのシステムをインデックス・ファンドといって、これはシカゴの先物市場で売り買いされている牛、大豆、小麦のインデックスの売買を行うものでウォール街お得意のディリバティブの一種だ。
投資会社や証券会社を通してシカゴ先物市場に投入された金額は約17兆円というから半端ではない。

 投資資金が市場に入ってくるメカニズムはどれも同じで、まず基本的な需要があり、それを見込んで投機資金が雪崩のように流れ込む。
現在は中国の牛肉の購入拡大が確実なので投資家は安心してインデックスに資金をつぎ込んでいる。
この勝負は中国が爆買いを止めるまでブルの側の勝利が続くが、それは今から数年間は確実にブルだろう。

 原油や鉄鉱石や石炭の価格がようやく低下したと思ったら、今度は牛肉や大豆や小麦と言った農産物の値上がりだ。世界は中国によって振り回されているが、そのうち日本のバブルとおなじで収束に向かうとしてもまことに厄介な隣人と言っていい。

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コメント

もしかしてそれは去年かおととしの放映分のものでしょうか?
(山崎)15年3月14日に放送されたものです。再放送ではなかったと思います。

投稿: NINJA300 | 2015年5月 6日 (水) 20時22分

揚げ足とりをしようとかまったく思っていないので、誤解しないでいただきたいのですが、たぶん、放映は3月でも取材はかなり前だとおもいます。
現在の市況はシナ景気減速から価格は下がっています。以下に大豆先物キジカをはらしていただきました。ショートプレートもおそらく同様だと思われます。
http://www.cmegroup.com/trading/agricultural/grain-and-oilseed/soybean.html
とても良いブログで今後、頻繁にみさせていただきます。ありがとうございます。

(山崎)連絡ありがとうございます。

投稿: NINJA300 | 2015年5月 7日 (木) 18時51分

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