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(27.3.19) なぜ日産は中国国営中央テレビの血祭りの対象になったのか?

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 日産のゴーン社長が私のブログを読んでいないとしても不思議でもなんでもないが、もし読んでいたら中国市場にこれほど肩入れすることもなかったし、中国政府のバッシングにあうこともなかったろう。
日産の海外での販売の約2割は中国市場での販売だが、昨年の末から日産は意図的に中国政府から血祭りにあげられている。

 日産の合弁会社東風日産の実質的なトップだった任勇氏が昨年の12月突然当局から「重大な規律違反」のかどで逮捕拘留されてしまった。
中国ではいったん逮捕されれば、拷問によって自白の強要がされほとんど逃れることができない。したがって逮捕がま近な幹部は中国から逃げるか、逃げられない場合は多くの幹部が自殺をする(不慮の死はたいていの場合自殺)。

 中国人と汚職は同義語だから誰でも「重大な規律違反」を行っているのだが、逮捕されるか否かは主流派に属しているかどうかによる。
現在習近平政権は江沢民派に属する幹部をターゲットにして汚職追放のキャンペーンを繰り広げており、江沢民派で石油閥周永康氏が逮捕されたがこの周永康氏とつながりがある人物が一網打尽になっている。

 東風日産の任勇氏は周永康氏と深い関係を有していたのでターゲットにされたのだが、現在習近平氏のトラ退治は石油閥から自動車閥に移っている。
もう一人の大物は中国第一汽車の徐建一氏だが、徐氏も江沢民派でドイツのVWと合弁会社を設立してきたが逮捕されてしまった。

 中国の自動車市場はVWが16%、GM15%、現代8%、日産5%で外国メーカーが約6割を占めているが、この中で江沢民系とみられたVWと日産が政府の狙い撃ちにあっている。
国営中央テレビで世界消費者権利デーの一環で毎年外資を血祭りにあげるのだが、今年はVWと日産が対象になった。
VWと日産の系列販売店が必要のない部品交換を強要して消費者から収奪をしている」とキャンペーンを張ったからだ。

注)国営中央テレビは意図的に外資たたきを行ってきており、アップルとニコンがすでに対象になってきた。

 VWと日産はすぐさま陳謝してこのようなことが二度と起こらないように管理を強化するとコメントしたが、問題はどこのメーカーもこうした不必要な修理をしているのになぜVWと日産が対象になったかということだ。習近平指導部は江沢民氏が築いた多くの既得権益を切り崩しており、鉄道閥、電力閥、石油閥の次は自動車閥にターゲットを絞ったということだ。

 VWと日産はあいにくと江沢民派につながった人物が合弁会社の実質的トップだったので狙われたのだが、もう少し視野を広げるともはや外資をいくらたたいても中国企業が代替できるとの自信を得たからだ。
現在約40%のシェアの国内メーカーを育成するには何としても外資は邪魔だ。
しかも中国経済はひどい停滞局面に突入しており、自動車産業も14年度は7%の伸びで明らかに伸び率は鈍化し始めている。
そうなるとシェアの食い合いになるが、国内メーカーの育成のためには何でもいいから外資にいちゃもんをつけて追い落とすことことが中国政府のベストシナリオになる。

 今自動車産業だけでなくスマートフォンなどではサムスンが中国市場から蹴落とされつつあるし、デパートやスーパーなどはとっくに中国系企業が外資を追い落としている。
中国にとって外資が必要なのはノウハウと技術を盗む期間だけであり、それが済むと追い落としに入る。
理由は何でもつくし、裁判所と行政機関はグルだから裁判闘争も全く効果がない。
それでもぐずぐずしていると「重大な規律違反」という内容がさっぱりわからない罪でしょっ引かれてしまう。

 だからもともと日本企業が中国に進出すること自体が誤りで、日産のように世界戦略を中国においてこうして血祭りの対象になってしまうと経営の根幹が揺るがされる。
私は何度も中国に進出するのはキチガイ沙汰だと述べてきたが、それが事実を持って証明されつつある。
中国進出企業のトップが私のブログを読んでいるとは思われないが、もし読んでいたら会社に甚大な悪影響を残さずに済んだのにと残念でならない。

注)なお最近日本企業が(伊藤忠商事を除いて)怒涛のように中国から逃げ出していることは前に記載した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2015/02/post-99b9.html


 

 

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