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(27.3.10) 大塚家具の骨肉の争い。 どちらが勝っても将来展望は明るくない!!

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  大塚家具がその言葉通りの骨肉の争いをしている。創業者の大塚勝久氏と長女の久美子氏が互いに他を解任しようとして委任状の獲得争いをしているからだ。
私は最近はさっぱり家具を購入しないので大塚家具といってもなじみがなくなったが、高級家具の販売として日本では著名な会社だ。
その大塚家具の経営が長期低迷に陥ったことから経営方針について父親と娘が鋭く対立し始めた。

 大塚家具の14年12月期の業績は売上高555億円、営業利益は4億円の赤字で売上高は10年前に比較すると20%下回っている。
一方ライバルのニトリイケヤは順調に販売を伸ばしており、特にニトリは14年2月期売上が3876億円、営業利益が631億円で、全く大塚家具を寄せ付けなくなった。
何かアップルシャープのような差がある。

 同じ日本の創業会社でこれほど差が付いたのは、大塚家具が昔ながらの対面販売で高級家具を販売していたのに対し、ニトリは生産・流通・販売を一体化し製造小売業という方式で販路を拡大したからで「安くよい品物を!!」というコンセプトで日本の家具市場を席巻してしまった。ニトリは家具業界のユニクロだ。
三越の衣料部門とユニクロとの差だといえばイメージがわくだろう。

注)製造小売業とは自ら製造した家具を自分の販売店で売る方式で中間マージンを節約できる。

 5年前に社長に就任した久美子氏は時代遅れになった(と判断した)大塚家具の販売方式を全面改革することにし、下級品市場にも打って出ようとしたがこれが勝久氏の逆鱗に触れた。
俺が編み出した高級家具のイメージを損うものだ!!」
それでも久美子氏の方針変更が軌道にのっていれば勝久氏としても「悔しいが認めざる得ない!!」ということになるが、反対に業績は低下の一途をたどったものだから勝久氏の焦燥感に火をつけた。
娘に任せておいては俺が作った大塚家具がつぶれてしまう。娘に任せた5年間何もいいことがなかった・・・・

 14年7月に勝久氏は久美子社長を取締役会で解任して自らが会長兼社長になったが、15年1月に今度は勝久氏が社長を解任され、再び久美子氏が社長に返り咲いている。
外から見ると単なる同族争議に見えるが、成長力を失った企業の責任問題と今後の立て直しの路線問題の争いといえる。

 バブル崩壊以降日本人は基本的に貧しくなっており、その中でも特に若年層は貧困化している。一方老人は金持ちだがすでに家の手当ても家具の手当ても済ませており、いまさら高級家具を買おうというインセンティブがない。
市場は若者向けにちょっと高級感があって安い家具が求められており、この流れに完全に乗ったのがニトリで反対に脱落したのが大塚家具といえる。
ユニクロに蹴散らされたデパートやスーパーの衣料品売り場のようだ。

 現在互いに委任状獲得競争を行っており勝久氏は株式の約19%を持っており、久美子氏は約10%だ。株主の同意を得るために勝久氏は1株につき120円の配当を約束し、久美子氏は80円を約束している(昨年までは40円だった)。赤字会社が配当するというのはそもそも問題があるが、今はなりふり構わない委任状の争奪戦だ。
株主総会は3月27日に開催されるからその時が勝負だが、何か小田原評定のようなところがあってどちらが勝っても大塚家具の将来は明るくない。

 

 

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