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(27.3.18) 「中国の夢」の挫折 ミャンマーとの国境紛争

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 中国は軍事力を背景にしたこわもて国家で周辺諸国を脅しまくっている間に、韓国以外に中国を支持する国家はラオスとカンボジア位になってきた。
しばらく前までは中国の実質的な植民地のようだったミャンマーからも中国は完全に嫌われだした。
ミャンマーが中国に接近したのはアメリカ等による経済封鎖のためで、唯一資金と技術を提供してくれたのは中国だけだったからだ。

 中国との間に2400kmに及ぶ天然ガスのパイプラインを建設したり、水力発電所や中国の重慶とミャンマーを結ぶ鉄道の建設等を行っていたが、ここに来てパイプラインを除きすべて凍結してしまった。
アメリカとのデタントが成立し、日本からの投資が急拡大し始めたからだ。
もう中国にはこりごりだ。ミャンマー人を奴隷のようにこき使って資源を根こそぎ収奪するだけではないか!!」本当はミャンマー人は中国嫌いなのだ。

 ミャンマーは多民族国家で特に中国やインドやタイとの国境付近には少数民族が多く生息する。ミャンマーにもいずれの国家にも所属せずほとんど独立した自給自足の生活をしてきた。
日本のイメージでいえば江戸時代まで北海道でアイヌが自由に生きていたようなものだ。
しかしこうした場所も近代国家としての領域に含まれて来て、さらに天然資源などが発見されると急にきな臭くなってくる。
ミャンマーには天然資源以外売るものがなかったので特に中国資本がこうした場所で鉱山の開発を行ってきた。
労働力は少数民族でいわば奴隷のような労働環境だ。

 この少数民族の中でコーカン族だけは非常に特殊で、もともとは中国から逃げてきた中国の少数民族である。生計はもっぱらケシの栽培と森林資源の伐採で多くの資金を持ち、ミャンマーからの独立運動を続けてきた。資金は麻薬の販売等で潤沢で中国から武器を購入し(
闇でいくらでも購入できる)、思想的には毛沢東思想を取り入れて理論武装をしていたから、カンボジアのポルポトとよく似ている。

 ミャンマーが中国の植民地のような状態の時はこのコーカン族とミャンマー軍との戦闘はそれほど大規模なものではなく小競り合いと言ったようなものだったが、ミャンマーが中国との距離をとるようになってから、コーカン族とミャンマー軍との戦闘が急に激しくなった。
中国がミャンマー政府に対する嫌がらせとしてコーカン族の後押しを本格的に始めたからだ。

 先月からミャンマー軍の掃討作戦が展開されすでに双方合わせて150名程度の死者出ている。ミャンマー軍は掃討作戦に空軍を派遣して空からの爆撃を行ったが、コーカン族が中国領に逃げ込んだため追跡して中国の農民5名の死者が出た。
中国は怒って「再度このようなことが発生すれば中国軍は適切な措置をとる」と脅したものだからミャンマーのテイン・セイン大統領は「いかなる国や勢力もミャンマーの主権を脅すことは許さない」と反論した。

 ミャンマーから見るとコーカン族は中国の支援を受けた犯罪者集団で、特にミャンマーが中国寄りの政策を放棄したため中国がコーカン族を使ってゆさぶりをかけているように見える。
一方中国から見れば「あれほどインフラや鉱山開発に協力したのに、この仕打ちは何だ」ということでテイン・セイン政権を少数民族を使って転覆させようとしている。

 中国は世界の嫌われ者で唯一本気で中国を愛しているのは韓国のパク・クネ大統領だけで、カンボジアもラオスも面従腹背だ。
ミャンマーとは本格的な戦闘が始まりそうなほど中国との仲は疎遠になった。習近平氏が描く「
中国の夢清朝時代の最大の版図をもう一度取り戻すことだが、実際は四面楚歌になっている。

 太平洋側では日本、フィリピン、ベトナムが抵抗線を引きインド側ではミャンマーが抵抗線を引いた。中国の拡大は明らかに押しとどめられようとしている。

注)ミャンマー経済の実態は以下参照。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/03/post-aea7-1.html


 



 

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コメント

先日の「爆弾が国境を越えて着弾」のニュースでは、一体何のことかと思ってましたら、山崎様の解説で良く理解できました。ありがとうございました。 

投稿: たぬき | 2015年3月18日 (水) 21時30分

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