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(27.1.16) 日本経済の回復がトラック業界を直撃している

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 経済は生き物だからGDPのような静止した過去の指標をいくら眺めていても現在日本経済に起こっていることは分からない。
GDPはここ2四半期マイナス成長になっているが実際は非常な勢いで経済は成長している。

注)GDPが景気の指標にならないことは何回も述べている。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-53bf.html


 その例が物流業界の現状で、NHKのクローズアップ現代が物が運べない「物流危機」をレポートしていた。
現在日本経済は急激なスピードで立ち直りつつあるのだが、その影響が物流ネックに出てきてトラックの運転手が集まらないのだ。

 トラックの運転手のイメージは菅原文太さんが演じたトラック野郎のイメージで、どう見ても若者がしたくなるような職業ではない。
賃金水準は全産業平均の約8割、労働時間は2割増しだから、低賃金・長時間労働の典型的な職場だ。
それでも従来人手が確保できたのは停滞の20年間、職場が日本から消えていたので致し方なくこの職場を選んでいる人が多かった。
しかし経済が活況を呈し今ではトラック運転手より条件のいい職場がいくらでもあるから、より条件のいい職場を目指してシフトし始めている。

 日本の物流システムは世界最高水準でアマゾンなどで本を注文すれば翌日には配達してくれる。最近ではスーパーやコンビニでも宅配を始めたから消費者は家にいてもすべての商品を買いそろえることができるほどだ。
大手コンビニの配送システムも素晴らしくセブン・イレブンでは一日9回の配送を行っており、時間は5分単位で設定されている。
しかしこうしたシステムが運営できたのはトラック運転手があり余るほどいたからで、運転手がいなくなれば前提条件がすべて壊れる。

 物流業界の対応策としては主婦による自転車配送システムを導入したり、運転手の労働の軽減を図るために積み下ろし用リフトを導入したりカートで運ぶシステムを導入していたが、こうした対応にも限界がある。
物流業界の自助努力ではどうにもならない水準になりつつあり、もっと大きな改革が求められているようだ。

 たとえば従来のトラック輸送を縮小しJR貨物輸送や船舶輸送に切り替えてトラックに頼らない輸送法の検討だが、受け入れ側のJR貨物にも問題があって十分な列車本数の拡大ができない問題がある。
結局はトラック運転手の待遇を改善して魅力ある職場にしなければならないのだが、そうしたコストは輸送費に跳ね返るから早晩この物流費を消費者が負担しなければならなくなるだろう。

注)鉄道輸送は一列車で10トントラック65台分の輸送力があると言っていた。

 こうして日本経済の急激な回復が輸送業界を直撃してトラック運転手の不足問題を浮き上がらせた。何度も言うが景気回復はGDPを見ていても全く分からない。かえって具体的業界の人手の問題大きく言えば失業率)を追っていくと、今日本で起きていることが明確に分かるのだ。

注)アメリカではFRBの政策決定の重要な要素に失業率を入れているが、これは経済というものをよく理解しているといえる。
 

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