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(27.1.24) EUも量的緩和の戦線に参加した!! 「なんでもいいから紙幣を印刷しろ」

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 インフレ
がいいかデフレがいいかは立場によって全く違う。インフレということは商品価格が上昇するのだから生産者にとっては福音だが、一方で消費者にとっては生活苦につながる。デフレはその反対で消費者には天国だが生産者にとっては地獄だ。
したがって経済学では長い間物価上昇ゼロ%がベストでインフレもデフレも好ましくないといわれていた。
日銀も長い間そうした立場で前白川日銀総裁は、インフレターゲット論には断固反対していた。

 現在の黒田日銀総裁2%のインフレ目標を設定しそのためには異次元の金融緩和を行うと何度もアナウンスメントしてきたが、これは「自分は生産者の立場に立って企業業績を引き上げるのを使命とし、消費者の立場など知らない」といっているのと同じだ。
インフレ論者もデフレ論者も実はその時の状況によって評価が分かれ、絶対的にどちらが正しいというような基準はない。
現在の日本は長い間デフレが続きその結果経済活動が縮小してきたので「このままでは日本の経済そのものが崩壊する」という危機感に立っておりその限りではインフレターゲット論は正しい選択といえる。
一方でインフレが高進してハイパーインフレの恐れがあるような時にはインフレ論者は論外になる。

 今回欧州中央銀行ECB)が長い逡巡の後、アメリカと日本が採用した量的緩和に乗り出すことになったが、これは日本の失われた20年のデフレを見て、EU経済もその失われた20年に突入したら大変だと判断したからだ。
日本は失われた20年の間、財政出動と金利引き下げというケインズ政策でしのごうとしたが、このケインズ政策がもはや効果を発揮せずただ赤字国債を積み上げただけだった。
なぜケインズ政策が効果がなかったかというとすでにインフラなどは十分すぎるくらい整備されていてこれ以上の道路建設は熊の遊び場になり、ダムの建設は水鳥のサンクチャアリになり、飛行場はトンボが飛び交う草原になるだけで、かえってその維持費の捻出で経済が逼塞したからだ。加えて金利は十分すぎるほど引き下げてこれ以上の引き下げなど不可能なゼロ金利になってしまった。

 「ケインズ政策がまったく効果がない!! 一体どうすればいいんだ!!」
その回答が金融の量的緩和で簡単に言えばインフレを起こして花見酒の経済を作りだそうということだ。
21世紀に入って先進各国はすっかりケインズ政策を諦めFRBはただドルを印刷して市場にばらまく方策に変えた。この効果は不要なものの価格が上昇するということで株価と不動産と石油や銅や石炭というコモディティ価格を押し上げ、それによって得たあぶく銭で富豪層が豪遊を始めるので経済が回復するというシナリオだった。
ただ紙幣を印刷するだけだからこれほど簡単な政策はないが、問題点もあってやりすぎるとハイパーインフレになって制御できなくなる。

 働き者で生真面目なドイツ人はこうした紙幣印刷経済に反対し「真面目に働いてこそ経済は発展する」とといてきたが今は聞く耳を持つ人はいない。
やだ、なんでもいいから金をばらまいて経済成長をはかれ」世界の先進国の大合唱になっている。
何度も私は言ってきたが先進国経済は十分に発展してきたので実は成長限界に達している。これ以上成長してどうするのという状況下ではGDPは停滞し、新規雇用は生まれないから失業率は上昇する。それを運命と諦めるか、反対に無理やり株と不動産と言うそれ自体何の価値もない金融商品の価格を上げることで成長を演出するしか他に方法はない。

注)不動産も単に値上がり益を狙った売買は金融商品という。

 量的緩和のもう一つの効果は自国通貨の通貨安が発生することでそれによって輸出が伸びる。現在の世界は1930年代の為替切り下げ競争と同じでかつては直接為替レートを引き下げたが今は金融の量的緩和で行っているに過ぎない。
まずアメリカが実施し日本が追随し、今EUがこれに倣った。確かに円安が劇的に発生したから日本の輸出産業は自動車を中心に急回復しており、今度はユーロの価値が劇的に下がりドイツ経済をうるおすだろう。


 量的緩和の先進国アメリカではこれによって金持ち階級がより裕福になり99%は貧困化した。日本もそうなるだろうしEUも同じだ。
繰り返すがもはや成長限界に達した経済では金持ちをより金持ちにさせることでしか経済成長は望めない。

経済成長などもう望まない」といい切れれば話は解決するが、実際はそう言いきれないのが人間のサガでこれを経済成長のパラドックスという。
経済成長をすればするほど貧乏人のウェイトが増える、それが問題だ!!!」ということだ。

 

 

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評論 世界経済 ヨーロッパ経済」カテゴリの記事

コメント

米銀のヘッジファンドへの資金貸し出し抑制条項の施行が2年間延期になりましたね。
この条項はボルカールールの根幹部分で、この条項を外せば規制法自体の意味がなくなるほどのものなのですが、いとも簡単に外してしまいましたね。
個人的には、ボルカールールがあるから、極端なバブルの勃興と崩壊はないと確信していたのですが・・・・・。
だから山崎さんが口を酸っぱくして言っていることも、それほどの事もなかろうと聞き流していました。
ところが丁度先月、ヘッジファンド側のロビー活動でボルカールールがひっくり返えされた、と聞いて山崎さんの予想が正しかったことを知りました。

しかしこんなことを繰り返していれば、貧富の差と社会不安が広がり、それに伴う社会コストは膨大なものになってゆくと思います。
そこまで考えて判断するのが政治家の役割だと思うのですが、止められなかったんですね。
残念でなりません。

(山崎)21世紀は富のあるものとないものの戦いの歴史になりそうです。19世紀のマルクスの予言が再びよみがえってくるとは何とも不思議ですが、経済成長に人がこだわる限りは格差は確実に拡大すると思っています。

投稿: 三太郎 | 2015年1月24日 (土) 22時54分

いつも楽しく拝見させて頂いております。
揚げ足をとるようなコメントですみませんが、
>不要なものの価格が上昇する

(生活に)必要なモノの価格(価値)は変わらないが、株価と不動産と石油や銅や石炭は、実際には(生活に)必要がないということでしょうか。

仕事をしていた時に、経済感覚を養う目的で株をわずかですが持っていました。
仕事での収入がなくなった時、震災があったこともあって、いったんリセットしようと、株を手放しました。
インターネットが普及した今、物々交換や温情でもなんでも、お金を仲介せずに、必要なモノが手に入れば、それが一番だろうと。

おかげで、経済の変動で、生活に大きな影響は今のところないと思っています。

しかし、ホームレスにならない限り、一般的には不動産と関わりがあるかと思うので、住環境が激変してしまわないか、いまだに不安があります。

(山崎)いつも言葉足らずなところがあって誤解を与えてしまうのですが、投資案件の対象は不要なものという意味です。
石炭や鉄鋼や石油と言ったものは必要なものですが、実需を越えて仮需になった場合はそれは本来生活に必要なものではないという意味で使用しております。

投稿: 愛読者 | 2015年1月24日 (土) 22時57分

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