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(26.11.13) 中国の腐敗撲滅運動 みんなで財産を山分けしようじゃないか!!

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 笑ってしまった。中国がAPECに合わせて行った「腐敗防止に関する北京宣言」のことである。
宣言そのものは世界から腐敗をなくし、贈収賄等で資産を持ち逃げした人間を国際ネットワークで補足逮捕しようという提案で、それ自体は問題がないのだが提案者が中国でその本部を中国に置くとしたからだ。
狙いは中国元官僚の海外逃亡資産の没収である。

 中国人民銀行の推定では逃亡官僚は1990年半ば以降約1万6千人で、持ち出した資産は17兆円規模になっているという。最もこれは逃亡した官僚の資産であって、一方で中国の高級官僚はみな違法に海外に資産を持っているからその推定資産は100兆円から400兆円までの幅がある。
私などは「別に海外に資産を持っていてもいいじゃないか。日本人ならだれでも外貨預金をできるし、私でもしている」と思うが、中国の場合は事情が異なる。

 第一に海外に持っている資産は汚職でかき集めた資産で公表できないものだし、また中国政府は中国人が海外に資産を持つことを禁止している。
したがって中国高官はあの手この手で資産の逃亡を図っており、一番多いのが貿易を装った資産の移転(貿易決済は当然認められている)や海外子会社を通したを資金送付、親戚縁者を海外に住まわせてその生活費を装った資金送付等がある。

 習近平政権は汚職撲滅運動に取り組んできたが、汚職官僚は捜査の手が伸びるとさっさとアメリカやオーストラリアやカナダに逃げ込んでしまい、汚職でため込んだ資産で悠々自適の生活をしているのが実態だ。
くそ、何とかして海外に逃げたやつを引っつかまえて資産を没収しよう!!!」
そこで北京政府は奇手を思い立った。

 「汚職官僚を捕まえて中国に引き渡してくれたら、汚職官僚の資産を両国で折半しよう」という提案だ。何とも荒っぽい中国式提案で、移された資産はいづれも正常な手続きを装っているので、それを非合法だと証明できなければアメリカもカナダもオーストラリアも官憲が資産の没収などできない。法治国家だから当然の手続きだが、習近平氏の提案をそれを超法規的に行おうとの案だ。
裁判なんてやってたらすぐにまた逃げられてしまう。犯罪の証明は中国が行うから、アメリカもカナダもオーストラリアもすぐに犯罪者を逮捕して身柄を引き渡し、後は財産の山わけをしよう

 各国とも宣言ぐらいは同意しても具体的な身柄引き渡しや財産没収は国内法に基づいて行うので、いくらなんでも中国のいうような方策は取れない。
これではイスラム国の身代金要求の誘拐とさして変わらないが、中国の法意識はその程度だからやることが19世紀的センスだ。

注)中国共産党は地主階級の財産を没収することで政権基盤を確立した歴史があるので、その現代版と言える措置が「腐敗撲滅に関する北京宣言」

 だが習近平氏の立場に立ってみるとあまりに多くの腐敗官僚が国外逃亡しているために、その芽を絶たないと中国の未来はないということだろう。
果たして各国が具体的に中国の提案に乗るかはこれからだが、中国としてはいくら稼いでもざるに水を入れているような状況だから何としても腐敗官僚の逃げ道をふさぎたいのだろう。

 ただし習近平氏の腐敗撲滅運動のターゲットはもっぱら習近平氏の反対勢力に向けられているから、政治闘争の一環として見るのが正しい見方で、本気で汚職を一掃しようという訳でないのがいかにも中国的だ。

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