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(26.11.30) 原油も鉄鉱石も投げ売りだ!! 資源輸出国時代の終わり

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 ここにきて原油も鉄鉱石も投げ売りの状況になってきた。
原油価格は現在1バーレル65ドル程度まで急落し、鉄鉱石は1ドライトン当たりこれも65ドル程度にまで落ちている。
リーマンショック後のコモディティ価格の急落水準に近づいているが、最大の理由はアメリカが市場に資金をばらまくことを止めたのと、中国経済の崩壊である。

 現在のコモディティ価格は市場に出回る資金量と、需要を無視した中国の購買によって支えられていた。
しかしアメリカはあまりの投機熱の広がりを恐れ資金供給をストップして不動産価格の上昇を抑える政策に出た。一方中国ではただGDPを上げるためだけの目的で鉄鋼生産を続けてきたが、不動産市場が崩壊した以上いつまでも在庫を積み上げるだけの生産を続けるわけにはいかない。

 この原油価格の値下がりは日本経済にとって思わぬプレゼントになっている。特に燃料代に敏感な航空会社運輸陸運・海運会社にとってはこの値下がりは福音だ。
製紙会社も燃料代が節約できるし、電力会社は原発稼働ができないため天然ガスの輸入を急増させてきたがこれで一息つけそうだ。

 日本の輸入量の3分の1は原油や天然ガス等の燃料の輸入だから今現在で昨年より数兆円の規模で輸入代金の節約が可能になっている。
現在日本は黒田日銀のバズーカによって円安になり、輸入価格の高騰が懸念されていたがコモディティ価格が一斉に値下がりしたのでその影響をかなりそぐことができている。

 私は安倍政権は本当に運に見舞われていると思っている。これだけの円安政策をとってもコモディティをはじめとする輸入物価が低下してきたため消費者物価への反映を最小限に抑えられている。
本来なら物価が急上昇して怨嗟の声が広がり、自民党が選挙で勝利する目がなくなるのだが、1%程度の値上がりに抑えられているためそうした声も出てこない。

注)物価が本当に年2%の割合で上昇したら国民は貧困化するので自民党は選挙で勝てない。

 一方資源輸出国の経済状況は急激に悪化している。OPEC産油国はそれでも今までのたくわえがあるから耐えられるがロシア、ブラジルと言ったところは相当厳しいだろう。
ベネズエラでは大統領が給与の一部を返上した。何しろ輸出の95%が原油なのだから大統領に払う資金も枯渇してきたらしい。

 ロシアはもっぱら強気の政策をとってきたがソビエト崩壊前の経済状況に酷似してきた。
このままプーチン大統領が突っ走ればロシア経済は完全に崩壊してしまいそうだ。
だから結局はどこかで手打ちをして西欧との協調路線に戻らざるを得ず、ウクライナ東部の親ロシア派集団は最後はプーチンにはしごを外されるだろう。

 現在世界中で資源開発競争にストップがかかっている。アメリカのシェール・ガス開発も熱気が冷めだしたし、世界最大の鉄鉱石会社ヴァーレは不採算鉱山の閉鎖を決めた。
ここ数年続いていた資源輸出国の時代に急激に黄昏が訪れしばらくは資源輸入国の時代になって攻守交代の時期が訪れた。
日本にとっては実に心地よい時代が現れたといえるだろう。

 

 

 

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評論 世界経済 石油問題」カテゴリの記事

コメント

いつも貴重な情報ありがとうございます。
原油下がってますね! 消費者にとってはありがたいことこの上なしですが、どうも日本経済においては肝心な火力発電の燃料が石油ではなくて天然ガスであるために思ったほど楽観できないのではということをわかりやすく説明されていらっしゃる方がいますので参考までにサイトをご報告申し上げます。どうぞご参考になさってください。
http://markethack.net/archives/51946365.html

(山崎)情報ありがとうございます。

投稿: めんたい | 2014年11月30日 (日) 18時21分

いつも楽しく読ませていただいております。

NHK特集の「エネルギーの奔流」の中で、ブラジルの海洋油田の採掘コストの採算ラインが1バレル当たり50ドル、カナダのオイルサンドのコストが70ドルとありました。現在の原油価格水準がいつまで続くのか分かりませんが、安値が当面続くのであれば両国の製造基地は大打撃ではないですか。採算割れでも投げ売りし続けるしかないということになるのでしょうか。豊かなカナダの夢に赤信号ですね。

それにしても中東のコストはわずか10ドル。いかにべらぼうに儲かっているか頭に来ます。日本国民はずっと質素を重んじ、創意工夫努力をして生きてきたというのに、アラブの連中ときたら儲かって仕方がない、金が余って仕方がない、遊んでばかりとは。

投稿: たぬき | 2014年12月 1日 (月) 22時40分

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