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(26.11.15) 日立の健闘 日本企業復活の象徴と鉄道事業

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  日立製作所の業績が好調だ。15年3月期の営業利益の予想は5800億円の黒字で、これは2年連続の最高記録になる。
2009年のリーマンショック後、約8000億円の最終赤字に悩んでいた企業とは思われないほどの復調だ。
いまやトヨタとならんで日本経済の顔になっている。

 日立製作所復調の象徴に鉄道部門の躍進があり、特に英国鉄道への2019年までの1兆円規模の車両(クラス800)導入は驚かせた。
ヨーロッパは独シーメンス仏アルトスムの牙城でとてもヨーロッパにくい込むことは不可能と思われていた場所だからだ。
しかしここに来て日立はイギリスにしっかりした足場を築いたようだ。
日立の強みは単にハードの車両を納入するだけでなく、信号・中央指令や座席予約・発券システムといった鉄道事業すべてにかかるソフトの納入が可能なことで、こうした事業体は世界中で見ても日立だけだという。

 イギリスにすでに納入されているクラス395では、イギリス人が「ファンタスティック」と言って驚いていた。雪が降ろうが大雨になろうが通常運転を続けたからで、これは運行管理システムを日立から導入して日本のJR並の管理が可能になったからだ。

注)このあたりの事情については前にブログを記載してある。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-967e.html

 日本では人口減少の影響もあって地方鉄道は縮小の一途だが、世界に目を向けてみると特に新興国では地下鉄やモノレールを含めた鉄道に対する需要は大きい。
東南アジアに旅行して一番閉口するのは自動車が道路にあふれかえっていることで、信号などはほとんどないから日本人は道路を横断するのに死にもの狂いだ。
しかも移動はこの自動車を使わざるを得ず、渋滞だらけだから歩いたり走った方がはるかに早いというのが実態だ(ただし、熱帯地方で昼間走るのはまず間違いなく死んでしまう)。

 この日立がヨーロッパでの鉄道部門をさらに強化のためにイタリアの大手メーカーフィンメカニカの鉄道車両・信号事業を約2000億円で買収するという。
このメーカーの車両部門は赤字で一方信号事業は世界でも屈指の販売実績を持つから、日立としたら信号事業を買収したかったのだろう。
中国の中国北車も買収に名乗りを上げていたが、なぜか直前に入札から降りてしまった。

 中国には中国北車と中国南車という売上高で見ると世界第一位と二位の鉄道関連会社があり世界中で安値攻勢をかけて受注に成功していたが、ここに来て海外進出の出足が鈍っている。
中国国内ではこの北車と南車の合併が公表されたばかりだが、どうやら今までのような拡大路線だけでは経営に支障が出てきたのだろう。

注)メキシコの高速鉄道の入札では中国はいつものワイロ攻勢で一旦入札に成功したが、メキシコ大統領の怒りに触れて入札を白紙撤回された。中国は怒り心頭だがワイロで世界がすべて動くと考えたのが間違いだ。

 こうした中で日立の躍進は目を見張る。鉄道が21世紀の乗り物になるとは思いもしなかったが排気ガスをまき散らす自動車文明は20世紀の文明だということが徐々に明らかになるだろう。
日立は日本企業の復活の象徴のような企業だが、今後とも過去最高益を更新していってもらいたいものだと思う。

 


 

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