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(26.11.10) 自己改革など絶対にしない!! JA全中の自己改革案

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 JA 全中
全国農業協同組合中央会)が自己改革案を発表した。
従来JA全中が各農協に対して持っていた指導権は廃止し、一方監査権はそのまま温存させるという案である。
そしてJA全中の法的な基礎は農協法に定められるべきで、経団連のような一般法人化はしないというものだった。
はっきり言ってしまえば監査権を温存させることで実質的に現状維持を図るという案である。

 もともと政府自民党JA全中をとりつぶして毒にも薬にもならない農協の宣伝機関程度にするつもりだったが、これには農協系統と自民党族議員が大反発した。
農協系統が反対するのは当然だが族議員が反発するのは農協系統がこうした議員の集票マシーンだからだ。
実際選挙になると農協の幹部が農家を回って族議員の応援を依頼していたから、その集票マシーンが崩壊しては議員生命がたたれる。

 現在なぜ安倍政権がこれほど農協改革、それもJA全中改革に熱心かというと、日本農業が全く国際競争力をなくした最大の原因がこの農協組織にあると判断しているからだ。
農業はオランダ農法に見ても分かるように意外にも成長産業なのだ。
バイオテクノロジーの恩恵を最大限に利用できるのがこの農業部門だし、農地が自由に使用できればはるかに効率的な農業が可能になる。

注)オランダのスマートアグリの詳細は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/01/post-c81a.html

 しかしこれに断固反対してきたのが農協系統で、「バイオテクノロジーなどでできた農産物は何が起こるかしれない」と主張し、「農地は農家のものだから絶対に企業に渡さない」と農地法でがんじがらめの制約を貸してきた。 
もちろんそれで日本農業が発展すれば万々歳なのだが実際は反対で、進取の気質はすっかり消し飛び、都市近郊農家は農業をそっちのけで不動産業者に変わり、もっぱらアパート経営にいそしむようになった。

 一部の真面目な農家を除いて日本中から農業をまともに考える農家が消えている。
おかげでTPP交渉などでは競争力のない日本農業を守ることしか念頭がなくなり、世界で戦うなどとは夢のまた夢になっている。
日本の産業の中で農業が最も生産性の低い産業だからだ。

 かつて金融について護送船団方式と言うのを旧大蔵省がとっていて、最も効率の悪い金融機関を保護するレベルで競争を規制していたが、日本産業全体を見ると農業がその最後尾を走っている。
これでは日本経済の力強い再生など全く不可能だから、安倍首相はTPP交渉を機会に世界の農業に飛躍させようとしているが、もちろん農協系統は大反対だ。
とんでもない。そんなことをすれば日本農業はすぐに崩壊してしまう

 確かに効率の悪い農家はほぼ淘汰されて後に残るのは強い農家だけだが、これは農協系統が最も恐れている現象だ。
第一強い農家は農協を必要としない。資金など自己調達できるし販路も自分で開拓できる。かえって農協の流通網に乗せる方がコストがかかって利益が上がらない。

 農協系統にとって大事な顧客は弱い農家であり、それも実際は農業をやめて兼業所得がほとんどになり、しかも土地持ちであるということだ。
そうした農家は農協貯金も農業共済にすぐに入ってくれるし、農業融資をしないで済むから焦げ付き債権も発生しない。
後はアパート経営を勧めて不動産業に進出する手助けをするのが農協の役割となる。

 だから政府が進める農協系統の変革などいらぬお世話で、農業はいつまでたっても保護の対象が相応しいというのがJA全中が目指す方向で、自己改革など絶対しないというのが本音なのだ。

注)農協系統組織というものの実態については前にも詳述してある
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-762e.html
 
 

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評論 日本の政治 農業政策」カテゴリの記事

コメント

毎回楽しみに拝見させていただいております。
今回のJA全中の件もまさに爽快で出色な解説でした。私は高山 正之氏の変見自在なども読んでおりますが、山崎様の記事も優れた書物になろうかと思います。日常の事や散歩道の整備の記事も含めて、ぜひ1冊の書籍にまとめられてはいかがでしょうか。

(山崎) いつかそうなったらいいなと思っております。

投稿: たぬき | 2014年11月10日 (月) 22時48分

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