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(26.10.19) 紙幣印刷経済の限界。 きな臭くなってきた国際経済!! 再びリセッションか? 

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  ここに来て商品市況株式市況も弱気一辺倒になってきた。商品市況が弱気なのは世界経済が減速しているから誰でも理解できるが、株式市況まで落ちるとは思わなかった。
アメリカでは不動産投機がリーマンショック以前の水準に達していて「いま不動産を買わなければいつ買うの」というバブルの状況だったから、まさかアメリカの株価が6日連続で下落し一時的にしろ16000ドルを割り込むとは思われていなかった。

注)原油価格が低下傾向を示している原因についてはすでに記した。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-d12c.html


 株価が上昇するのは企業の業績がよいからと教科書には書いてあるが、実際はその要因は非常に低い。株価が上がるか下がるかは市場に出回っている資金量と他の投資物件との比較対象裁定取引という)によって決まる。
今まではFRBが湯水のように資金を供給していたのでヘッジファンドは何にでも投資を行い、長い間商品市況も株式も投資信託も活況を呈していた。

注)たとえば日経平均がなぜ8000円から15000円まで上昇したのかは安倍政権が日銀の尻をひっぱたいて通貨を増刷したからで、株価上昇は日本経済が評価されたからではない。アメリカのダウ平均も同じ。

 そのFRBが今年の初めから量的緩和の縮小を始め、一時期は毎月9兆円の規模で資金をばらまいていたが今は1.5兆円規模になり来月はゼロになるという。
その結果現在世界に資金をばらまいているのは日本だけになってヘッジファンドといえども、どれに対しても強気という訳にはいかなくなった。
欧州景気をけん引してきたドイツがウクライナ問題で輸出が減速しているし、新興国のチャンピオンだった中国は過剰生産に悩んで鉄鋼を投げ売りしているし、日本の景気も今一つだ。残ったのはアメリカだが、そのアメリカもFRBの資金供給を止めるという。これじゃ投資もままならない!!」
ここに来て世界の投資家は一斉に弱気になってしまった。

 こうなると弱気の連鎖が始まり、またすべての取引はプログラム取引だからロジックは値下がりが始まるとすぐに連動して売りを出すように仕組まれている。
こうなると止まるところのない連鎖になって、プログラム取引を一時停止して人間の判断を入れないとリーマンショックに陥ってしまう。

 考えてもみてほしい。アメリカや西欧や日本といった先進国は本当はこれ以上の富の生産を増加させても何の意味もない水準にまで達している。
日本では公共投資としてリニア新幹線の建設が始まるが、現在の新幹線でも十分満足で350㎞のスピードが500kmになって何の意義があるのだろうかと考え込んでしまうが、先進国ではこうしたほとんど役に立たない投資物件しか残されていない。

注)しばらく前まで八ッ場ダムが不要な公共投資の象徴だったがそれも再開している。

 一方新興国にはまだ十分な投資物件があるが、こちらは社会制度インフラと言われる法体系や経済システムが未整備で、中国などでは権力者が自分の都合で富の集積を行っている。
権力者は富むが一般民衆との格差は開くばかりだから、富の生産増強の前にそうした法体系や社会的なルールの整備が必要な段階になってきた。
俺たちは搾取されるだけにあきあきした」今中国各地の工場で労働争議が頻発している。

注)成長より分配問題が表面化している。

 資本主義l経済体制というのはどうしようもないところがあって、特に成長しきった経済をさらに成長させるにはバブル以外に方法がない。紙幣を印刷しては不動産や株式に投資させるのだが、実体経済は伸び切ってしまっているから投機を行う以外に方法がないのだ。
紙幣の印刷は本来は禁じ手だが、アメリカも日本も背に腹は変えられず紙幣の大増刷をしてきた。
しかしやりすぎればリーマン・ショックだからFRBは「この辺が潮時」と引き締めに入ったとたんに商品市況と株式市況が大崩れになっている。
このまま紙幣を印刷し続けるか、それとも印刷を止めるか、それが問題だ
FRBのイエレン議長のさじ加減を世界が注目している。

 

 

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評論 世界経済」カテゴリの記事

コメント

アメリカは、今のバブルを少しでも長持ちさせようと必死になっていますね。
自動車を購入するときの審査を甘くした、いわばサブプライムローン自動車版を容認しているところなどは、過去の教訓が全く生かされていませんね。
住宅ローンほどに金額は大きくならないんでしょうが、かなり危ないですね。

またIBMのような大企業が、低金利で調達してきた資金で自社株買いをして、一株当たりの利益率を上げることで株価上昇をはかっていますね、これなどはほとんど詐欺ですよね。
ちなみにIBMは、3兆円の資金を借りてきて、同額の自社株買いをしたそうです。

そういう状況を見ていれば、不安心理が出てくるのは当たり前ですよね。

投稿: 三太郎 | 2014年10月19日 (日) 09時20分

現実の経済は税金を納めるにも、投資をするにも価値のトレードオフが発生してしまう。支出の元となる資金の準備のために他の資産が売られたり、他の財やサービスへの支出が減少することが起こる。米国の量的緩和が米国民の支出の原資を提供し、支出の原資となる資産価格の下落を防いでいた。

米国経済は今月の量的緩和の打ち切りで、デフレ化の傾向が鮮明になると予想できる。長期金利が低下しているのもそのためだ。

トレードオフの原則の復活は米国の国内ばかりか全世界まで波及することになるだろう。この過程は米国内外のバブル崩壊そのものだろう。

金融危機回避と無関係の量的緩和は時間の無駄食いで、増税の伴わない景気対策は後に禍根を残す。

投稿: pij | 2014年10月19日 (日) 20時17分

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