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(26.10.31) ヨーロッパ経済の暗雲 「このままでは大恐慌時代に逆戻りだ!」

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 ここに来てヨーロッパ経済に暗雲が垂れ込め始めた。地震でいえば余震が発生して大地震の前触れではないかと危惧される状況だ。
余震は二つの波を伴っており、一つはGDPが全く成長しないかあるいは低下していること、もう一つはそれと裏腹だが物価がマイナスに転じ始めたことである。
特にスペイン、ポルトガル、ギリシャと言った南欧諸国の物価低下が著しく、フランスもドイツも1%以下であり、ECBが目標としている2%にはるかに及ばない。

 ヨーロッパの政策担当者からは悲鳴が上がっており、フランスのパルス首相は「ヨーロッパ経済は異常な状態で、それは弱い成長と深刻なデフレだ」と述べているし、ポーランドのシュチュレク財務相は「ヨーロッパはデフレの瀬戸際にある。われわれヨーロッパ人は75年前に不況とデフレが全体主義体制に権力を与え、世界大戦で大陸を破壊したことを忘れてはならない」とナチスを持ち出して警告した。

 実際ヨーロッパでは選挙を行うたびに右翼政党が躍進しており、右翼政党のスローガンは「移民の排斥とEUからの離脱」だから、シュチュレク財務相の警告が現実のものになりつつある。
デフレになると経済活動は停滞し企業はより経済が活発な新興国に出ていってしまうので国内から職場が消えてしまう。その残された職場は賃金の安い移民労働者が埋めてしまうので、ヨーロッパの若者には職場がなくなる。
我々に職場を与えろ」がギリシャの大学生のストのスローガンだ。

 今やフランスやイタリアやスペインと言ったGDPが停滞している諸国は緊縮財政を放棄してECBに紙幣印刷経済の導入をすべきと口をそろえているが、これに断固反対しているのがドイツだ。
ドイツ人はその性格からして質実剛健で労働を好み、南欧諸国の国民のような遊んで金儲けをしようという態度を好まない。
だめです、財務赤字はGDPの3%以内に抑えるべきだし、ECBの印刷経済なんてとんでもない。そんなことをすればリーマン以前に逆戻りです」メルケル首相は一歩も引く気配がない。

 確かに印刷経済に突入するとアメリカがそうであるように株価や不動産価格は上昇してGDPは増加する。日本でも安倍政権がこの印刷経済に入ったとたん株価は急上昇し、また長期低迷していた不動産価格が上昇し始めた。
高度に発展した先進国経済にはそれ以外の投資物件はほとんどないので、市中にばらまかれた資金は株と不動産投資に集中する。
こうした物件も売買されて利益が出ればGDPにカウントされるから、一見すると経済は好調のように見える。

注)アメリカはさすがに印刷経済が行き過ぎたと通貨膨張策をストップさせた。

 だが反対に言えば高度に発達した先進国経済を伸ばすのはこれしかなく、通貨供給という麻薬で一時的なユーフォリアに浸る以外にないのだ。
トインビーがいったように文明は生まれ成長し繁栄した後は衰退する。一方的な繁栄の継続はあり得ないのだが、そのあり得ない継続を行うために印刷経済を半永久的に続けるのがこの資本主義経済の宿命だ。
かくしてヨーロッパもアメリカと日本の轍を踏もうとメルケル首相の尻をせっついている。

注)ドイツの苦悩については先日記事を記載しておいた。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/10/post-b2f9.html

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