« (26.9.8) ロドリゴ自転車周遊記 その12(最終回) 神栖市 旭市 東金市 そしておゆみ野 | トップページ | (26.9.10) 世界史の分水嶺 スコットランドの住民投票 分離時代の始まりになるか? »

(26.9.9) 西欧型民主主義の限界 イスラム国の台頭とアメリカの苦悩

Dscf5586
(北海道 小樽の近くの欄島の海水浴場)

 西欧型民主主義体制が矛盾に満ちたものだと明確に分からせる事例はイスラム国の存在だ。
もともとシリアのアサド政権が西欧型民主主義に違反する独裁政権だとして、アメリカと西欧は反体制派に武器の援助をしてきた。
しかし援助を受けた反体制派勢力が肥大し、ついにイラクに攻め入ってイスラム国を建設しアメリカ人ジャーナリスト二人の首をはねた。

 その映像がユー・チューブで流されるとアメリカ国内は激昂した。
しかしもともとはシリアのアサド政権打倒のために、資金や武器援助を反体制派に与えたことでイスラム教徒が本来の眠りから覚めただけだから、激昂する方がおかしい。
自業自得とはこのことで「これならアサド政権の方がよっぽどましだ」とアメリカは歯ぎしりをしている。

 アサド大統領は「イスラム過激派と最前線で戦っているのはシリアだ」と常日ごろから言っていたが、それがまさに真実だということが証明されたが、一方アメリカは自己矛盾に悩んでいる。
すでにクルド人やイラク政府を支援するとして空爆を再開したものの、イスラム国の本拠地であるシリア北部の空爆は理論的にできない
もしシリア北部の空爆を行うとそれはアサド政権の支援になってしまい、独裁者アサドを打倒すると振り上げたこぶしの落としどころがなくなるからだ。
我が国はアサドを打倒するためにアサドを助けよう」などといえば子供でもびっくりする。

 しかしイスラム国とはよく言ったものだ。7世紀から8世紀にかけてアフリカ北部と地中海地方を席巻したサラセン帝国の再来のような集団で、イスラム教の教えを厳格に守って片手にコーラン、片手に剣をふるう熱狂的なイスラム教徒の集団だ。
この「片手に剣」は象徴的な意味でなく実質的な意味を持っており、イスラム教徒以外は人間でなく豚だから、いくら殺しても奴隷にしてもそれは神の意思として認められる。

注)イスラム国の台頭については前にもブログ記事を記載している。
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/07/post-61ef.html

 塩野七生氏の「ローマ亡き後の地中海世界」を読むとアフリカ北部を支配下に置いたサラセン人がビザンチン帝国の支配下にあったシチリアやイタリア沿岸の諸都市を襲い、抵抗するものは首をはね、従うものは奴隷にし、改宗したものはサラセンの兵士として第一線の危険きわまる戦場に送りだしていたことが分かる。

 現在イスラム国が異教徒であるアメリカ人の首をはね、そしてそれを実行したのが改宗したイギリス人であることはイスラムの伝統そのものだ。1200年の時を隔ててサラセンの亡霊が復活し、現在のローマ、アメリカに襲い掛かっている。
西欧型民主主義が最高のシステムと思っている人からすると、罪もないアメリカ人の首をはねることは許しがたい暴挙に見えるが、イスラム国からすれば異教徒であることがそもそも罪なのだから首をはねることは当然ということになる。

 社会システムとは実は相対的なもので、その中で西欧型民主主義はましなシステムというのに過ぎない。
私は今中学生に勉強を教えているのだが、公民や歴史の教科書を見ると西洋型民主主義を至上の価値と認めており、特に日本国憲法はその中で最高の法規のように記載してある。だが日本国憲法は敗戦国日本が二度とアメリカに歯向かわないことを目的に制定された憲法で、第9条で軍備を一切持たせないようにして、その代りアメリカが日本を軍事的に植民地支配するための規定だ。
この事実を教えないから教科書をいくら読んでもリアル・ポリティックが中学生に育たない。
価値は相対的なものなのに西欧型民主主義以外の価値が存在することが理解できなく、なぜイスラム国が現れるのか理解できないだろう。

 イスラム国は実にいいリアル・ポリティクスの教材だ。
アメリカは理念を守るためにイスラム国を何とかして封じ込めたいが、そのためにはシリア北部の拠点をたたかなくてはならない。
しかし拠点をたたくということは独裁国家シリアを助けることだから、アメリカが独裁国家に加担することになる。
理念国家アメリカにとっては実につらい選択だ。
独裁政治がイスラム原理主義を封じ込めていたのに、その独裁政治のくびきを放つとイスラム原理主義がアメリカに牙をむく。

 リビア、チュニジア、イラクと独裁政治が倒れたが、後にできたのはイスラム過激主義国家ばかりだ。
オバマ大統領は今「独裁国家を倒してサラセン帝国を復活させるのに何の意義があるのだろうか」と苦吟している。
だが本当は独裁国家を倒せば西欧型民主主義になると考えたのが浅はかなのだ。イスラムの世界では独裁政治こそがアサド大統領が言うように「過激派を封じ込める唯一の手段」なのだから。

別件)第4回ちはら台・おゆみ野ハーフマラソンのお知らせ。

以下の日程でハーフマラソンを開催いたします。
① 10月5日(日曜日)
② 午前10時スタート(雨天決行.受付は9時半から)
③ スタート・ゴール ちはら台走友会のかずさの道の集合場所(前回と同じでセンドーのうえ。地図参照)

ルートは以下の地図で確認できます

http://latlonglab.yahoo.co.jp/route/watch?id=6d18ea2157947c484ad9c4ec04b246ef
④ 費用300円(実費)
⑤ 参加希望者はこのブログのコメントかメール機能を使用して参加希望を連絡してください。

⑥ なお本大会はすべて自己責任です。

|

« (26.9.8) ロドリゴ自転車周遊記 その12(最終回) 神栖市 旭市 東金市 そしておゆみ野 | トップページ | (26.9.10) 世界史の分水嶺 スコットランドの住民投票 分離時代の始まりになるか? »

評論 中東・アフリカ アラブの春 シリア」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



« (26.9.8) ロドリゴ自転車周遊記 その12(最終回) 神栖市 旭市 東金市 そしておゆみ野 | トップページ | (26.9.10) 世界史の分水嶺 スコットランドの住民投票 分離時代の始まりになるか? »