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(26.8.28) 受験産業界は生き残れるか? 代々木ゼミナールの経営規模縮小

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 受験産業もここまで追い込まれていたのかと感無量だった。
このたび受験産業界の雄、代々木ゼミナール27つある校舎の20を閉鎖し15年度からの受験者の受け入れを停止すると発表したからだ。
代々木ゼミナール駿台予備校河合塾と並んで受験産業界の御三家だったが、その一角が崩れたことになる。

 すでに駿台と河合塾との間にはかなりの格差が生じていて、2013年の東大合格者数は代々木ゼミ369人、駿台1257人、河合塾1101人になっていたから、代々木ゼミの規模縮小は時間の問題だったが、7割もの校舎の閉鎖には驚いた。
不採算部門の切り捨ては企業が生き残る常套手段だが、何かソニーやパナソニックやシャープを彷彿させるドラスティックな対応だ。

 受験産業界が構造的不況業種になることは数年前から指摘されていた。日本社会が少子高齢化を迎え何しろ子供がいないのだ。
平成初期に団塊ジュニアが受験していたころは約200万人いた子供が現在では約120万人だから4割も子供が減っている。
そのため受験倍率は年々低下し、1976年2.15倍、1992年1.94倍だったのが2013年には1.16倍になっておりこれなら高望みしなければどこかの大学に入れる。

 大学の方も生徒の囲い込みに躍起となっており推薦入試やOA入試が花盛りでひどい青田買いをしているから、学力がなくても大学に入れるため受験勉強をしなくなった。
平成12年度の青田買いのウェイトは34%だったが平成24年度には44%と10%も跳ね上がっている
受験生の半分は青田買いで大学に入り、残りの一般受験生も少子化の影響で急速にいなくなっているのだから予備校に来る人はますます少なくなる。

 さらに教育費を負担する親の懐は停滞の20年間は全く増加せず、かえって減少していたのだからとても負担に耐えられない。
お前、予備校の費用は大学並なんだからとても払えない。どこでもいいから大学に入ってくれ」ということになる。
これでは一部の特殊なノウハウがある予備校以外生き残ることは不可能で、国立大学の理系、それも医学部に強い予備校以外は生き残れないだろう。

注)私が受験していた50年ほど前は駿台予備校に入ると何か著名大学に入ったようなプライオリティがあった。

 
 従来から日本の大学生の質は相当低く、特に文系の学生の能力は高校生レベルからほとんど向上していない。
そうした低レベルの大学生を企業が雇用する余裕はだんだんなくなって、真面目に勉強している理系の学生に企業の雇用がシフトしている。
それなら何も東京の有名な私立大学でなくても地方の国立大の理科系でいいじゃないか」というのが最近の傾向だ。

 代々木ゼミナールは東京の有名私立の文科系に強いという定評があった。早稲田や慶応や上智と言ったところだが、そのことが代々木ゼミの経営の圧迫要因になってきたようだ。
少子高齢化と経営戦略の失敗で代々木ゼミの経営は悪化していったのだが、はたしてこうした受験産業界に未来はあるだろうか。

 非常に単純に言えば一般の企業と同様に子供が少なくなる国から多くなる国への経営資源の移転をするしか対応策はなさそうだ。
家電や自動車産業が主として新興国に移転したように、この業界も子供が多くいて大学進学熱が激しい場所で生き残ることしか考えられない。
幸い受験のノウハウは十分に蓄積しているのだから、東南アジア、特にインドネシアやタイやミャンマーやフィリピンあたりが対象になるだろう。

注)韓国や中国はこちらの方が受験戦争が厳しく携帯を使った不正や替え玉が横行していて日本の正統的な受験技術の上をいっている。

 受験産業もグローバル化して生き残るよりほかに対応策がなくなってきたのだと感慨深かいが、果たして代々木ゼミはそうした戦略を練っているのだろうか?

 

 

 

 

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