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(26.8.26) 石炭火力発電所が日本を救うか? 石炭ガス化複合発電の未来!!

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  貿易収支が25か月連続で赤字になっている。26年7月も速報ベースで約1兆円の赤字だ。従来は貿易収支が赤字でも所得収支海外からの利子や配当)で経常収支は黒字だったが、昨年下期からからこの構図が崩れ、今年上期1月~6月)も約5700億円の赤字が続いている。
経常収支が赤字ということは国内から富が流出していることだから、個人でいえば預金を食いつぶしていることになる。

 貿易収支がどうしても好転しない原因は石油やLNGやナフサの輸入が量、金額とも増加傾向にあって輸出がいくら伸びても輸入金額を賄えなくなってきているからだ。
日本経済の骨格は原子力発電を前提に出来上がっており、福島第一原発の事故前までは3割を超えており、事故が起こらなければ5割に達する予定だった。

 一方石油とLNGは震災前4割程度だったがこれが現在は6割5分を超えて圧倒的なシェアになり日本の急激な需要増加が石油やLNGの価格を高止まりさせて、日本経済を圧迫させている構図になっている。

注)発電量のシェアの推移
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20130708-00010004-wordleaf-soci.view-000

 私は個人的には原子力発電所を再稼働させて高価な石油とLNGによる発電割合を下げないと日本経済が崩壊すると危惧しているが、多くの日本人の原子力発電に対する対応は「もうまっぴら」というのが実態だ。
このため安倍政権の円安政策も化石燃料の輸入価格のUPによって貿易収支を黒字化することに失敗しており、さらに経常収支まで赤字になっているのでアベノミクスに黄信号がともっていると言っていい。

 そこで現在日本経済再生の切り札と急激に脚光を浴びてきたのが、石炭火力発電所の建設とその輸出だ。石炭火力発電は震災前も震災後も25%前後のシェアだが、これを拡大して原子力発電に代替しようとの試みである。
石炭火力発電などと聞くと一世代前のイメージがあって19世紀のイギリス経済を彷彿とさせるが実際は違う。

注)世界の石炭火力発電の実態は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/05/post-bbdc.html

 石炭価格は石油価格に比較すると相対的に安定しており、世界各地で産出されるので独占価格にならない。一方LNGは日本は石油に連動したアジア価格で購入されているため、世界的に見て最も高価格の支払いを強いられている。
LNGの値下げ交渉はしているが完全に足元を見られており原子力発電の再稼働がない以上売り手は超強気の交渉を繰り返している。

注)なぜ日本が高価格のLNGを輸入し続けている理由は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2014/03/post-d271.html

 石炭火力発電所の最大の弱点はCO2の発生が多いことで、地球温暖化対策として先進国では石炭火力発電所は原子力発電に代替されていく傾向にある。
しかし日本ではこの選択肢がなくなった以上石炭火力発電所の効率アップと二酸化炭素排出量削減の技術開発が急務になってきた。

 現在日本の石炭火力発電の技術は世界最先端になっており、たとえば硫黄酸化物の排出量は世界最小でWH当たりグラム数は日本が0.2gなのに対し世界最大の石炭火力発電大国アメリカは1.7gで日本は約9倍の効率を誇っている。
発電効率も42%程度で、中国の34%、インドの27%に比較すると圧倒的に高い。

 さらに日本では現在の超超臨界圧発電をさらに進化させた石炭ガス化複合発電という技術が実用化段階にあり、これだと発電効率を最大48%程度までアップでき、なお実験段階の石炭ガス化燃料電池複合発電では55%まで発電効率を上げることができるという。
発電効率を上げれば燃料費の節約になるだけでなく、二酸化炭素等の排出量を抑えることができるため一挙両得の技術といえる。

 それなのになぜ石炭火力発電所の建設が進まなかったかといえば建設コストがLNG発電所の約2倍程度かかるからで、それよりも原発の再稼働の方が手っ取り早いからだ。
しかし原発はいくら待っても再稼働ができそうもなく、経常収支は赤字になってしまっているので東電が重い腰を上げた。

 東京電力は老朽化して使用停止になっている横須賀の石炭火力発電所を新設の石炭ガス化複合発電に再開発する予定で、この技術を持っているJパワーと東電で約2000億円の投資で2020年台までに稼働させる予定だ。
こうした投資で将来は石炭火力発電を拡大させようとしているが、だがそれまでの間をどうつなぐかの問題が残っている。
現在の環境下では何としても石化燃料の購入費用を低下させる必要があり、原子力発電の一部再稼働や、LNG発電の発電効率のアップ等あらゆる選択肢をミックスして対応する必要がある。

 世界の発電事情はその時の経済・政治情勢に大きく左右されるから石炭火力発電が世界の潮流になるかどうかは未知数だが、日本のように原子力発電再稼働が困難な状況下では選択肢を広げておくのが必要だろう。
運がよければ日本が石炭ガス化複合発電で世界のトップに躍り出る可能性も否定できないところがミソだ。

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評論 日本の経済 日本再生」カテゴリの記事

コメント

山崎さんの主張に賛同する部分は多い。しかしながら「原発」に関しては、賛同できない。

氏は原発を再稼働させ、LNGの割合を下げないと、「日本経済が崩壊する」としている。私は
もう一度、日本で原発のメルトダウンが起これば「日本社会が崩壊する」といいたい。

「日本経済が壊滅的に崩壊」したことはあったが、敗戦後立ち直った。社会の崩壊はあっては
ならないことである。つまりやり直しがきかないのである。

フクシマのかの地周辺は、極東のチェルノブイリになっており、永久に蘇生することはない。
解決する技術も確立されていない。もしフクシマに何かが起これば、東京五輪等一発で吹っ飛ぶ!
すざましい破壊力だ!

又、官民複合体の推進体制も無責任で、今まで誰も責任をとっていない。その無責任体制
のままでは再発の危惧を払拭できない。

投稿: 同期の桜 | 2014年8月26日 (火) 21時18分

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