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(26.7.18) 農業を成長産業にする最大の疎外要因はJAグループ。企業農業振興のために!!

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 私は安倍首相が「農業は成長産業であり、この産業育成がぜひとも必要だ」という信念にはいささかの疑いも抱いていないが、実際の現場は安倍首相の意図とは反対に面従腹背になっている。
従来日本の農業政策を実質的に支えてきたのは農協を中心とするJAグループであるが、JAグループにとってこの政策は自らの基盤を崩すという意味で絶対に容認できない政策だ。
JAグループにとっては農業は成長しては困り、衰退する方がメリットが大きい

 JAグループは農家の維持には熱心に取り組んできたが、農業の振興については全くと言っていいほど手を抜きてきた。
農業でなく農家こそがJAグループの基盤なのだ。
一般の人はこの意味がさっぱり分からないだろうが、JAグループの収益源は共済事業と金融事業であり、農業生産にかかる農産物の販売や農業資材の取り扱いは完全に赤字事業になっている。

注)日本農業の実態については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/05/post-5127.html

 日本の農業は担い手が毎年のように減少しかつ高齢化しているために、そもそも農業を行う人材がいなくなっている。
私は千葉市郊外のおゆみ野というところに住んでいるが知り合いの農家から「山崎さん、あんたは定年退職して暇なのだから、コメを作ってくれないか。耕作者がいなくなった農地があちこちにあって、このままではすべて休耕田になってしまう」と誘われている。

 このような状況だから都市近郊の農協は全く農業に関心を示さない。共済保険の獲得と農協貯金だけが主要事業で、農業資材の販売や農産物の販売は片手間だ。
本来ならば撤退したい事業だがこれがないと農協の看板を下ろさなければならないので致し方なくやっている事業だ。

 だから農協にとって一番大事な顧客は兼業農家でそれも農業のウェイトが小さければ小さいほど好ましい。サラリーマンとしての所得があるから保険にも貯金にも応じてくれる最高の顧客と言っていい。
反対に農業など真面目にしている農家があると貸付金が焦げ付いているのがほとんどだから、倒産会社の管理をしているようなもので手間暇ばかりかかって収益の圧迫要因になる。

 だからいくら安倍首相が農業は成長産業だといっても、JAグループにとって最も大事なのは農業をしているふりをしている農家で、間違っても真面目に農業に取り組んでいる農家ではない。
だから中央会を中心とするJAグループは農業振興阻害要因になっているので、安倍首相は当初この中央会を解体しようとしたが、族議員と農水省の大反対で中央会の解体は取りやめた。

 族議員が反対するのはJAグループが重要な票田でこれが解体してしまうと地盤がなくなるからであり、一方農水省が反対するのは農家がなくなって企業農業ばかりになればそもそも農水省がいらなくなるからだ(企業農業は通産省の所管になる)。
そして農家が農家でいることを望むのは住居と農地の固定資産税が圧倒的に低いからで、一般サラリーマンの固定資産税と比較したら課税されていないようなものだ。
だからJAグループも議員も農水省もそして農家にとっても農家の存在は重要で「農業などしなくてもよいから農協の組合員でいて農家のふりをしてください」ということになる。

注)農家の実態については以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/04/post-c0f8.html

 だがこれではどのようにしても農業が成長産業にならない。成長産業にするには真面目に農業に取り組む企業農業がぜひとも必要だが、そうなると零細農家は不必要になり農家が淘汰されてしまう。JAグループも農水省も不要になるのだからこうした既存の組織が企業農業の足を引っ張るのは当然だ。

 安倍首相はJAグループの頭を切り落とそうとして中央会の解体を目指したが、これには失敗した。何しろJAグループは自民党の鉄壁の支援組織だからタコが自らの足を食べるようなところがある。
結局できるのはJAグループを農村地帯の社会インフラとして蘇生させ、老人福祉の担い手とするくらいだろう。農村地帯は老人しかいないのだから必要なのは生産の担い手ではなく福祉の対象だからだ。

 一方農業生産の担い手は通産省所管の企業農業に移し、農地法を改正して農地を企業が自由に売り買いできるようにすることだろう。従来は農地の自由な販売を認めると宅地としての利用になってしまったが、今は人口が減少して宅地の需要はなくなっている。
特に農村地帯では皆無と言っていい。
JAを農業の担い手と位置付けていては未来永劫に農業の振興など不可能で、農業を成長産業にすることなどできるはずがない。

 

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コメント

郊外に野菜や果物を主に作っている農村地域があります、旬の時期には農家の軒先に収穫物の直売をします。
とれたて新鮮ではあるが、価格はスーパーと大して変わらない。
「あそこの家は安く売っているよ」、地元の方から情報をもらって行ってみると確かに安い。でも看板も何も無く、主人に聞いてみたら「農協に見つかるとうるさいからね」 なるほど農産物の価格は農協が仕切っているんだと理解しました。 観光地や田舎にある道の駅やドライブインで売っている地元の農産物が大して安くないのも農協のおかげですね。

投稿: 尾張屋 | 2014年7月20日 (日) 00時55分

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