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(26.7.4) イラク・マリキ政権の崩壊と国連の機能停止 だれも「イスラム国」を止められない

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 イラク情勢が緊迫化しているが、それに対して毎日新聞が社説で「国連は傍観するのか?」と嘆いて見せた。国連を持ち出せば何でも解決すると毎日新聞も思っていないはずだが、何か言わないと格好がつかないので言ってみただけだ。
国際紛争を解決する手段として国連が積極的な役割を演じられるのは、安保理が全員一致で武力行使を可決した時だけだが、アメリカとロシアと中国の利害が一致する案件などほとんどない。

 実際シリア制裁にはロシアと中国が大反対で、アメリカが「空爆する」と息巻いたものの結局何もできずに内戦が続いている。すでに死者14万人、避難民900万人を出した内戦に国連は手出しができず、ただ避難民キャンプを設営しているだけだ。
シリアのアサド政権と戦っていたスンニ派の過激派組織は次第に勢力を拡大して、シリアとイラク北部にまたがる解放区を作ってしまい「イスラム国」の樹立を宣言した。
首長は「カリフ」というのだからオスマントルコの時代に戻ったようだ。

注)オバマ政権がシリア空爆に失敗した経緯は以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/09/post-fdc3.html

 毎日新聞が言う「国連とは実際はアメリカ」のことだが、アメリカはアフガンとイラク戦争につかれてしまって全く覇気をなくしている。
ブッシュ前大統領までは意気軒昂だったが、オバマ大統領は国内のオバマケア一つ満足に議会を通過させることもできず、完全にレイムダックに陥り、国際紛争に介入する気持ちは全くない。

注)オバマ大統領のレームダックについては以下参照
http://yamazakijirounew.cocolog-nifty.com/blog/2013/10/post-0557.html

 スンニ派過激派組織がイラクのマリキ政権を脅かして首都バクダットに接近しても、したことは軍事顧問団300名を派遣しただけだ。
これはアメリカ人(大使館員や民間人)がイラクから逃げ出す時にその手助けをするための要員で、戦闘部隊ではなく撤退補助部隊だ。

 一応「あらゆる選択肢を残しており、空爆も辞さない」と強がって見せたが、シリアの時と同様に本気で空爆を行うつもりはない。
何しろマリキ政権は実質的にイランの息のかかった傀儡政権で、イランの中東支配の橋頭保だから、アメリカが支援する理由は全くないのだ。

 思えばアメリカもばかな戦争をしたものだ。イラク戦費は合計3兆ドル300兆円)もかけたのに、その結果できた政権はシーア派のイラン傀儡政権なのだから何をしたのかさっぱり分からなくなった。もともとは石油利権の確保のための戦いだったが国内でシェールガス革命が進展し、中東に石油を求める理由がなくなり、中東の石油は中国と日本がその主要な購入先になっている。
中国や日本のためにイラクで戦う必要はない」というのが本音で、アメリカの本格介入はあり得ない。

  だから毎日新聞が犬の遠吠えのように「国連は傍観するのか」といくらいっても、アメリカが全くその気がないのだから傍観せざる得ないのだ。
思えばパックスアメリカーナの時代はアメリカの一声で世界から紛争がなくなる実にいい時代だった。
あのリビアのカダフィ大佐でさえアメリカの空爆にすっかりおびえて牙が抜かれたほどだが、今は誰もアメリカを恐れない。
ウクライナではプーチン大統領が思うままに領土拡大をしているし、ベトナムとフィリピンでは習近平主席が両国から島を掠め取った。

 世界は地域覇権主義の時代に入り、中国は東アジアの覇権国家を目指している。韓国はすでに中国の朝貢国家になり、次は台湾が狙われている。
日本に対しては沖縄独立運動に火をつけようとしている。
国連」など何の役目もなくなり「ただ傍観する」以外に何の役割もなくなった。

 
 

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コメント

イスラム国って、収入のない、レミングの行進してるように見えるんですけど、国として発展というか、人々を幸福にするような国なんでしょうか?   (西洋教育ダメと聞いただけで、この国は無理だなと、感じたんです)

投稿: こんりっぷ | 2014年7月 4日 (金) 11時38分

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