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(26.7.23) 中国の目指すBRICS開発銀行とアジアインフラ投資銀行の実態

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 中国は一体何を狙っているのだろうか。このところ中国主導の国際金融機関設立のニュースが相次いでいる。
BRICS各国中国、ロシア、インド、ブラジル、南アフリカ)が共同で開発銀行を設立するという。
各国の出資比率は平等で100億ドルであり、他に必要な資金を1000億ドル集めてIMFに対抗するBRICS開発銀行を設立するのだそうだ。
本部は上海に置かれ総裁はインドから選出するという。

 だがこの規模はIMFに比較するとあまりに少ない。IMFは出資金3700億ドルであり、各国からの借り入れが5700億ドル、さらに4300億ドルの追加借り入れを検討中だから、全体で13700億ドルの規模だ。BRICS銀行に比較して10倍程度の規模であり、必要があれば更なる資金調達ができる。

 
 IMFはアメリカ主導の世界的金融組織で、特に各国がデフォルトに落ちた時の救済機関としての役割を果たしてきた。国家の倒産に対する金融面からのサポート機関である。
しかしその融資条件は厳しくIMF管理下に置かれると緊縮財政を徹底させるため、国内では失業問題が先鋭化する傾向が強い。

 最近のIMFの出資比率はアメリカ17.7%、日本6.6%、ドイツ6.1%、イギリス4.5%、フランス4.5%、中国4.0%で実質的に先進国クラブであり、中国やロシアの発言権はほとんどない。議決は出資比率に応じた議決権だから、4%の中国の意志は全くと言っていいほど通らない。
中国やその他のBRICS諸国はこれに不満で12年に出資比率の改定をIMFでは決めたが、アメリカ議会の了承を得られないことから中国の要望は聞き入れられていない。
中国の進出をアメリカは本音では嫌っているからだ。

注)日本や西欧諸国はアメリカに追随するが中国はこのIMFの秩序に異議を唱えている。

 今回発足させるBRICS開発銀行ではIMFの厳しい条件ではなく、相手国の実情に合わせた融資条件で貸し出しを行うということだが、実際はそうした融資はほとんどが焦げ付いてしまい返済が行われない。
そうなるとBRICS開発銀行は更なる出資を募ることになるが、そうした出資が無制限に行われることになる。

 覚えておられるだろうか。東京都知事だった石原氏が大手銀行が中小企業に対する貸し渋りを行っているとして新銀行東京を設立し、無担保融資を繰り返して返済がとどこおり実質的に倒産させた。その後新銀行東京は安全確実な大会社への融資か担保のある融資しかしなくなり実質的には消滅した。
あの新銀行東京の世界版がこのBRICS開発銀行である。

注)新銀行東京の倒産の経緯は以下参照
http://yamazakijirou.cocolog-nifty.com/blog/2008/03/20327_6c2c.html

 IMFが厳しい条件を付けるのはかつて放漫融資で貸付金が回収できなくなった反省から来ており、さら出資金だけでは不足する資金を各国から調達している以上踏み倒されたら困るからだ。
甘い融資は借款と何ら変わりがないのだから、BRICS開発銀行が本当に融資など始めたら新銀行東京並にすぐに倒産するだろう。

 中国はこのBRICS開発銀行以外にさらにアジアインフラ投資銀行を設立するという。これはアジア開発銀行に対抗して中国主導の融資を行うとの意図だが、アジア開発銀行が日本とアメリカの実質的支配のもとにあるため、中国は手も足も出せない。
それならと設立を目指しているのがこのアジアインフラ投資銀行である。

 BRICS開発銀行は銀行というよりはBRICS各国の互助機関のようなものになるだろうが、インフラ投資銀行はかなり本気だ。アジアの金融覇権を日本から奪い取って金融大国になるのが目的で、 中国はこのアジアインフラ銀行の出資比率を50%にすると表明している。
完全な中国主導のインフラ投資銀行ですべての決定は中国が行う。

 アジア開発銀行に対抗して中国が融資を行うというのだから、アジア開発銀行(日本)としては内心穏やかではないが、表面的には静観している。
実際は緩い融資を行えば融資金が焦げ付き、一方厳しければ相手国の反発を呼ぶから融資も並大抵のことではなく、IMFやアジア開銀は条件を厳しくしてきた。
中国が目指しているインフラ投資銀行とは実際は中国の借款を他国を巻き込んで行おうということで、追随する国家は中国組の韓国ぐらいしか考えられない。
だからお手並み拝見というのがアメリカや日本の立場だ。

注)アジア開発銀行の出資金は1500億ドルを越え、さらに借り入れや債券発行を行っているが、実際はここまで来るのも大変だったのだ。



 

 

 

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